https://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/docs/relnote/Rev.14.00/relnote_14_00_34.html
Revision : 14.00.34
Release : Mar. 2024, ヤマハ株式会社

RTX5000/RTX3500 Rev.14.00.34 リリースノート


ファームウェアのリビジョンアップを行う前に必ずお読みください


Rev.14.00.08以降のファームウェアのリビジョンアップを行う際には以下の点にご注意ください。

Rev.14.00.08にはRev.14.00.12で修正された以下の不具合が存在します。

RTX5000/RTX3500 Rev.14.00.12 リリースノート」より、

12.syslog debugコマンドとipsec log illegal-spiコマンドの両方にonが設定されているとき、IPsecでSPI値が無効なパケットを受信するとリブートもしくはハングアップが発生することがあるバグを修正した。

この不具合がファームウェアのリビジョンアップ中に発生すると、ファームウェア(execファイル)が消失する可能性があります。
お手数をおかけいたしますが、Rev.14.00.08からファームウェアのリビジョンアップを行う際、ipsec log illegal-spi onが設定されている場合には、ipsec log illegal-spi offを設定したのちに実施していただくよう、お願いいたします。


Rev.14.00.33 からの変更点


■機能追加

  1. IKEv2で、Configuration Payloadに対応した。
    この変更により、AndroidとiOSの端末でIKEv2を使ったリモートアクセスVPN接続が可能になる。

    https://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/docs/ipsec/ikev2_ras/index.html

    外部仕様書をよくご確認のうえ、ご利用ください。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  2. BIGLOBE IPv6 オプションに対応した。

    https://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/docs/biglobe/index.html

    外部仕様書をよくご確認のうえ、ご利用ください。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  3. IPヘッダーおよびIPv6ヘッダーのDSフィールドを書き換えるコマンドを追加した。

    ○IPパケットのDSフィールドの書き換えの設定

    [書式]
    ip dscp supersede id dscp filter_num [filter_num_list]
    no ip dscp supersede id [dscp]
    [設定値及び初期値]
    • id
      • [設定値] : 識別番号 (1..65535)
      • [初期値] : -
    • dscp
      • [設定値] :
        • 書き換えるDSCP値 (0..63)
        • 以下のニーモニックが利用できる
          • cs1/cs2/cs3/cs4/cs5/cs6/cs7/af11/af12/af13/af21/af22/af23/af31/af32/af33/af41/af42/af43/ef
      • [初期値] : -
    • filter_num
      • [設定値] : 静的フィルターの番号 (1..21474836)
      • [初期値] : -
    • filter_num_list
      • [設定値] : 静的フィルターの番号 (1..21474836) の並び
      • [初期値] : -
    [説明]
    IP パケットを中継する場合に DS フィールドを指定した値に書き換える。
    識別番号順にリストをチェックし、filter_numリストのフィルターを順次適用していく。そして、最初にマッチしたIPフィルターがpass、pass-log、pass-nolog、restrict、restrict-log、restrict-nolog のいずれかであれば DS フィールドが書き換えられる。
    reject、reject-logまたはreject-nologである場合は書き換えずに処理を終わる。
    ip tos supersedeコマンドの設定と本コマンドの設定で条件が同じ場合、本コマンドの設定が優先される。
    [ノート]
    RTX5000、RTX3500 は Rev.14.00.34以降で使用可能。
    RTX1300 は Rev.23.00.05以降で使用可能。
    RTX1220 は Rev.15.04.05以降で使用可能。
    RTX830 は Rev.15.02.27以降で使用可能。

