-
バックアップ移行時/経路変更時に変更内容をメールで通知する機能を実装した。mail notifyコマンドで設定したインタフェース、経路に対して以下のログが表示される動作をトリガにして、mail templateコマンドで設定したメールテンプレートを基にメールを作成し、mail server smtpコマンドで指定したメールサーバを使用して変更内容をメール送信する機能である。
バックアップ移行時 |
... |
"switched to backup"、"recovered from backup" |
経路変更時 |
... |
"Change IP route XXX" |
SMTP認証として、CRAM-MD5/DIGEST-MD5/PLAINに対応しており、POP-before-SMTPにも対応している。
○メール設定識別名を設定する
- [書式]
-
mail server name ID NAME
no mail server name ID
- [設定値]
-
ID |
... |
メールサーバ設定ID(1-10) |
NAME |
... |
識別名 |
- [説明]
-
メール設定の識別名を設定する。空白を伴う識別名の場合は、「" "」で囲む必要がある。
- [初期値]
-
なし
- [適用モデル]
-
RTX1500, RTX1100
○SMTPメールサーバを設定する
- [書式]
-
mail server smtp ID ADDRESS [smtp-auth USERNAME PASSWORD [AUTH_PROTOCOL]] [pop-before-smtp]
no mail server smtp ID
- [設定値]
-
ID |
... |
メールサーバ設定ID(1-10) |
ADDRESS |
... |
サーバのIPアドレスまたはホスト名 |
USERNAME |
... |
認証用ユーザ名 |
PASSWORD |
... |
認証用パスワード |
AUTH_PROTOCOL |
... |
SMTP-AUTH認証プロトコル
パラメータ |
プロトコル |
cram-md5 |
CRAM-MD5 |
digest-md5 |
DIGEST-MD5 |
plain |
PLAIN認証 |
|
pop-before-smtp |
... |
POP before SMTPの使用 |
- [説明]
- メール送信に使用するサーバ情報を設定する。
smtp-authパラメータでは、メール送信の際のSMTP認証のためのデータ(ユーザ名、パスワード)を指定する。SMTPサーバで認証が必要ない場合はsmtp-authの設定は必要ない。
SMTP認証でサポートしている認証プロトコルは、CRAM-MD5、DIGEST-MD5およびPLAIN認証の3種類である。smtp-authパラメータでプロトコルを指定した場合にはそれを用い、プロトコルが省略された場合にはSMTPサーバとの前記の順で認証交渉を行う。
pop-before-smtpパラメータを設定すると、メール送信時にPOP before SMTP動作を行う。ここで行うPOP動作は、mail server popコマンドで同じIDで設定したものを利用する。pop-before-smtpパラメータが設定されているのに、対応するmail server popコマンドの設定がないと、メールは送信できない。
○POPメールサーバを設定する
- [書式]
-
mail server pop ID ADDRESS PROTOCOL USERNAME PASSWORD
no mail server pop ID
- [設定値]
-
ID |
... |
メールサーバ設定ID(1-10) |
ADDRESS |
... |
サーバのIPアドレスまたはホスト名 |
PROTOCOL |
... |
使用するプロトコル
パラメータ |
プロトコル |
pop3 |
POP3 |
apop |
APOP |
|
USERNAME |
... |
認証用ユーザ名 |
PASSWORD |
... |
認証用パスワード |
- [説明]
-
メール受信に使用するサーバ情報を設定する。
○メール処理のタイムアウト値を設定する
- [書式]
-
mail server timeout ID TIMEOUT
no mail server timeout ID
- [設定値]
-
ID |
... |
メールサーバ設定ID(1-10) |
TIMEOUT |
... |
タイムアウト値(1-600秒) |
- [説明]
-
メールの送受信処理に対するタイムアウト値を設定する。
指定した時間以内にメールの処理が終らない時には、いったん処理を中断して、mail templateコマンドで設定した待機時間(デフォルトは30秒)の間を置いた後、メール処理を最初からやり直す。処理のやり直しは、最初のメール処理を除き、最大3回行われる。最大回数を超えた場合には、メール処理は失敗となる。
