1. はじめに

本ガイドは、『NWR100』(以下、本製品)のユーザーガイドを参照して初期設定を済ませた方に、活用方法をご説明します。

本章では、はじめにご確認いただきたい内容を以下の流れで説明します。

Tip 詳しい技術仕様や使い方をお知りになりたい方は、 技術資料やコマンドリファレンス をご覧ください。

1.1. マニュアルのご案内

本ガイドは、「はじめにお読みください」や「ユーザーガイド」を参照して初期設定を済ませた方に、活用方法をご説明します。本製品の取り扱いシーンに適したマニュアルをお読みください。

本ガイドの読者と前提知識
  • 本ガイドは、ネットワーク構築や管理を行っている方を対象に記述しています。

  • 本ガイドは、インターネットやネットワークなどの基礎知識が必要です。

  • 本ガイドは、基礎知識を解説していません。市販の解説書などを参考にしてください。

活用ガイドの概要
カテゴリー(章) 活用例(節) 概要 ネットワーク構成

2章
本体管理

設定ユーザー管理

設定や管理を行う管理ユーザーと一般ユーザーを設定します。

基本構成

管理パスワード

管理パスワードを変更します。

基本構成

アクセス制限

Web GUI、TELNET、SSHによるアクセス制限を設定します。

基本構成

IPアドレスの変更

既設環境に導入したり、拠点間接続したりするとき、LANのネットワークアドレスを変更します。

基本構成

ネットボランチDNSの操作

ネットボランチDNSを操作(登録、削除)します。

基本構成

サーバー公開

Webサーバーを公開します。

基本構成

ウェルネスモニター

ウェルネスモニターを利用したトラブルシューティングの事例を紹介します。

基本構成

3章
接続ユーザー管理

ゲストWi-Fi

VAP1にゲストWi-Fiを開設します。

ゲストWi-Fi

接続ユーザー管理

無線LAN接続とリモートアクセスVPNで認証する接続ユーザーを登録します。

基本構成

無線LAN接続

VAP3に接続ユーザーを認証する無線LANを設定します。

ユーザー認証Wi-Fi

リモートアクセスVPN

接続ユーザーを認証するリモートアクセスVPNを設定します。

リモートアクセスVPN

4章
接続拠点管理

IPsec/IKEv2の接続条件

拠点間接続に用いるIPsec/IKEv2の設定条件を説明します。

拠点間接続1

センターに設定

センターに設置するNWR100をレスポンダー(Responder)に設定します。

拠点間接続1

拠点に特定の経路を指定

拠点に設置するNWR100をイニシエーター(Initiator)に設定します。センターへの経路を拠点間接続に設定します。

拠点間接続1

拠点にすべての経路を指定

拠点に設置するNWR100をイニシエーター(Initiator)に設定します。すべての経路を拠点間接続に設定します。

拠点間接続2

RTXシリーズをセンターに設定

センターに設置するヤマハRTXシリーズをレスポンダー(Responder)に設定します。

拠点間接続3

各マニュアルの想定利用シーン概要
1 learning journey map
マニュアルの一覧
  • はじめにお読みください(製品添付、および、 ウェブサイト
    本製品をお使いになるうえでの注意事項、保証書、保証規定が記載されています。ご使用前に必ずお読みください。

Caution 本製品を設置するときは、「安全上のご注意」を必ず守ってください。
  • ユーザーガイド( ウェブサイト
    製品概要と、各部の名称、ハードウェア仕様、サポート窓口、本製品の設置方法、接続方法、設定方法など、設定を開始するまでの手順が記載されています。

  • ネジの位置決め用シート( ウェブサイト
    ユーザーガイドの取り付け手順に従って、安全にネジ留めをするためのガイドシートです。本製品を壁面に設置する際に紙に実寸で印刷してご活用ください。

