5. 設定と管理の方法

本章では、設定や管理に使う機能について説明します。

項目 設定や管理に使う機能(前提知識)

想定するネットワーク構成の概要

Web GUI設定やコンソール設定

プログラムや設定情報とその保存領域

システム動作状態のログ(SYSLOG)

ユーザー、機器、接続ホストのアクセス管理

5.1. 本ガイドで想定するネットワーク環境

本製品の設定機能の説明で想定するネットワーク構成について説明します。

600
ネットワーク 本ガイドにおける説明の役割

グローバル・
ネットワーク

いわゆる「インターネット」のことで、誰でもアクセスできる、世界に開かれたネットワークのことです。生活空間に置き換えて例えると、屋外のようなものです。

  • 本製品のWANポートにプロバイダーから貸与された機器(モデムやONUなど)を接続して、このネットワークに接続します。

  • このネットワークには、グローバルIPアドレスが割り当てられています。

Tip

世界中に様々な情報が溢れています。善良な情報がたくさんありますが、悪意に満ちた情報や攻撃もあります。

プライベート・
ネットワーク

自宅や社内などの閉ざされた(限定された)ネットワークです。生活空間に置き換えて例えると、屋内や職場(オフィス)のようなものです。

  • 本製品をはグローバル・ネットワークとプライベート・ネットワークの境界に設置し、アドレス変換(NAT)をしたり、安全性を高めたりします。

  • 本製品のLANポートやVAP1~VAP4(下記「無線LAN」参照)にネットワーク端末を接続すると、このネットワークに参加できます。

  • このネットワークには、プライベートIPアドレスを割り当てます。

ゲスト・
ネットワーク

自宅や職場に来訪された方にインターネット接続環境を提供できるネットワークです。 生活空間間に置き換えて例えると、玄関先や応接間、応接ロビーのようなものです。

  • ゲスト・ネットワークからグローバル・ネットワークへアクセスできますが、プライベート・ネットワークへのアクセスはできません。

  • 本製品は、VAP1~VAP4(下記「無線LAN」参照)をゲスト・ネットワーク(ゲストWi-Fi)に設定可能です。

  • このネットワークは、IPv4アドレスのみ利用可能です。

  • このネットワークには、プライベート・ネットワークとは異なるプライベートIPアドレスを割り当てます。

インターフェース 本ガイドにおける説明の役割

無線LAN

無線LAN は、LAN(Local Area Network)の接続に電波を利用する方式です。

  • IEEE 802.11a/b/g/n/ac/ax規格に対応しています。

  • 通信帯域は「 2.4GHz帯 」と「 5GHz帯 」に対応しています。

無線LAN には、VAP1、VAP2、VAP3、VAP4の仮想アクセスポイント機能があります。

  • VAP(Virtual Access Point)とは、1台のAPをあたかも複数のAPであるかのように動作させることができる機能です。

  • 本製品は、4つのVAPを利用できます。

  • 各VAPは、異なるMACアドレス、SSID、セキュリティー方式を利用できます。

Wi-Fi

無線LAN製品のうち「Wi-Fi Alliance」が定める規格を満たした製品に付与される認定です。無線LANとほぼ同義で使われます。

有線LAN

有線LAN は、LAN(Local Area Network)の接続にケーブルを利用する方式です。

  • 通信方式は「イーサネット(Ethernet)」です。

  • 10BASE-T、100BASE-TX、1000BASE-T規格に対応しています。

有線LAN には、LANポートとWANポートがあります。

LANポート

LAN接続に利用する有線LANポートです。LANは、Local Area Networkの略です。

  • LAN1ポート/LAN2ポート/LAN3ポート/LAN4ポートは、4ポートスイッチングハブです。

  • LAN端末(パソコンやスイッチなど)と LANケーブル で接続します。

WANポート

WAN接続に利用する有線LANポートです。WANは、Wide Area Networkの略です。

  • インターネットへの接続に使用するポートです。

  • プロバイダーから貸与された機器(モデムやONUなど)を LANケーブル で接続します。

VAP1

初期設定されていません。

VAP2

初期設定されていません。

VAP3

初期設定されていません。

VAP4

初期設定されています。

  • WPSに対応しています。

  • セキュリティー方式は、WPA2-PSKに設定されています。

