補助的な設定
9. 補助的な設定
本章では、日常管理に利用する設定方法を説明します。
項目 | 説明内容 |
---|---|
9.1 パソコンのネットワーク設定 |
|
9.2 IPアドレスを調査 |
|
9.3 YNOマネージャーの操作例 |
|
9.4 CONSOLEポートの操作例 |
|
9.5 設定送信 |
|
9.6 ネットワーク設定の動作確認 |
ping 、 arping、 traceroute |
9.7 管理パスワードを変更 |
Web GUI |
9.8 インジケーターを消灯 |
|
9.9 ファームウェアを更新 |
仮想コントローラーのWeb GUIで更新
、
無線APのWeb GUIで更新
、
|
9.10 設定を工場出荷時の状態に戻す |
再起動中の注意事項
、
再起動後の注意事項
、
|
9.1. パソコンのネットワーク設定
設定に用いるパソコンの設定方法を紹介します。 設定に用いるネットワーク環境の情報 のうち、DHCPサーバーの動作状況に合わせて、設定内容を選んでください。
設定概要 | 設定手段 | 環境の説明 |
---|---|---|
DHCPサーバーが動いている環境に接続する設定 |
DHCP環境とは?
|
|
DHCPサーバーが動いていない環境に接続する設定 |
固定IPアドレス環境とは?
|
9.1.1. DHCP自動取得に設定
設定用パソコンのIPアドレスをDHCP環境に設定変更する方法を説明します。
DHCPサーバーから設定用パソコンのIPアドレスを「DHCP自動取得」します。DHCP環境で本製品を設定する場合には、無線APや仮想コントローラーが「DHCP自動取得」したIPアドレスに対してログインします。
IPアドレス | 説明での使い方 |
---|---|
192.168.1.1/24 |
DHCPサーバー(L3スイッチなどで動作中) |
DHCP自動取得 (192.168.1.2/24) |
設定用パソコンのIPアドレス (DHCPから自動取得後) |
DHCP自動取得 (192.168.1.3/24) |
無線APのIPアドレス |
DHCP自動取得 (192.168.1.4/24) |
仮想コントローラーのIPアドレス |
なお、パソコンのIPアドレスの設定方法は、OSにより異なります。本ガイドでは、Windows 10を例に説明します。
|
- 設定用パソコンのIPアドレスを設定する(変更する)
-
-
スタートメニュー画面から[設定アイコン]( )-[ネットワークとインターネット]の順にクリックする。
-
[アダプターのオプションを変更する]をクリックする。
ネットワーク接続のアダプターが一覧表示される。
-
変更するアダプターを右クリックし、[プロパティ]をクリックする。
-
「この接続は次の項目を使用します」項目で[インターネットプロトコルバージョン 4(TCP/IPv4)]を選択し、[プロパティ]をクリックする。
[インターネットプロトコルバージョン 4(TCP/IPv4)のプロパティ]画面が表示される。
設定操作の終了後、設定用パソコンのIPアドレス設定を元に戻す必要がある場合は、元のIPアドレスを記録しておきます。 -
[IPアドレスを自動的に取得する]と、[DNSサーバーのアドレスを自動的に取得する]をクリックする。
[インターネットプロトコルバージョン 4(TCP/IPv4)のプロパティ]画面 -
[OK]をクリックする。
[インターネットプロトコルバージョン 4(TCP/IPv4)のプロパティ]画面が閉じる。 -
[閉じる]をクリックする。
変更したアダプターのプロパティ画面が閉じる。
-
- 設定用パソコンのIPアドレス設定を確認する
-
-
スタートメニュー画面から[設定アイコン]( )-[ネットワークとインターネット]の順にクリックする。
-
[アダプターのオプションを変更する]をクリックする。
ネットワーク接続のアダプターが一覧表示される。
-
確認するアダプターを右クリックし、「状態]をクリックする。
-
[状態]画面で[詳細]をクリックする。
[状態]画面IPアドレスを正常に取得できている場合は、以下のように表示される。
-
「DHCP 有効」が「はい」になっている
-
「IPv4 アドレス」「IPv4 デフォルトゲートウェイ」「IPv4 DHCP サーバー」の、IPアドレスが表示されている
[ネットワーク接続の詳細]画面 -
-
9.1.2. 固定IPアドレスに設定
設定用パソコンのIPアドレスを固定IPアドレス環境に設定変更する方法を説明します。
DHCPサーバーが無い環境では、設定用パソコンのIPアドレスを「192.16.100.2/24」に固定します。本製品を設定する場合には、工場出荷時の状態でDHCP自動取得に失敗した場合の無線APや仮想コントローラーのIPアドレスに対してログインします。
IPアドレス | 説明での使い方 |
---|---|
192.168.100.1/24 |
L3スイッチ(ゲートウェイ)のIPアドレス |
192.168.100.2/24 |
設定用パソコンに設定するIPアドレス |
192.168.100.200/24 |
仮想コントローラーに設定するIPアドレス |
192.168.100.201/24 |
1台目の無線APに設定するIPアドレス |
