1. 概要

無線LAN見える化ツールは、単に無線LANの情報を表示する機能ではなく、収集した情報から「何が起きているか」、「何が問題か」を示す機能です。ヤマハが独自に策定したアルゴリズムを使って無線LANの分析を行い、その結果をわかりやすく表示します。
無線LAN見える化ツールは、「無線LAN情報表示機能」、「端末情報表示機能」、「周辺アクセスポイント情報表示機能」、「レポート表示機能」で構成されています。

  • 「無線LAN情報表示機能」は、無線LAN通信で何が起きているかを示します。無線LAN状態表示画面には、無線LANの状況把握に必要な情報を1画面で表示するだけでなく、過去に検出した問題のリストが表示されており、問題を選択すると問題検出時のスナップショットが表示されます。

  • 「端末情報表示機能」は、本製品に接続している無線端末の一覧と詳細情報により、無線端末の接続状態や通信状態を示します。また、無線コントローラー機能を使用しているときは、Controller-APよりMember-APに接続する無線端末の情報も参照できます。

  • 「周辺アクセスポイント情報表示機能」は、検出した周辺アクセスポイントの一覧表示と詳細表示機能により、周辺アクセスポイントの状態や設定内容を示します。

  • 「レポート表示機能」は、トラブル発生時に無線LANの情報を収集し保存します。

  • 「無線LAN情報表示機能」、「端末情報表示機能」、「周辺アクセスポイント情報表示機能」では、評価結果が色分けされグラフィカルに表示されます。

2. 注意事項

  • WLX313の「全データダウンロード」機能で取得したデータはWLX313でのみ読み込むことができます。

  • WLX302 / WLX402での「全データダウンロード」機能で取得したデータはWLX313では読み込むことができません。

  • 無線LAN見える化ツールの動作モード設定が「中」もしくは「高」であると通信性能が低下します。不要な場合は「低」で運用されることを推奨します。

3. 対応ファームウェアリビジョン

このページで説明する内容は、以下のファームウェアを対象としています。

ファームウェアリビジョン

Rev.18.00.02以降

4. 起動と画面切り替え

無線LAN見える化ツールは、WLX313のWeb設定画面から[見える化ツール]ボタンをクリックすると別ウインドウで起動します。

無線LAN見える化ツール起動
図 4-1 無線LAN見える化ツール起動

画面の上部には、「無線LAN情報」、「端末情報」、「周辺AP情報」、「レポート」、「設定」の5つのタブがあり、いずれかを選択するとタブ内で表示できる画面のリストが表示されます。表示したい項目を選択するとタブ内の表示が切り替わります。

無線LAN見える化ツールメニュー
図 4-2 無線LAN見える化ツールメニュー

5. 機能概要

5.1. 評価結果とカラー表示

無線LAN見える化ツールの評価結果は5段階で評価されます。各評価結果とカラー表示の意味は以下の通りとなります。

表 5-1 評価結果とカラー表示
評価結果 カラー表示

「重大」

赤色

「警告」

オレンジ色

「注意」

黄色

「許容」

緑色

「良好」

青色

5.2. 無線LAN情報表示機能

無線LAN情報表示機能には、「状態表示」、「チャンネル使用状況表示」、「チャンネル使用率表示」、「CRCエラー率表示」の4種類の表示機能があり、グラフィカルな表示で無線LANの状況を視覚的に把握できるようにします。

5.2.1. 状態表示

状態表示
図 5-1 状態表示

WLX313が動作する無線LAN環境の概況を把握するための情報を1画面で表示します。近隣で動作するほかのAP情報やチャンネル使用率などが参照できます。

5.2.2. チャンネル使用状況表示

チャンネル使用状況表示
図 5-2 チャンネル使用状況表示

周辺のアクセスポイントがどのチャンネルを使用しているかをグラフィカルに表示します。2.4GHzで1画面、5GHz(W52、W53、W56)で3画面の計4画面を切り替えて表示できます。アクセスポイントは、使用しているチャンネルを中心とした台形で表示し、その上底部分にSSIDが表示されます。電波強度は台形の高さで示します。また、SSID部をクリックすることにより、アクセスポイントの詳細情報を表示します。

5.2.3. チャンネル使用率表示

チャンネル使用率表示
図 5-3 チャンネル使用率表示

前回リセットした時点から現在までのチャンネル使用率を折れ線グラフで表示します。データは1時間に1回定期的に保存されます。グラフは右端を現在時間として表示します。グラフのスケールは1日から1か月の範囲で変更できます。

5.2.4. CRCエラー率表示

CRCエラー率表示
図 5-4 CRCエラー率表示

前回リセットした時点から現在までのCRCエラー率を折れ線グラフで表示します。データは1時間に1回定期的に保存されます。グラフは右端を現在時間として表示します。グラフのスケールは1日から1か月の範囲で変更できます。

5.3. 端末情報表示機能

無線LANにおいて通信速度が遅くなる現象や無線接続が切れる原因に、無線端末とアクセスポイントの伝送速度や位置関係、電波干渉を原因とした無線フレーム破損による無線フレームの再送、アクセスポイントとの接続状態の不安定さなどがあります。本機能は、接続している無線端末情報を収集し表示します。本機能により、無線端末固有の問題を解決するための情報を得ることができます。端末情報表示機能は、接続している無線端末の情報を一覧表示と詳細表示で示します。

5.3.1. 端末一覧表示

端末一覧表示
図 5-5 端末一覧表示

本製品に接続している無線端末の情報を一覧表示します。一覧に表示される情報は、[更新]ボタンをクリックしたとき、またはブラウザー画面を更新したときに内容が更新されます。

5.3.2. グループ内端末表示

グループ内端末表示
図 5-6 グループ内端末表示

無線LANコントローラー機能でController-APとして割り当てられている本製品と、Member-APとしてController-APのグループに登録されているAPに接続されている端末の一覧表を表示します。