ゲストWi-Fi

ゲスト・ネットワークに利用するVAP設定です。

ユーザー 本ガイドにおける説明の役割

ユーザー登録

本製品に登録するユーザーは2種類あり、「設定ユーザー」と「接続ユーザー」を書き分けます。

設定ユーザー

本製品のWeb GUIやコンソールへログインするユーザーです。アクセスレベルは、「管理ユーザー」と「一般ユーザー」があります。

  • 管理ユーザー

    • ログイン可能で、設定や操作の制限はありません。

  • 一般ユーザー

    • ログイン可能ですが、設定や操作が制限されます。

Tip 詳しくは、「 アクセス管理について 」をご覧ください。

接続ユーザー

ユーザー認証機能により無線LANやリモートアクセスVPNで接続するユーザーです。

Tip 詳しくは、「 活用ガイド 」をご覧ください。

5.1.1. 活用ガイドで紹介するネットワーク環境

項目 説明

Wi-Fi接続をユーザー認証します。

ゲストWi-Fiを設定します。

Wi-Fi接続とリモートアクセスVPN接続をユーザー認証します。

Tip
Wi-Fi接続のユーザー認証

Wi-Fi接続をユーザー認証します。

  • EAP-PEAPによるユーザー名とパスワードを使用したユーザー認証に対応します。

  • セキュリティーは、WPA3-EAPまたはWPA2-EAPを選択します。

600
ゲストWi-Fi

ゲストWi-Fiを設定します。

  • ゲスト・ネットワークに接続可能なVAPを設定します。VAPごとに違うネットワークを設定します。

  • ゲスト・ネットワークに接続した端末は互いにアクセスすることはできません。

600
Wi-Fi接続とリモートアクセスVPNのユーザー認証

Wi-Fi接続とリモートアクセスVPN接続をユーザー認証します。

  • 本製品に内蔵した認証機能により、ネットワークに接続するためのユーザーを管理できます。

  • ユーザー認証で使用するユーザー名とパスワードはWi-Fi接続とリモートアクセスVPNに使用できます。

600

5.2. 設定方法について

項目 接続方法

設定方法の概要

設定方法や操作方法を紹介します。

Web GUIによる設定方法

無線設定や運用管理のための設定方法です。

コンソール操作の方法

メンテナンス(保守作業)のための操作方法です。

5.2.1. 設定方法の概要

2種類の設定方法
  1. Web GUIによる設定方法

    • 手作業で個別に設定します。

    • 設定ファイルのエクスポートやインポートで、バックアップやリカバリーができます。

  2. コンソール操作による設定方法

    • メンテナンス(保守)利用を想定しています。

設定方法のネットワーク概要
600
Web GUI設定
設定手段 ソフトウェア 暗号 認証

Web GUIによる設定方法

Webブラウザー

あり(HTTPS/SSL)

・ユーザーID
・ホスト制限

コンソール操作
操作手段 ソフトウェア 暗号 認証

CONSOLEポートによる操作方法

ターミナルソフト

なし

・ユーザーID

TELNETによる操作方法

TELNETクライアント

なし

・ユーザーID
・ホスト制限

SSHによる操作方法

SSHクライアント

あり

・ユーザーID
・ホスト制限

設定ファイルのインポート(import)/エクスポート(export)
設定手段 ソフトウェア 暗号 認証

Webブラウザー

あり(HTTPS/SSL)

・ユーザーID

説明図の凡例
分類 図記号 内容

推奨度

setting icon best

お勧めの操作方法

setting icon better

用途やアクセス元を限定すれば、利用可能な操作方法

setting icon bad

セキュリティー観点で、お勧めできない操作方法

概要・根拠

setting icon green

通信方式、推奨・非推奨の理由、安全確保のポイントなど

ソフトウェア種類

setting icon orange

設定用PCで利用するソフトウェアの種類
・ ターミナルソフトウェア
・ TELNETクライアント
・ SSHクライアント
・ Webブラウザー

5.2.2. Web GUIによる設定方法

無線設定や運用管理には、Web GUIを利用します。

接続方法
無線LAN 有線LAN
5 setting by wireless lan
5 setting by wired lan
ネットワーク構成
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5.2.3. コンソール操作の方法