192.168.100.202/24 |
2台目の無線APに設定するIPアドレス |
192.168.100.240/24 |
DHCP自動取得に失敗したときの無線APのIPアドレス |
192.168.100.241/24 |
DHCP自動取得に失敗したときの仮想コントローラーのIPアドレス |
なお、パソコンのIPアドレスの設定方法は、OSにより異なります。本ガイドでは、Windows 10を例に説明します。
|
- 設定用パソコンのIPアドレスを設定する(変更する)
-
-
スタートメニュー画面から[設定アイコン]( )-[ネットワークとインターネット]の順にクリックする。
-
[アダプターのオプションを変更する]をクリックする。
ネットワーク接続のアダプターが一覧表示される。
-
変更するアダプターを右クリックし、[プロパティ]をクリックする。
-
「この接続は次の項目を使用します」項目で[インターネットプロトコルバージョン 4(TCP/IPv4)]を選択し、[プロパティ]をクリックする。
[インターネットプロトコルバージョン 4(TCP/IPv4) のプロパティ]画面が表示される。
設定操作の終了後、設定用パソコンのIPアドレス設定を元に戻す必要がある場合は、元のIPアドレスを記録しておきます。 -
[次のIPアドレスを使う]を選択し、「IPアドレス」と「サブネットマスク」を入力する。
「インターネットプロトコルバージョン 4(TCP/IPv4)のプロパティ」への入力例 入力欄
入力例
IPアドレス
192.168.100.2
サブネットマスク
255.255.255.0
デフォルトゲートウェイ
192.168.100.1
「インターネットプロトコルバージョン 4(TCP/IPv4)のプロパティ」画面 -
[OK]をクリックする。
[インターネットプロトコルバージョン 4(TCP/IPv4)のプロパティ]画面が閉じる。 -
[閉じる]をクリックする。
変更したアダプターのプロパティ画面が閉じる。
-
9.2. IPアドレスを調査
本製品(複数台接続した場合は、どれか1台)が取得しているIPアドレスの確認方法を説明します。環境ごとの運用管理のしやすさを次に示します。管理のしやすさでは、 LANマップ利用環境(◎) をお勧めします。
LANマップ機能を利用する |
LANマップ機能を利用しない |
|
---|---|---|
DHCP環境 |
||
固定IPアドレス環境 |
9.2.1. LANマップ利用環境で、IPアドレスを調査(推奨度:◎)
ヤマハルーター・ヤマハスイッチの「 LANマップ機能 」や、パソコン用ソフトウェア「 Yamaha LAN Monitor 」を利用すると、簡単にIPアドレスを確認したり、Web GUIを開いたりできます。
-
ヤマハL3スイッチ(SWX3220-16MT)のLANマップを開く。
Webブラウザーのアドレスバーへの入力例
http:// 192.168.1.1 /
-
LANマップの「ツリー」で「WLX323」をクリックする。
(この画面では、電波の発信状態や接続端末などが確認できる) -
LANマップから無線APのWeb GUIを開く。
-
方法1:[GUIを開く]をクリックする。
-
方法2:「機器詳細と設定」の上下スクロールバーを操作して、無線APのIPアドレスを確認し、Webブラウザーで開く。
Webブラウザーのアドレスバーへの入力例
http:// 192.168.1.3 /
-
|
9.2.2. 固定IPアドレス環境で、IPアドレスを調査(推奨度:〇)
導入先ネットワークに合わせて固定IPアドレスで運用している場合は、導入先ネットワークの管理者にご確認ください。
- 調査方法
-
-
仮想コントローラーのWeb設定画面で調査
-
「 無線APや仮想コントローラーのIPアドレス変更 」を参照し、設定画面の中で無線APや仮想コントローラーのIPアドレスを確認する。
-
-
YNOマネージャーの設定画面で調査
-
「 無線APや仮想コントローラーのIPアドレス変更 」や「 固定IPアドレス環境の無線APのIPアドレスを変更する 」を参照し、設定画面の中で無線APや仮想コントローラーのIPアドレスを確認する。
-
-
コンソールコマンドで調査
-
「 CONSOLEポートで無線APや仮想コントローラーのIPアドレスを変更する 」を参照し、コンソールから show config コマンドなどで確認する。
-
-
本ガイドでは、固定IPアドレス環境を次のように想定しています。 |
9.2.3. DHCP環境で、IPアドレスを調査(推奨度:△)
DHCPから自動取得したIPアドレスを特定することは困難です。ここでは、DHCPサーバーが端末に付与したアドレスリストから、MACアドレスをキーとしてIPアドレスを探す方法を紹介します。
-
DHCPサーバー(L3スイッチ)にログインして、本製品の製品ラベルに記載されたMACアドレスを元に、DHCPサーバーの割り当て情報からIPアドレスを探します。