5.3.3. 端末詳細表示

端末詳細表示
図 5-7 端末詳細表示

本製品に接続している無線端末の情報を一覧表とレーダーチャートで表示します。

5.4. 周辺アクセスポイント情報表示機能

無線LAN管理上の重要な項目に、ネットワーク管理者に無断で設置したアクセスポイントの使用チャンネルやセキュリティー設定の監視があります。これらは既存の無線LAN通信を阻害するだけでなく、セキュリティーホールとなりネットワーク全体を危険にします。周辺アクセスポイント情報表示機能は、全チャンネルで動作しているアクセスポイントの情報を表示することで、管理外のアクセスポイントの存在とその危険性を知らせる機能です。周辺アクセスポイント情報表示は、アクセスポイントが送信するビーコンフレームを解析し、一覧表示と詳細表示で情報を表示します。

5.4.1. AP一覧表示

AP一覧表示
図 5-8 AP一覧表示

「AP一覧表示」には、「未登録アクセスポイント」と「登録済みアクセスポイント」の2種類の表示機能があります。アクセスポイントの登録/削除も本画面から行えます。
管理しているアクセスポイントを事前に登録しておくことで、管理外のアクセスポイントの存在を確認しやすくなります。

5.4.2. AP詳細表示

AP詳細表示
図 5-9 AP詳細表示

アクセスポイントの状況を視覚的に把握できるように、文字だけでなくレーダーチャートも表示します。

5.5. レポート表示機能

無線LANで発生するトラブルは、現象発生後に現地調査を実施しても再現しないことがあります。WLX313の無線LAN見える化ツールは、トラブル発生時に無線LANの情報を収集し保存します。検出した現象は評価し、色分けして表示します。
レポート表示機能には、「統計情報表示」と「ログ一覧表示」の2種類の表示機能があります。
検出したログはメールでの送信、およびCSVファイルでのダウンロードが可能です。
さらに、無線LAN見える化ツールに関連するデータをすべてダウンロードする「全データダウンロード」機能があります。
このデータを本製品にアップロードすることにより保存されたログを確認できます。

保存できるログの件数は、周辺の無線LAN環境により変動します。

5.5.1. 統計情報表示

レポートTOP
図 5-10 レポートTOP

無線LAN見える化ツールが保存したログの統計情報が表示できます。また保存されたログのダウンロードも行えます。

5.5.2. ログ一覧表示

ログ一覧表示
図 5-11 ログ一覧表示

検出し、保存したログの一覧を表示します。ログは、日時、重要度、カテゴリー、問題内容が表示されます。
また、項目ごとのソートやログの検索(フィルター)も行えます。

5.6. 設定

無線LAN見える化ツールの動作モード、およびスナップショットの選択に関する設定を行うことができます。

5.6.1. 動作モード設定機能

動作モード設定画面
図 5-12 動作モード設定画面

無線LAN見える化ツールの動作モードを用途に合わせて変更する機能です。「高」、「中」、「低」、「ビュー」の中からモードを選択して使用できます。
動作モード「ビュー」は保存されたログ情報を参照するためのモードです。

5.6.2. スナップショット選択機能

スナップショット選択画面
図 5-13 スナップショット選択画面

無線LAN見える化ツールで表示および通知するスナップショットを選択できます。
これにより管理者が必要なログのみに限定して監視できます。

6. 無線LAN情報表示機能

6.1. 状態表示

アクセスポイントと無線端末間のスループット、本機が検出した近隣に存在する周辺アクセスポイントのチャンネルと電波強度、チャンネル使用率、CRCエラー発生率、無線動作モード、スナップショット検出数、スナップショットに関する補足情報を1画面で表示します。

表示できる画面は以下の3種類です。

  • 現在値画面
    周辺の無線LANに関する情報をリアルタイムに表示します。

  • スナップショット画面
    保存されたスナップショットを画面表示します。

  • 最大値画面
    前回リセットボタンをクリックした時点から現在までの最大値を表示します。

周辺アクセスポイント表示部には、周辺アクセスポイントが自局の無線LAN通信に及ぼす影響度合いを評価し、色分けして表示します。
チャンネル使用率、CRCエラーは無線LAN通信に対する影響度合いを色( 赤色 オレンジ色 黄色 緑色 )で表示します。
初期状態では各項目の現在値を表示します。リセットしてから現在までに検出されたスナップショットはスナップショットリストとして表示され、スナップショットリスト右側のボタンをクリックするとスナップショット取得時の画面が表示されます。さらに、[最大値表示]ボタンをクリックすると、各項目のリセットしてから現在までの最大値が表示されます。

状態表示(現在値)
図 6-1 状態表示(現在値)

6.2. 画面構成

状態表示-画面構成
図 6-2 状態表示-画面構成
(1) 電波干渉AP表示

本製品が検出した周辺アクセスポイントを表示します。また電波干渉発生可能性を評価し、色分けして表示します。
SSIDを選択するとAPの詳細画面へ移行します。

(2) 無線LAN動作モード

無線LAN動作モードとチャンネルを表示します。

(3) チャンネル使用率

本製品が使用しているチャンネルで単位時間あたり何%無線LAN通信が行われているかを示します。
電波干渉するアクセスポイントが少ない場合でも、自局での通信が少ないにもかかわらず定常的に値が大きい場合はチャンネルの変更を推奨します。

(4) CRCエラー率

本製品が受信した無線フレームに対して破損していたフレームの割合を示します。
同一周波数を使用する機器(電子レンジなど)の影響や無線フレームの衝突、反射などによりCRCエラーが発生する可能性があります。

(5) スループット (Mbps)

本製品と通信している端末のスループット合計を表示します。

(6) 問題点リスト

検出した問題をリスト表示します。
表示ボタン押下により不具合発生時のスナップショットを表示します。

(7) コメント表示欄

表示中の画面に関連する情報を表示します。

  • [リセット]ボタンをクリックすると警告ダイアログ表示後、無線LAN見える化ツールが保存しているすべての情報を削除します。

  • [2.4GHz]ボタン、[5GHz(1)]ボタン、[5GHz(2)]ボタンをクリックすると、対応する無線LANの情報を表示します。Fast DFSモードのときは、[5GHz(1)]ボタン、[5GHz(2)]ボタンが[5GHz]ボタンに変わります。