    ○IPv6パケットのDSフィールドの書き換えの設定

    [書式]
    ipv6 dscp supersede id dscp filter_num [filter_num_list]
    no ipv6 dscp supersede id [dscp]
    [設定値及び初期値]
    • id
      • [設定値] : 識別番号 (1..65535)
      • [初期値] : -
    • dscp
      • [設定値] :
        • 書き換えるDSCP値 (0..63)
        • 以下のニーモニックが利用できる
          • cs1/cs2/cs3/cs4/cs5/cs6/cs7/af11/af12/af13/af21/af22/af23/af31/af32/af33/af41/af42/af43/ef
      • [初期値] : -
    • filter_num
      • [設定値] : 静的フィルターの番号 (1..21474836)
      • [初期値] : -
    • filter_num_list
      • [設定値] : 静的フィルターの番号 (1..21474836) の並び
      • [初期値] : -
    [説明]
    IPv6 パケットを中継する場合に DS フィールドを指定した値に書き換える。
    識別番号順にリストをチェックし、filter_numリストのフィルターを順次適用していく。そして、最初にマッチしたIPv6フィルターがpass、pass-log、pass-nolog、restrict、restrict-log、restrict-nologのいずれかであればDSフィールドが書き換えられる。
    reject、reject-logまたは reject-nologである場合は書き換えずに処理を終わる。
    [ノート]
    RTX5000、RTX3500 は Rev.14.00.34以降で使用可能。
    RTX1300 は Rev.23.00.05以降で使用可能。
    RTX1220 は Rev.15.04.05以降で使用可能。
    RTX830 は Rev.15.02.27以降で使用可能。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  4. ipsec ike durationコマンドで、古くなったSAの寿命を強制的に短縮する時間を設定できるようにした。

    ○SAの寿命の設定

    [書式]
    ipsec ike duration sa gateway_id second [kbytes] [rekey rekey] [forced-reduction=del_time] ★
    no ipsec ike duration sa gateway_id [second [kbytes] [rekey rekey] [forced-reduction=del_time]] ★
    [設定値及び初期値]
    • sa
      • [設定値] :
        設定値 説明
        ipsec-sa (もしくは child-sa) IPsec SA (CHILD SA)
        isakmp-sa (もしくは ike-sa) ISAKMP SA (IKE SA)
      • [初期値] : -
    • gateway_id
      • [設定値] : セキュリティー・ゲートウェイの識別子
      • [初期値] : -
    • second
      • [設定値] : 秒数(300..691200)
      • [初期値] : 28800
    • kbytes
      • [設定値] : キロ単位のバイト数
        設定値 説明
        100..2147483647 キロ単位のバイト数 (RTX830 Rev.15.02.27以降、RTX1220 Rev.15.04.05以降、RTX1300、RTX3510、RTX5000 / RTX3500 Rev.14.00.34以降)
        100..100000 キロ単位のバイト数 (上記以外)
        off バイト寿命を設定しない(RTX830 Rev.15.02.27以降、RTX1220 Rev.15.04.05以降、RTX1300、RTX3510、RTX5000 / RTX3500 Rev.14.00.34以降)
      • [初期値] :
        • 2000000 (RTX830 Rev.15.02.27以降、RTX1220 Rev.15.04.05以降、RTX1300、RTX3510、RTX5000 / RTX3500 Rev.14.00.34以降)
        • off (上記以外)
    • rekey : SAを更新するタイミング
      • [設定値] :
        設定値 説明
        70% - 90% パーセント
        off 更新しない(SAパラメーターでisakmp-sa (ike-sa) を指定したときのみ設定可能)
      • [初期値] : 75%
    • del_time
      • [設定値] : 古くなったSAの寿命を強制的に短縮する時間(1..691200) ★
      • [初期値] : -
    [説明]
    各 SA の寿命を設定する。
    kbytes パラメーターを指定した場合には、 second パラメーターで指定した時間が経過するか、指定したバイト数のデータを処理した後に SA は消滅する。
    kbytes パラメーターは SA パラメーターとして ipsec-sa (child-sa) を指定したときのみ有効である。SA の更新はkbytes パラメーターに設定したバイト数の75%を処理したタイミングで行われる。また、IPsec SA (CHILD SA) が更新されたとき古くなった既存の IPsec SA (CHILD SA) の寿命が 30 秒以上である場合は、寿命が 30 秒に短縮される。

