トラブルシューティング
8. トラブルシューティング
本章では、トラブルシューティング方法を説明します。
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8.1 トラブル情報収集
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8.2 トラブル対処事例
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8.3 お客様サポートについて
8.1. トラブル情報収集
トラブル発生時に原因を切り分けるための情報収集方法を紹介します。
8.1.1. 現地で情報収集する
現地での情報収集は、外観の確認ができますので、遠隔より多くの情報を集めることができます。
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外観を確認する。
電源アダプター、PoE給電機器、接続相手スイッチングハブ、LANケーブル、ポート、コネクター、インジケーターなどに異常がないか確認します。 -
接続相手(スイッチングハブやPoE給電機器など)のインジケーターを確認する。「ケーブル診断機能」があれば実施する。
LANケーブルの通信が不安定などの場合は、接続相手(スイッチングハブやPoE給電機器)の状態を確認したり、ケーブル診断機能を実施したりする。
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インジケーターや内部状態により、リンクスピードや全二重/半二重などの状態が双方で合致しているか、などをよく確認してください。
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ケーブル診断機能については、接続相手のスイッチングハブの取扱説明書をご覧ください。
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周辺ネットワーク機器との接続性を確認する。
LANマップ・Yamaha LAN Monitor・疎通確認コマンド(pingやtracerouteなど)などを使用して、 経路の疎通を確認し、 障害切り分けや障害特定を行う。
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本製品の疎通確認コマンドについては、「 ネットワーク設定の動作確認(ping,arping,traceroute) 」または「 技術資料 」をご覧ください。
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内部状態を確認する。
障害の切り分けや原因特定のために「 内部状態を情報収集 」します。
設定情報やログは、お問い合わせの際にご提供いただく場合があります。 -
現地利用者へのヒアリング
現地利用者の日常の運用状態とトラブルに関係がある場合があります。現地利用者へのヒアリングで、トラブルシューティングを効率的に実施するヒントが得られる場合もあります。
ヒアリング内容を参考にログを調査します。-
例)特定の時間に障害が発生するケース:
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【障害】出社時間、退社時間に無線LANの障害が発生する。
【原因】オフィス外の往来者のスマートフォンの無線LANnにより電波が混雑していた。 -
【障害】お掃除タイムに通信が途絶える。
【原因】掃除機のために設置されたコンセントからネットワーク機器の電源を取っていたため、掃除のときに電源遮断が発生する。 -
【障害】お昼休みに障害が発生する。
【原因】スマートフォンからの閲覧が多い。
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8.1.2. 遠隔から情報収集する
遠隔地からの情報収集は、外観の確認ができませんので、内部状態を収集して原因を特定する必要があります。
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接続性を確認する。
LANマップ・Yamaha LAN Monitor・ping・ケーブル診断機能などを使用して、 経路の疎通を確認し、 障害原因の切り分けや特定を行う。
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ケーブル診断機能は、接続相手のスイッチングハブの取扱説明書をご覧ください。
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内部状態を確認する。
障害の切り分けや原因特定のために「 内部状態を情報収集 」します。
設定情報やログは、お問い合わせの際にご提供いただく場合があります。
8.1.3. 内部状態を情報収集する
本製品の内部状態を情報収集するためのコマンドを紹介します。
情報種別 | 表示コマンド | 概要 |
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設定 |
show config |
現在運用中の設定を表示する。 |
設定 |
show config optimization |
オーバーレイCONFIGの内容を表示する。 |
状態 |
show environment |
起動ソフトウェアの情報、CPU使用率、メモリ使用率、起動時刻など、本製品のプログラムの稼働情報を表示する。 |
状態 |
show status dhcp |
DHCP サーバーの状態を表示する。 |
状態 |
show status dhcpc |
DHCP クライアントの状態を表示する。 |
状態 |
show status vlan |
VLAN インタフェースの状態を表示する。 |
記録 |
show status boot list |
起動情報の履歴一覧を表示する。 |
記録 |
show log |
動作状況を記録したログを表示する。 |
技術サポート |
show tech-info |
技術サポートに必要な情報を表示する。 |
お問い合わせ時に必要な情報やその取得方法については、「 技術資料 」や「 コマンドリファレンス 」を併せてご覧ください。 |
8.2. トラブル対処事例
ハードウェアに起因する基本的なトラブル対処事例を説明します。
8.2.1. 電源が入らない
ここでは、本製品へ電源を適切に入力できているか、確認するポイントを紹介します。
トラブル対処方法の一例であり、トラブル解決を保証するものではありません。 |
- チェックリスト
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POWERインジケーターを確認する。
確認箇所
確認内容
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消灯していたら、電源が入っていない。
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点滅(橙色) していたら、 システム異常である。
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点灯(青色) していたら、 正常動作である。
対処
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電源が入っていない場合は、次項などを参考に原因を調査する。
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システム異常の場合は、「 POWERインジケーターの説明 」や「 技術資料 」を参考に対処する。
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「確認した時は正常動作していたが、過去に電源が入っていない時があった」場合には、ログを確認して、過去の起動時間や停止時間などを確認し、その時間帯に起こりえる周囲環境の出来事を調査する。
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電源が、電源アダプター、PoEインジェクター、PoEスイッチに適切に入力されているか確認する。
確認箇所
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本体に接続された電源コードから電源ブレーカーまでの電源供給ライン
確認内容
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電源コードが適切に接続されているか。
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電源コンセントにスイッチがある場合には、ONになっているか。
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電源コンセントまで、電源が供給されているか。
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電源ブレーカーが落ちていないか。
想定原因
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電源プラグが十分に挿入できていなくて、緩んだり、外れたりした。
