6. 本製品を起動する・停止する

本章では、本製品を起動する手順と、本製品を停止する手順を説明します。

6.1. 起動手順

本ガイドでは、以下の3パターンの起動手順を紹介します。

6.1.1. デフォルトのファームウェアと設定ファイルを使用して起動する

基本の起動手順です。本製品の不揮発性メモリーに保存されている、デフォルトのファームウェアと設定ファイルを使用して、本製品を起動します。

  1. 本製品のPOWERスイッチがSTANDBYになっていることを確認します。

  2. 本製品のmicroSDスロットおよびUSBポートに、microSDHCカードやUSBメモリーが挿入されていないことを確認します。

  3. 本製品のPOWERスイッチをONにします。

    • 本製品のPOWERインジケーターが緑点滅します。

    • 10秒経過すると、デフォルトとして設定されているファームウェアと設定ファイルを読み込んで、本製品が起動処理を開始します。

    • 起動処理が完了すると、POWERインジケーターが緑点灯の状態になります。

6.1.2. 使用するファームウェアと設定ファイルを選択して起動する

本製品の不揮発性メモリーに複数のファームウェアや複数の設定ファイルが保存されている場合は、どのファームウェアと設定ファイルを使用して本製品を起動するか、起動時に選択できます。たとえば本製品に問題が発生した場合に、古いリビジョンのファームウェアや、問題が発生する前の設定ファイルで起動できます。
操作は、CONSOLEポートに接続したパソコンで本製品のコンソール画面を開いて行います。

お知らせ

  • ここでは、コンソールの使用方法を理解していることを前提として説明します。コンソールの使用方法について詳しくは、「 8. コンソールを使用する 」をご覧ください。

  • ここでは説明のために、複数のファームウェア、および複数の設定ファイルが保存されている場合のコンソール画面を掲載します。

  1. 本製品のPOWERスイッチがSTANDBYになっていることを確認します。

  2. 本製品のmicroSDスロットおよびUSBポートに、microSDHCカードやUSBメモリーが挿入されていないことを確認します。

  3. パソコンを本製品のCONSOLEポートに接続します。

  4. パソコンのコンソール画面を起動します。

  5. 本製品のPOWERスイッチをONにします。

    • 本製品のPOWERインジケーターが緑点滅します。

    • 本製品の起動メッセージがパソコンのコンソール画面に表示され、10秒間のカウントダウンが始まります。

      RTX1300 BootROM Ver. 1.00
        Copyright (c) 2022 Yamaha Corporation. All Rights Reserved.
      
      Press 'Enter' or 'Return' to select a firmware and a configuration.
      Default settings :  exec0 and config0
      
      Will start automatically in : 10
  6. 10秒間のカウントダウンが終わる前に、パソコンのコンソール画面で[Enter]キーを押します。

    • パソコンのコンソール画面に、ファームウェア番号入力待ちのプロンプトが表示されます。

    お知らせ
    [Enter]キーを押さずに10秒経過した場合は、デフォルトのファームウェアと設定ファイルを読み込んで、本製品が起動します。
  7. 使用するファームウェアの番号(「0」または「1」)を入力します。

    No.   Revision
    ----- -----------------------------------
    * 0   Rev.23.00.00
      1   Rev.23.00.01
    ----- -----------------------------------
    Select the firmware [0 or 1] : 1
  8. [Enter]キーを押します。

    • パソコンのコンソール画面に、設定ファイル番号入力待ちのプロンプトが表示されます。

  9. 使用する設定ファイルの番号を入力します。

    No.   Date       Time     Size    Sects   Comment
    ----- ---------- -------- ------- ------- ---------------------------
    * 0   2022/06/17 18:42:36     422 703/703 ospf testing
      0.1 2022/06/17 08:18:06     328 704/704 test
      0.2 2022/06/15 17:17:39     294 705/705
      1   2022/06/16 11:59:18     292 702/702 BGP+VRRP fix
    ----- ---------- -------- ------- ------- ---------------------------
    Select the configuration
     [Number in upper list, or '-'(hyphen) to go back] : 1
    • 保存済みの設定ファイルを指定する場合は、コンソール画面に表示されている設定ファイル番号(この例の場合は、「0」、「0.1」、「0.2」、「1」のいずれか)を入力します。

    • 設定ファイルを新規作成する場合は、コンソール画面に表示されていない設定ファイル番号(この例の場合は、「2」、「3」、「4」のいずれか)を入力します。

    お知らせ

    • 設定ファイル番号について、詳しくは「 10.2. 設定ファイルの管理 」をご覧ください。

    • ファームウェアを選択し直す場合は、「-」(ハイフン)を入力して[Enter]キーを押すと、手順7に戻ることができます。

  10. [Enter]キーを押します。

    • 選択したファームウェアと設定ファイルを使用して、本製品が起動処理を開始します。POWERインジケーターが緑点滅の状態になります。

    • 起動処理が完了すると、POWERインジケーターが緑点灯の状態に変わります。

お知らせ
本製品へのログイン後、以下の方法で、指定したファームウェアや設定ファイルで本製品が動作しているかどうかを確認できます。

  • Web GUIで確認する場合:
    ダッシュボードLive画面の「システム情報」ガジェットの表示を確認します。
    たとえば、ファームウェア番号として「0」、設定ファイル番号として「1」を指定した場合は、以下のように表示されます。