コンソール操作は、メンテナンス(保守作業)などに利用できます。

項目 接続方法

CONSOLEポートによる操作方法

コンソールケーブル(シリアルケーブル)で接続します。

TELNETによる操作方法

プライベート・ネットワークから接続します。

SSHによる操作方法

プライベート・ネットワークまたはグローバル・ネットワークから接続します。

CONSOLEポートによる操作方法

コンソールケーブル を直接接続して利用可能です。インターネットに繋がっている必要はありません。

接続方法
操作方法
ネットワーク構成

現地でのメンテナンス(保守作業)に適しています。

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Tip

用意するケーブルは、「 コンソールケーブル 」をご覧ください。

TELNETによる操作方法

TELNETは、ネットワーク経由でコンソール操作できます。気軽に使えて便利ですが、通信内容は暗号化されません。

操作方法
ネットワーク構成

現地でのメンテナンス(保守作業)に適しています。

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SSHによる操作方法

SSHは、ネットワーク経由で安全にコンソール操作できます。通信内容は暗号化されます。

操作方法
ネットワーク構成

現地または遠隔でのメンテナンス(保守作業)に適しています。

600

5.3. プログラムと設定情報について

プログラムと設定情報は、本製品のFlash ROMに保存されています。プログラムと設定情報は、Flash ROMからRAMに読み込まれて無線LANルーターとして動作します。

600
プログラムと設定情報に関わる用語一覧
用語 概要

内部メモリー

本製品には内部メモリーとしてRAMとFlash ROMの2種類があります。

RAM
(揮発性メモリー)

高速&大容量ですが、電源が切れたら消えるメモリーです。 ファームウェア CONFIG ログ(SYSLOG) などの動作に使用します。

Flash ROM
(不揮発性メモリー)

低速&少容量ですが、電源が切れても消えないメモリーです。 ファームウェア CONFIG ログ(SYSLOG) などの保存に使用します。

外部メモリー

ファームウェア CONFIG ログ(SYSLOG) などの保存(書き込み、エクスポート)や参照(読み込み、インポート)に使用するメモリーです。本製品では外部メモリーとして、microSDカードが利用可能です。

動作メモリー

動作メモリーには、内部メモリーのRAMを使用します。

保存メモリー

保存や参照には、内部メモリーのFlash ROM、または外部メモリーを使用します。

ファームウェア

製品を動作させるプログラムです。

CONFIG

設定情報の一部または全部です。

ログ(SYSLOG)

システム動作状態をSYSLOG形式で記録(ログ)したものです。

設定ファイル

CONFIGをエクスポートやインポートする設定情報を収めたのファイルです。

ファームウェアとは
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  • 機器に組み込まれた「プログラム」を「ファームウェア」(firmware)と呼びます。

  • 機能強化や不具合修正したファームウェアを定期的にウェブサイトで無料公開しており、最新の状態で利用できます。

  • ファームウェアは内部メモリー(Flash ROM)に保存されており、アップデートを行うと上書きされて更新されます。

CONFIGとは
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  • 機能動作を指定する「設定情報」を「CONFIG」と呼びます。

  • CONFIGは本製品の内部メモリー(Flash ROM)に保存されており、設定の変更を行うと上書きされて更新されます。

5.4. ログ(SYSLOG)について

本製品では、システム動作状態のログをSYSLOG形式で記録しています。ログは、内部メモリーへ記録するほか、SYSLOGサーバーに送信したり、外部メモリーに記録したりできます。

本製品には、一般的に難しいとされるタイミング(状況)でも、以下情報のログを取得する能力があります。日常管理やトラブルシューティングにお役立てください。

  • 正常動作状態を監視

  • 不具合の原因を調査

    • ウェルネスモニターで「接続切断フロー」を可視化(見える化)