    rekey パラメーターは SA を更新するタイミングを決定する。例えば、 secondパラメーターで 20000 を指定し、 rekeyパラメーターで75%を指定した場合には、SA を生成してから 15000 秒経過したときに新しい SA を生成する。rekeyパラメーターは second パラメーターに対する比率を表すもので、 kbytesパラメーターの値とは関係がない。

    sa パラメーターで isakmp-sa(ike-sa) を指定したときに限り、rekeyパラメーターで 'off'を設定できる。このとき、 IPsec SA (CHILD SA) を作る必要がない限り、ISAKMP SA (IKE SA)の更新を保留するので、 ISAKMP SA (IKE SA) の生成を最小限に抑えることができる。

    その他、動作するIKEのバージョンによって異なる、本コマンドの影響、注意点については以下の通り。

    • IKEv1
      始動側として働く場合に、このコマンドで設定した寿命値が提案される。応答側として働く場合は、このコマンドの設定に関係なく相手側から提案された寿命値に合わせる。

      また、 ISAKMP SA に対する rekey パラメーターを offに設定した場合、その効果を得るためには、次の2点に注意して設定する必要がある。

      1. IPsec SAよりも ISAKMP SA の寿命を短く設定する。
      2. ダングリングSAを許可する。すなわち、ipsec ike restrict-dangling-sa コマンドの設定をoff にする。

    • IKEv2
      IKEv2 では SA 寿命値は折衝されず、各セキュリティー・ゲートウェイが独立して管理するものとなっている。従って、確立されたSA には、常にこのコマンドで設定した寿命値がセットされる。ただし、相手側セキュリティー・ゲートウェイの方が SA更新のタイミングが早ければ、 SA はその分早く更新されることになる。

    forced-reduction オプションに時間を指定すると、SA を更新した際に古くなった既存の SAの寿命を強制的に設定値に変更し、消滅までの時間を早めることができる。ただし、IPsec SA (CHILD SA) で kbytesパラメーターにバイト寿命値を指定している場合は、del_time パラメーターで 31秒以上の値を設定していても、短縮される値は30秒となる。また、IKEv1 では寿命が設定値よりも短い場合は変更しない。 ★

    ISAKMP SA (IKE SA) の寿命が IPsec SA (CHILD SA) の寿命より先に尽きた場合は、ISAKMP SA(IKE SA) の寿命値を IPsec SA (CHILD SA) の寿命値に合わせる。

    なお、このコマンドを設定しても、すでに存在するSAの寿命値は変化せず、新しく作られる SA にのみ、新しい寿命値が適用される。
    [ノート]
    forced-reduction オプションは以下の機種およびリビジョンで使用可能。★
    RTX830は Rev.15.02.27以降。
    RTX1220 は Rev.15.04.05以降。
    RTX1300は Rev.23.00.05以降。
    RTX3510 は すべてのリビジョン。 RTX5000、RTX3500 は Rev.14.00.34以降。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  5. bgp export filterコマンドのpreferenceオプションが比較するBGP経路の種別を変更するコマンドを追加した。

    ○BGPで受信した経路に対する経路選択の優先順位の規則を設定 ★

    [書式]
    bgp export route selection rule rule
    no bgp export route selection rule [rule]
    [設定値及び初期値]
    • rule
      • [設定値] : ebgp-only, all
        設定値 説明
        ebgp-only EBGPで受信した同じ宛先の経路を比較対象とする。
        all 全てのBGPで受信した同じ宛先の経路を比較対象とする。
      • [初期値] : ebgp-only
    [説明]
    BGPで同じ宛先の経路を複数の相手から受信した際、一方を選択するための優先度による比較対象を設定する。
    本コマンドの設定によりbgp export filter コマンドのpreferenceオプションで比較する経路の種別が変更される。

    ruleに ebgp-onlyを設定した場合、EBGPで受信した経路にのみpreferenceによる比較が働く。このため、IBGPで受信した経路では、preferenceによる比較は働かない。
    ruleにallを設定した場合、全てのBGPで受信した経路にpreferenceによる比較が働く。このため、EBGPとIBGPで受信した経路間でも、preferenceによる比較が働く。

