7. クラウド管理の始め方

本章では、クラウド管理を開始する設定手順を説明します。
設定の目的や、設置先のネットワーク環境によって、設定手順が異なります。本章では、以下の設定手順を紹介します。

7.1. クラウド管理の概要

クラウド型ネットワーク統合管理サービス「Yamaha Network Organizer」(YNO)を利用して、複数の拠点やL3ネットワークをクラウドで集中管理できます。本製品は、YNOエージェント機能により、YNOマネージャーと接続・通信します。

5 cluster3
YNOエージェント機能を利用したクラウド管理
クラウド管理の特徴
クラスターCONFIGとグループCONFIG
  • クラスターCONFIG は、クラスターに共通する設定です。クラスター内のAPに同期されます。

  • グループCONFIG は、グループに共通する設定です。グループ内のAPに同期されます。

7 cloud mgmt config
クラウド管理におけるグループCONFIGとクラスターCONFIGの適用範囲
クラウド管理の注意事項
  • YNOを利用するには、「ライセンスキー」と「規約の同意」が必要です。

    • 本製品には、1年分の無償ライセンスが付属しています。

  • 従来モデルの「無線LANコントローラー機能」とは、互換性がありません。

Web GUIへのアクセス方法
  • Web GUIは、直接アクセスとYNOマネージャーのGFW(GUI Forwarder)アクセスを使い分けて、設定や管理を行います。

  • LANマップのHTTPプロキシー機能経由でも、Web GUIにアクセスできます。

  • YNOマネージャーのGFW(GUI Forwarder)を介して、 グループCONFIG クラスターCONFIG を設定します。

Table 1. クラウド管理:Web GUIへのアクセス方法と設定・操作
対象Web GUI アクセス方法 主な設定や操作

AP

  • 直接

  • LANマップ経由

<AP固有の操作>
見える化ツール 、ここです、
無線LAN機能の動作状態・通信状態、
ログ出力、レポート出力、 ネットワークコマンド
ファームウェア更新 、再起動、 初期化

  • YNOのGFW経由

<AP固有の操作>
見える化ツール 、ここです、
無線LAN機能の動作状態・通信状態、
ログ出力、レポート出力、 ネットワークコマンド
再起動、 初期化

仮想コントローラー

  • 直接

  • LANマップ経由

<クラスターに共通する設定や操作の一部>
管理モード、クラスター設定、クラスターAP管理、
機器交換、 ファームウェア更新
設定送信

  • YNOのGFW経由
    クラスターCONFIG

<クラスターに共通する設定、個別の設定>
クラスター設定、クラスターAP管理、
個別の無線設定、ログ、DHCPサーバー、
キャプティブポータル、機器交換、RO機能、
設定の保存や復元、災害時モード、
設定送信

  • YNOのGFW経由
    グループCONFIG

<グループに共通する設定>
管理パスワード 共通の無線設定 、管理機能、
RADIUSサーバー、SNMP、メール通知、
キャプティブポータル、設定の保存や復元、
設定送信

メモ

7.2. 1台目の初期設定

本製品をクラウド管理で利用開始するための、初期設定の手順を説明します。

Table 2. 1台目の初期設定手順
概要(*: クラウド管理特有の操作) Web GUIによる設定手順 CONSOLE

説明に用いる設定環境を確認する。「 接続する 」を参考に本製品をネットワークへ接続する。

想定環境

環境

設定環境に合わせて設定用パソコンのネットワーク設定をする。

パソコンのネットワーク設定

準備

仮想コントローラーのWeb GUIにログインし、 クラウド管理 を選択する。

IPアドレス調査

APにログイン

ログイン

仮想コントローラーにログイン

オンプレミス管理とクラウド管理の選択

の管理パスワードを初期設定する。

の管理パスワードの初期設定

ログイン

設置先ネットワーク環境に合わせてIPアドレスを設定する。

APや仮想コントローラーのIPアドレス変更

アドレス変更

インターネット上のサービスと通信するために必要なネットワーク設定をする。

共通ネットワーク設定

ネットワークコマンドでネットワーク設定の動作を確認する。

ネットワークの疎通確認

*YNOにシリアル番号とDevice ID を登録する。

YNOに登録する

*グループCONFIGの管理パスワード を初期設定する。

グループCONFIGの管理パスワードの初期設定

*APからYNOへの接続状態 を確認する。

YNO接続を確認する

*グループCONFIGの無線設定 をする。

無線設定

無線設定の動作を確認する。

無線設定の動作確認

設定や動作確認が完了したら、設置する。

設置する

メモ
Web GUIによる初期設定手順でIPアドレスなどの設定が複雑になってしまう場合には、 CONSOLEポートを利用したコマンド設定 で代替することで簡潔に設定できます。