  • 「最大値表示」、「スナップショット画面」表示中に[現在値]ボタンクリックすると「状態表示(現在値)」へ戻ります。

6.2.1. スループット表示機能

アクセスポイント(本製品)と無線端末の間で行った無線通信のスループットを横棒グラフで表示します。棒グラフは、アクセスポイントに設定されている最大伝送速度(理論値)に対して実際に通信で発生したスループットの割合を示します。また、グラフ横に「スループット/伝送速度(Mbps)」の形式で数値を表示します。スループットは無線端末が単位時間当たりに送受信したデータ量から算出します。複数の無線端末が同時に通信した場合は合計値を表示します。
現在値表示の場合は表示更新時に通信していた無線端末とのスループットを表示します。問題発生時のスナップショット表示の場合はそのときに通信していた無線端末とのスループットを表示します。最大値表示の場合はリセットしてから現在までのアクセスポイントと無線端末間の最大スループットを表示します。
また、グラフ横に、通信中の無線端末数を表示します。

6.2.2. 電波干渉アクセスポイント表示機能

周辺アクセスポイントの使用チャンネルから、電波干渉の影響度合いを色分けして表示します。周辺アクセスポイントは、縦軸を電波強度、横軸をチャンネルとしてアクセスポイントを台形の線で表示します。また、SSIDを台形の上底付近に表示します。SSIDを選択するとそのアクセスポイントの詳細情報画面を表示します。
無線LANはデータ通信が同時に発生すると、通信電波がぶつかります。これを電波干渉と呼びます。
無線LANは電波干渉を防ぐためにCSMA/CAという仕組みを搭載し、電波干渉を抑えることができます。
しかし、自局と近隣アクセスポイントのチャンネル設定や電波強度によっては、電波干渉が発生してしまうことがあります。
電波干渉アクセスポイント表示機能は、この点を考慮し電波干渉の影響度合いを評価し、以下のように色分けして表示します。

  • 赤色:電波干渉による影響があり、フレームの破損によるスループットへの影響が大きい

  • 黄色:電波干渉による影響はあるが、フレームの破損によるスループットへの影響が小さい

  • 緑色:電波干渉が発生しない

6.2.3. チャンネル使用率表示機能

使用しているチャンネルの使用率を推定し縦棒グラフで表示します。棒グラフは、単位時間当たりに無線LAN通信が行われた時間を百分率(%)で表示します。
無線LANでは、ある局が通信している間ほかの局は通信しないことで無線フレームの衝突を回避する「CSMA/CA」という仕組みを採用しています。
したがって、多局のチャンネル使用率が高いと自局の通信が待たされ、スループットが低下します。
自身の通信量が多くないにもかかわらず、定常的にチャンネル使用率が高い場合は、チャンネルを変更することで通信環境が改善する可能性があります。

6.2.4. CRCエラー率表示機能

自局で受信した総受信フレームに対する、CRCエラーフレームの割合を縦棒グラフで表示します。棒グラフは総受信フレーム数を100%とした場合にCRCフレーム数が占める割合を百分率(%)で表示します。

CRCエラーフレーム数は、フレームの最後に付加されている値(送信前に計算した値)が、受信時に計算した値と一致しない場合にカウントされます。
CRCエラーフレームは破損したフレームと判断し破棄されます。
その結果フレームの再送が行われるため、CRCエラー率の増加はスループットに影響します。

CRCエラーは、同一周波数を使用するほかの無線LAN局が送信したフレームと衝突した場合や、自局が送信した電波の直接波と反射波が衝突した場合、無線LAN以外の機器が発する電波と電波干渉している場合、などに発生するため、使用するチャンネルや設置場所を検討する際の指標として有効です。

6.2.5. 無線動作モード表示機能

自局に設定されている無線LAN動作モードと使用しているチャンネルを表示します。
チャンネルは制御チャンネルを表示します。またHT40モードが設定されているときは、"exch"に拡張チャンネルが表示されます。

6.2.6. スナップショット一覧表示機能

ヤマハが策定した基準値を超える事象が発生した場合に、ログをスナップショットとして保存します。スナップショット表示エリアにスナップショットの件数およびリストを表示します。
スナップショットリストの左側には、重要度を色で表示するアイコンがあります。
リスト右側のアイコンをクリックすると後述のスナップショット表示機能により対象のスナップショットが表示されます。
リスト表示される項目は、レポート機能の「ログ一覧」で表示される内容と同じです。

状態表示(スナップショット)
図 6-3 状態表示(スナップショット)

6.2.7. コメント表示機能

最後に保存したスナップショットの補足情報をコメント欄に表示します。また、後述のスナップショット表示機能によるスナップショット表示を実行した場合は、対象のスナップショットに関する補足情報を表示します。

6.2.8. 最大値表示機能

スループット、チャンネル使用率、電波干渉アクセスポイント、CRCエラー率について、前回リセットされてから現在までの最大値を表示します。

状態表示(最大値)
図 6-4 状態表示(最大値)

6.3. チャンネル使用状況表示

周辺のアクセスポイントを、使用しているチャンネルを中心とした台形で表示します。
周辺アクセスポイント情報表示機能は、以下の情報を表示します。

  • ESSID

  • 使用チャンネル

  • 電波強度

  • 周波数帯ごとのアクセスポイント表示
    2.4GHzと5GHz(W52、W53、W56)の計4種類を表示します。

ESSIDをクリックすると、そのAPの詳細情報を表示できます。
また、電波強度は以下のように色分けして表示されます。

評価値1(赤色):-90dBm以下
評価値2(オレンジ色):-71dBm ~ -90dBm
評価値3(黄色):-70dBm ~ -51dBm
評価値4(緑色):-50dBm ~ -31dBm
評価値5(青色):-30dBm以上