    • リブートログ保存機能を利用して、再起動の原因を調査

  • セキュリティー機能の動作状態を確認

  • ネットワークのスキャンや攻撃を監視

Tip
  • トラブルシューティング方法は「 トラブルシューティング 」を参照してください。

  • ウェルネスモニターのトラブル対処事例は「 活用ガイド 」の「ウェルネスモニターを利用したトラブルシューティング」を参照してください。

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ウェルネスモニター

新しいトラブルシューティング機能「ウェルネスモニター」をWeb GUIに搭載しています。ウェルネスモニターは「接続切断フロー」の可視化(見える化)に記録されたログ(SYSLOG)を利用します。

機能 概要

接続切断フロー

本製品に接続・切断した端末ごとの接続切断フローを、DHCP・DNSも含めてわかりやすく表示します。読み解くのに時間がかかるSYSLOGを確認することなく、端末ごとに接続切断フローが正常だったか、異常だったかを把握することが可能です。

SYSLOGとは

SYSLOGは、システムの時系列ログをSYSLOGサーバーに送信・記録するためのプロトコルです。

用語 概要

Facility
(ファシリティ)

サービスや機能、機器の種類(数値は、0~23)
機器のログを送受信する場合は、local0(16)~local7(23)を使用することが多い。

Severity
(プライオリティー)

ログの重要度(優先度)

SYSLOGサーバーへの宛先ポート

514/udp

SYSLOGサーバーへの始点ポート

514/udp

SYSLOGのSeverity
code type name 概要

0

emerg

致命的状態

1

alert

早急な対処が必要

2

crit

危険な状態

3

err

一般的エラー

4

warning

一般的警告

5

notice

各種フィルター機能等で検出したパケット情報

6

info

動作状況

7

debug

デバッグ情報

リブートログ保存機能

本製品では、設定間違いやファームウェアのバグなどでリブート(再起動)が意図せず発生した場合、リブート直前のログ(SYSLOG)を内部メモリー(RAM)に保存したうえでリブートさせるため、再起動後に直前のログを確認できます。これにより、リブート原因を解析できます。

5.5. アクセス管理について

5.5.1. ユーザーのアクセス管理

本製品にログインするユーザーは、「アクセスレベル」を設定した「ユーザーアカウント」を登録して管理します。

800
ユーザー名 パスワード administrator 権限 作成方法

admin

製品ラベルのログインパスワード

製品ラベルの管理パスワード

管理ユーザー

初期管理ユーザー

user1

Web GUIで設定

製品ラベルの管理パスワード

管理ユーザー

Web GUIで設定

user2

Web GUIで設定

昇格不可

一般ユーザー

Web GUIで設定

Tip
  • セキュリティーを高める工夫として、「 活用ガイド 」で、「ユーザーを登録する」や「管理パスワードを変更する」を説明しています。

  • 詳しいユーザーの管理方法は、「 技術資料 」をご覧ください。

5.5.2. 接続ホストのアクセス管理

本製品のサービスに接続するホストを「アクセスを許可するホスト指定」「サービスのON/OFF指定」で制限できます。利用環境に合わせて設定してください。

  • 設定例

    • LANからのアクセスはすべて許可し、それ以外は「遠隔地」からリモートアクセスVPNで接続しているユーザーのIPアドレスのみ許可する。

600
サーバー機能 サービスのON/OFF指定 アクセス制限

Web GUI

不可

インターフェース、または、IPアドレス

TELNET

可能

インターフェース、または、IPアドレス

SSH

可能

インターフェース、または、IPアドレス

Note
  • 遠隔地からアクセスを許可する端末は、リモートアクセスVPNで本製品にアクセスすることを推奨します。

Tip
  • セキュリティーを高める工夫として、「 活用ガイド 」で、「アクセスを制限する」を説明しています。

  • 詳しい接続ホストの管理方法は、「 技術資料 」をご覧ください。