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他の用途に用意された電源コンセントに接続してしまった(たとえば、掃除機用途)。
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想定外の事態によって、電源が遮断された。
対処
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電源プラグを電源コンセントにしっかり押し込む。
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ネットワーク機器を接続してよい電源コンセントに接続する。
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電源が供給されているコンセントに接続しなおす。
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電源ブレーカーをONにする。
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電源コンセントを変えてみる。
確認箇所
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電源コンセント
確認内容
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別の電源コンセントに接続してみる。
想定原因
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電源コンセントの不良、接触不良など
対処
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電源コンセントの点検を依頼する。
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電源アダプターを使用している場合には、破損していないか確認する。
確認箇所
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電源アダプター
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電源インレット
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電源コード
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電源コネクター
確認内容
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傷などがないか。
想定原因
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電源関係の機器破損
対処
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ケーブルの差し直しや交換
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電源アダプターの修理や交換
-
-
PoEインジェクターを使用している場合には、破損していないか確認する。
確認箇所
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PoEインジェクターのインジケーター
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PoEインジェクターの電源インレット
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PoEインジェクターの電源コード
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PoEインジェクターの電源コネクター
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PoEインジェクターの配線(LANケーブル)
確認内容
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傷などがないか。
想定原因
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PoEインジェクターの破損
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ケーブルの抜けや破損
対処
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ケーブルの差し直しや交換
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PoEインジェクターの修理や交換
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-
PoEスイッチを使用している場合には、破損していないか確認する。
確認箇所
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PoEスイッチのインジケーター
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PoEスイッチの電源インレット
-
PoEスイッチの電源コード
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PoEスイッチの電源コネクター
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PoEスイッチの配線(LANケーブル)
確認内容
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傷などがないか。
想定原因
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PoEスイッチの破損
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PoEスイッチのLANポートの破損
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ケーブルの抜けや破損
対処
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ケーブルの差し直しや交換
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PoEスイッチのLANポート変更
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PoEスイッチの修理や交換
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そのほかの可能性
想定原因
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本製品の故障
対処
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「 はじめにお読みください 」の保証書や保証規定に記載された修理対応窓口へ故障診断を依頼する。
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8.2.2. LANポートがリンクアップしない
ここでは、本製品へLANケーブルを適切に接続できているか、確認するポイントを紹介します。
トラブル対処方法の一例であり、トラブル解決を保証するものではありません。 |
- チェックリスト
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LANポートのインジケーターで点灯状態(リンク状態)を確認する。
確認箇所
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LANインジケーター の点灯状態
確認内容
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青色(点灯または点滅) なら、リンクアップ(リンクが確立)している。
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消灯なら、リンクダウン(リンクが喪失)している。
想定原因
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リンクアップしている場合:
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リンク状態に問題はありません。
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リンクダウンしている場合:
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LANケーブルが適切に接続されていない。
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通信経路が疎通できていない。