初期設定後は、YNOマネージャーにログインして設定変更や管理をします。

重要

本製品がYNOに接続した時(共通ネットワーク設定を設定送信した後など)、管理パスワードや無線設定などはグループCONFIG/クラスターCONFIGで上書きされます。

  • 管理パスワードについて

    • YNO接続後、グループCONFIGに上書きされるので、グループCONFIGに登録された管理パスワードに変わります。

    • 初めて作られたグループの管理パスワードは、空になっています。YNO接続後、消去(空で上書き)され、再び 管理パスワードの初期設定 が求められます。

  • 無線設定について

    • YNO接続後、グループCONFIGに上書きされるので、グループCONFIGに登録された無線設定に変わります。

    • 初めて作られたグループの無線設定は、空になっています。YNO接続後、消去(空で上書き)されます。

    • 工場出荷時の状態でプリセットされたWPS機能のSSIDの”VAP9”などの無線設定も上書きされます。

7.2.1. 想定環境

メモ
設定に使用するWebブラウザーは、 使用可能なWeb ブラウザー情報 をご確認ください。
本ガイドでは、Windows 10のMicrosoft Edgeを例に説明します。

説明するIPアドレス環境は、以下のDHCP環境を例に説明します。

6 explain network dhcp
説明に使用するネットワーク構成図
Table 3. IPアドレスの割り当てと説明での役割
IPアドレス 説明での役割

192.168.1.1/24

L3スイッチなどで動作しているDHCPサーバーやLANマップ

DHCP自動取得 (192.168.1.2/24)

設定用パソコンのIPアドレス

DHCP自動取得 (192.168.1.3/24)

APのIPアドレス

DHCP自動取得 (192.168.1.4/24)

仮想コントローラーのIPアドレス

7.2.2. パソコンのネットワーク設定

設定に用いるパソコンを設定してください。「 パソコンのネットワーク設定 」は、DHCPサーバーの動作状況に合わせて、設定内容を選んでください。

  • DHCP環境 (DHCPサーバーが動いている環境用に設定する)

    DHCP環境とは?

    • IPアドレスを「DHCP自動取得」で運用している。

    • ネットワーク内でDHCPサーバーが動作している。

  • 固定IPアドレス環境 (DHCPサーバーは動いていない環境用に設定する)

    固定IPアドレス環境とは?

    • IPアドレスを「固定」して運用している。

    • ネットワーク内でDHCPサーバーが動作していない。存在しない。

    • DHCP自動取得に失敗する。

7.2.3. IPアドレスの調査

Web GUIで設定を始める前に、本製品(AP)のIPアドレスを調査します。調査方法については、「 IPアドレスを調査 」をご覧ください。

7.2.4. APにログイン

本製品の設定変更は、仮想コントローラーのWeb GUIから行います。本製品と同じネットワークに接続した設定用のパソコンで以下の操作を行い、Web GUIを開いてください。

メモ

  • 設定に使用するWebブラウザーは、 使用可能なWeb ブラウザー情報 をご確認ください。
    本ガイドでは、Windows 10のMicrosoft Edgeを例に説明します。

  • Webブラウザーの[戻る]、[進む]ボタンは使用しないでください。使用すると意図しない動作につながることがあります。

  1. Webブラウザー(Microsoft Edge)を起動する。

  2. WebブラウザーのアドレスバーにAPの IPアドレスの調査 で確認したIPアドレスを半角英数字で入力し、Enterキーを押す。
    「ユーザー名」と「パスワード」を入力する画面が表示される。

  3. 「ユーザー名」欄に「admin」と半角で入力し、「パスワード」欄は空欄のまま[サインイン]をクリックする。

    6 192 168 1 3 login2 admin

    APのWeb GUIの[トップ]が表示される。

7.2.5. 仮想コントローラーにログイン

APのWeb GUIから仮想コントローラーのWeb GUIにログインします。

メモ
仮想コントローラーのWeb GUIの起動には、数分かかります。起動中の場合は、しばらく待ってから再びアクセスしてください。
  1. APのWeb GUIの[トップ]で[仮想コントローラー]ボタンをクリックする。

    6 ap top vwlc
    APのWeb GUI[トップ](管理パスワードが未設定の注意表示)