    • 実行中ファームウェア: exec0

    • 実行中設定ファイル: config1

  • コンソールで確認する場合:
    show environment コマンドを実行します。
    たとえば、ファームウェア番号として「0」、設定ファイル番号として「1」を指定した場合は、以下のように表示されます。

    > show environment
     :
    実行中ファームウェア: exec0  実行中設定ファイル: config1
     :

6.1.3. 外部メモリーのファームウェアと設定ファイルを使用して起動する

外部メモリーに保存されたファームウェアや設定ファイルを使用して、本製品を起動できます。一時的に新しいファームウェアや設定ファイルを試したい場合などに便利です。

外部メモリーの準備

  1. FATまたはFAT32形式でフォーマットした外部メモリー(microSDHCカード、またはUSBメモリー)を用意します。

  2. 外部メモリーに、使用するファームウェアや設定ファイルを保存します。
    本製品が工場出荷時の状態の場合は、ファームウェアのファイル名を「rtx1300.bin」、設定ファイルのファイル名を「config.txt」としてください。

    お知らせ

    • 各ファイルの保存場所は、ルートディレクトリの直下をおすすめします。
      (本製品を起動するとき、該当する名前のファイルが外部メモリー内に複数存在する場合は、最もルートディレクトリに近いファイルが選ばれます)

    • それぞれのファイル名は、 external-memory exec filename コマンド、 external-memory config filename コマンドで変更できます。

起動手順

  1. 本製品のPOWERスイッチがSTANDBYになっていることを確認します。

  2. 使用したいファームウェアや設定ファイルが保存されている外部メモリーを、本製品のmicroSDスロットまたはUSBポートに挿入します。

    お知らせ
    外部メモリーにファームウェアや設定ファイルが保存されていない場合は、本製品の不揮発性メモリーに保存されているファームウェアや設定ファイルを使用して起動します。
  3. 本製品のPOWERスイッチをONにします。

    • 本製品のPOWERインジケーターが緑点滅します。
      10秒経過すると、デフォルトとして設定されているファームウェアと設定ファイルを読み込んで、本製品が起動処理を開始します。

    • POWERインジケーターが、点滅状態から点灯状態に変わります。

    • 本製品が外部メモリーを認識して、microSDインジケーターまたはUSBインジケーターが点灯します。

    • 本製品が外部メモリーにファームウェアと設定ファイルがあるかどうか検索します。microSDインジケーターまたはUSBインジケーターが点滅します。

    • 外部メモリーにファームウェアや設定ファイルが見つかった場合、本製品の動作メモリーにファームウェアや設定ファイルを展開します。起動処理が完了すると、microSD、USB、DOWNLOADの3つのインジケーターが3回点滅します。

お知らせ
本製品へのログイン後、以下の方法で、外部メモリーから読み込んだファームウェアと設定ファイルで本製品が動作しているかどうかを確認できます。

  • Web GUIで確認する場合:
    ダッシュボードLive画面の「システム情報」ガジェットの表示を確認します。
    たとえば、microSDHCカードから読み込んだファームウェアと設定ファイルを使用している場合は、以下のように表示されます。

    • 実行中ファームウェア: sd1:/rtx1300.bin

    • 実行中設定ファイル: sd1:/config.txt

  • コンソールで確認する場合:
    show environment コマンドを実行します。
    たとえば、microSDHCカードから読み込んだファームウェアと設定ファイルを使用している場合は、以下のように表示されます。

    > show environment
     :
    実行中ファームウェア: sd1:/rtx1300.bin
    実行中設定ファイル: sd1:/config.txt
     :
お知らせ
外部メモリーのファームウェアや設定ファイルで動作しないようにするには、 external-memory boot permit off コマンドを使用します。

6.2. 停止手順

本製品を安全に停止する手順を説明します。
本製品が故障したときや通信の異常が発生したとき、セキュリティー上の問題が発生したときなど、緊急の場合はすぐに電源を切ってください。

お知らせ
ここでは、コンソールの使用方法を理解していることを前提として説明します。コンソールの使用方法について詳しくは、「 8. コンソールを使用する 」をご覧ください。
  1. pp disable all コマンドで、すべての相手先を使用しない状態にします。

  2. disconnect all コマンドで、すべての相手先との通信を切断します。

  3. save コマンドで設定を保存します。

    ご注意
    コンソールを使用して本製品の設定を変更すると、本製品の動作にすぐに反映されますが、不揮発性メモリーには保存されていません。 save コマンドで設定を保存せずに電源を切ると、変更した設定が元に戻ってしまいます。
    詳しくは、「 設定の終了 」をご覧ください。
  4. microSDHCカードまたはUSBメモリーを接続している場合は、本製品の前面にある、該当する外部メモリーのボタンを2秒以上押し続けます。
    外部メモリーのインジケーターが消灯してから、外部メモリーを取り外してください。

  5. POWERスイッチをSTANDBYにします。
    POWERインジケーターが消灯して、待機状態になります。

ご注意
本製品の電源を入れ直す場合は、POWERインジケーターが消灯してから10秒以上の時間をおいてください。
お知らせ
POWERスイッチで電源を切ると、本製品は、ログを自動的に本製品の不揮発性メモリーに退避します(パワーオフログ保存機能)。電源を切った後もログが消えないので、本製品の再起動後に、電源切断前のログを確認できます。
ただし、電源コードを抜き差しするなど、POWERスイッチ以外の方法で電源を切った場合は、電源切断前のログは保存されません。