チャンネル使用状況表示
図 6-5 チャンネル使用状況表示

6.4. チャンネル使用率表示

前回リセットした時点から現在までのチャンネル使用率を折れ線グラフで表示します。データは1時間に1回定期的に保存されます。グラフは右端を現在時間として表示します。グラフのスケールは変更できます。また、チャンネル使用率は無線モジュールごとに表示可能です。

6.4.1. チャンネル使用率グラフ描画機能

1時間ごとのチャンネル使用率を折れ線グラフで表示します。
チャンネル使用率が通信に与える影響の参考指標として、チャンネル使用率20%の位置に 黄色 、40%の位置に 赤色 の太線を表示しています。

6.4.2. グラフの時間軸(横軸)スケール変更機能

1日、1週間、1か月のいずれかを選択できます。

6.4.3. 日時指定機能

表示する日時を指定できます。

6.4.4. 2.4GHz、5GHz(1)、5GHz(2)の切り替え

[2.4GHz]ボタン、[5GHz(1)]ボタン、[5GHz(2)]ボタンをクリックすると、対応するチャンネル使用率の情報を表示します。

チャンネル使用率表示
図 6-6 チャンネル使用率表示

6.5. CRCエラー率表示

前回リセットした時点から現在までのCRCエラー率を折れ線グラフで表示します。データは1時間に1回定期的に保存されます。グラフは右端を現在時間として表示します。グラフのスケールは変更可能です。また、CRCエラー率は無線モジュールごとに表示可能です。

6.5.1. CRCエラー率グラフ描画機能

CRCエラー率が通信に与える影響の参考指標として、CRCエラー率20%の位置に 黄色 、40%の位置に 赤色 の太線を表示します。

6.5.2. グラフの時間軸(横軸)スケール変更機能

1日、1週間、1か月のいずれかを選択できます。

6.5.3. 日時指定機能

表示する日時を指定できます。

6.5.4. 2.4GHz、5GHz(1)、5GHz(2)の切り替え

[2.4GHz]ボタン、[5GHz(1)]ボタン、[5GHz(2)]ボタンをクリックすると、対応するCRCエラー率の情報を表示します。

CRCエラー率表示
図 6-7 CRCエラー率表示

7. 端末情報表示機能

端末情報表示機能は、本製品に接続している無線端末の無線LAN状態を評価し数値と色で表示します。
端末情報表示機能には「端末一覧表示」、「端末詳細表示」、「グループ内端末表示」の3種類の表示機能があります。
画面上部の「端末情報」タブをクリックすると表示されるリストから「端末一覧表示」と「グループ内端末表示」に切り替えられます。
「端末詳細表示」は「端末一覧表示」または「グループ内端末表示」から端末を選択すると表示されます。

「端末一覧表示」では、本製品に接続している無線端末の無線情報を表示します。本製品に複数のSSIDを設定している場合はSSIDごとに接続端末を表示します。
「端末詳細表示」では、本製品に接続している無線端末の無線情報と、伝送速度、信号強度、再送率、無線切断回数、最大スループットを要素とするレーダーチャートを表示します。

「グループ内端末表示」では、Controller-APとして割り当てられている本製品と、Controller-APのグループにMember-APとして登録されている本製品に接続されている端末の一覧が機器ごとに表示されます。

端末情報は1時間に1回スナップショットとして保存します。グループ内端末表示の情報は、保存しません。
また、端末が1台も接続されていない場合も、スナップショットは保存しません。

7.1. 端末一覧表示

本製品に接続している無線端末の無線情報を一覧表示します。複数のSSIDを設定している場合はSSIDごとに接続端末の一覧表を表示します。

一覧表示する無線情報は、評価値、MACアドレス、ベンダー、通信規格(メディアタイプ)、認証方式、受信レート、送信レート、信号強度、無線切断回数です。
端末一覧表示は、表の項目ごとにソートできます。また、表示内容はキーワードで検索(フィルター表示)できます。
端末情報右端のボタンをクリックすると端末詳細表示画面に移行します。

一覧の表示内容は以下のとおりです。

端末一覧表示
図 7-1 端末一覧表示

7.1.1. 一覧表示項目の詳細

  • 認証方式
    通信方式および、認証方式を表示します。

  • 受信レート(Mbps)

  • 送信レート(Mbps)

  • 信号強度(dBm)
    アクセスポイントが受信した受信信号強度を示します。

  • 無線切断回数 (回/時)
    一時間に検出された無線端末の切断回数を表示します。

  • 評価値
    評価値は、伝送速度(受信レート)、受信信号強度、再送率、無線切断回数、最大スループットから算出し、結果を色分けして表示します。
    なお、再送率、最大スループットは端末詳細表示画面に表示されます。
    評価結果は悪い状態から順に 赤色 オレンジ色 黄色 緑色 青色 で表示します。
    赤色 と評価される無線端末は、無線通信性能に問題が発生する端末である可能性があります。

  • MACアドレス

  • ベンダー
    MACアドレスのOUI情報からベンダー名を表示します。

  • 方式
    メディアタイプと認証方式を表示します。
    認証方式は、Open、WEP、WPA、WPA2のいずれかを表示します。
    メディアタイプは、IEEE802.11a/b/g/n/acをそれぞれ以下のように表示します。

    表 7-1 メディアタイプ
    メディアタイプ 表示 備考

    IEEE 802.11b

    11b

    2GHz/CCK

    IEEE 802.11g

    11g

    2GHz/OFDM

    IEEE 802.11a

    11a

    5GHz/OFDM

    IEEE 802.11ng (HT20)

    11ng

    2GHz/HT20

    IEEE 802.11na (HT20)

    11na

    5GHz/HT20

    IEEE 802.11ng (HT40)

    11ng+

    2GHz/HT40/拡張チャンネルが上側波のとき

    IEEE 802.11ng (HT40)

    11ng–

    2GHz/HT40/拡張チャンネルが下側波のとき

    IEEE 802.11na (HT40)