    メモ

    • 仮想コントローラーが起動中のため「IPアドレスが取得できていない」という注意情報が表示された場合には、しばらく待ってから再読み込み(リロード)し、[仮想コントローラー]ボタンを選びなおしてください。

      6 ap top vwlc dont
      APのWeb GUI[トップ](仮想コントローラーが起動中の場合の注意表示)

    「ユーザー名」と「パスワード」を入力する画面が表示される。

  2. 「ユーザー名」欄に「admin」と半角で入力し、「パスワード」欄は空欄のまま[サインイン]をクリックする。

    6 192 168 1 4 login2 admin

7.2.6. オンプレミス管理とクラウド管理の選択

仮想コントローラーのWeb GUIを初めて開いた(工場出荷状態)場合には、「管理形態の選択」ダイアログ(オンプレミス管理とクラウド管理の選択画面)が表示されます。「 管理方法 」を参照し、オンプレミス管理を行う場合は、[クラウドから管理する]を選択します。

  1. 「管理形態の選択」ダイアログで、[クラウドから管理する]をクリックする。

    5 vwlc select mgmt
    仮想コントローラーのWeb GUI[トップ](「管理形態の選択」ダイアログ)
    メモ
    管理形態を変更したい場合は、仮想コントローラーのWeb GUIのメニュー[基本設定]-[管理モード]から変更できます。

7.2.7. 仮の管理パスワードの初期設定

仮想コントローラーのWeb GUIを初めて開いた(工場出荷状態)場合には、仮想コントローラーの管理パスワードの設定画面が表示されます。YNOに接続するまでの間に利用する、 仮の管理パスワード を設定します。

6 notice password1
仮想コントローラーのWeb GUI[管理パスワードの初期設定](入力欄)
  1. 仮想コントローラーの 仮の管理パスワード を入力し、[設定]タンを押す。

    6 notice password2
    仮想コントローラーのWeb GUI[管理パスワードの初期設定](入力例)

    設定保存中のメッセージが表示される。

    6 notice password3
    仮想コントローラーのWeb GUI[管理パスワードの初期設定](保存中)

    保存が終わると、「ユーザー名」と「パスワード」を入力する画面が表示される。

  2. 「ユーザー名」欄に「admin」と半角で入力し、「パスワード」欄に設定した 仮の管理パスワード を入力し、[サインイン]をクリックする。

    6 192 168 1 4 login3 admin pass5

    仮想コントローラーのWeb GUIの[トップ]が表示される。

    6 vwlc top check cloud
    仮想コントローラーのWeb GUI[トップ](「オンプレミスで管理する」の場合)

    メモ

    • 管理形態の設定によって、メニューの項目表示が異なります。

      • 左メニューの表示内容

      • 右上の「通知ベルアイコン」( icon bell )の有無(メッセージボードの表示)

      • YNOエージェント機能が有効になっている表示

    6 vwlc top check on premises
    仮想コントローラーのWeb GUI[トップ](「オンプレミスで管理する」の場合)
  3. 仮想コントローラーの[設定送信] を実行し、 仮の管理パスワード を管理下のAPに送信する。

メモ

  • APのWeb GUIの[トップ]の表示例[クラウドから管理する] (YNOエージェント機能を使用する)

6 ap top check cloud
APのWeb GUI[トップ](YNOエージェント機能を使用する)

7.2.8. APや仮想コントローラーのIPアドレス変更

APや仮想コントローラーのIPアドレスは、クラスター設定やクラスターAP管理で変更します。

設定画面 設定内容

クラスター設定( 共通ネットワーク設定

仮想コントローラーのIPアドレス

クラスターAP管理(名称や設置場所)

APのIPアドレス

説明で想定する使い方(IPアドレスの割り当て方)
  • 仮想コントローラーのIPアドレスを固定割当に変更します。

  • APのIPアドレスは、自動割り当てのままにしておきます。

メモ

  • 仮想コントローラーのIPアドレスを固定割り当てに変更することで、障害などでLeader-APが切り替わったとき、仮想コントローラーのIPアドレスの切り替わりを防ぐことができます(同じIPアドレスに継続アクセスできます)。

    • Leader-APが切り替わるとその仮想コントローラーのMACアドレスも変わります。

    • MACアドレスが変わるので、DHCPサーバーから新しい仮想コントローラーに付与されるIPアドレスも変わります。

6 explain network static
「説明に使用するネットワーク構成図」から「仮想コントローラー」のIPアドレスを変更する
仮想コントローラーのIPアドレス変更