    従来IBGPで受信した経路はEBGPで受信した経路よりも低い優先度の経路として扱われていたが、ruleにallを指定することでIBGPで受信した経路の優先度をEBGPで受信した経路よりも高くすることが可能になる。
    また、bgp export filterコマンドのpreferenceはLocal Preferenceよりも高い優先度であるため、IBGP経路同士の場合にもより柔軟にネットワークを設計することが可能になる。

    本コマンドに対応していないリビジョンでは、ruleがebgp-onlyのときの動作をする。
    [ノート]
    本コマンドで動作を設定可能な経路選択プロセスは以下のURLを参照してください。 EBGPとIBGP間で同じ宛先の経路を受信する環境下で特定の経路を優先するよう制御したい場合、本コマンドを設定することで実現できる。

    RTX830 は、Rev.15.02.27以降で使用可能。
    RTX1220 は Rev.15.04.05以降で使用可能。
    RTX1300 は、Rev.23.00.05以降で使用可能。
    RTX5000、RTX3500 は Rev.14.00.34以降で使用可能。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

■仕様変更

  1. RAプロキシーで、RAによるプレフィックスのpreferred lifetimeが残り60秒になったとき、RSを送出するようにした。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  2. ipsec ike durationコマンドのKBYTESパラメーターを以下のように変更した。

    この修正により、初期値で2GBのバイト寿命を持つため、IPsec SA (CHILD SA) が古くなった時、 forced-reductionオプションの設定がない場合でも、自動的に秒寿命が30秒に短縮される。

    またバイト寿命の最大値が2,147,483,647KBの機種が始動側になる場合は、相手側機器がバイト寿命の最大値が2,147,483,647KBの機種ではないとき、バイト寿命を必ず2GB以下に設定する必要がある。

    ○SAの寿命の設定

    [書式]
    ipsec ike duration sa gateway_id second [kbytes] [rekey rekey] [forced-reduction=del_time]
    no ipsec ike duration sa gateway_id [second [kbytes] [rekey rekey] [forced-reduction=del_time]]
    [設定値及び初期値]
    • sa
      • [設定値] :
        設定値 説明
        ipsec-sa (もしくは child-sa) IPsec SA (CHILD SA)
        isakmp-sa (もしくは ike-sa) ISAKMP SA (IKE SA)
      • [初期値] : -
    • gateway_id
      • [設定値] : セキュリティー・ゲートウェイの識別子
      • [初期値] : -
    • second
      • [設定値] : 秒数(300..691200)
      • [初期値] : 28800
    • kbytes
      • [設定値] : キロ単位のバイト数
        設定値 説明
        100..2147483647 キロ単位のバイト数 (RTX830 Rev.15.02.27以降、RTX1220 Rev.15.04.05以降、RTX1300、RTX3510、RTX5000 / RTX3500 Rev.14.00.34以降) ★
        100..100000 キロ単位のバイト数 (上記以外) ★
        off バイト寿命を設定しない(RTX830 Rev.15.02.27以降、RTX1220 Rev.15.04.05以降、RTX1300、RTX3510、RTX5000 / RTX3500 Rev.14.00.34以降) ★
      • [初期値] :
        • 2000000 (RTX830 Rev.15.02.27以降、RTX1220 Rev.15.04.05以降、RTX1300、RTX3510、RTX5000 / RTX3500 Rev.14.00.34以降) ★
        • off (上記以外) ★
    • rekey : SAを更新するタイミング
      • [設定値] :
        設定値 説明
        70% - 90% パーセント
        off 更新しない(SAパラメーターでisakmp-sa (ike-sa) を指定したときのみ設定可能)
      • [初期値] : 75%
    • del_time
      • [設定値] : 古くなったSAの寿命を強制的に短縮する時間(1..691200)
      • [初期値] : -
    [説明]
    各 SA の寿命を設定する。
    kbytes パラメーターを指定した場合には、 second パラメーターで指定した時間が経過するか、指定したバイト数のデータを処理した後に SA は消滅する。
    kbytes パラメーターは SA パラメーターとして ipsec-sa (child-sa) を指定したときのみ有効である。SA の更新は kbytes パラメーターに設定したバイト数の75%を処理したタイミングで行われる。また、IPsec SA (CHILD SA) が更新されたとき古くなった既存の IPsec SA (CHILD SA) の寿命が 30 秒以上である場合は、寿命が 30 秒に短縮される。★