    11na+

    5GHz/HT40/拡張チャンネルが上側波のとき

    IEEE 802.11na (HT40)

    11na–

    5GHz/HT40/拡張チャンネルが下側波のとき

    IEEE 802.11ac (HT20)

    11ac

    5GHz/VHT20

    IEEE 802.11ac+ (HT40)

    11ac+

    5GHz/VHT40/拡張チャンネルが上側波のとき

    IEEE 802.11ac– (HT40)

    11ac–

    5GHz/VHT40/拡張チャンネルが下側波のとき

    IEEE 802.11ac80_XXX

    11ac80_XXX

    5GHz/VHT80

    • gはb+gを含みます。

    • ngはb+g+nを含みます。

    • XXXはセンターチャンネルが表示されます。

    • センターチャンネルは42、50、58、106、114、122のいずれかになります。

  • 受信レート
    無線端末から受信したフレームの伝送速度(リンク速度)を表示します。
    値により以下のしきい値で評価し色分けして表示します。

評価値1(赤色):5Mbps以下
評価値2(オレンジ色):6Mbps~10Mbps
評価値3(黄色):11Mbps~35Mbps
評価値4(緑色):36Mbps~54Mbps
評価値5(青色):55Mbps以上

  • 送信レート
    本製品から無線端末へ送信した伝送速度(リンク速度)を表示します。
    値により以下のしきい値で評価し色分けして表示します。

評価値1(赤色):5Mbps以下
評価値2(オレンジ色):6Mbps~10Mbps
評価値3(黄色):11Mbps~35Mbps
評価値4(緑色):36Mbps~54Mbps
評価値5(青色):55Mbps以上

  • 信号強度
    フレームの受信信号強度を値により以下のしきい値で評価し色分けして表示します。

評価値1(赤色):–70dBm 以下
評価値2(オレンジ色):–69dBm~–60dBm
評価値3(黄色):–59dBm~–50dBm
評価値4(緑色):–49dBm~–40dBm
評価値5(青色):–39dBm以上

  • 無線切断回数
    自局(アクセスポイント)と無線端末の無線接続が1時間当たり何回切断されたかを表示します。
    これによりユーザーが意図せず通信切断されていないかを判断できます。
    無線接続が切れる原因は、ユーザーが無線端末を操作して無線接続を切った場合、無線端末が通信圏外に移動した場合、パケットロスにより無線接続が切れた場合など多岐にわたります。
    しかし無線切断回数があまりに多い場合は、無線クライアントが意図せずローミングを繰り返している可能性があります。
    無線切断回数は、以下のしきい値で評価し色分けして表示します。

評価値1(赤色):31回以上
評価値2(オレンジ色):21回~30回
評価値3(黄色):11回~20回
評価値4(緑色):6回~10回
評価値5(青色):5回以下

7.2. 端末詳細表示

本製品に接続している無線端末について、評価値、MACアドレス、メディアタイプ、認証方式、伝送速度、最大スループット、信号強度、再送率、無線切断回数を表示します。
また、伝送速度、信号強度、再送率、無線切断回数、最大スループットを要素とするレーダーチャートを表示します。
最大スループットは無線端末が自局に接続してから現在までに記録したスループットの最大値を表示します。

端末詳細表示
図 7-2 端末詳細表示

7.3. グループ内端末表示

グループ内端末表示は、無線LANコントローラー機能でController-APとして割り当てられている本製品と、Controller-APのグループにMember-APとして登録されているAPに接続されている無線端末の一覧表を表示します。
アクセスポイントごとにIPアドレス、名称、設置場所、接続されている端末の一覧が表示されます。端末の一覧で表示される情報は、端末一覧表示と同じです。
接続の一覧から特定の端末を選択すると端末ごとの詳細な情報が表示されます。

グループ内端末一覧表示は、表の項目ごとにソートできます。
また、表示内容についてキーワードで検索(フィルター表示)できます。

グループ内端末表示
図 7-3 グループ内端末表示

グループ内端末表示は、端末一覧表示で表示される内容に加え、以下の情報が追加で表示されます。

  • IPアドレス
    端末情報を参照している相手先機器(WLX313)のIPアドレスが表示されます。

  • 名称
    端末情報を参照している相手先機器(WLX313)の名称が表示されます。

  • 設置場所
    端末情報を参照している相手先機器(WLX313)の設置場所が表示されます。

7.3.1. 表示するアクセスポイントの選択

「端末の接続先アクセスポイントを選択してください」を選択すると、表示したいアクセスポイントの情報を抽出表示できます。

表示するアクセスポイントの選択
図 7-4 表示するアクセスポイントの選択

8. 周辺アクセスポイント情報表示機能

周辺アクセスポイント情報表示機能は、自局が受信した周辺アクセスポイント(以下、周辺AP)からのビーコンに含まれる情報を整理し表示します。
また、検出した周辺APを5段階で評価し、結果を色分けして表示します。
周辺AP情報表示機能には「AP一覧表示」と「AP詳細情報」があります。
「AP詳細表示」は「AP一覧表示」で右端のアイコンを選択すると表示されます。

8.1. AP一覧表示

周辺APの無線情報を一覧表示します。情報は[更新]ボタンをクリックしたとき、またはブラウザー画面を更新したときに更新されます。
一覧表示画面にはAPの登録/削除機能があり、未登録APと登録済みAPに分けて一覧で表示できます。
未登録AP一覧表には「+」アイコンで表示される登録ボタンがあり、これをクリックすると対象のAPを登録済みAP一覧表に移動させることができます。
同様に、登録済みAP一覧表には「-」アイコンで表示される削除ボタンがあり、選択したAPを未登録AP一覧表に移動させることができます。
また、周辺AP一覧から特定のAPを選択するとAPの詳細な情報が表示されます。
一覧表示で周辺APを5段階で評価し、結果を色分けして表示します。色は悪い状態から順に 赤色 オレンジ色 黄色 緑色 青色 で表示します。