SWX3220>enable SWX3220#show dhcp binding Pool pool_vlan1 Network 192.168.1.0/24 DHCP Client Entries IP Address MacAddr Type Expiry HostName -------------------------------------------------------------------------------- 192.168.1.2 ????.??03.1b12 Dynamic 2022/03/16 10:19:53 Setting PC 192.168.1.3 ac44.f2??.??b8 Dynamic 2022/03/16 10:42:18 - 192.168.1.4 ac44.f2??.??b9 Dynamic 2022/03/16 10:42:18 - SWX3220#disable SWX3220>exit
設定用パソコン | |
WLX323(無線AP) : 製品ラベル に記載されたMACアドレスと同値のものを確認する。 | |
仮想コントローラー: 製品ラベル に記載されたMACアドレスから1つ大きな値のものを確認する。 |
9.3. YNOマネージャーの操作例
クラウド管理を行っているとき、グループCONFIG、クラスターCONFIG、無線APのWeb GUI、無線APの 見える化ツール を開く手順を紹介します。クラウド管理を利用することで、離れた場所(リモート/遠隔)からもYNOマネージャー経由で操作できます。
- 操作対象と操作方法
-
操作対象 操作手順 グループCONFIG
クラスターCONFIG
無線APのシステム / ステータス情報
無線APの見える化ツール
- YNOマネージャーの「無線AP」状態遷移図
-
- YNOマネージャーのアイコン概要
-
アイコン 概要 グループやクラスターを選択して、それぞれの「一覧」画面を開きます。
「編集」画面を開きます。
無線APの「システム / ステータス情報」を開きます。現在の動作状態を確認できます。
無線APの「無線LAN見える化ツール」を開きます。現在の無線LANの状態を確認できます。
|
9.3.1. YNOマネージャーからグループCONFIGを開く
YNOマネージャーからグループCONFIGを開くまでの手順を紹介します。
-
YNOマネージャーにログインする。
-
YNOマネージャーの[無線AP]タブ-[機器管理]を順にクリックする。
-
[機器管理](グループ一覧)から所属グループの「 」アクションをクリックする。
YNOマネージャーの[機器管理](グループ一覧) -
[機器管理](クラスター一覧)にある[グループCONFIGの設定]ボタンをクリックする。
YNOマネージャーの[機器管理](クラスター一覧)グループCONFIGの[トップ]が表示される。
グループCONFIGの[トップ]
9.3.2. YNOマネージャーからクラスターCONFIGを開く
YNOマネージャーからクラスターCONFIGを開くまでの手順を紹介します。
-
YNOマネージャーにログインする。
-
YNOマネージャーの[無線AP]タブ-[機器管理]をクリックする。
-
[機器管理](グループ一覧)から所属グループの「 」アクションをクリックする。
YNOマネージャーの[機器管理](グループ一覧) -
[機器管理](クラスター一覧)にある「 」アクションをクリックする。
YNOマネージャーの[機器管理](クラスター一覧) -
「機器管理」(AP一覧)にある「クラスターCONFIGの設定」ボタンをクリックする。
YNOマネージャーの[機器管理](AP一覧)クラスターCONFIGの「トップ」が表示される。
クラスターCONFIGの[トップ]
9.3.3. YNOマネージャーから無線APのシステム/スタータス情報を開く
YNOマネージャーから無線APのシステム/スタータス情報を開くまでの手順を紹介します。
-
YNOマネージャーにログインする。
-
YNOマネージャーの[無線AP]タブ-[機器管理]をクリックする。
-
[機器管理](グループ一覧)から所属グループの「 」アクションをクリックする。
YNOマネージャーの[機器管理](グループ一覧) -
[機器管理](クラスター一覧)にある「 」アクションをクリックする。
YNOマネージャーの[機器管理](クラスター一覧) -
[機器管理](AP一覧)にある「 」(機器詳細を表示する)アクションをクリックする。
YNOマネージャーの[機器管理](AP一覧)無線APのWeb GUIのシステム/ステータス情報が表示される。
Leader-APのシステム/スタータス情報
9.3.4. YNOマネージャーから見える化ツールを開く
YNOマネージャーから見える化ツールを開くまでの手順を紹介します。
-
YNOマネージャーにログインする。
-
YNOマネージャーの[無線AP]タブ-[機器管理]をクリックする。
-
[機器管理](グループ一覧)から所属グループの「 」アクションをクリックする。
YNOマネージャーの[機器管理](グループ一覧) -
「機器管理」(クラスター一覧)にある「 」アクションをクリックする。
YNOマネージャーの[機器管理](クラスター一覧) -
[機器管理](AP一覧)にある「 」アクションをクリックする。
YNOマネージャーの[機器管理](AP一覧)見える化ツールが表示される。
無線LANの見える化ツール画面
9.4. CONSOLEポートの操作例