仮想コントローラーのIPアドレス変更は、[クラスター設定]で変更します。

  1. 仮想コントローラーWeb GUIのメニューから、[基本設定]-[クラスター設定]を順にクリックする。

    7 vwlc cluster1 ip1
    仮想コントローラーのWeb GUI[設定]-[基本設定]-[クラスター設定](入力枠)
  2. 「仮想コントローラーのネットワーク設定」の内容を次のように変更する。

    項目 初期設定 入力内容

    DHCP (IPv4)

    有効

    無効

    IPアドレス (IPv4)

    192.168.1.200

    ネットマスク

    24

    メモ
    設定内容について詳しくは、Web GUIの[ヘルプ]をご覧ください。
  3. 新しいIPアドレスとネットマスクを入力し、「設定」ボタンをクリックする。

    7 vwlc cluster1 ip4
    仮想コントローラーのWeb GUI[基本設定]-[クラスター設定](入力操作例)

    IPアドレスの設定が終わると、新しいIPアドレスの仮想コントローラーから、管理パスワードの入力が求められる。

  4. 「ユーザー名」欄に「admin」と半角で入力し、「パスワード」欄に仮想コントローラーの管理パスワードを入力し、[サインイン]をクリックする。

    6 192 168 1 200 login2 admin pass5

    「クラスター設定」が再表示される。

  5. 仮想コントローラーの[設定送信] を実行する。

    メモ
    仮想コントローラーから管理下のAPに未送信の設定があるため、画面の上部に「設定送信」の注意情報が表示される。
    7 vwlc cluster1 ip5
    仮想コントローラーのWeb GUI[基本設定]-[クラスター設定](設定送信の注意情報が表示される)
APのIPアドレス変更

APのIPアドレスは、「クラスターAP管理」で変更します。手順は、仮想コントローラーのIPアドレス変更と同様です。

  • 仮想コントローラーのWeb GUI[基本設定]-[クラスターAP管理]を順にクリックする。

    • クラスターに1台のAPが属している場合

      7 vwlc cluster2 ap1
      仮想コントローラーのWeb GUI[基本設定]-[クラスターAP管理](クラスターに1台のAPが属している場合)
    • クラスターに2台のAPが属している場合

      7 vwlc cluster2 ap2
      仮想コントローラーのWeb GUI[基本設定]-[クラスターAP管理](クラスターに2台のAPが属している場合)
  • クラスターCONFIG「基本設定」-「クラスターAP管理」を順にクリックする。

    • クラスターに1台のAPが属している場合

      7 vwlc cluster2 yno ap1
      クラスターCONFIG[基本設定]-[クラスターAP管理](クラスターに1台のAPが属している場合)
    • クラスターに2台のAPが属している場合

      7 vwlc cluster2 yno ap2
      クラスターCONFIG[基本設定]-[クラスターAP管理](クラスターに2台のAPが属している場合)

7.2.9. 共通ネットワーク設定

仮想コントローラーやAPがインターネット上のサービス(YNOマネージャーや時刻サーバーなど)と通信するために必要な設定を行います。「 ご用意いただく情報 」でご準備いただいた情報を設定してください。

  1. 仮想コントローラーのWeb GUIにログインする。

  2. [基本設定]-[クラスター設定]の順にクリックする。

    7 vwlc cluster3 nw1
    仮想コントローラーのWeb GUI[基本設定]-[クラスター設定](入力枠)
  3. 「仮想コントローラーとAPの共通ネットワーク設定」に「 ご用意いただく情報 」で準備した次の情報を入力し、[設定]をクリックする。

    • デフォルトゲートウェイ

    • DNSサーバー

    • Proxyサーバー

    • Proxyサーバーのポート番号

      7 vwlc cluster3 nw2
      仮想コントローラーのWeb GUI[基本設定]-[クラスター設定](入力例)
  4. 仮想コントローラーの[設定送信] を実行して、管理下のAPに送信する。

    7 vwlc cluster3 nw3
    仮想コントローラーのWeb GUI[基本設定]-[クラスター設定](設定送信の注意情報が表示される)

7.2.10. ネットワークの疎通確認

APのWeb GUIからネットワークコマンド(ping, arping, traceroute)を実行して、LAN機器やインターネットなどへ疎通を確認してください。ネットワークコマンドの操作方法は、「 ネットワーク設定の動作確認 」を参照してください。

7.2.11. YNOに登録する

YNOを利用して本製品を管理するために、YNOマネージャーへの機器登録を行います。
グループ登録・機器登録は、YNOマネージャーで行います。

重要

  • YNOのオペレーターに限り、機器登録の操作が可能です。
    (YNOのオペレーターでない方は、以下の手順を行う必要はありません)