評価結果は、自局の無線通信に対して影響度が大きいほど評価値が低く、影響が小さいほど評価値が高くなります。また、セキュリティーに関する項目については本製品が属するネットワークに関係するかどうかにかかわらず、セキュリティー強度が低いほど評価が低くなります。評価値は、 評価値1 が最も評価が 悪く 評価値5 が最も評価が 良い ことを示しています。

AP一覧表示は、表の項目ごとにソートできます。
また、表示内容についてキーワードで検索できます。
[表示]ボタンをクリックすると後述のAP詳細表示画面に移行します。

SSID、MACアドレス、メディアタイプ、は評価しないため黒色文字で表示します。チャンネル、伝送速度、信号強度、認証方式、暗号化方式は、しきい値で評価し色付の文字で表示します。一覧表の表示項目としきい値および表示色は、以下のとおりです。

  • SSID
    ビーコンに含まれているSSIDを表示します。ステルス設定されている周辺APのSSIDは「HiddenSSID」と表示されます。

  • MACアドレス
    下記フォーマットで表示します。
    xx:xx:xx:xx:xx:xx

  • メディアタイプ(IEEE802.11a/b/g/n/ac)
    メディアタイプは、IEEE802.11a/b/g/n/acについて以下のように表示します。

    表 8-1 メディアタイプ
    メディアタイプ 表示 備考

    IEEE 802.11b

    11b

    2GHz/CCK

    IEEE 802.11g

    11g

    2GHz/OFDM

    IEEE 802.11a

    11a

    5GHz/OFDM

    IEEE 802.11ng (HT20)

    11ng

    2GHz/HT20

    IEEE 802.11na (HT20)

    11na

    5GHz/HT20

    IEEE 802.11ng (HT40)

    11ng+

    2GHz/HT40/拡張チャンネルが上側波のとき

    IEEE 802.11ng (HT40)

    11ng–

    2GHz/HT40/拡張チャンネルが下側波のとき

    IEEE 802.11na (HT40)

    11na+

    5GHz/HT40/拡張チャンネルが上側波のとき

    IEEE 802.11na (HT40)

    11na–

    5GHz/HT40/拡張チャンネルが下側波のとき

    IEEE 802.11ac (HT20)

    11ac

    5GHz/VHT20

    IEEE 802.11ac+ (HT40)

    11ac+

    5GHz/VHT40/拡張チャンネルが上側波のとき

    IEEE 802.11ac– (HT40)

    11ac–

    5GHz/VHT40/拡張チャンネルが下側波のとき

    IEEE 802.11ac80_XXX

    11ac80_XXX

    5GHz/VHT80

    • gはb+gを含みます。

    • ngはb+g+nを含みます。

    • XXXはセンターチャンネルが表示されます。

    • センターチャンネルは42、50、58、106、114、122のいずれかになります。

  • チャンネル
    アクセスポイントが使用しているチャンネルを表示します。
    自局で使用しているチャンネルとの電波干渉度合いにより、以下のしきい値で評価し色分けして表示します。

評価値1(赤色):自局の使用周波数と部分的に重なるチャンネル
評価値3(黄色):自局の使用周波数と完全に重なるチャンネル
評価値4(緑色):自局の使用周波数と完全に重ならないチャンネル

  • 伝送速度

    周辺APのビーコンで示される対応伝送速度(リンク速度)の最大値を表示します。
    値により以下のしきい値で評価し色分けして表示します。

    評価値1(赤色):1Mbps~5Mbps
    評価値2(オレンジ色):6Mbps~10Mbps
    評価値3(黄色):11Mbps~35Mbps
    評価値4(緑色):36Mbps~54Mbps
    評価値5(青色):55Mbps以上

  • 信号強度

    ビーコンの受信信号強度を値により以下のしきい値で評価し色分けして表示します。

    評価値1(赤色):–69dBm~–60dBm
    評価値2(オレンジ色):–70dBm以下
    評価値3(黄色):–59dBm~–50dBm
    評価値4(緑色):–49dBm~–40dBm
    評価値5(青色):–39dBm以上

    また、評価結果をアンテナのアイコンで以下のように表示します。

    評価値1(赤色):アンテナ0本
    評価値2(オレンジ色):アンテナ1本
    評価値3(黄色):アンテナ2本
    評価値4(緑色):アンテナ3本
    評価値5(青色):アンテナ4本

  • 認証方式

    周辺APからのビーコンで示される認証方式を表示します。
    値により以下のしきい値で評価し色分けして表示します。

    評価値1(赤色):Open
    評価値2(オレンジ色):WEP (Shared認証)
    評価値4(緑色):WPA-PSK、WPA2-PSK
    評価値5(青色):WPA-EAP、WPA2-EAP

  • 暗号化方式

    周辺APからのビーコンで示される暗号化方式を表示します。
    値により以下のしきい値で評価し色分けして表示します。

    評価値1(赤色):NONE (暗号化設定なし)
    評価値2(オレンジ色):WEP(64bit/128bit両方)
    評価値4(緑色):TKIP
    評価値5(青色):CCMP(AES)

  • 評価値

    チャンネル、伝送速度、信号強度、認証方式と暗号化方式、アクティブ時間から評価値を算出し、結果を色分けして表示します。
    色は悪い状態から順に 赤色 オレンジ色 黄色 緑色 青色 で表示します。

    AP一覧表示
    図 8-1 AP一覧表示

8.2. AP詳細表示

周辺APの無線情報を「AP一覧表示」より詳細に表示します。表示する項目は、評価値、SSID、MACアドレス、メディアタイプ、チャンネル、伝送速度、信号強度、認証方式、暗号化方式、セキュリティー、電波干渉、アクティブ時間です。AP一覧表示と異なる表示項目の詳細は以下のとおりです。

  • セキュリティー

    ビーコンから取得した認証方式と暗号化方式からセキュリティー強度を評価し、結果を色分けして表示します。
    セキュリティー強度の低いものから順に 赤色 オレンジ色 黄色 緑色 青色 で表示します。