- [初期値]
-
60秒
○メールの送信時に使用するテンプレートを設定する
- [書式]
-
mail template TEMPLATE_ID MAILSERVER_ID From:FROM_ADDRESS To:TO_ADDRESS [Subject:SUBJECT] [Date:DATE] [MIME-version:MIME_VERSION] [Content-Type:CONTENT_TYPE] [notify-log=SW] [notify-wait-time=SEC]
no mail template TEMPLATE_ID
- [設定値]
-
TEMPLATE_ID |
... |
メールテンプレートID(1-10) |
MAILSERVER_ID |
... |
このテンプレートで使用するメールサーバID(1-10) |
From:FROM_ADDRESS |
... |
送信元メールアドレス |
To:TO_ADDRESS |
... |
宛先メールアドレス |
Subject:SUBJECT |
... |
送信時の件名 |
Date:DATE |
... |
メールのヘッダに表示する時刻 |
MIME-Version:MIME_VERSION |
... |
メールのヘッダに表示するMIME-Version |
Content-Type:CONTENT_TYPE |
... |
メールのヘッダに表示するContent-Type |
SW |
... |
on |
... |
通知系のメール内容にSYSLOGの内容を含める |
off |
... |
通知系のメール内容にSYSLOGの内容を含めない |
|
SEC |
... |
通知系のメール送信時に、実際に送信されるまでの待機時間を指定する |
- [説明]
-
メール送信時に使用するメールサーバ設定ID、送信元メールアドレス、宛先メールアドレスおよびヘッダ等を設定する。
FROM_ADDRESSに送信元メールアドレスを指定する。送信元メールアドレスは一つしか指定できない。
TO_ADDRESSに宛先メールアドレスを指定する。宛先メールアドレスは複数指定できる。複数指定する場合はカンマ(,)で区切り、間に空白を入れてはいけない。
メールアドレスはlocal-part@domainもしくはlocal-part@ipaddressの形式のみ対応している。"NAME >local-part@domain<"等の形式には対応していない。
SUBJECTでメールの件名を指定する。空白を含む場合は、ダブルクォーテーション(" ")でSubject:SUBJECT全体を囲む必要がある。
DATEには、RFC822に示されるフォーマットの時刻を指定する。RFC822のフォーマットでは必ず空白が含まれるため、ダブルクォーテーション(" ")でDate:DATE全体を囲む必要がある。
CONTENT-TYPEに指定できるtype/subtypeは"text/plain"のみで、パラメータは"charset=us-ascii"及び"charset=iso-2022.jp"のみ対応している。
- [ノート]
-
メールヘッダ情報として必須のものは、"送信元メールアドレス"と"宛先メールアドレス"になる。
- [初期値]
-
SUBJECT |
|
なし |
DATE |
|
送信時の時刻 |
MIME-VERSION |
|
1.0 |
CONTENT-TYPE |
|
text/plain; charset=ISO-2022-JP |
notify-log |
|
off |
notify-wait-time |
|
30 |
- [設定例]
-
mail template 1 1 From:test@test.com To:test1@test.com,test2@test.com "Subject:Test Mail" notify-log=on
mail template 1 2 From:test@test.com To:test1@test.com "Subject:RTX1500 test" "Date:Mon, 23 Feb 2004 09:54:20 +0900" MIME-Version:1.0 "Content-Type:text/plain; charset=ISO-2022-JP"
○バックアップおよび経路変更時のメール通知を設定する
- [書式]
-
mail notify NUM TEMPLATE_ID trigger backup INTEFACE RANGE [INTERFACE RANGE ...]
mail notify NUM TEMPLATE_ID trigger route ROUTE [ROUTE ...]