  • 活用ガイド(本ガイド、 ウェブサイト
    ユーザーガイドによる初期設定が完了した後の活用例が記載されています。

  • 技術資料( ウェブサイト
    本製品の基本機能の詳細仕様やWeb GUIの操作方法が記載されています。

  • コマンドリファレンス( ウェブサイト
    本製品のコマンドの使い方や、設定するための書式、説明、使用例が記載されています。

Tip 上記マニュアルの最新版は以下のウェブサイトに掲載しています。
https://network.yamaha.com/products/routers/nwr100/techdocs#tab

1 nwr100 tech docs

詳細な設定や技術資料

本製品の詳細な設定方法や管理方法、技術資料、製品情報については、以下のウェブサイトもご覧ください。

項目 内容

技術情報トップページ

技術情報、マニュアル、ファームウェア、FAQなどを公開

マニュアル配布ページ

PDFやHTMLのマニュアルを配布

推奨Webブラウザー

設定に使用可能なWebブラウザーをご確認ください。本ガイドでは、Windows 11のMicrosoft Edgeを例に説明します。

製品情報トップページ

製品情報、設定例、サポート情報やお問い合わせフォームなど

設定例

高度な活用方法や、詳しい解説

1.2. 説明に使用するネットワーク

ユーザーガイドと活用ガイドで想定するネットワーク環境を説明します。

項目 概要

ユーザーガイドで構築するネットワーク構成です。工場出荷時の状態で利用できる初期設定Wi-Fiに加えて、インターネット接続を追加します。

ユーザーガイドで構築されたネットワーク環境に追加するWi-FiやVPNのネットワーク構成です。

使用する用語を説明します。

1.2.1. ユーザーガイドで想定するネットワーク環境

本製品の設定機能の説明で想定するネットワーク構成について説明します。

  • ユーザーガイド で初期設定した基本のネットワーク構成です。

  • 無線LANまたは有線LANでプロバイダー接続設定(初期設定)しました。

600
Tip ネットワーク構成図で使用している用語は、「 ネットワーク用語 」などを参照してください。

1.2.2. 活用ガイド3章で想定するネットワーク環境

活用ガイド3章「 接続ユーザー管理 」で想定するネットワーク構成について説明します。

活用ガイド3章のネットワーク構成

項目 説明

接続ユーザー管理 」の「 ゲストWi-Fiを開設する 」で、ゲストWi-Fiを設定した環境です。

  • ゲスト・ネットワークに接続可能なVAPを設定します。VAPごとに違うネットワークを設定します。

  • ゲスト・ネットワークに接続した端末は互いにアクセスすることはできません。

接続ユーザー管理 」の「 無線LAN接続を管理する 」で、ユーザー認証するWi-Fiを設定した環境です。

  • EAP-PEAPによる、ユーザー名とパスワードを使用したユーザー認証に対応します。

  • セキュリティーとしてWPA3-EAPまたはWPA2-EAPを選択します。

接続ユーザー管理 」の「 リモートアクセスVPN接続を管理する 」で、ユーザー認証するWi-FiとリモートアクセスVPNを設定した環境です。

  • 本製品に内蔵した認証機能により、ネットワークに接続するためのユーザーを管理できます。

  • ユーザー認証で使用するユーザー名とパスワードはWi-Fi接続とリモートアクセスVPNに使用できます。

Tip
ゲストWi-Fi
  • 接続ユーザー管理 」の「 ゲストWi-Fiを開設する 」で、VAP1にゲストWi-Fiを設定します。

  • ゲスト・ネットワークに接続可能なVAPを設定します。VAPごとに違うネットワークを設定します。

  • ゲスト・ネットワークに接続した端末は互いにアクセスすることはできません。

600
Tip ネットワーク構成図で使用している用語は、「 ネットワーク用語 」などを参照してください。
Wi-Fi接続のユーザー認証
  • 接続ユーザー管理 」の「 無線LAN接続を管理する 」で、VAP3にユーザー認証するWi-Fiを設定します。