CONSOLE ポートを使用して、管理パスワードやIPアドレスを初期設定する方法を説明します。管理パスワードやIPアドレスの初期設定を終えたら、Web GUIでの設定を推奨します。
概要 | CONSOLEポートからのコマンド操作・設定 |
---|---|
コマンド設定のための環境を確認する。 |
|
コマンド設定の準備をする。 |
|
CONSOLEポートからログインする。
|
|
接続先ネットワークに合わせて、無線APや仮想コントローラーのIPアドレスをコマンドで変更する。 |
|
管理パスワードを変更する。 |
9.4.1. CONSOLEポートを利用する環境
CONSOLEポートを利用した設定に必要な配線を説明します。設定用パソコン、USBシリアル変換ケーブル、 RJ-45コンソールケーブル YRC-RJ45C(別売品) 、本製品を接続します。
CONSOLEポートによる設定では、最初のIPアドレス設定やIPアドレス調査などを手軽に行えます。
9.4.2. CONSOLEポートを利用する準備
CONSOLEポートを利用するために用意するものを説明します。
-
設定用パソコン
-
USBポートのある設定用パソコンをご用意ください。
-
-
ケーブル
-
市販のUSBシリアル変換ケーブルをご用意ください。
-
設定用パソコンにシリアルポート(COMポート)があるときは、USBシリアル変換ケーブルは不要です。
-
-
RJ-45コンソールケーブル YRC-RJ45C(別売品) をご用意ください。
-
設定用パソコンと本製品のCONSOLE ポートを接続します。
-
-
-
ソフトウェア
-
設定用パソコンには、シリアルポート(COMポート)を制御するターミナルソフトウェアをご用意ください。
-
ターミナルソフトウェアのパラメーターは、以下のように設定します。
パラメーター 設定値 データ転送速度
9600bit/s
キャラクタービット長
8
パリティチェック
なし
ストップビット数
1
フロー制御
Xon/Xoff
-
9.4.3. CONSOLEポートにログインして、管理パスワードを初期設定する
CONSOLEポートにログインする手順を説明します。初めてログインする場合(管理パスワードが未設定の場合)は、管理パスワードの初期設定を行います。
使用コマンド名 | 機能概要 |
---|---|
administrator |
管理ユーザーに移行する |
コマンドに関する詳細については「 コマンドリファレンス 」をご覧ください。 |
-
本製品と設定用パソコンをコンソールケーブルで接続する。
設定用パソコン、USBシリアル変換ケーブル、 RJ-45コンソールケーブル YRC-RJ45C(別売品) 、本製品のCONSOLEポートを接続する。
-
LAN ポートとRJ-45 CONSOLE ポートのコネクター形状は、同じ8ピンコネクターです。これらを間違えて接続すると、ハードウェアの破壊や故障につながります。十分に確認してから接続してください。
-
-
設定用パソコンで、ターミナルソフトウェアを起動する。
-
本製品の電源を確認する。
本製品の電源が入っていないときは、「 接続 」を参照し電源を入れる。 -
[Enter]キーを押してプロンプトを待つ。
>
[Enter]キーを入力する。 第三者への製品情報の漏洩を防ぐため、管理ユーザーに移行するまでは製品情報を表示しません。 -
管理者モードに移行する。
管理パスワードが未設定の場合
> administrator Password: Configure password for administrator New Password: ***** Confirm: ***** Save... WLX323 BootROM Ver.1.00 WLX323 Rev.25.01.02 (Tue Sep 26 12:09:57 2023) Copyright (c) Yamaha Corporation. All Rights Reserved. MAC Address : ac:44:f2:2a:ff:78, ac:44:f2:2a:ff:80, ac:44:f2:2a:ff:88, ac:44:f2:2a:ff:90 Memory 1024Mbytes #
administrator コマンドを入力する。( ad[Tab] でもよい) 初期パスワードは未設定なので、[Enter] キーのみ入力する。 新しい管理パスワードを入力する。 新しい管理パスワードを再入力する。 管理パスワードの保存メッセージが表示される。 管理パスワードが設定済みの場合
> administrator Password: WLX323 BootROM Ver.1.00 WLX323 Rev.25.01.02 (Tue Sep 26 12:09:57 2023) Copyright (c) Yamaha Corporation. All Rights Reserved. MAC Address : ac:44:f2:2a:ff:78, ac:44:f2:2a:ff:80, ac:44:f2:2a:ff:88, ac:44:f2:2a:ff:90 Memory 1024Mbytes #