no mail notify NUM
- [設定値]
-
NUM |
... |
設定番号(1-10) |
TEMPLATE_ID |
... |
メールテンプレートID(1-10) |
メール通知を行うバックアップ対象のインタフェース
INTERFACE |
... |
pp |
... |
PPバックアップ |
lanN |
... |
LANバックアップ |
tunnel |
... |
TUNNELバックアップ |
|
RANGE |
... |
インタフェース番号および範囲指定 pp, tunnelのみ(*,xx-yy,zz etc) |
ROUTE |
... |
ネットマスク付きの経路 |
- [説明]
-
バックアップおよび経路変更時にメール通知を行うバックアップ対象のインタフェースおよび経路の設定を行う。
trigger backupはバックアップ時のメール通知、trigger routeは経路変更時のメール通知の設定になる。
ネットワークバックアップは経路に対するバックアップなので、trigger routeを使用する。
以下で設定されたバックアップおよび経路が対象となる。
PPバックアップ |
... pp backupコマンド |
LANバックアップ |
... lan backupコマンド |
TUNNELバックアップ |
... tunnel backupコマンド |
経路に対するバックアップ |
... ip routeコマンド |
また、一つのテンプレートIDに所属するメール通知設定はまとめて処理される。
- [設定例]
-
mail notify 1 1 trigger backup pp * lan2 lan3 tunnel 1-10,12
mail notify 2 1 trigger route 192.168.1.0/24,172.16.0.0/16
○バックアップおよび経路変更時のメール通知機能の内部情報を表示する
- [書式]
-
show status mail service [TEMPLATE_ID] [debug]
- [設定値]
-
TEMPLATE_ID |
... テンプレートID |
debug |
... デバッグ用の内部情報を表示させる |
- [説明]
-
バックアップ移行時、または経路変更時にメール通知する機能の内部情報を表示する。テンプレートIDを指定しない場合は全てのテンプレートIDについての情報を表示する。
- [表示例]
-
# show status mail service
Service Template ID Wait Time[sec] Service Infomation
--------------------------------------------------------------------------
[ mail] 1 4 / 30 Waiting for backup/route Infomation
[ mail] 3 15 / 30 Waiting for route Infomation
[ mail] 2 60 / 60 Connecting to Server
[ backup] 1 - Backup Infomation(1)
[ backup] 2 - Backup Infomation(1)
[ route] 3 - Route Information(1)
[ route] 2 - Route Information(1)
[ route] 1 - Route Information(1)
~~~~~~~~~ ~~ ~~~~~~~~ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
サービス種別 | 待機時間(相対/設定) 待機中 or 送受信中の状態を表す
テンプレートID ( ) ... 各サービスの通知件数
-
RTX1500で、DiffServによるQoSに対応した。
queue class filterコマンドのクラスを表すパラメータに"dscp"と設定できるようになり、これが設定されている場合は転送するパケットのDSフィールドのDSCP値により定義されるPHBに応じてクラス(1-9)を分けて優先制御もしくはシェーピングによる帯域制御を行う。
対応するPHBは、default PHB、Class Selector PHB、Assured Forwarding PHB、Expedited Forwarding PHBである。
○クラス分けのためのフィルタ設定
- [書式]
-
queue class filter NUM CLASS [cos=COS] ip SRC_ADDR [DEST_ADDR [PROTOCOL [SRC_PORT [DEST_PORT]]]]
no queue class filter NUM CLASS [[cos=COS] ip SRC_ADDR [DEST_ADDR [PROTOCOL [SRC_PORT [DEST_PORT]]]]]
- [設定値]
-
NUM |
... |
クラスフィルタの識別番号(1..100) |
CLASS |
... |
- クラス番号 |
... |
1-16 |
- precedence |
... |
転送するパケットのTOSフィールドのprecedence(0-7)に応じてクラス(1-8)を分けて優先制御もしくはシェーピングやDTCによる帯域制御を行う(RTX1500、RTX1100のみ指定可能) |
- dscp |
... |
転送するパケットのDSフィールドのDSCP値により定義されるPHBに応じてクラス(1-9)を分けて優先制御もしくはシェーピングやDTCによる帯域制御を行う(RTX1500のみ指定可能) |
|
COS |
... |
- CoS値 |
... |
0-7 |
- precedence |
... |
転送するパケットのTOSのprecedence(0-7)をToS-CoS変換としてCOS値に格納する |
|
SRC_ADDR |
... |
IPパケットの始点IPアドレス
- xxx.xxx.xxx.xxx(xxxは十進数) |