    rekey パラメーターは SA を更新するタイミングを決定する。例えば、 second パラメーターで 20000 を指定し、 rekey パラメーターで75%を指定した場合には、SA を生成してから 15000 秒経過したときに新しい SA を生成する。 rekey パラメーターは second パラメーターに対する比率を表すもので、 kbytes パラメーターの値とは関係がない。

    sa パラメーターで isakmp-sa(ike-sa) を指定したときに限り、rekey パラメーターで 'off' を設定できる。このとき、 IPsec SA (CHILD SA) を作る必要がない限り、ISAKMP SA (IKE SA) の更新を保留するので、 ISAKMP SA (IKE SA) の生成を最小限に抑えることができる。

    その他、動作するIKEのバージョンによって異なる、本コマンドの影響、注意点については以下の通り。

    • IKEv1
      始動側として働く場合に、このコマンドで設定した寿命値が提案される。応答側として働く場合は、このコマンドの設定に関係なく相手側から提案された寿命値に合わせる。

      また、 ISAKMP SA に対する rekey パラメーターを off に設定した場合、その効果を得るためには、次の2点に注意して設定する必要がある。

      1. IPsec SAよりも ISAKMP SA の寿命を短く設定する。
      2. ダングリングSAを許可する。すなわち、ipsec ike restrict-dangling-sa コマンドの設定をoff にする。

      RTX830 Rev.15.02.27以降または、RTX1220 Rev.15.04.05以降、RTX1300、RTX5000/RTX3500 Rev.14.00.34以降が始動側になる場合は、最大で2147483647KBのバイト寿命値を相手側へ提案可能であるが、相手側機器がRTX830 Rev.15.02.27以降および、RTX1220 Rev.15.04.05以降、RTX1300、RTX5000/RTX3500 Rev.14.00.34以降、NVR700W Rev.15.00.24以降、vRX Amazon EC2 版、vRX VMware ESXi 版以外の場合は 2 GB を超えるバイト寿命値を正しく認識できないため、RTX830 Rev.15.02.27以降および、RTX1220 Rev.15.04.05以降、RTX1300、RTX5000/RTX3500 Rev.14.00.34以降、NVR700W Rev.15.00.24以降、vRX Amazon EC2版、vRX VMware ESXi版以外の機種と接続する場合は必ず2GB以下に設定する必要がある。★

    • IKEv2
      IKEv2 では SA 寿命値は折衝されず、各セキュリティー・ゲートウェイが独立して管理するものとなっている。従って、確立されたSA には、常にこのコマンドで設定した寿命値がセットされる。ただし、相手側セキュリティー・ゲートウェイの方が SA更新のタイミングが早ければ、 SA はその分早く更新されることになる。

    forced-reduction オプションに時間を指定すると、SA を更新した際に古くなった既存の SAの寿命を強制的に設定値に変更し、消滅までの時間を早めることができる。ただし、IPsec SA (CHILD SA) で kbytesパラメーターにバイト寿命値を指定している場合は、del_time パラメーターで 31秒以上の値を設定していても、短縮される値は30秒となる。また、IKEv1 では寿命が設定値よりも短い場合は変更しない。

    ISAKMP SA (IKE SA) の寿命が IPsec SA (CHILD SA) の寿命より先に尽きた場合は、ISAKMP SA(IKE SA) の寿命値を IPsec SA (CHILD SA) の寿命値に合わせる。