administrator コマンドを入力する。( ad[Tab] でもよい) 管理パスワードを入力する。(コンソールのエコーバックはありません) コマンドに関する詳細については「 コマンドリファレンス 」をご覧ください。
9.4.4. CONSOLEポートで無線APや仮想コントローラーのIPアドレスを変更する
ここでは、仮想コントローラーのIPアドレスを「DHCP:有効(自動取得)」から「DHCP:無効(固定割当)」への変更手順を説明します。
|
項目 |
初期設定 |
入力内容 |
DHCP (IPv4) |
有効 |
無効 |
IPアドレス (IPv4) |
192.168.1.200 |
|
ネットマスク |
24 |
IPアドレスの変更に関するコマンドは、次のとおりです。
使用コマンド名 |
機能概要 |
---|---|
administrator |
管理ユーザーへの移行 |
cluster virtual-ip address |
仮想コントローラーのIPアドレス設定 |
ip vlan-id vlan_register_num address ip_address/mask |
無線APのIPアドレス設定 |
-
CONSOLEポートにログイン する。
-
[Enter]キーを押してプロンプトを待つ。
>
[Enter]キーを入力する。 プロンプトが表示される。 第三者への製品情報の漏洩を防ぐため、管理ユーザーに移行するまでは製品情報を表示しません。 -
管理者モードに移行する。
> administrator Password: WLX323 BootROM Ver.1.00 WLX323 Rev.25.01.02 (Tue Sep 26 12:09:57 2023) Copyright (c) Yamaha Corporation. All Rights Reserved. MAC Address : ac:44:f2:2a:ff:78, ac:44:f2:2a:ff:80, ac:44:f2:2a:ff:88, ac:44:f2:2a:ff:90 Memory 1024Mbytes #
administrator コマンドを入力する。( ad[tab] でもよい) 管理パスワードを入力する。(コンソールのエコーバックはない) -
仮想コントローラーのIPアドレスを設定する。
-
「DHCP自動取得」に設定する場合
# cluster virtual-ip address dhcp
-
「192.168.1.200/24」に設定する場合
# cluster virtual-ip address 192.168.1.200/24
-
-
無線APのIPアドレスを設定する。
-
「DHCP自動取得」に設定する場合
ip vlan-id 1 address dhcp
-
「192.168.1.253/24」に設定する場合
ip vlan-id 1 address 192.168.1.253/24
-
9.4.5. CONSOLEポートで管理パスワードを変更
CONSOLEポートで本製品の管理パスワードを変更します。
使用コマンド名 |
機能概要 |
---|---|
administrator |
管理ユーザーへの移行する |
administrator password encrypted |
管理パスワードの暗号化保存する |
-
CONSOLEポートにログイン する。
-
[Enter]キーを押してプロンプトを待つ。
>
[Enter]キーを入力する。 -
管理者モードに移行する。
> administrator Password: WLX323 BootROM Ver.1.00 WLX323 Rev.25.01.02 (Tue Sep 26 12:09:57 2023) Copyright (c) Yamaha Corporation. All Rights Reserved. MAC Address : ac:44:f2:2a:ff:78, ac:44:f2:2a:ff:80, ac:44:f2:2a:ff:88, ac:44:f2:2a:ff:90 Memory 1024Mbytes #
administrator コマンドを入力する。( ad[tab] でもよい) 管理パスワードを入力する。(コンソールのエコーバックはない) -
管理パスワードを変更する。
# administrator password encrypted Old_Password: New_Password: New_Password: # save Saving ... CONFIG0 Done . # exit >
administrator password encrypted コマンドを入力する。( ad[tab][tab]e[tab] でもよい) 管理パスワードを入力する。 新しい管理パスワードを入力する。 新しい管理パスワードを再入力する。 save コマンドで設定を保存する。( sa[tab] でもよい) exit コマンドを入力し、管理者モードを終わる。( e[tab] , quit , q[tab] でもよい)
9.5. 設定送信
設定を対象無線APに送信するための「設定送信」の操作方法を紹介します。管理方法と設定する内容に応じて、以下に操作方法を示します。
- 管理方法と設定方法の一覧表
-
管理方法 設定対象 設定方法 オンプレミス管理