  1. 用意したすべての本製品の、製造番号(シリアル番号)とDevice IDを「 製品ラベル 」や「APのWeb GUI[トップ]」で確認する。

    重要

    • 製造番号(シリアル番号)とDevice IDは、端末ごとに異なります。

    機器本体の裏にあるラベル(画像赤枠内)

    2 product label
    WLX222製品ラベルの表示例(Device ID、製造番号、MACアドレス)

    APのWeb GUIの[トップ](画像赤枠内)

    7 ap top device id
    Web GUIの[トップ]の表示例(MACアドレス、Device ID、シリアル番号)
  2. YNOマネージャーに、オペレーターのアカウントでログインする。

  3. [APの登録/グループ管理]画面の[グループ管理]から[+グループの新規作成]で、登録するグループを作成する。

    メモ
    本ガイドで使用するグループ名は、"user_guide"と設定します。
  4. [APの登録/グループ管理]画面の[+AP登録]で、すべての製品情報を登録する。

    登録する製品情報 備考

    シリアル番号

    手順1.、または、「 製品ラベル 」で確認した機器情報

    Device ID

    グループ名

    YNOマネージャーの機器管理で用いる名称
    本ガイドでは、"user_guide"を使用します。

メモ

7.2.12. グループCONFIGの管理パスワードの初期設定

本製品がYNOに接続した(YNOに登録された)時、設定はグループCONFIGで上書きされます。仮に設定した管理パスワードも、グループCONFIGに登録された管理パスワードに置き換わります。

YNOに接続できていると、グループCONFIGに登録されている管理パスワードの内容によって、管理パスワードに関する「 管理パスワードの初期設定 」画面または「 ユーザー名とパスワードを入力する 」画面が表示されます。 管理パスワードに関する画面が表示されない 場合は、設定に間違いがある可能性がありますので、「 YNO接続を確認する 」を参照し、YNOへの接続状態を確認してください。

パスワードに関連する画面が表示されない

YNO接続を確認する 」を参照し、YNOへの接続状態を確認してください。

  • YNOに正しく接続できている場合

    • YNOに正しく接続できており、既存のグループCONFIGがあります。

    • 仮の管理パスワードとグループCONFIGに設定済みの管理パスワードが同じでしたので、「ユーザー名・パスワードを入力する」画面が表示されませんでした。

    • そのままご利用ください。

  • YNOに正しく接続できていない場合

「管理パスワードの初期設定」画面が表示された
  • YNOに正しく接続できており、新規のグループCONFIGが作成されています。

    • 初めて作られたグループの管理パスワードは、空になっています。
      YNO接続後(YNO登録後)、グループCONFIGの管理パスワード(空)で上書きされ、再び「 管理パスワードの初期設定 」 が求められます。

  • YNO接続後に 管理パスワードの初期設定 で設定した管理パスワードは、グループCONFIGに保存されます。

「ユーザー名・パスワードを入力する」画面が表示された
  • YNOに正しく接続できており、既存のグループCONFIGがあります。

    • 仮の管理パスワードとグループCONFIGに設定済みの管理パスワードが異なる場合には、YNO接続後(YNO登録後)、グループCONFIGの管理パスワードで上書きされると、管理パスワードの入力が求められます。

  • 管理パスワードの確認ダイアログでグループCONFIGの管理パスワードを入力してください。

    1. 「ユーザー名」欄に「admin」と半角で入力し、「パスワード」欄にグループCONFIGの管理パスワードを入力し、[サインイン]をクリックする。

      6 192 168 1 200 login3 admin pass10

7.2.13. YNO接続を確認する

本体 天面のインジケーター やAPのWeb GUIの[トップ]で、YNOへの接続状態を確認します。

重要
インターネット接続に成功すると、本製品は、自動でYNOマネージャーに接続します。YNOマネージャーとの認証に成功すると、本製品がYNOの管理対象になります。その後は自動で、YNOマネージャーからグループCONFIGを取得し、本製品の設定が更新されます。
各APのWeb GUIの[トップ]

YNOエージェント機能への接続状態は、各APのWeb GUIの[トップ]で確認できます。

7 ap top yno ok
APのWeb GUI[トップ]:YNOエージェント機能のところが「接続中」 (赤枠で注目)
YNOマネージャーの[AP一覧]