    なお、このコマンドを設定しても、すでに存在するSAの寿命値は変化せず、新しく作られる SA にのみ、新しい寿命値が適用される。
    [ノート]
    forced-reduction オプションは以下の機種およびリビジョンで使用可能。
    RTX830は Rev.15.02.27以降。
    RTX1220 は Rev.15.04.05以降。
    RTX1300は Rev.23.00.05以降。
    RTX3510 は すべてのリビジョン。 RTX5000、RTX3500 は Rev.14.00.34以降。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  3. ipsec ike local idコマンド、およびipsec ike remote idコマンドを設定したとき、SAの削除およびIKEの初期化を行うようにした。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  4. Luaスクリプト機能で、rt.httprequest関数のHTTPリクエスト設定テーブルのurlフィールドの最大文字数を半角255文字から半角2048文字に変更した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  5. tunnel templateコマンドを実行したときの処理時間を短縮した。

    また、tunnel templateコマンド実行時に進捗状況を示すメッセージを出力するようにした。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

■バグ修正

  1. pp selectコマンドで接続先を選択している状態、またはswitch selectコマンドでスイッチを選択している状態のときに、tunnel enable/disableコマンドの設定変更やloadコマンドで設定を読み込むと、トンネル接続の設定が正しく反映されなかったり、リブートすることがあるバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  2. L2TP/IPsec接続で、大量のクライアントを一斉に接続するとリブートすることがあるバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  3. 大量の経路情報が削除されたとき、リブートすることがあるバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  4. 外部メモリー機能で、外部メモリー内に壊れたファイルが存在している状態で、外部メモリーに関する操作を行うとリブートすることがあるバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  5. L2TPv3で、l2tp remote end-idコマンドに対向と異なるend-idを設定したとき、リブートすることがあるバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  6. YNOエージェント機能で、セキュリティー装置等によりYNOマネージャーからの応答が正しく返って来ない場合にリブートすることがあるバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  7. BGP機能を使用しているとき、近隣ルーター宛ての経路とBGPで受信した経路より優先度の高い経路を同時に削除するとリブートすることがあるバグを修正した。

    Rev.14.00.20以降で発生する。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  8. ipsec transportコマンドを上書き設定するとメモリーリークが発生するバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  9. メモリー確保に失敗したときにメモリーリークが発生するバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  10. DHCPv6のIRに対するReplyにReconfigure Acceptオプションが付与されていた場合、Replyを処理しないバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  11. YNOエージェント機能で、YNOエージェントが起動するタイミングでYNOのコマンドを変更すると、configは設定されるが、実行されないことがあるバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  12. YNOエージェント機能で、YNOマネージャーの[SYSLOG管理]-[リアルタイム表示]でSYSLOGが表示されなくなることがあるバグを修正した。

    ルーターの内部時計を過去の時間に戻したときに発生する。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  13. YNOエージェント機能で、常時接続回線の状態が正しく通知されないバグを修正した。

