1. 概要

WDS(Wireless Distribution System)とは、無線でアクセスポイント同士を接続する機能です。
WDS リピーター機能を利用することによって、無線の通信距離を延長したり、電波の届きにくいエリアをカバーできます。
WDS リピーター機能は、同機能を有効にしたVLANのデータを接続したアクセスポイント間で送受信できます。

2. 注意事項

  • WDS リピーター機能は同一機種同士の接続でのみ使用できます。

  • WDS リピーター機能を使用するときは、 スタンドアローンモード を有効にしてください。

  • WDS リピーター機能を使用するときは、無線で使用するチャンネルは双方とも同じチャンネルに設定しておかなければ通信ができません。また、 5GHz 帯の無線を使用する場合は、 DFS が働く可能性のあるチャンネルを設定していると意図せずチャンネルが変更されることがあるので、以下の点に注意してチャンネル設定を行ってください。

    • [基本設定]でのチャンネル設定は"自動"ではなく、双方の機器とも同じ固定チャンネルを設定すること。

    • 5GHz 帯の無線を使用する場合は、W52(36 40 44 48)のいずれかのチャンネルを設定すること。

  • WDS リピーター機能で使用する SSID は、ほかの WDS や VAP で使用されていない固有の値を設定してください。同じ SSID を使用していると、無線接続の際に処理が正しく行われない可能性があります。

  • WDS リピーター機能で接続できるAPは、親機から見て一段目の子機までです。多段接続はできません。

  • WDS リピーター機能の接続で使用できる無線インターフェースは、1個までに制限されています。

  • WDS リピーター機能で接続をするときは、図のように構成をループ状にしないように設定してください。ループを作ってしまうと大量のブロードキャストフレームが送信されることになり、通信障害が発生します。

    通信障害が発生する構成
  • Rev.21.00.04以前のファームウェアを使用しているときは、WDS リピーター機能とバンドステアリング機能の併用はできません。WDS リピーター機能を使用するときは、全てのVAPのバンドステアリング機能を無効にしてください。WPS機能が使用するVAP 9は初期状態でバンドステアリング機能が有効になっているためご注意ください。

3. 対応ファームウェアリビジョン

このページで説明する内容は、以下のファームウェアを対象としています。

モデル ファームウェア

WLX212

Rev.21.00.02以降

4. 詳細

WDS でアクセスポイント間を接続する場合は、一方を親機として動作させるために無線インターフェースを WDS アクセスポイントに、もう一方を子機として動作させるために無線インターフェースを WDS ステーションに設定します。
WDS アクセスポイントと WDS ステーションは1対1で接続します。
また WDS で接続するのは以下の VLAN ID で指定された一個の VLAN のみです。

WDS アクセスポイントと WDS ステーション同士は、以下の項目で同じ値に設定しておく必要があります。

  • WDS リピーター機能を使用する無線モジュール

    • チャンネル(固定のみ)

    • チャンネル幅

  • WDS リピーター機能を使用する VAP (仮想アクセスポイント)

    • バインドする無線モジュール

    • SSID

    • VLAN ID

    • 認証方式

    • 暗号化方式

    • PSK(事前共有鍵)

WDS アクセスポイント側では、WDS ステーションからの接続リクエストを許可するために、WDS ステーションの無線側 MAC アドレスを設定します。このとき、WDS ステーション側で接続用に割り当てられた MAC アドレスを連番で8個登録することになります。

WDS ステーション側では、 WDS アクセスポイントを見つけると自動的に接続シーケンスが動作します。 WDS アクセスポイント側では、登録している WDS ステーションの MAC アドレスリストを参照し、一致すれば WDS ステーションとの接続を許可します。

WDS で接続できるアクセスポイントは、親機から一段目の子機までとし、アクセスポイント間を 中継するような多段接続はできません。下図のような構成以外の接続形態での使用は未サポートです。

※ 無線インターフェースは WDS 用と VAP 用合わせて最大16個まで割り当てることができます。

WDS 機能を利用するには Web GUIから設定できます。

接続構成

6. 設定・操作方法

WDS リピーター機能の設定は仮想コントローラーのWeb GUIから行います。
無線の設定操作例については、「 無線LAN接続設定 」を参考にしてください。

6.1. 設定画面

仮想コントローラーの [無線設定] - [共通] - [SSID 管理] の VAP リストの設定項目で、編集または追加をクリックすると、VAP 設定の画面が表示されます。
WDS 接続をする場合は、インターフェースの動作モード設定項目で WDS アクセスポイントまたは WDS ステーションを選択します。

  • WDS アクセスポイントを指定したときは、 WDS の親機側としてインターフェースが設定されます。

  • WDS ステーションを指定したときは、 WDS の子機側としてインターフェースが設定されます。

※ VAP を選択したときは、通常のアクセスポイントと無線端末間の接続用にインターフェースが設定されます。

認証方式はオープンまたは WPA2-PSK を選択します。オープンを選択したときは、暗号化方式は none が自動的に指定されます。また WPA2-PSK を選択した場合は、暗号化方式は AES が自動的に指定されます。

インターフェースの動作モード設定項目で WDS アクセスポイントを選択したときに「 WDS ステーション MAC アドレス」の設定項目が表示されます。
接続を許可する WDS ステーションの、WDS リピーター機能を使用する無線モジュールの MAC アドレスを設定してください。

無線モジュールの MAC アドレスは、 Web GUIやシリアルコンソール、本体底面に貼付されているシールにより確認できます。Web GUIからは、[ 保守 ] - [ システム / ステータス情報 ] で "MAC アドレス" の項目を参照してください。シリアルコンソールからは、 show environment コマンドを実行し、"MAC-Address" の項目を参照してください。
2番目に表示されているアドレスが2.4GHz、3番目に表示されているアドレスが5GHzの無線モジュール MAC アドレスとなります。

  • Web GUIで無線モジュールの MAC アドレスを確認

    Web MAC アドレス確認 Web GUI
  • シリアルコンソールで無線モジュールの MAC アドレスを確認

    MAC アドレス確認 シリアルコンソール

(1) インターフェースの動作モードで WDS アクセスポイントを指定したとき

WDS アクセスポイント

(2) インターフェースの動作モードで WDS ステーションを設定したとき

WDS ステーション

(3) [設定送信] - [設定送信] で送信ボタンを押下することにより設定が反映されます。

設定送信

6.2. 状態表示画面

[保守] - [システム / ステータス情報] で WDS の情報を表示します。表示する内容は以下の項目です。

表示項目 説明

No.

無線情報の登録番号を表示します。

CH

使用しているチャンネルを表示します。

インターフェース動作モード

"WDS アクセスポイント"または"WDS ステーション"を表示します。
WDS の設定がない場合は、"WDS の設定はありません"を表示します。

ステータス

接続先との接続状態を表示します。

接続先 MAC アドレス

接続先の MAC アドレスを表示します。

SSID

設定している SSID を表示します。

VLAN ID

設定している VLAN ID を表示します。

受信信号強度

受信信号の強度を表示します。

WDS 情報