YNOへの接続状態は、YNOマネージャーの「AP一覧」で確認できます。

8 yno3 ap online
YNOマネージャーの[機器管理](AP一覧)
天面のインジケーター表示

天面のインジケーター 表示で、YNO接続状態を確認します。
以下の表に従って、YNOの接続状態を判断、対処してください。

Table 4. インジケーターによるYNO接続状態の識別方法
YNOの接続状態 POWER LAN YNO WLAN トラブルシューティング

正常接続

点灯(青色)

点灯(青色)

点灯(青色)

Anything

インターネット
未接続

点灯(青色)

点滅(青色)

Anything

Anything

共通ネットワーク設定 を確認する。

未接続

点灯(青色)

点灯(青色)

点滅(青色)

Anything

接続失敗

点灯(青色)

点灯(青色)

点滅(橙色)

Anything

シリアル番号とDevice IDの登録 を確認する。

メモ
各インジケーターの位置および点灯状態について、詳しくは「 天面と側面 」をご覧ください。
トラブルシューティング

接続に失敗している場合は、仮想コントローラーのWeb GUIの「 共通ネットワーク設定 」、または、「 YNOマネージャーの機器登録(シリアル番号とDevice ID) 」 を見直してください。

7.2.14. 無線設定する

YNOマネージャーからグループCONFIGの無線設定を行います。

Table 5. 設定対象と設定方法の概要
管理方法 設定対象 設定方法

クラウド管理

仮想コントローラー

仮想コントローラーのWeb GUIを開く

グループCONFIG

YNOマネージャーからグループCONFIGを開く

クラスターCONFIG

YNOマネージャーからクラスターCONFIGを開く

  1. YNOマネージャーからグループCONFIGを開く

    グループCONFIGのWeb GUIが表示される。

    8 yno group config top
    YNOマネージャー[グループCONFIG]-[トップ]
  2. Web GUIのメニューから、[無線設定]-[共通]-[SSID管理]を順にクリックする。

  3. 表示された[SSID管理]画面で、無線設定を追加する番号の[追加]をクリックする。

    注意

    • 本製品がYNOに接続した時(共通ネットワーク設定を設定送信した後など)、 無線設定はグループCONFIG/クラスターCONFIGで上書きされます。

      • YNO接続後、グループCONFIGに上書きされるので、グループCONFIGに登録された無線設定に変わります。

      • 初めて作られたグループの無線設定は、空になっています。YNO接続後、消去(空で上書き)されます。

      • 工場出荷時の状態でプリセットされたWPS機能のSSIDの”VAP9”などの無線設定も上書きされます。

    7 group config ssid1 default
    YNOマネージャー[グループCONFIG]-[無線設定]-[SSID管理](VAP9は、空のグループCONFIGで上書きされている)

    選択したVAPの設定画面が表示される。

  4. VAP1設定に無線設定を入力する。

    Table 6. 無線設定の入力例
    項目 入力内容 補足

    バインドする無線モジュール

    2.4GHz、5GHz

    チェックを入れる

    SSID

    yamaha

    文字を入力する

    認証方式

    WPA2-PSK / WPA3-SAE

    プルダウンメニューから選択する

    PSK(事前認証鍵)

    YMH.pass

    入力したパスワードは●●●で表示される

    注意

    • 実際に運用するPSK(事前認証鍵)には、必ず、上の例とは異なる文字列を設定してください。

    メモ

    • 認証方式、セキュリティ方式、WPS機能など詳しくは、Web GUIの[ヘルプ]や「 技術資料 」、「 設定例 」をご覧ください。

    • 認証方式は、プルダウンメニューから「WPA2-PSK / WPA3-SAE」を選択する。

      6 vwlc ssid3 vap1 input security
      VAP設定の認証方式のプルダウンメニュー例(Rev.24.00.01)
    7 group config ssid3 vap1 input
    YNOマネージャー[グループCONFIG]-[無線設定]-[SSID管理]-[VAP1設定](入力例)
  5. 画面を下にスクロールして[設定]をクリックする。

    7 group config ssid4 set
    YNOマネージャー[グループCONFIG]-[無線設定]-[SSID管理]-[VAP1設定](最下の[設定]ボタン)
  6. グループCONFIGの設定送信 を実行し、無線設定を管理下のAPに送信する。

    7 group config ssid5 done
    YNOマネージャー[グループCONFIG]-[無線設定]-[SSID管理](VAP1を設定後、設定送信を行う)

7.2.15. 無線設定の動作確認

無線設定が終わったら、無線設定の動作確認を行います。

確認項目例 補足事項

WLANインジケーター

消灯している(無線LANが利用可能)