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接続相手の電源が入っていない。
-
対処
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リンクアップしている場合:
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時間帯や外部環境の影響など、他の要因を調査する。
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リンクダウンしている場合:
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次項などを参考に原因を探す。
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LANケーブルをポートにしっかり挿入してあるか確認する。
確認箇所
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LANケーブルのプラグやLANポート
確認内容
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プラグの外観を確認する。
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爪は折れていないか。
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コネクターの奥までしっかり挿入しているか。
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挿入した時、爪からカチッと音がしていたか(しっかりロックされたか音でも確認する)。
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LANポートの外観を確認する。
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異物が入っていないか。
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接点が変形していないか。
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想定原因
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LANケーブルのプラグの接触不良
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LANケーブルのプラグの破損
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LANポートの破損
対処
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LANケーブルが破損していたら、交換する。
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LANポートが破損していたら、「 はじめにお読みください 」の保証書や保証規定に記載された修理対応窓口へ故障診断を依頼する。
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LANケーブルには、リンク速度に応じた品質のケーブルが使用されているか確認する。
確認箇所
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LANケーブルの仕様
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LANポートの内部状態
確認内容
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LANケーブルやプラグ部品の品質表示(カテゴリー)を確認する。
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show status コマンドで、LANポートの状態(リンク速度、ポートエラー、ドロップ数など)を確認する。
想定原因
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LANケーブルの品質規格がリンク速度と合っていない。
対処
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リンク速度に合った品質規格のLANケーブルに交換する。
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LANケーブルに断線・結線の不具合などがないか確認する。
確認箇所
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LANケーブルの断線や結線
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LANポートのリンク状態やリンク速度
確認内容
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ケーブルや結線の外観を確認する。
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ケーブルテスター(専用計測器)で、診断する。
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ケーブル診断機能で、診断する。
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ケーブル診断機能を利用する場合は、接続相手のスイッチングハブの取扱説明書をご覧ください。
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想定原因
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LANケーブルの不具合
対処
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規格に対応しているLANケーブルに交換する。
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他のLANポートに接続してみる。
確認箇所
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LANポート(外観で確認できない不具合)
確認内容
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LANポートに依存する問題か、他のLANポートに接続して確認する(切り分ける)。
想定原因
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LANポートの不具合
対処
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「 はじめにお読みください 」の保証書や保証規定に記載された修理対応窓口へ検査(故障診断)を依頼する。
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8.2.3. Web GUIにアクセスできない
ここでは、本製品のWeb GUIへ適切に通信できているか、確認するポイントを紹介します。
トラブル対処方法の一例であり、トラブル解決を保証するものではありません。 |
- チェックリスト
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LANポートのインジケーターの点灯状態(リンク状態)を確認する。
確認箇所
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LANインジケーター の点灯状態
確認内容
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青色(点灯または点滅) なら、リンクアップ(リンクが確立)している。
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消灯なら、リンクダウン(リンクが喪失)している。
想定原因
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リンクアップしている場合は、設置環境や設定に問題がある。
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同一セグメントに配置されていない。
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同一ネットワークに設定されていない。
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リンクダウンしている場合は、配線に問題がある。
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LANケーブルが適切に接続されていない。
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接続相手の電源が入っていない。