- *(ネットマスクの対応するビットが8ビットとも0と同じ。すべてのIPアドレスに対応) |
|
DEST_ADDR |
... |
IPパケットの終点IPアドレス
- xxx.xxx.xxx.xxx(xxxは十進数) |
- 省略した場合は一個の*と同じ |
|
PROTOCOL |
... |
フィルタリングするパケットの種類
- プロトコルを表す十進数 |
- プロトコルを表すニーモニック
|
- 上項目のカンマで区切った並び(5個以内) |
- *(すべてのプロトコル) |
- established |
- 省略時は*と同じ |
|
SRC_PORT |
... |
UDP、TCPのソースポート番号
- ポート番号を表す十進数 |
- ポート番号を表すニーモニック(一部)
ftp |
20,21 |
ftpdata |
20 |
telnet |
23 |
smtp |
25 |
domain |
53 |
gopher |
70 |
finger |
79 |
www |
80 |
pop3 |
110 |
sunrpc |
111 |
ident |
113 |
nntp |
119 |
ntp |
123 |
snmp |
161 |
syslog |
514 |
printer |
515 |
talk |
517 |
route |
520 |
uucp |
540 |
|
- 間に-をはさんだ2つ上項目、-を前につけた上項目、-を後につけた上項目、これらは範囲を指定する |
- 上項目のカンマで区切った並び(10個以内) |
- *(すべてのポート) |
- 省略時は*と同じ |
|
DEST_PORT |
... |
UDP、TCPのデスティネーションポート番号 |
- [説明]
-
クラス分けのためのフィルタを設定する。
CLASSにprecedenceを指定した場合、フィルタに合致したパケットは、そのパケットのIPヘッダのprecedence値に応じたクラスに分けられる。RTX1500とRTX1100で指定可能である。
CLASSにdscpを指定した場合、フィルタに合致したパケットは、そのパケットのIPヘッダのDSCP値により定義されるPHBに応じたクラスに分けられる。RTX1500で指定可能である。
cos=COS指定を行なうと、フィルタに合致したパケットに付加されるIEEE802.1Qタグのuser_priorityフィールドには、指定したCoS値が格納される。COSにprecedenceを指定した場合、そのパケットのIPヘッダのprecedence値に対応する値がuser_priorityフィールドに格納される。COSパラメータはRTX1500とRTX1100で指定可能である。
パケットフィルタに該当したパケットは、指定したクラスに分類される。このコマンドで設定したフィルタを使用するかどうか、あるいはどのような順番で適用するかは、各インタフェースにおけるqueue INTERFACE class filter listコマンドで設定する。
○クラス毎のキュー長の設定
- [書式]
-
queue INTERFACE length LEN1 [LEN2...LEN16] [drop-threshold=DTHRESHOLD-MID[,DTHRESHOLD-HIGH]]
no queue INTERFACE length [LEN1 [LEN2...LEN16] [drop-threshold=DTHRESHOLD-MID[,DTHRESHOLD-HIGH]]]
- [設定値]
-
INTERFACE |
... |
LANインタフェース名 |
LEN1..LEN16 |
... |
クラス1からクラス16のキュー長(1..10000; RTX1500の場合は1..2000) |
DTHRESHOLD-MID |
... |
AF PHBの廃棄優先度が中の場合のキューサイズの閾値(1%..100%、RTX1500のみ指定可能) |
DTHRESHOLD-HIGH |
... |
AF PHBの廃棄優先度が高の場合のキューサイズの閾値(1%..100%、RTX1500のみ指定可能) |
- [説明]
-
インタフェースに対して、指定したクラスのキューに入れることができるパケットの個数を指定する。指定を省略したクラスに関しては、最後に指定されたキュー長が残りのクラスにも適用される。
DiffServベースQoSの場合、DTHRESHOLD-MID、DTHRESHOLD-HIGHパラメータで指定した値がAF PHBの廃棄優先度が中と高に対応するキューに積むことができる閾値となる。閾値は、クラスのキュー長に対する割合(%)として表す。
DTHRESHOLD-HIGHを省略した場合は、DTHRESHOLD-MIDと同じ値となる。廃棄優先度が低に対応する閾値は常に100%である。DTHRESHOLD-MID、DTHRESHOLD-HIGHパラメータは、RTX1500で指定可能である。
- [初期値]
-
200(LAN、RT300i以外の機種は40) drop-threshold=75%,50%
http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/docs/qos/diffserv_qos.html
-
RTX1500で、IPv4マルチキャストに対応した。
http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/docs/multicast/
-
RTX1500で、queue type shapingを指定した時の優先制御の併用をサポートした。
優先制御に使えるクラスはクラス16-13で、これらのクラスに対してクラス属性の設定(queue class propertyコマンド)で帯域の割り当てがなければ、これらのクラスは優先制御として扱われる。帯域制御の対象となるクラスよりも優先され、さらにクラス番号が大きいものほど優先順位が高い。
http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/docs/qos/pq-dtc.html