  • EAP-PEAPによる、ユーザー名とパスワードを使用したユーザー認証に対応します。

  • セキュリティーとしてWPA3-EAPまたはWPA2-EAPを選択します。

600
Tip ネットワーク構成図で使用している用語は、「 ネットワーク用語 」などを参照してください。
Wi-Fi接続とリモートアクセスVPNのユーザー認証
  • 接続ユーザー管理 」の「 リモートアクセスVPN接続を管理する 」で、ユーザー認証するWi-FiとリモートアクセスVPNを設定します。

  • 本製品に内蔵した認証機能により、ネットワークに接続するためのユーザーを管理できます。

  • ユーザー認証で使用するユーザー名とパスワードはWi-Fi接続とリモートアクセスVPNに使用できます。

600
Tip ネットワーク構成図で使用している用語は、「 ネットワーク用語 」などを参照してください。

1.2.3. 活用ガイド4章で想定するネットワーク環境

活用ガイド4章「 接続拠点管理 」で想定するネットワーク構成について説明します。

活用ガイド4章のネットワーク構成

項目 説明

NWR100を設置した拠点からセンターへの通信を拠点間接続に通す。

NWR100を設置した拠点のすべての通信をセンターへの拠点間接続に通す。

NWR100の拠点間接続をセンターのRTXシリーズで集約する。

拠点間接続1:センターへの通信を拠点間接続

NWR100を設置した拠点とセンターを拠点間接続します。拠点からセンターへの通信は、拠点間のみに限定します。

  • ネットワーク概要

    項目 センター 拠点

    機種

    NWR100

    NWR100

    WANゲートウェイ

    203.0.113.1

    WANアドレス

    203.0.113.100/24

    203.0.113.101/24

    LANアドレス

    192.168.100.1/24

    192.168.101.1/24

    拠点間接続の役割

    レスポンダー(Responder)

    イニシエーター (Initiator)

    トンネルを経由する通信

    接続先のみ

    接続先のみ

    192.168.101.0/24

    192.168.100.0/24

    4章の設定例

  • ネットワーク構成図

    600
    Tip ネットワーク構成図で使用している用語は、「 ネットワーク用語 」などを参照してください。
拠点間接続2:すべての通信を拠点間接続

NWR100を設置した拠点とセンターを拠点間接続します。拠点の通信は、すべてセンターへ送信します。

  • ネットワーク概要

    項目

    センター

    拠点

    機種

    NWR100

    NWR100

    WANゲートウェイ

    203.0.113.1

    WANアドレス

    203.0.113.100/24

    203.0.113.101/24

    LANアドレス

    192.168.100.1/24

    192.168.101.1/24

    拠点間接続の役割

    レスポンダー(Responder)

    イニシエーター (Initiator)

    トンネルを経由する通信

    接続先のみ

    すべての経路

    192.168.101.0/24

    4章の設定例

  • ネットワーク構成図

    600
    Tip ネットワーク構成図で使用している用語は、「 ネットワーク用語 」などを参照してください。
拠点間接続3:拠点間接続をセンターのRTXシリーズで集約

拠点に設置したNWR100の拠点間接続を、センターに設置したRTXシリーズで集約します。

  • ネットワーク概要

    項目 センター 拠点

    機種

    RTXシリーズ

    NWR100

    WANゲートウェイ

    203.0.113.1

    WANアドレス

    203.0.113.100/24

    203.0.113.101/24

    LANアドレス

    192.168.100.1/24

    192.168.101.1/24

    拠点間接続の役割

    レスポンダー(Responder)

    イニシエーター (Initiator)