  • 電波干渉

    自局で使用しているチャンネルとの電波干渉度合いにより、以下の条件で評価値と色を表示します。

    評価値1(赤色):自局の使用周波数と部分的に重なるチャンネル
    評価値3(黄色):自局の使用周波数と完全に重なるチャンネル
    評価値4(緑色):自局の使用周波数と完全に重ならないチャンネル

  • アクティブ時間

    アクセスポイントの稼働時間を「アクティブ時間」として以下のしきい値で評価値を表示します。本製品は定期的にアクセスポイントの検出を行うため、連続で検出できた時間をもとに評価します。

    評価値1(赤色):1時間未満
    評価値2(オレンジ色):1時間以上 24時間(1日)未満
    評価値3(黄色):24時間以上 168時間(7日)未満
    評価値4(緑色):168時間以上 720時間(30日)未満
    評価値5(青色):720時間以上

    AP詳細表示
    図 8-2 AP詳細表示

9. レポート表示機能

無線LAN環境のセキュリティーの状態、接続端末の状態、通信の状態などが、定められた基準値を超えて変化した場合、その変化を「問題」として検出し保存します。検出した「問題」は重要度を5段階で評価し、結果を色分けして表示します。評価結果から問題対策の緊急度を知ることができます。また、「レポートTOP」画面では、検出した「問題」を重要度ごとに集計した結果が表示されます。
無線LAN見える化ツールでは「問題」の検出時に概要をメールで送信できます。「問題」の概要はCSV形式のファイルでダウンロードすることもできます。
また、無線LAN見える化ツールに関するデータをすべてダウンロードする「全データダウンロード」機能があります。
後述する「動作モード」を「ビュー」に設定した状態でこのデータをアップロードするとほかのWLX313でも、無線LAN見える化ツールの画面を表示できます。

9.1. レポートTOP

「レポートTOP」画面は、検出した「問題」の統計情報を表示することや、ログを取得できます。

レポートTOP
図 9-1 レポートTOP

無線LAN見える化ツールでは、60分ごとにスナップショットを本製品の内蔵メモリーに保存します。

注意
本製品の電源をOFFにした場合、本製品の内蔵メモリーに保存されていないスナップショットは消去されます。

9.1.1. 統計情報表示機能

検出した問題点の統計情報では、問題点を以下のカテゴリーに分類し重要度別に集計した結果を表示します。

  • 無線環境

  • セキュリティー

  • 端末情報

  • 通信状態

  • システム

9.1.2. ログダウンロード機能

[ログダウンロード]ボタンをクリックすると「ログ一覧表示」画面で表示されている内容と同じ内容をCSV形式のファイルでコンピューターなどにダウンロードできます。

9.1.3. 全データダウンロード機能

[全データダウンロード]ボタンをクリックすると、ほかのWLX313で無線LAN見える化ツールのログやスナップショットを表示するためのデータファイルを取得できます。
ダウンロードされるファイルはZIP形式です。
このファイルを本製品にアップロードすることにより無線LAN見える化ツールの画面を確認できます。
取得した全データを参照するときは、[設定]―[動作モード]で動作モード[ビュー]を選択し、ダウンロードしたデータファイルをアップロードしてください。

9.2. ログ一覧表示

保存されたログを一覧表示します。一覧には日時、重要度、カテゴリー、ログ内容、コメントが表示され、項目ごとにソートできます。
また、検索文字入力欄に入力した文字列でログ一覧表内の文字を検索(フィルター表示)できます。
スナップショットの一覧表の表示内容詳細は以下のとおりです。

  • 日時
    下記のフォーマットで表示します。
    YYYY/MM/DD hh:mm:ss

  • 重要度
    ログは、自局の無線通信への影響が大きいものから順に 「重大」 「警告」 「注意」 「許容」 「良好」 の5段階で表示されます。

  • カテゴリー
    ログの内容により以下のいずれかに分類し表示します。

    • 無線環境

    • セキュリティー

    • 端末情報

    • 通信状態

    • システム

  • ログ内容
    検出した問題の内容を表示します。表示内容の詳細は「ログ内容一覧」を参照してください。

  • コメント
    検出した問題に関係する追加情報を表示します。
    発生原因として考えられることや一般的な対策方法などを表示します。

ログ一覧表示
図 9-2 ログ一覧表示

10. 設定

無線LAN見える化ツールの動作モード、スナップショットの選択に関する設定を行うことができます。

10.1. 動作モード設定機能

無線LAN見える化ツールの動作モードには、「高」、「中」、「低」、「ビュー」の4種類の動作モードがあります。
工場出荷状態では「低」に設定されています。
動作モードを変更すると、周辺APの検出頻度が変わります。
検出頻度を高くすると周辺APの検出率は向上しますが、一方で通信スループットが低下します。

動作モードを「高」に設定すると、4秒ごとに200ミリ秒間周辺APの検出を行います。
動作モードを「中」に設定すると、10秒ごとに100ミリ秒間周辺APの検出を行います。
動作モードを「低」に設定すると、状態表示(現在値)の[自動更新]ボタンが[スキャン]ボタンに変わり、[スキャン]ボタンをクリックしたときだけ周辺APの検出を行います。

動作モードを「ビュー」は[全データダウンロード]ボタンでダウンロードしたファイル、および無線LAN見える化ツールが送信するメールに添付されたスナップショットデータの内容を確認するためのモードです。
「ビュー」を選択し、本機が出力したデータファイルを「データアップロード」欄に入力して[設定]ボタンをクリックすると、ファイルに記録されているデータを復元し、無線LAN見える化ツールの各画面を確認できます。

注意
「ビュー」モードでファイルをアップロードした後に、無線LAN見える化ツールの動作モードが切り替わったときや、本製品の電源がOFFになったときは、無線LAN見える化ツールの設定やスナップショットはファイルがアップロードされる以前の状態に戻ります。