見える化ツール

YNO経由で、APのWeb GUIから「 見える化ツール 」を開き、周囲の電波状態、端末との接続状態を確認する。

LANマップ

L3スイッチなどの「LANマップ」を開き、無線APや無線端末の表示などを確認する。端末が表示されるまで時間がかかる場合があります。

7.3. 見える化ツールを開く

クラウド管理のとき、「 見える化ツール 」を開く手順を紹介します。クラウド管理環境下では、離れた場所(リモート/遠隔)からもYNOマネージャー経由で開けます。

3 wlv radio state
APのWeb GUIの見える化ツールを開く(現地)
  1. APのWeb GUIにログインする。

  2. [見える化ツール]ボタンをクリックする。

    6 ap top wlv cloud
YNOマネージャーのGFW経由でAPのWeb GUIの見える化ツールを開く(リモート/遠隔)
  1. YNOマネージャーから「見える化ツール」を開く
    [見える化ツール]が表示される。

7.4. 2台目の追加設定

運用中のクラスターと同じネットワークに本製品を接続すると、運用中のクラスターの設定内容が自動送信されます。
その後、ネットワーク環境に適した方法で設定します。

ネットワーク環境 設定手順

DHCP環境

仮想コントローラーからIPアドレスを変更する方法

固定IPアドレス環境

YNOマネージャーからIPアドレスを変更する方法 (推奨)

仮想コントローラーからIPアドレスを変更する方法

DHCP環境で、IPアドレスを変更する方法

本製品を、運用中のクラスターと同じネットワークに接続し、YNOに追加登録します。手動での設定は必要ありません。

Table 7. DHCP環境に追加するときの設定手順
概要(*: クラウド管理特有の操作) 操作手順

ネットワークに接続する

接続する

* シリアル番号とDevice IDをYNOに追加登録 する。

1台目の初期設定: YNOに登録する

* YNOへの接続状態を確認 する。

1台目の初期設定: YNO接続を確認する

無線設定の動作確認を行う。

1台目の初期設定 : 無線設定の動作確認

動作確認が完了したら、設置する。

設置する

固定IPアドレス環境で、YNOマネージャーからIPアドレスを変更する方法

本製品と設定用のパソコンを、運用中のクラスターと同じネットワークに接続します。その後、YNOマネージャーからIPアドレスを設定します。

Table 8. 固定IPアドレス環境に追加するときの設定手順(YNOマネージャーからIPアドレス変更)
概要(*: クラウド管理特有の操作) 操作手順

* シリアル番号とDevice IDをYNOに追加登録 する。

1台目の初期設定 : YNOに登録する

* APのIPアドレスを変更 する。

2台目の追加設定 : APのアドレス変更

* YNOへの接続状態を確認 する。

1台目の初期設定 : YNO接続を確認する

無線設定の動作確認を行う。

1台目の初期設定: 無線設定の動作確認

設定や動作確認が完了したら、設置する。

設置する

7.4.1. APのIPアドレスを変更する

構築済みの固定IPアドレス環境に2台目を追加した場合は、クラスター管理機能により、自動的に仮想コントローラーの管理下に組み込まれます。ここでは、2台目のIPアドレスを「192.168.100.202/24」に変更する二つの方法を説明します。

IPアドレス

説明での使い方

192.168.100.1/24

L3スイッチ(ゲートウェイ)のIPアドレス

192.168.100.2/24

設定用パソコンに設定するIPアドレス

192.168.100.200/24

仮想コントローラーに設定するIPアドレス

192.168.100.201/24

1台目のAPに設定するIPアドレス

192.168.100.202/24

2台目のAPに設定するIPアドレス

192.168.100.240/24

DHCP自動取得に失敗したときのAPのIPアドレス

YNOマネージャーのクラスターCONFIGでIPアドレス変更
  1. 2台目のAPをネットワークに接続する。

  2. 起動完了するまで数分待って、 YNOマネージャーからクラスターCONFIGを開く
    クラスターCONFIGの[トップ]が表示される

    メモ

    • 起動完了をインジケーターで確認する方法は、「 起動プロセス 」をご覧ください。

  3. クラスターCONFIGの[基本設定]-[クラスターAP管理]の順にクリックする。

    メモ

    • 追加したAPの情報は、「クラスターAP管理」の「AP情報設定」に追加されます。

    • 追加したAPの情報が表示されていない場合には、数分待ってから再読み込み(リロード)してください。

    • APを追加後 (APが2台のとき)

