機器管理のしくみ
1. 概要
YNOでは、無線APを「グループ」および「クラスター」で分類し、まとめて監視・設定できます。
グループやクラスター単位で以下の操作ができます。
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無線APの状態(アラームや接続台数など)の確認
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ファームウェアを一括で更新
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CONFIGを一括で設定
無線APの管理で使用する用語は、以下のとおりです。
名称 | 説明 |
---|---|
クラスター |
同一ブロードキャストドメインに接続されている無線APが、自動的に形成する管理単位です。 |
グループ |
複数のクラスターをYNOマネージャーで一括管理するための単位です。
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リーダーAP |
クラスター内でCONFIGを管理する無線APです。1つのクラスターに1台だけ存在します。 |
フォロワーAP |
リーダーAP以外の無線APです。 |
クラスターバージョン |
ファームウェアリビジョンごとに設定される値です。
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グループCONFIG |
グループ内の無線APで同期されるCONFIGです。詳しくは、 「グループCONFIG」 を参照してください。 |
クラスターCONFIG |
クラスター内の無線APで同期されるCONFIGです。詳しくは、 「クラスターCONFIG」 を参照してください。 |
グループ、クラスター、無線APの関係は、以下のとおりです。
リーダーAPは、クラスター内で自動的に選出されます。リーダーAP以外の無線APは、すべてフォロワーAPとして動作します。
クラスター内でリーダーAPの障害を検知した場合、フォロワーAPの中から新しいリーダーAPが自動的に選出されます。旧リーダーAPが障害から復旧しても、リーダーAPは切り替わりません。
2. 無線APを管理する流れ
YNOで無線APを管理する流れは、以下のとおりです。
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YNOマネージャー経由で無線APのGUIを開き、 グループCONFIGを設定します。
2.→1. の順に実施した場合も、問題なく動作します。
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各手順についての詳細を、以下に記載します。
2.1. 無線APをYNOマネージャーに登録する
YNOマネージャーに無線APを登録します。
このとき、機器をグループに割り当てることで、複数のクラスターをまとめて管理したり、YNOマネージャー経由でCONFIGを設定したりできます。
登録できる無線APの上限は、YNOのライセンス数です。 |
グループ未割り当ての場合、以下の制限があります。
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2.2. 無線APをYNOマネージャーに接続する
無線APをYNOマネージャーに接続します。
機器をインターネットに接続する
と、自動でYNOマネージャーに接続されます。
事前に機器がYNOマネージャーに登録されていると、機器が管理対象になります。
機器をYNOマネージャーに接続してから、登録を行った場合も、機器が管理対象になります。 |
機器の管理状態の種類は、以下があります。
管理状態 | 説明 |
---|---|
未接続 |
機器を登録後、1度もYNOマネージャーに接続していない状態です。
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管理対象 |
YNOマネージャーに接続後、YNOで管理している状態です。
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管理対象外 |
YNOマネージャーに接続後、何らかの理由で管理対象になれなかった状態です。
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リーダーAPが管理対象ではない(未接続または管理対象外)場合、フォロワーAPは管理対象外となります。 |
2.3. YNOマネージャーから無線APにグループCONFIGが送信される
リーダーAPが管理対象になったとき、YNOマネージャーからリーダーAPにグループCONFIGが送信されます。
リーダーAP(および、同一クラスターに属するフォロワーAP)のグループCONFIGは、YNOマネージャーから送信されたグループCONFIGで上書きされます。
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グループCONFIGだけが送信されます。クラスターCONFIGは送信されません。 |
2.4. 無線APのGUIでグループCONFIGを設定する
YNOマネージャー経由で無線APのGUIを開き、
グループCONFIGを設定
します。
グループCONFIGを設定すると、グループCONFIGの同期処理が行われます
。
グループ未割り当ての場合、グループCONFIGの設定ができません。 |
3. 注意事項
同一クラスターの機器は、すべて同じグループに割り当ててください。
フォロワーAPに割り当てたグループが、リーダーAPに割り当てたグループと異なる状態を、「グループ割り当ての不一致」と呼びます。グループ割り当ての不一致が発生している状態で運用すると、以下の例(※) のように、意図していないグループCONFIGが送信されるなどのトラブルが発生することがあります。
「機器管理」画面で、グループ割り当ての不一致があるかどうかを確認できます。
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(※) 例として、以下の機器A, B, C で構築されているクラスターについて考えてみます。
機器 | 役割 | グループ割り当て | YNOマネージャーから送信されるグループCONFIG |
---|---|---|---|
A |
リーダーAP |
グループ1 |
グループ1 |
B |
フォロワーAP |
グループ1 |
グループ1 |
C |
フォロワーAP |
グループ2 ★不一致 |
グループ1 |
YNOマネージャーは、リーダーAPに割り当てたグループでクラスターを管理します(「機器管理」画面でも、リーダーAPに割り当てたグループが、クラスターの所属グループとして表示されます)。
したがって、このクラスターの所属グループは「グループ1」です。各機器には、「グループ1」のグループCONFIGが送信されます。
この状態から、リーダーAPが変わるケースを考えてみます。
以下は、グループ割り当ての不一致を起こしているフォロワーAP(機器C)がリーダーAPになった場合の状況です。
本来は「グループ1」であるはずのクラスターに、「グループ2」のグループCONFIGが送信されてしまうようになります。
機器 | 役割 | グループ割り当て | YNOマネージャーから送信されるグループCONFIG |
---|---|---|---|
A |
フォロワーAP |
グループ1 |
グループ2 ★ |
B |
フォロワーAP |
グループ1 |
グループ2 ★ |
C |
リーダーAP |
グループ2 |
グループ2 ★ |
このように、グループ割り当ての不一致が発生している状態で運用すると、意図していないグループCONFIGが送信されるトラブルが発生することがあります。