仮想コントローラー
クラウド管理
仮想コントローラー
グループCONFIG
クラスターCONFIG
- YNOマネージャーの「無線AP」状態遷移図
-
|
9.5.1. 仮想コントローラーの設定送信
「設定送信」で仮想コントローラーで変更した設定を管理下の対象無線APに送信します。
-
仮想コントローラーのWeb GUIにログインする。
-
[設定]タブ-[設定送信]-[設定送信]を順にクリックする。
-
[送信]をクリックして、管理下の無線APに設定を送信する。
設定の送信処理には少し時間がかかります。 設定送信が完了したら、[設定送信]の画面が再表示される。
-
必要に応じて動作確認を行う。
9.5.2. グループCONFIGの設定送信
「設定送信」でグループCONFIGの設定を管理下の対象無線APに送信します。
-
グループCONFIGのWeb GUIで、[設定]タブ-[設定送信]-[設定送信]を順にクリックする。
設定の送信が必要な[設定送信]画面 -
[送信]をクリックして、グループに属する無線APに設定内容を送信する。
設定の送信処理には少し時間がかかります。 設定を送信している[設定送信]画面設定送信が完了したら、[設定送信]の画面が再表示される。
-
必要に応じて動作確認を行う。
9.5.3. クラスターCONFIGの設定送信
[設定送信]でクラスターCONFIGの設定を管理下の対象無線APに送信します。
-
クラスターCONFIGのWeb GUIで、[設定]タブ-[設定送信]-[設定送信]を順にクリックする。
設定の送信が必要な[設定送信]画面 -
[送信]をクリックして、グループに属するすべての無線APに、設定内容を送信する。
設定の送信処理には少し時間がかかります。 設定を送信している[設定送信]画面設定送信が完了したら、[設定送信]の画面が再表示される。
-
必要に応じて動作確認を行う。
9.6. ネットワーク設定の動作確認
ネットワークコマンドを実行して、周辺のLAN機器やインターネットなどへ疎通確認できます。 操作手順 、 実行例の環境 、 pingの実行例 、 tracerouteの実行例 を説明します。
ネットワークコマンド名 | 機能概要 | 実行例 |
---|---|---|
ping |
ICMP Echoを用いて、指定したホストとの疎通を調べる。 |
|
arping |
ARP Requestを用いて、指定したホストとの疎通を調べる。
|
- |
traceroute |
ICMP Echoを用いて、指定したホストまでの経路を調べる。 |
コマンドに関する詳細については「 コマンドリファレンス 」をご覧ください。 |
9.6.1. ネットワークコマンドを実行する操作手順
-
管理方法や使い方に適した設定画面を開く。
管理方法 設定対象 方法 オンプレミス管理
無線AP
無線APのWeb GUIにログイン
クラウド管理
無線AP
無線APのWeb GUIにログイン
アイコン
YNOマネージャーから「機器詳細を表示する」をクリックする
YNOマネージャーの「無線AP」状態遷移図 -
[保守]タブ-[保守]-[ネットワークコマンド]を順にクリックする。
無線APのWeb GUI[保守]-[ネットワークコマンド]:画面イメージ -
実行するネットワークコマンドの「宛先」にIPアドレスを入力し、[実行]をクリックする。
無線APのWeb GUI[保守]-[ネットワークコマンド]:入力イメージ
9.6.2. 実行例の環境
9.6.3. traceroute実行例
-
インターネットへのゲートウェイ機器(192.168.0.254)へのtraceroute実行例
無線APのWeb GUI[保守]-[ネットワークコマンド]:traceroute実行結果例- トラブルシューティングのヒント
-
失敗する場合には、ネットワーク設定を見直してください。
9.6.4. ping実行例
-
Webサイト(www.rtpro.yamaha.co.jp)へのping実行例
無線APのWeb GUI[保守]-[ネットワークコマンド]:ping実行結果例1- トラブルシューティングのヒント
-
失敗する場合には、インターネット接続やDNS設定を見直してください。
-
時刻サーバー(ntp.nict.jp)へのping実行例
無線APのWeb GUI[保守]-[ネットワークコマンド]:ping実行結果例2- トラブルシューティングのヒント
-
失敗する場合には、インターネット接続やDNS設定を見直してください。
9.7. 管理パスワードを変更
管理パスワードの変更方法を紹介します。設定手段に応じた2種類の操作方法を以下に示します。
設定手段 | 設定操作 |
---|---|
Webブラウザで管理パスワードを設定する。 |
|
ターミナルソフトウェア(CONSOLEポート)で管理パスワードを設定する。 |
9.7.1. Web GUIで管理パスワードを変更
Web GUIで本製品の管理パスワードを設定します。
-
管理方法や使い方に適した設定画面を開く。
管理方法 設定対象 方法 オンプレミス管理
仮想コントローラー
仮想コントローラーのWeb GUIにログイン
クラウド管理
仮想コントローラー
仮想コントローラーのWeb GUIにログイン
グループCONFIG