    トンネルを経由する通信

    接続先のみ

    すべての経路

    192.168.101.0/24

    4章の設定例

  • ネットワーク構成図

    600
    Tip ネットワーク構成図で使用している用語は、「 ネットワーク用語 」などを参照してください。

1.2.4. 使用するネットワーク用語

想定するネットワーク環境で使用する ネットワーク用語 インターフェース用語 ユーザー管理用語 VPN構築用語 などを説明します。

ネットワーク用語
ネットワーク 説明

グローバル・
ネットワーク

いわゆる「インターネット」のことで、誰でもアクセスできる、世界に開かれたネットワークのことです。生活空間に置き換えて例えると、屋外のようなものです。

  • 本製品のWANポートにプロバイダーから貸与された機器(モデムやONUなど)を接続して、このネットワークに接続します。

  • このネットワークには、グローバルIPアドレスが割り当てられています。

    • グローバル・ネットワークを例示する場合は、「203.0.113.0/24」の範囲を利用します。

プライベート・
ネットワーク

自宅や社内などの閉ざされた(限定された)ネットワークです。生活空間に置き換えて例えると、屋内や職場(オフィス)のようなものです。

  • 本製品をはグローバル・ネットワークとプライベート・ネットワークの境界に設置し、アドレス変換(NAT)をしたり、安全性を高めたりします。

  • 本製品のLANポートやVAP1~VAP4(下記「無線LAN」参照)にネットワーク端末を接続すると、このネットワークに参加できます。

  • このネットワークには、プライベートIPアドレスを割り当てます。

    • プライベート・ネットワークを例示する場合は、「192.168.100.0/24」の範囲を利用します。

ゲスト・
ネットワーク

自宅や職場に来訪された方にインターネット接続環境を提供できるネットワークです。 生活空間に置き換えて例えると、玄関先や応接間、応接ロビーのようなものです。

  • ゲスト・ネットワークからグローバル・ネットワークへアクセスできますが、プライベート・ネットワークへのアクセスはできません。

  • 本製品は、VAP1~VAP4(下記「無線LAN」参照)をゲスト・ネットワーク(ゲストWi-Fi)に設定可能です。

  • このネットワークは、IPv4アドレスのみ利用可能です。

  • このネットワークには、プライベート・ネットワークとは異なるプライベートIPアドレスを割り当てます。

    • ゲスト・ネットワークを例示する場合は、「172.16.101.0/24」の範囲を利用します。

ネットボランチDNS

ヤマハネットワーク製品(主に、ルーター)に実装されたダイナミックDNS機能の一種です。利用開始時に、希望する「ホスト名」をヤマハが運営するネットボランチDNSサーバーに登録します。本製品は、グローバルIPアドレスをプロバイダーから付与されたタイミングで、ネットボランチDNSサーバーに通知します。そのため、動的IPアドレス(不定IPアドレス)環境でも、サーバー公開や拠点管理などに利用できます。