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対処
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リンクアップしている場合:
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次項を参考に原因を探す。
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リンクダウンしている場合:
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「 LANポートがリンクアップしない 」を参考に原因を探す。
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無線APや仮想コントローラーのIPアドレスが適切に設定されているか確認する。
確認箇所
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無線APや仮想コントローラーのIPアドレス
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設定用パソコンのWebブラウザーで指定したIPアドレス
確認内容
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「 IPアドレスを調査 」を参照して、無線APや仮想コントローラーに設定されているIPアドレスを調べる。
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設定用パソコンのWebブラウザーで指定したIPアドレスと比較する。
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想定原因
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設定用パソコンのWebブラウザーで、無線APや仮想コントローラーのIPアドレスを正しく指定していない。
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DHCPサーバーが有効な環境下の場合:
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無線APや仮想コントローラーが、IPアドレスを正常に取得できていない。
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対処
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適切なIPアドレスで再接続する。
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LANマップ環境下に置き、LANマップからGUIを開く。
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工場出荷時の状態にして、再接続する。
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次項を参考に原因を探す。
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設定用パソコンのIPアドレスが適切に設定されているか確認する。
確認箇所
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設定用パソコンのIPアドレス
確認内容
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「 パソコンのネットワーク設定 」を参照して、設定用パソコンのIPアドレスを確認する。
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設定用パソコンに、無線APや仮想コントローラーと通信可能なIPアドレスが設定されているか。
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想定原因
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固定IPアドレス環境下の場合:
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ネットワークアドレスが一致していない。
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DHCPサーバーが有効な環境下の場合:
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IPアドレスを正常に取得できていない。
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対処
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設定用パソコンを適切なIPアドレスに変更して、再接続する。
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LANマップ環境下に置き、LANマップからGUIを開く。
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8.3. お客様サポートについて
ヤマハネットワーク機器を快適に、またその性能・機能を最大限に活かしてご利用いただけますように、サポートをご提供します。
8.3.1. サポートポリシー
本製品に関するサポートの方法、内容、免責事項、注意事項などをまとめたものです。 詳しくは、
サポートポリシー(ウェブサイト)
をご覧ください。
https://network.yamaha.com/support/policy/
8.3.2. ソフトウェアライセンス利用規約について
本製品は、ファームウェアをリビジョンアップできます。
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ファームウェアのリビジョンアップ操作は、ヤマハネットワーク製品ソフトウェアライセンス利用規約に同意したとみなされます。ファームウェアをリビジョンアップする前に、必ずヤマハネットワーク製品ソフトウェアライセンス利用規約をお読みください。
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ヤマハネットワーク製品ソフトウェアライセンス利用規約の内容に同意していただけない場合は、ファームウェアのリビジョンアップを行わないでください。過失を含むいかなる場合であっても、ヤマハは、本ソフトウェアに起因するお客様側の損害について、法令上免責が認められない場合を除き、一切の責任を負いません。
- ヤマハネットワーク製品ソフトウェアライセンス利用規約
8.3.3. サポート窓口のご案内
ヤマハネットワーク機器に関するお問い合わせをお受けしております。
お問い合わせの前に
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本ガイドをもう一度ご確認ください
本ガイドをよくお読みになり、問題が解決できるかご確認ください。 -
お問い合わせ前の注意点
「 ヤマハネットワーク製品お問い合わせ 」の「お問い合わせ前の注意点」をご確認ください。 -
ログ情報や設定情報をご確認ください
お客様が使用されている本製品の状態を把握するために、弊社の担当者がログ情報や設定情報を確認させていただくことがあります。ログ情報や設定情報を問題の症状と合わせてお知らせいただくことで、問題の解決が早まることがあります。情報種別 表示コマンド 概要 設定
show config
現在運用中の設定を表示する。
設定
show config optimization
オーバーレイCONFIGの内容を表示する。
状態
show environment
起動ソフトウェアの情報、CPU使用率、メモリ使用率、起動時刻など、本製品のプログラムの稼働情報を表示する。
記録
show status boot list
起動情報の履歴一覧を表示する。
記録
show log
動作状況を記録したログを表示する。
技術サポート
show tech-info
技術サポートに必要な情報を表示する。
お問い合わせ時に必要な情報やその取得方法は、「 技術資料 」や「 コマンドリファレンス 」を併せてご覧ください。 |
お問い合わせ窓口
本製品に関する技術的なご質問やお問い合わせは、以下へご連絡ください。
ヤマハネットワーク製品お客様相談センター | |
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お問い合わせページ |
ヤマハネットワーク製品サポート
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電話番号 |
03-5651-1330 |
FAX番号 |
053-460-3489 |
ご相談受付時間 |
9:00 ~ 12:00 13:00 ~ 17:00
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