YNOマネージャーの「無線AP」状態遷移図 -
メニューから、[基本設定]-[管理パスワード]を順にクリックする。
「パスワードの変更」の初期値は、「変更しない」になっている。 -
[変更する]を選択する。
-
新しい管理パスワードを入力し、(確認用)の項目に入力した管理パスワードをもう一度入力する。
入力したパスワードは、●で表示されている。 -
「設定」をクリックする。
設定内容が保存され、管理パスワードが変更されると、「ユーザー名」と「パスワード」を入力する画面が表示される。
-
「ユーザー名」欄に「admin」と半角で入力し、「パスワード」欄に設定した管理パスワードを入力して、[サインイン]をクリックする。
正しく入力すると、「管理パスワード」画面が再表示される。
-
「 設定送信 」を実施する。
9.8. インジケーターを消灯
インジケーターの点灯/点滅が気になるときは、消灯することができます。
-
管理方法や使い方に適した設定画面を開く。
管理方法 設定対象 方法 オンプレミス管理
仮想コントローラー
仮想コントローラーのWeb GUIにログイン
クラウド管理
仮想コントローラー
仮想コントローラーのWeb GUIにログイン
グループCONFIG
YNOマネージャーの「無線AP」状態遷移図 -
[設定]タブ-[管理機能]-[LED]を順にクリックし、[LED]画面を表示する。
画面例(仮想コントローラーの場合) -
設定は「使用する / POWER LED のみ使用する / 使用しない(消灯) 」の3段階で設定できる。
プルダウンメニュー表示例(仮想コントローラーの場合) -
設定を変更した場合は、「 設定送信 」を実施する。
9.9. ファームウェアを更新
それぞれの管理方法に適した操作でファームウェアを更新できます。
- 操作対象と操作方法
-
管理方法 設定対象 方法(操作画面例) オンプレミス管理
無線AP
仮想コントローラー
クラウド管理
YNOマネージャー
YNOマネージャーから[ファームウェア更新]をクリックする
無線AP
仮想コントローラー
- YNOマネージャーの「無線AP」状態遷移図
-
詳しくは、Web GUIの[ヘルプ]や「 技術資料 」の「ファームウェア更新機能」、「 YNO操作マニュアル 」をご覧ください。 |
起動プロセスの詳細は、「 技術資料 」をご確認ください。 |
9.9.3. YNOマネージャーからグループのファームウェアを更新
-
YNOマネージャーから[機器管理](グループ一覧)を開く。
-
更新対象グループをチェックして、[ファームウェア更新]をクリックする。
9.9.4. YNOマネージャーからクラスターのファームウェアを更新
-
YNOマネージャーから[機器管理](クラスター一覧)を開く。
-
更新対象クラスターをチェックして、[ファームウェア更新]をクリックする。
9.9.5. YNOマネージャーから無線APのファームウェアを更新
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YNOマネージャーから[機器管理](AP一覧)を開く。
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更新対象無線APをチェックして、[ファームウェア更新]をクリックする。
9.10. 設定を工場出荷時の状態に戻す
本製品の設定を工場出荷時の状態に戻す手順を説明します。
操作手段と操作方法 | 概要 |
---|---|
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工場出荷時の状態に戻す操作を実施する場合は、再起動中、再起動後の注意事項をご確認ください。
9.10.1. 再起動中の注意事項
工場出荷時の状態に戻す操作を実施すると、再起動を始めます。
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9.10.2. 再起動後の注意事項
工場出荷時の状態に戻す手順で、再起動後に正常起動を確認して完了です。
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9.10.3. 工場出荷時の主な設定
設定項目 | 工場出荷時の設定 | |
---|---|---|
IPアドレス |
無線AP |
DHCP自動取得(取得失敗時は192.168.100.240/24) |
仮想コントローラー |
DHCP自動取得(取得失敗時は192.168.100.241/24) |
|
デフォルト
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DHCP自動取得(取得失敗時は未設定) |
|
DNSサーバー |
DHCP自動取得(取得失敗時は未設定) |
|
管理ユーザー名 |
admin |
|
管理パスワード |
未設定 |
|
L2MSエージェント機能 |
有効 |
9.10.4. CONFIGボタンで工場出荷時の状態に戻す
電源が切れている時に、 本体背面にあるCONFIGボタン を押した状態で電源を入れると、設定を工場出荷時の状態に戻すことができます。CONFIGボタンを放すタイミングは、 インジケーター の表示状態(起動中1)で識別します。