グローバルIPアドレスの登録、更新などの手順には独自のプロトコルを用いるため、他のダイナミックDNSサービスとの互換性はありません。

インターフェース用語
インターフェース 説明

無線LAN

無線LANは、LAN(Local Area Network)の接続に電波を利用する方式です。

  • IEEE 802.11a/b/g/n/ac/ax規格に対応しています。

  • 通信帯域は「2.4GHz帯」と「5GHz帯」に対応しています。

無線LANには、VAP1、VAP2、VAP3、VAP4の仮想アクセスポイント機能があります。

  • VAP(Virtual Access Point)とは、1台のAPをあたかも複数のAPであるかのように動作させることができる機能です。

  • 本製品は、4つのVAPを利用できます。

  • 各VAPは、異なるMACアドレス、SSID、セキュリティー方式を利用できます。

  • ユーザーガイド では、本製品の設定に利用します。

Wi-Fi

無線LAN製品のうち「Wi-Fi Alliance」が定める規格を満たした製品に付与される認定です。無線LANとほぼ同義で使われます。

有線LAN

有線LANは、LAN(Local Area Network)の接続にケーブルを利用する方式です。

  • 通信方式は「イーサネット(Ethernet)」です。

  • 10BASE-T、100BASE-TX、1000BASE-T規格に対応しています。

有線LAN には、LANポートとWANポートがあります。

  • LANケーブルで通信相手と接続します。

LANポート

LAN接続に利用する有線LANポートです。LANは、Local Area Networkの略です。

  • LAN1ポート/LAN2ポート/LAN3ポート/LAN4ポートは、4ポートスイッチングハブです。

  • LAN端末(パソコンやスイッチなど)とLANケーブルで接続します。

WANポート

WAN接続に利用する有線LANポートです。WANは、Wide Area Networkの略です。

  • インターネットへの接続に使用するポートです。

  • プロバイダーから貸与された機器(モデムやONUなど)をLANケーブルで接続します。

VAP1

初期設定されていません。

VAP2

初期設定されていません。

VAP3

初期設定されていません。

VAP4

工場出荷時の状態で無線LAN接続できるように初期設定されています。

  • WPSに対応しています。

  • セキュリティー方式は、WPA2-PSKに設定されています。

ゲストWi-Fi

ゲスト・ネットワークに利用するVAP設定です。

ユーザー管理用語
ユーザー 説明

ユーザー登録

本製品に登録するユーザーは2種類あり、「設定ユーザー」と「接続ユーザー」を書き分けます。

設定ユーザー

本製品のWeb GUIやコンソールへログインするユーザーです。アクセスレベルは、「管理ユーザー」と「一般ユーザー」があります。

  • 管理ユーザー

    • ログイン可能で、設定や操作の制限はありません。

  • 一般ユーザー

    • ログイン可能ですが、設定や操作が制限されます。

Tip 詳しくは、「 設定ユーザーを登録する 」をご覧ください。

接続ユーザー

ユーザー認証機能により無線LANやリモートアクセスVPNで接続するユーザーです。

Tip 詳しくは、「 接続ユーザーを登録する 」をご覧ください。
VPN構築用語
VPN用語 活用ガイドにおける説明の役割

IPsec

IPsecとは、Internet Protocol Securityの略。多くの人によってRFCで標準化されたVPN構築に利用されるプロトコルスイートのひとつです。IPsecは、主にESP,AH,IKEの3つのプロトコルから成り立っています。IPsecは、米国CISAやNSAがSSL-VPNの脆弱性対策の代替手段として推奨する安全性の高いプロトコルです。

  • ESP(Encapsulating Security Payload):
    パケットの暗号化と認証を行うプロトコルです。パケットは、プロトコル番号50を使用します。ESPには、トランスポートモードとトンネルモードがあります。

    • 本製品のVPN機能では、ESPのトンネルモードを使用します。

  • AH(Authentication Header):
    パケットの認証を行うプロトコルです。暗号機能はありません。パケットは、プロトコル番号51を使用します。

    • 本製品のVPN機能では、AHを使用しません。

  • IKE(Internet Key Exchange):
    相互のセキュリティアソシエーション(Security Association、SA)と暗号鍵を自動交換・管理するプロトコルです。パケットは、UDP 500番を使用します。接続安定性、NATトラバーサル 、再接続の高速化、安全性や信頼性の向上などのため IKEv2 が標準化されました。IKEv2に対して従来の標準をIKEv1と表記して区別します。

    • 本製品のVPN機能では、IKEv2を使用します。IKEv1は使用できません。

    • リモートアクセスには、ユーザー名とパスワードの認証方式(EAP-MSCHAPv2)を使用します。

    • 拠点間接続には、事前共有鍵(Pre-Shared Key, PSK)による認証方式を使用します。

IPsec/IKEv2

IKEv2を使用したIPsecであることを明示(区別)する表記です。

NATトラバーサル
(NAT Traversal)

NATやIPマスカレード(NAPT)環境下でも内部から外部へVPN接続することができます。ただし、外部から内部へのVPN接続には、失敗する可能性があります。パケットは、UDP 4500番を使用します。

  • 本製品のVPN機能では、NATトラバーサルを使用します。

センター

車輪を構成する部品名に由来するハブアンドスポーク(Hub and Spoke)というネットワーク構成方式のハブに相当する場所をセンターと呼ぶことにします。センターは、複数の拠点間接続(VPN)を集約して、通信を中継します。

