1. 概要

本製品は2種類の指向性が異なるアンテナを内蔵しています。

  • 指向性あり(工場出荷状態)

  • 指向性なし

本資料では、それぞれのアンテナの指向性を掲載します。

2. 注意事項

  • 掲載された指向性は各平面の最大利得を0dBに規格化したものです

  • 掲載された指向性は機器単体のものです。放射された電波は周辺の環境によって変化します

  • 使用するアンテナに合わせて機器の設定が必要です。設定を行わないとアンテナが正しく動作しません。工場出荷状態では“指向性あり”を使用する設定になっています。

使用するアンテナの設定方法については 設置方法とアンテナ選択 を参照してください。

3. 掲載する指向性について

3.1. 座標系の定義

本資料はXY、XZ、YZ平面の指向性を掲載しております。
これらの平面は下図の座標系によって定義されたものです。

座標系
座標系

3.2. 製品面の定義

本資料では放射される電波の方向を製品面で説明する箇所があります。
本資料で記載される製品面の呼称は下表の通りです。

製品面の呼称
製品面の呼称

3.3. 指向性のグラフ表示について

本資料に掲載するアンテナの指向性は各平面の最大利得を0dBに規格化したものです。表示する電力の単位はdBです。また、方向は角度で表示しています。

指向性のグラフ表示
指向性のグラフ表示

4. アンテナの指向性について

4.1. 指向性あり

4.1.1. 「指向性あり」の特徴

「指向性あり」は天面方向に利得が大きく、指向性の高いアンテナです。
底面方向の利得を抑えているため、天面方向により強い電波が送信されます。
また、天面方向から到来する電波を受信しやすいです。

「指向性あり」のイメージ
「指向性あり」のイメージ

4.1.2. 使用例

指向性が高いと、利得が大きい方向と小さい方向が明確です。
よって、通信が不要な方向が特定できている場合、底面をその方向に向けて設置することでトラブルが低減できます。
天井に設置した場合、上階の無線LANクライアントの接続や、製品の前面や側面方向への長距離通信が不要であるケースがあります。
このとき「指向性あり」を設定いただくと、不要な接続や干渉に起因するトラブルが低減できます。

「指向性あり」の使用例
「指向性あり」の使用例

4.2. 指向性なし

4.2.1. 「指向性なし」の特徴

「指向性なし」は本体を中心に同心円状に電波が放射されます。「指向性あり」と比較すると、底面側にも電波が出力されるため、天面方向の通信距離が短くなります。

アンテナは本体の影響を受けるため、多少の偏りがあります。偏りのない無指向性アンテナではありません。
「指向性なし」のイメージ
「指向性なし」のイメージ

4.2.2. 使用例

「指向性なし」のアンテナは放射する方向に大きな偏りがありません。
よって、本製品本体を中心としてその周辺に無線LANクライアントが配置されるような環境での使用に適しています。
オフィス中心のデスクに設置する場合、製品を中心に全方向でクライアントとの通信が必要となるため、「指向性なし」を設定して使用することをおすすめします。

「指向性なし」の使用例
「指向性なし」の使用例

5. アンテナ指向性

5.1. 「指向性あり」の指向性

5.1.1. XZ平面

天頂方向に利得が大きく、底面方向との差は10dB以上です。

「指向性あり」 XZ平面
「指向性あり」 XZ平面

5.1.2. YZ平面

天頂方向に利得が大きく、底面方向との差は2.4GHz帯で10dB程度、5GHz帯で15dB程度です。

「指向性あり」 YZ平面
「指向性あり」 YZ平面

5.1.3. XY平面

製品本体の影響を受けて、偏りのある指向性です。4.1.2で記載した通り、壁面、天井面に近接する面なので、実使用上大きな問題はありません。

「指向性あり」 XY平面
「指向性あり」 XY平面

5.2. 「指向性なし」の指向性

5.2.1. XZ平面

本体の影響を受けて、若干の偏りがありますが、
製品本体を中心に全方向に大きな劣化のない指向性です。

「指向性なし」 XZ平面
「指向性なし」 XZ平面

5.2.2. YZ平面

製品本体の影響を受けて、偏りがあります。5GHz帯では製品前面、背面の利得が小さいです。この方向は壁面、天井面を想定しており、この方向の遠方に無線LANクライアントが設置されることはないため、実用上問題ありません。

「指向性なし」 YZ平面
「指向性なし」 YZ平面

5.2.3. XY平面

製品本体の影響を受けて、偏りのある指向性です。4.1.2で記載した通り、壁面、天井面に近接する平面なので、実使用上大きな問題はありません。

「指向性なし」 XY平面
「指向性なし」 XY平面

5.3. スタンド設置時の「指向性あり」の指向性

5.3.1. XZ平面

天頂方向に利得が大きく、底面方向との差は15dB程度です。壁際のキャビネットなどに設置するのに適した指向性です。

スタンド設置時「指向性あり」 XZ平面
スタンド設置時「指向性あり」 XZ平面

5.3.2. YZ平面

天頂方向の利得が大きく、底面との差は15dB程度です。XY平面と同様、壁際に設置するケースに適した指向性です。

スタンド設置時「指向性あり」 YZ平面
スタンド設置時「指向性あり」 YZ平面

5.3.3. XY平面

製品本体の影響を受けて、偏りのある指向性です。製品背面方向の利得が小さいですが、デスクやキャビネットの設置面の方向のため、実使用に大きな問題はありません。

スタンド設置時「指向性あり」 XY平面
スタンド設置時「指向性あり」 XY平面

5.4. スタンド設置時の「指向性なし」の指向性

5.4.1. XZ平面

本体の影響を受けて、若干の偏りがありますが、
製品本体を中心に全方向に大きな劣化のない指向性です。

スタンド設置時「指向性なし」 XZ平面
スタンド設置時「指向性なし」 XZ平面

5.4.2. YZ平面

天面、背面の方向に利得が大きい指向性です。5GHz帯で製品前面方向の利得が小さくなりますが、天井の方向であり、通信が必要な無線LANクライアントが遠方に設置されることはないため、実用上大きな問題はありません。

スタンド設置時「指向性なし」 YZ平面
スタンド設置時「指向性なし」 YZ平面

5.4.3. XY平面

製品本体の影響を受けて、偏りのある指向性です。製品背面方向の利得が小さいですが、デスクやキャビネットの設置面の方向のため、実使用に大きな問題はありません。

スタンド設置時「指向性なし」 XY平面
スタンド設置時「指向性なし」 XY平面