製品概要
3. 製品概要
3.1. 動作環境
本製品は、以下の環境で動作します。
ハイパーバイザー |
VMware ESXi 6.0 Update 3 以降 / 6.5 / 6.7 / 7.0 / 8.0 |
---|---|
物理 CPU |
インテル Core / Xeon プロセッサー(Sandy Bridge マイクロアーキテクチャー以降)または
|
物理 CPU コア数 |
2 以上 |
物理メモリ容量 |
8GB 以上 |
仮想ネットワークアダプター |
1 ~ 4 個(VMXNET3 ※) |
※ SR-IOV (Single Root I/O Virtualization) および DirectPath I/O には未対応。
仮想マシンで使用するリソースは以下の通りです。
通常モード | コンパクトモード | |
---|---|---|
仮想 CPU コア数 |
2 または 3、5 |
|
仮想メモリ容量 |
8GB |
4GB |
仮想ストレージ容量 |
16GB 以上 |
3.2. 通常モードとコンパクトモード
本製品は、デプロイ時の「6. 設定」の手順で、デプロイ構成としてコンパクトモードを選択した場合、最大トンネル数と最大 NAT セッション数を削減した「コンパクトモード」で起動します。
動作モード毎の仕様は以下の通りです。
動作モード | 通常モード | コンパクトモード |
---|---|---|
VPN 対地数 (IPsec) (※1) |
6,000 |
1,000 |
NAT セッション数 |
500,000 |
65,534 |
IP keepalive 対地数 (※2) |
6,000 |
1,000 |
※1 有効な VPN オプションライセンスが無い場合、対地数は 0 です。必要な対地数分のライセンスの購入が必要です。
※2 VPN やネットワークバックアップ機能などを併用せず、IP keepalive 機能を監視に利用する場合の対地数です。
コンパクトモードで起動した場合には、本製品起動時やコマンド実行時に表示されるソフトウェア情報(製品名・リビジョン)に "** Compact Mode **" という文字列が付加されます。通常モードで起動している場合は付加されません。
起動時・ログイン時のバナー表示で、起動モードを確認することができます。
- 通常モードで起動
-
本製品のコンソール
vRX Rev.19.01.04 (Tue Nov 10 16:08:55 2020) Copyright (c) 1994-2020 Yamaha Corporation. All Rights Reserved. To display the software copyright statement, execute 'show copyright detail'. xx:xx:xx:xx:xx:xx, xx:xx:xx:xx:xx:xx Memory 7810Mbytes, 4LAN
- コンパクトモードで起動
-
本製品のコンソール
vRX Rev.19.01.04 (Tue Nov 10 16:08:55 2020) ** Compact Mode ** Copyright (c) 1994-2020 Yamaha Corporation. All Rights Reserved. To display the software copyright statement, execute 'show copyright detail'. xx:xx:xx:xx:xx:xx, xx:xx:xx:xx:xx:xx Memory 3778Mbytes, 4LAN
以下のコマンドで、起動モードを確認することができます。
-
show environment
コマンド -
show config
コマンドのヘッダー表示 -
show status boot
コマンド
# show environment vRX Rev.19.01.04 (Tue Nov 10 16:08:55 2020) ** Compact Mode ** main: vRX MAC-Address=xx:xx:xx:xx:xx:xx MAC-Address=xx:xx:xx:xx:xx:xx CPU: 2%(5sec) 3%(1min) 5%(5min) メモリ: 73% used パケットバッファ: 0%(small) 0%(middle) 9%(large) 0%(huge) used ファームウェア: internal 実行中設定ファイル: config0 デフォルト設定ファイル: config0 起動時刻: 2020/11/19 15:05:05 +09:00 現在の時刻: 2020/11/19 15:09:41 +09:00 起動からの経過時間: 0日 00:04:36 セキュリティクラス レベル: 1, FORGET: ON, TELNET: OFF #
3.3. ライセンス
本製品では、速度の上限を定める基本ライセンスと、VPN の対地数を定める VPN オプションライセンスの 2 種類があります。
有効なライセンスが無くても、機能制限モードで利用することは可能です。購入前の評価に使用できるトライアルライセンスを用意しています。
メモ
本製品のライセンスの詳細については、ヤマハネットワーク技術情報サイトの ヤマハ仮想ルーター ソフトウェアライセンス を参照してください。
ライセンスの種類 | 概要 |
---|---|
トライアルライセンス |
評価用として最大 3 ヶ月間まで無償でご利用いただけるライセンスです。基本ライセンスと VPN オプションライセンスで、それぞれのトライアルライセンスがあります。上限速度は 10G bit/s、VPN 対地数は 100 となります。
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基本ライセンス |
ルーターの LAN インターフェースごとの上限速度を決定するライセンスです。基本ライセンスが無効になったときには、上限速度は 512k bit/s に制限されます。 |
VPN オプションライセンス |
ルーターの VPN 対地数を決定するライセンスです。VPN オプションライセンスが無効になったときには、VPN 対地数は なし (0 対地) に制限されます。
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メモ
本製品のライセンスの購入については、ヤマハネットワーク機器ホームページの vRX 価格 を参照してください。
3.4. ファイルシステム
本製品はログ (SYSLOG)、設定 (CONFIG) 、その他任意のデータを保存できるファイルシステムを搭載しています。ファイルシステム上のファイルはディレクトリーを使用して階層構造で管理することができます。
- パスの指定形式
-
ファイルやディレクトリーの指定形式にはルートディレクトリー "/" から記述する絶対パスと環境変数 "PWD" を起点として記述する相対パスの2種類があります。相対パスの起点となる "PWD" は
set
コマンドを使用して設定することができます。 - ファイル・ディレクトリーの操作
-
以下のコマンドにパスを指定することでファイルを複製することやディレクトリーを作成することができます。
同様の操作は TFTP、SFTP、SCP からも行えます。
- ネットワーク経由でのアクセス
-
TFTP、SFTP、SCP を使用することで、ネットワークを経由してファイルシステムにアクセスできます。これにより、ファイルシステムのファイルをホストへ読み出すことや (GET)、ホストのファイルをファイルシステムへ書き出すことができます (PUT)。
SFTP を使用した場合に限り、下表のディレクトリーにアクセスすることができます。ディレクトリー名 概要 /mount/(PREFIX)
マウントした外部ストレージのファイルが保存される。
同名のディレクトリーを作成することはできない。/system
CONFIG ファイルと techinfo が保存される。
同名のディレクトリーを作成することはできない。ネットワーク経由でのアクセス方法については ファイルシステムへのアクセス を参照してください。
メモ
"/mount/(PREFIX)" ディレクトリーは外部ストレージをマウントする際に指定したプレフィックス名で作成されます。外部ストレージの使用方法は 外部ストレージの使用 を参照してください。
- 自動で作成されるディレクトリー
-
下表のディレクトリーは本製品の各機能が作成および使用します。各ディレクトリーに対する読み出しは本製品の各機能の動作に影響しませんが、書き変えは関連する機能が正常に動作しなくなる恐れがあるため非推奨です。
ディレクトリー名 概要 /ssh
SSH サーバーの公開鍵情報が保存される。
/yamaha_sys
SYSLOG ファイルなどが保存される。
本ディレクトリーは削除できない。/lost+found
ファイルシステムの整合性を保つための情報が保存される。
本ディレクトリーは読み出し専用。