  • 活用ガイドの拠点間接続では、センターをレスポンダーに設定します。

拠点

車輪を構成する部品名に由来するハブアンドスポーク(Hub and Spoke)というネットワーク構成方式のスポークに相当する場所を拠点と呼ぶことにします。拠点は、センターへのみ拠点間接続(VPN)します。他拠点への通信は、センターが中継します。

  • 活用ガイドの拠点間接続では、拠点をイニシエーターに設定します。

メインモードとアグレッシブモード

IKEv1のフェーズ1の接続方式です。IKEv2では、統合され区別はありません。

レスポンダー
(Responder)

IPsec(IKE)の接続要求を待ち受ける側です。レスポンダーに設定する場合には、使用するIPsecプロトコルがブロックされると通信できません。NATやIPマスカレード、ファイアウォール(IPフィルター)などに穴をあける必要があります。

  • 活用ガイドの拠点間接続では、センターをレスポンダーに設定します。

    • 拠点間接続の「トンネルの確立における役割」の項目で、「別の機器からの接続を待つ(レスポンダー)」を選択します。

    • 必要なプロトコルに関するNATやIPマスカレード、ファイアウォール(IPフィルター)を自動設定します。

イニシエーター
(Initiator)

IPsec(IKE)の接続を要求する側です。

  • 活用ガイドの拠点間接続では、拠点をイニシエーターに設定します。

    • 拠点間接続の「トンネルの確立における役割」の項目で、「自分側から接続を始動する(イニシエーター)」を選択します。

    • 必要なプロトコルに関するNATやIPマスカレード、IPフィルターを自動設定します。

ポリシーベースIPsecとルートベースIPsec

IPsec規格(RFC)は、ファイアウオールやUTMなどへの実装想定で、ポリシーベース前提で定義されています。ポリシーベースは、ファイアウォールやUTM利用者に自然な取り扱い方法ですが、ルーターの利用者には複雑で取り扱いにくいものになってしまいます。ヤマハは、1998年5月に静的経路制御、動的経路制御やバックアップなどに対応したルートベースIPsecを独自実装しました。ルートベースIPsecでは、WAN回線を利用するのと同じように経路制御してVPN(IPsecトンネル)を利用できます。現在では、ルートベースIPsecでインターネットVPN構築できるルーターをVPNルーターと呼びます。