      7 vwlc cluster4 yno ip2
      クラスターCONFIG[基本設定]-[クラスターAP管理](追加後、APが2台のとき)
  4. DHCP(IPv4)のプルダウンメニューから「無効」を選び、IPアドレスとネットマスクに入力し、[設定]ボタンをクリックする。

    7 vwlc cluster4 yno ip5
    クラスターCONFIG[基本設定]-[クラスターAP管理](IPアドレスとネットマスクの入力例)
  5. IPアドレスの設定が終わると、「クラスターAP管理」に設定送信の注意情報が表示されるので、 クラスターCONFIGの設定送信 を実行する。

    7 vwlc cluster4 yno ip6
    クラスターCONFIG[基本設定]-[クラスターAP管理](設定送信の注意情報が表示される)
  6. 設定送信を実行後、しばらくすると、2台目のAPに新しいIPアドレスが適用される。

    7 vwlc cluster4 yno ip8
    クラスターCONFIG[設定送信](APのIPアドレス変更が適切に完了)

メモ

  • 設定送信を実行後は、前の設定が見える場合があります。その場合は、数秒待ってから再読み込み(リロード)してください。

7 vwlc cluster4 yno ip7
クラスターCONFIG[設定送信](設定送信後、前の設定が見えている状態)
仮想コントローラーでIPアドレス変更
  1. 2台目のAPをネットワークに接続する。

  2. 起動完了するまで数分待って、仮想コントローラーのWeb GUIを開く。

    メモ

    • 起動完了をインジケーターで確認する方法は、「 起動プロセス 」をご覧ください。

  3. 仮想コントローラーのWeb GUIで[基本設定]-[クラスターAP管理]の順にクリックする。

    メモ

    • 追加したAPの情報は、「クラスターAP管理」の「AP情報設定」に追加されます。

    • 追加したAPの情報が表示されていない場合には、数分待ってから再読み込み(リロード)してください。

    • APを追加後 (APが2台のとき)

      7 vwlc cluster4 ip2
      仮想コントローラーのWeb GUI[基本設定]-[クラスターAP管理](APが2台のとき)
  4. DHCP(IPv4)のプルダウンメニューから「無効」を選び、IPアドレスとネットマスクに入力し、[設定]ボタンをクリックする。

    7 vwlc cluster4 ip5
    仮想コントローラーのWeb GUI[基本設定]-[クラスターAP管理](IPアドレスとネットマスクの入力例)
  5. 設定が終わると、「クラスターAP管理」に設定送信の注意情報が表示されるので、 仮想コントローラーの設定送信 を実行する。

    7 vwlc cluster4 ip6
    仮想コントローラーのWeb GUI[基本設定]-[クラスターAP管理](設定送信の注意情報が表示される)
  6. 設定送信を実行後、しばらくすると、2台目のAPに新しいIPアドレスが適用される。

    7 vwlc cluster4 ip8
    仮想コントローラーのWeb GUI[設定送信](APのIPアドレス変更が適切に完了)

メモ

  • 設定送信を実行後は、前の設定が見える場合があります。その場合は、数秒待ってから再読み込み(リロード)してください。

7 vwlc cluster4 ip7
仮想コントローラーのWeb GUI[設定送信](設定送信後、前の設定が見えている状態)

7.5. クラウド管理を止める

クラウド管理の利用を中止する(グループCONFIGを削除する)場合は、YNOマネージャーと本製品の設定を変更します。

  1. YNOマネージャーに、オペレーターのアカウントでログインする。

  2. [APの登録/グループ管理]画面の[APの削除]で、機器登録を削除する。

  3. [APの登録/グループ管理]画面の[グループ管理]から[グループの削除]で、グループを削除する。

    重要

    • グループCONFIG(クラウドに保存された情報)も削除されます。

    • グループCONFIGを削除しない場合は、グループも削除しないでください。

  4. 仮想コントローラーのWeb GUIの[基本設定]-[管理モード]で、「YNOエージェント機能の使用」を「使用しない」に設定する。

    5 vwlc select yno mgmt
    「管理モード」の表示例
  5. 仮想コントローラーの「設定送信」 を実行する。

  6. 本製品を再起動して、YNOエージェント機能を停止する。

メモ

  • グループCONFIG(クラウド管理で運用していた設定)と同様の設定でオンプレミス管理が継続できます。

  • 再び、クラウド管理を行う場合は、「 YNOに登録する 」を実行します。

    • グループが残ってる場合は、既存のグループCONFIGで上書きされます。

    • グループを新規作成する場合は、空のグループCONFIGで上書きされます。