動作モード設定画面
図 10-1 動作モード設定画面

10.2. スナップショット選択機能

スナップショットとして検出し、表示する項目を設定できます。左側のチェックボックスにチェックを入れたスナップショットが検出されます。
またメール通知機能が通知する情報にも影響します。

無線LAN見える化スナップショット選択
図 10-2 無線LAN見える化スナップショット選択

11. ログ内容一覧

カテゴリーとログ内容、重要度は以下のとおりです。

  • (xGHz)は、問題を検出した無線モジュールにより(2.4GHz)、(5GHz(1))、(5GHz(2))のいずれかが表示されます。

  • 無線環境

    表 11-1 ログ内容一覧(無線環境)
    No. ログ内容 重要度

    1-1-1

    (xGHz):同一周波数を使用しているAPとの電波干渉によると思われる無線フレームの破損を検出しました。

    注意

    1-1-2

    (xGHz):無線LAN以外の電波、外来波、反射波の影響と思われる無線フレームの破損を検出しました。

    警告

    1-2-1

    (xGHz):使用しているチャンネルのCRCエラーが20%以上になりました。

    注意

    1-2-2

    (xGHz):使用しているチャンネルのCRCエラーが20%を超えています。

    注意

    1-2-3

    (xGHz):使用しているチャンネルのCRCエラーが20%未満になりました。

    許容

    1-2-4

    (xGHz):使用しているチャンネルのCRCエラーが40%以上になりました。

    警告

    1-2-5

    (xGHz):使用しているチャンネルのCRCエラーが40%を超えています。

    警告

    1-2-6

    (xGHz):使用しているチャンネルのCRCエラーが40%未満になりました。

    注意

    1-3-1

    (xGHz):チャンネル使用率が20%以上になりました。

    注意

    1-3-2

    (xGHz):チャンネル使用率が20%を超えています。

    注意

    1-3-3

    (xGHz):チャンネル使用率が20%未満になりました。

    許容

    1-3-4

    (xGHz):チャンネル使用率が40%以上になりました。

    警告

    1-3-5

    (xGHz):チャンネル使用率が40%を超えています。

    警告

    1-3-6

    (xGHz):チャンネル使用率が40%未満になりました。

    注意

    1-4-1

    (xGHz):新規に出現した電波干渉するAPを検出しました。

    警告

    1-4-2

    (xGHz):新規に出現した電波干渉する(同一チャンネル)APを検出しました。

    注意

    1-4-3

    (xGHz):新規に出現した電波干渉しないAPを検出しました。

    許容

    1-5-1

    (xGHz):使用しているチャンネルの電波状況が悪化しています。

    重大

  • セキュリティー

    表 11-2 ログ内容一覧(セキュリティー)
    No. ログ内容 重要度

    2-1-1

    (xGHz):セキュリティーに問題のある(暗号化していない)APを検出しました。

    重大

    2-1-2

    (xGHz):セキュリティー強度の低い暗号化(WEP)を使用しているAPを検出しました。

    警告

  • 端末情報

    表 11-3 ログ内容一覧(端末情報)
    No. ログ内容 重要度

    3-1-1

    (xGHz):に接続している端末接続台数が20台を超えました。

    注意

    3-1-2

    (xGHz):に接続している端末接続台数が20台未満になりました。

    許容

    3-1-3

    (xGHz):に接続している端末接続台数が30台を超えました。

    注意

    3-1-4

    (xGHz):に接続している端末接続台数が30台未満になりました。

    注意

    3-1-5

    (xGHz):に接続している端末接続台数が40台を超えました。

    警告

    3-1-6

    (xGHz):に接続している端末接続台数が40台未満になりました。

    注意

    3-1-7

    (xGHz):に接続している端末接続台数が接続上限に達しました。

    警告

    3-1-8

    (xGHz):に接続している端末接続台数が接続上限未満になりました。

    警告

    3-2-1

    (xGHz):伝送速度が6Mbps以下の端末を検出しました。

    注意

    3-3-1

    (xGHz):信号強度が–70dBm以下の端末を検出しました。

    注意

    3-3-2

    (xGHz):信号強度が–60dBm以下の端末を検出しました。

    注意

    3-4-1

    (xGHz):1時間以内に30回以上無線接続が切れた端末を検出しました。

    重大

    3-4-2

    (xGHz):1時間以内に20回以上無線接続が切れた端末を検出しました。

    注意

    3-4-3

    (xGHz):1時間以内に10回以上無線接続が切れた端末を検出しました。

    注意

    3-5-1

    (xGHz):端末情報を保存しました。

    良好

  • 通信状態

    表 11-4 ログ内容一覧(通信状態)
    No. ログ内容 重要度

    4-1-1

    (xGHz):1日のスループット平均値が最大伝送速度(理論値)の10%を超えました。

    注意

    4-1-2

    (xGHz):1日のスループット平均値が最大伝送速度(理論値)の20%を超えました。

    注意

    4-1-3

    (xGHz):1日のスループット平均値が最大伝送速度(理論値)の30%を超えました。

    警告

    4-1-4

    (xGHz):1日のスループット平均値が最大伝送速度(理論値)の40%を超えました。

    重大

    4-1-5

    (xGHz):1日のスループット平均値が最大伝送速度(理論値)の50%を超えました。

    重大

    4-2-1

    (xGHz):同時通信端末数が10台を超えました。

    注意

    4-2-2

    (xGHz):同時通信端末数が20台を超えました。

    警告

    4-2-3

    (xGHz):同時通信端末数が30台を超えました。

    警告

    4-2-4

    (xGHz):同時通信端末数が40台を超えました。

    重大

  • システム

    表 11-5 ログ内容一覧(システム)
    No. ログ内容 重要度

    5-1-1

    ログ保存領域が50%以下になりました。

    注意

    5-1-2

    ログ保存領域が30%以下になりました。

    注意

    5-1-3

    ログ保存領域が10%以下になりました。

    注意

    5-1-4

    ログ保存領域がFULLになりました。ログ追加時に古いログが消去されます。

    注意