1. 概要

本製品はタグVLAN(IEEE 802.1Q)に対応しており、ひとつのLANポートで複数の異なるVLANを通信させることが可能です。
本ドキュメントでは、タグVLANを利用して通信するために必要な設定について記述します。

2. 注意事項

  • タグVLANを利用した通信を実現するためには、ルーターやスイッチなどのタグVLAN対応機器が必要となります。

  • タグVLANを利用した通信が正しく動作しない場合、本製品の設定のほかに、ルーターやスイッチの設定もお確かめください。

  • タグVLANの設定は仮想コントローラーから実施し、仮想コントローラーおよびアクセスポイントは同じVLAN設定を使用します。また、クラスター内のアクセスポイントは同じ設定を使用します。

3. 対応ファームウェアリビジョン

このページで説明する内容は、以下のファームウェアを対象としています。

モデル ファームウェア

WLX212

Rev.21.00.02以降

WLX413

Rev.22.00.01以降

WLX222

Rev.24.00.01以降

WLX322

Rev.25.00.02以降

WLX323

Rev.25.01.02以降

4. 詳細

4.1. 設定方法

仮想コントローラー Web GUIの[基本設定] - [クラスター設定]にて、VLANやIPアドレスを設定できます。

基本設定 - クラスター設定
基本設定 - クラスター設定

4.1.1. 仮想コントローラーとクラスターAPの共通ネットワーク設定

設定項目 説明

アクセスVLAN ID

Untaggedフレーム(タグなし)を扱うためのVLAN IDを設定します。

VLAN ID

IP通信で使用するVLAN IDを設定します。

デフォルトゲートウェイ

IPのデフォルトゲートウェイを設定します。
ドット付き十進表記(xxx.xxx.xxx.xxx)で設定します。デフォルトゲートウェイを設定しているときはDHCPサーバーから通知されたデフォルトゲートウェイのアドレスを使用せず、設定された値を使用します。

DNSサーバー

DNSサーバーのIPアドレスを設定します。
ドット付き十進表記(xxx.xxx.xxx.xxx)で設定します。
最大2ヶ所(プライマリ、セカンダリ)まで設定可能です。DNSサーバーを設定しているときはDHCPサーバーから通知されたDNSサーバーのアドレスを使用せず、設定された値を使用します。

Proxyサーバーのアドレス

仮想コントローラーとクラスター内のAPが使用するProxyサーバーを指定します。
指定はIPv4アドレスもしくはホスト名で指定できます。

Proxyサーバーのポート番号

「Proxyサーバーのアドレス」で指定したProxyサーバーが使用するポート番号を指定します。

4.1.2. 仮想コントローラーのネットワーク設定

仮想コントローラーが使用するIPアドレスを設定します。

クラスター内の各アクセスポイントのIPアドレスを変更するときは[基本設定] - [クラスターAP管理]より設定します。

設定項目 説明

DHCP (IPv4)

DHCPクライアント機能を有効にするか否かを設定します。
有効にした場合は、IPアドレス(IPv4)、ネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNSサーバーは入力できません。

IPアドレス (IPv4)

IPアドレスを設定します。
ドット付き十進表記(xxx.xxx.xxx.xxx)で設定します。

ネットマスク

ネットマスクを設定します。
ドット付き十進表記(xxx.xxx.xxx.xxx)または1~32の整数のどちらかの形式で設定します。

4.2. VLANの設定

通信に使用するVLAN IDが「アクセスVLAN ID」と同じかどうかによって、LANポート側の通信で送受信するフレームが変わります。
「アクセスVLAN ID」と同じVLAN IDを使用する場合は、Untaggedフレームを送受信します。
「アクセスVLAN ID」と異なるVLAN IDを使用する場合は、Taggedフレームを送受信します。このフレームを扱うためには、ルーターやスイッチなどのTagged VLAN対応機器が必要となります。

4.2.1. IP通信

「VLAN ID」が「アクセスVLAN ID」と同じ場合、IP通信はUntaggedフレームを送受信します。

VLAN (IP) タグなし
VLAN (IP) タグなし

「VLAN ID」が「アクセスVLAN ID」と異なる場合、IP通信はTaggedフレームを送受信します。

VLAN (IP) タグつき
VLAN (IP) タグつき

4.2.2. 無線で使用するVLAN ID

無線LANのVAP設定では、そのVAPで使用するVLAN IDを設定します。
無線の設定操作例については、「 無線LAN接続設定 」を参考にしてください。

SSID 管理 - VAP 設定
SSID 管理 - VAP 設定

「アクセスVLAN ID」と同じVLAN IDを設定した場合、無線端末によるLAN側の通信ではUntaggedフレームを送受信します。

VLAN (無線LAN) タグなし
VLAN (無線LAN) タグなし

「アクセスVLAN ID」と異なるVLAN IDを設定した場合、無線端末によるLAN側の通信ではTaggedフレームを送受信します。

VLAN (無線LAN) タグつき
VLAN (無線LAN) タグつき