    LANバックアップのバックアップ回線に切り替わったときに発生する。

    Rev.14.00.26以降で発生する。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  14. OSPFとBGPで、自分側アドレスが設定されており相手側アドレスが設定されていないトンネルインターフェースをゲートウェイとする経路を広告できないバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  15. OCNバーチャルコネクト 固定IP8/16契約で、以下の条件をすべて満たす場合に、MAP-Eトンネルに設定されたグローバルIPv6アドレスが更新されずIPv4通信ができなくなるバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  16. マルチポイントトンネルで、トンネルの切断後にクライアントが再接続処理を開始しないことがあるバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  17. bgp export filterコマンドで、preferenceパラメーターによる経路選択が正常に動作しないことがあるバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  18. IPv6機能で、DHCPv6のIRに対するReplyを連続で受信したとき、DNSサーバー情報が取得できないバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  19. HTTPリビジョンアップ機能で、ファームウェアを更新したときに出力されるログの誤記を修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  20. tunnel templateコマンドで以下のコマンドが展開されないバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  21. DHCPv6-PDプロキシー、またはRAプロキシーで、受信したIPv6プレフィックスを配布するLAN側インターフェースをLAN2、またはLAN2を分割したインターフェースに設定しているとき、NGNのリナンバリングが発生してもそのLANインターフェースに所属するLANポートの一時的なリンクダウンによるIPv4/IPv6アドレスの再取得の促進が行われないバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  22. 以下のコマンドで、不正なオプションを設定することができるバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  23. ip INTERFACE intrusion detectionコマンドで、オプションに誤った文字列を指定した時、エラーが表示されないバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  24. SNMPで、SERIALポートからのログイン情報を表す以下のMIB変数がSFTPからのログアウトを契機に不当に変更されるバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  25. フィルター型ルーティングまたはパケット転送フィルターを使用しているとき、ルーターからtelnetコマンドやrdateコマンドなどを実行すると、通信できないバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  26. ip routeコマンドで、フィルター型ルーティングの設定をしたとき、不適切なエラーメッセージが表示されることがあるバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  27. IKEv2で、パケットのロスや遅延が発生しているとき、受信したIKEメッセージが認証エラーになることがあるバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  28. IPsec IKEv1メインモードで、トンネルアップした約30秒後にトンネルダウンすることがあるバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  29. フィルター型ルーティングまたはパケット転送フィルターを使用しているときに発生する以下のバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  30. L2TPv3で、拠点間接続にIPv6アドレスを使用したとき、WAN側のパケットをIPv4のパケットとしてカウントしてしまうバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  31. QoSで、以下のバグを修正した。

    Rev.14.00.16以降で発生する。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  32. ブリッジインターフェース、LOOPBACKインターフェース、NULLインターフェースに適用されたIPフィルターが動作しないことがあるバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  33. PPPoEパススルー機能で、bridge memberコマンドが設定されているとき、パススルーされるパケットがファストパスで処理されないバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  34. BGPで、IBGP経路広告に含まれるMEDの情報がshow status bgp neighbor advertised-routesコマンドで表示されないバグを修正した。

    Rev.14.00.16以降で発生する。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  35. IPv4フラグメントパケットを経路情報に従って転送した後、同じ送信元アドレスでIPヘッダーのIDが同じパケットを受信したときに経路情報を無視して、先のIPv4フラグメントパケットと同じ経路に送信することがあるバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  36. no nat descriptor backward-compatibilityコマンドでNAT機能の動作タイプが変化すると、再起動により設定が有効になる前に、以下のコマンドで表示される動作タイプが変化後の値になってしまうバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  37. queue INTERFACE class propertyコマンドのBANDWIDTHパラメーターで、保証帯域と上限帯域の速度を数値とパーセンテージの組み合わせで設定できるバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  38. nat descriptor staticコマンドで、ネットマスクを設定したときにそのネットワークの先頭以外のアドレスが設定されていると、変換範囲が後ろにスライドしてしまうバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  39. SFTPサーバー機能で、Put結果を示すSYSLOGメッセージが正しく表示されない可能性を排除した。

    ただし、実機上でこの現象が発現することは確認できていない。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  40. ip pp remote addressコマンドで、IPアドレスを2つ以上設定したときにエラーにならないバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  41. dns server selectコマンドの以下のバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  42. pp anonymous接続で、同時に複数接続したときに2番目以降の接続でパケット転送フィルターが動作しないバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  43. QoS機能で、vlan1またはvlan5に設定したクラスフィルターが、同一の物理LANを使用するVLANインターフェースにも適用されるバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  44. IPsec機能で、NATトラバーサルを利用したインターネット接続をしているとき、CPU使用率が高騰することがあるバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  45. コマンドヘルプで、表示する文字列が不当に改行されることがあるバグを修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500

  46. 以下のコマンドのコマンドヘルプの誤記を修正した。

    対象機種: RTX5000, RTX3500


■更新履歴

Mar. 2024, Rev.14.00.34 リリース

以上