  • 本製品のVPN機能では、経路として「特定の経路」と「すべての経路」を指定できます。

特定の経路

拠点間接続(IPsecトンネル)を経由して通信を行う相手側ネットワーク(宛先ネットワーク、宛先経路)を指定できます。

  • 本製品のVPN機能では、「トンネルを経由する通信」の項目で、「特定のネットワーク宛て」を選択し経路を指定します。

すべての経路

拠点間接続(IPsecトンネル)を経由してすべての通信を相手側ネットワークに送信します。

  • 本製品のVPN機能では、「トンネルを経由する通信」の項目で、「すべて」を選択します。

認証鍵

認証鍵は、IKEv2の事前共有鍵として利用します。

  • 拠点間接続のIKEv2は、事前共有鍵(Pre-Shared Key, PSK)による認証方式をサポートしています。

1.3. 本ガイドの表記について

  • 本ガイドでは、インターネットやネットワークに関する基礎知識は解説しておりません。 詳しくは、市販の解説書などを参考にしてください。

  • 本ガイドの記載内容の一部または全部を無断で転載することを禁じます。

  • 本ガイドに記載されているイラストや画面は、すべて説明のためのものです。

  • 本ガイドの内容および本製品の仕様は、改良のため予告なく変更されることがあります。

  • 本ガイドは、発行時点での最新仕様で説明しています。最新版は、 ウェブサイト からダウンロードできます。

  • 略称、商標、記述形式、安全のための注意喚起の記号などは、以下の項目を参照ください。

    項目 概要

    社名や製品名や用語の略称表記

    各社の製品やサービスの登録商標あるいは商標の表記

    表記ルールやグローバルIPアドレスの例示

    安全のための注意喚起の記号表記

1.3.1. 略称について

  • 本ガイドでは、それぞれの製品や用語について、以下のように略称で記載しています。

    略称 内容

    本製品

    ヤマハ 無線LANルーター NWR100

    本体

    本製品の本体の外観上の部位を示します。
    たとえば、本体底面、本体背面、本体正面など

    セグメント
    L2セグメント

    端末同士が直接通信できる範囲です。ブロードキャストドメインとも呼ばれます。

    ネットワーク
    L3ネットワーク

    端末同士がIPアドレスで通信できる範囲です。異なるネットワークの端末と通信する場合には、ルーターやL3スイッチがデータを仲介します。

    LANケーブル

    100BASE-TX、1000BASE-T 対応イーサネットケーブル

1.3.2. 商標について

本ガイドに記載されている会社名、製品名は各社の登録商標あるいは商標です。

  • Microsoft Windowsは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。

  • Wi-Fi、Wi-Fi CERTIFIED、Wi-Fi 4、Wi-Fi 5、Wi-Fi 6は、Wi-Fi Allianceの登録商標です。

1.3.3. 記述形式について

内容の理解を助けるために、本文では以下のルールで表記します。

  • 表記ルール

    記載内容 ルール 記述例

    本文中の注意事項

    アンダーラインで強調

    通信を遮断する

    コマンド

    小文字の太字

    show environment コマンド

    キーボードのキー

    大括弧[ ]で囲む

    [Enter]キー

    複数のキーを同時に押す場合

    同時に押すキーを列挙し、「+」でつなげる

    [Ctrl]+[X]

    Web GUIの操作ボタン

    大括弧[ ]で囲む

    [設定]ボタンをクリックする

  • 画像や図の種類

    図の種類

    説明

    UML

    Unified Modeling Language(統一モデリング言語)。1995年に初版発表後、2005年に国際標準化される。ソフトウェア、システム、ビジネスプロセスなど様々なモデルの構造や振る舞いの表現(モデリング)に用いられる。UML 2.0では、14種類の図(diagram)が標準化されている。

    • UML 1.4.2 → ISO/IEC 19501:2005

    • UML 2.4.1 → ISO/IEC 19505-1:2012、ISO/IEC 19505-2:2012

    アクティビティー図
    (フローチャート)

    Activity Diagram。UMLで標準化された図のひとつ。操作やシステムの流れを表すフローチャート(flow chart)のUML版という位置づけ。
    本ガイドでは、操作の手順や概要を表現する場合に用いている。

    シーケンス図

    Sequence Diagram。UMLで標準化された図のひとつ。
    本ガイドでは、機能や操作の時系列の振る舞いを表現する場合に用いている。

    状態遷移図

    State Machine Diagram。UMLで標準化された図のひとつ。
    本ガイドでは、機能や操作の状態遷移(状態の内容や遷移の条件などの振る舞い)を表現する場合に用いている。

  • IPアドレスを例示するときは、以下のIPアドレスを使用します。

    IPアドレス範囲 記載用途

    203.0.113.0/24

    グローバル・ネットワークの例示

    192.168.100.0/24

    プライベート・ネットワークの例示(本製品の初期値)

    172.16.101.0/24

    ゲスト・ネットワークの例示(本製品の初期値)

    Important このIPアドレスを通信に使用できません。実際に設定するときは、ご利用環境に合わせたものをお使いください。
    Tip RFC6890 (Special-Purpose IP Address Registries) では、192.0.2.0/24 、 198.51.100.0/24 、 203.0.113.0/24 、 2001:db8::/32 などの文書作成用グローバルIPアドレスを予約しています。

1.3.4. 安全のための記号について

本ガイドに記載されている記号とその内容は以下のとおりです。

Important 製品の故障、損傷や誤動作、データの損失を防ぐため、お守りいただく内容です。
Note 製品を正しく操作、運用するために、知っておいていただきたい内容です。
Tip 操作や運用の参考情報です。