本製品には電源スイッチはありません。本製品に接続した電源アダプターのプラグをコンセントに差し込むか、PoEスイッチやPoEインジェクターとLANケーブルで接続することで、電源が入ります。 |
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本製品の本体背面にあるCONFIGボタンを押しながら電源を入れる。
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CONFIGボタンを押したまま、インジケーターの 起動プロセス表示 の起動状態が「起動中1」になるまで5秒間ほど待つ。
起動状態 POWER LAN YNO WLAN 電源投入直後
点灯(青色)
点灯(青色)
点灯(青色)
点灯(青色)
起動準備中
点灯(橙色)
点灯(青色)
点灯(青色)
点灯(青色)
-
インジケーターの起動状態の表示が「起動中1」になったら、CONFIGボタンから指を離す。
90秒ほど待つと、設定が工場出荷時の状態に戻され、起動します。起動状態 POWER LAN YNO WLAN 起動中
点滅(青色)
消灯
消灯
消灯
正常起動
点灯(青色)
Anything
Anything
Anything
9.10.5. Web GUIから工場出荷時の状態に戻す
Web GUIから設定を工場出荷時の状態に戻すことができます。
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管理方法や使い方に適した設定画面を開く。
管理方法 設定対象 方法 オンプレミス管理
無線AP
無線APのWeb GUIにログイン
クラウド管理
無線AP
無線APのWeb GUIにログイン
アイコン
-
[管理]タブ-[保守]-[再起動と初期化]を順にクリックする。
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[初期化]項目の[実行]ボタンをクリックする。
[再起動と初期化]の画面例 -
内容を確認し、[OK]ボタンをクリックする。
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本製品が工場出荷時の状態へ戻される。
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[初期化]ダイアログ が表示され、再起動を始める。
実行後その通信が切断される。
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インジケーターの起動プロセス表示 で「正常起動」を確認する。
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再起動が完了した後、Web GUIに再度アクセスする。
9.10.6. cold start コマンドで工場出荷時の状態に戻す
CONSOLEポート、Telnetクライアントを使用して、コマンドラインから設定を工場出荷時の状態に戻すことができます。
使用コマンド名 | 概要 |
---|---|
administrator |
管理ユーザーへの移行 |
cold start |
工場出荷時の設定に戻し、再起動する。 |
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CONSOLEポートにログイン する。
-
[Enter]キーを押してプロンプトを待つ。
>
[Enter]キーを入力する。 -
管理者モードに移行する。
> administrator Password: WLX323 BootROM Ver.1.00 WLX323 Rev.25.01.02 (Tue Sep 26 12:09:57 2023) Copyright (c) Yamaha Corporation. All Rights Reserved. MAC Address : ac:44:f2:2a:ff:78, ac:44:f2:2a:ff:80, ac:44:f2:2a:ff:88, ac:44:f2:2a:ff:90 Memory 1024Mbytes #
administrator コマンドを入力する。( ad[tab] でもよい) 管理パスワードを入力する。(コンソールのエコーバックはない) -
設定を工場出荷時の状態に戻す。
# cold start CA, various certification and all settings will be lost whole in the Cluster. Confirm it? (Y/N)Y Password: Restarting ...
cold start コマンドを入力する。( co[tab][tab] でもよい) 確認メッセージが表示されるので、 y を入力する。 管理パスワードを入力する。(コンソールのエコーバックはない) -
設定を工場出荷時の状態に戻し、SYSLOGを消去して、再起動を始める。
Telnetクライアントでログインしている場合は、実行後その通信が切断されます。 -
インジケーターの起動プロセス表示 で「正常起動」を確認する。