RTシリーズのIPパケット・フィルタに関するFAQ
PPTPトンネルを通すフィルタ設定例
新規作成日 | 2000/Jun/29 |
最終変更日 | 2018/Nov/06 |
文書サイズ | 12KB |
PPTPトンネルを通すフィルタを教えてください
[ PPTPトンネル ]
Microsoft社では、Windows95やWindows98などで利用可能となっている
「Microsoft (R) VPN Adapter」または
「マイクロソフト(R)仮想プライベートネットワーク」というものがあります。
この「マイクロソフト(R)仮想プライベートネットワーク」は、
PPTPを利用して、PPTPサーバとPPTPクライアント間でVPN(Virtual Private Network)を張る機能を持っています。
[ PPTPトンネルのフィルタ ]
インターネットを介して基本となるフィルタ設定の 適用されたRT(A)とRT(B)があるネットワーク環境で、PPTPサーバと PPTPクライアントが通信するために必要な、フィルタの設定を紹介する。
(TCP/IPネットワークまたはインターネット) ====================================================================== | | +----[WAN]----+RT(A) RT(B)+----[WAN]----+ | +--+--+ | | +--+--+ | | |↓|↑| |PP側フィルタ PP側フィルタ| |↓|↑| | | +--+--+ | | +--+--+ | | | | | | | | (R) | | (R) | | | | | | | | +--+--+ | | +--+--+ | | |↓|↑| |LAN側フィルタ LAN側フィルタ| |↓|↑| | | +--+--+ | | +--+--+ | +----[LAN]----+ 172.16.184.33 192.168.0.1 +----[LAN]----+ | | =======+======= 172.16.184.32/28 192.168.0.0/24 =======+======= | | +---------+---------+ 172.16.184.34 192.168.0.2 +---------+---------+ | PPTPサーバ | | PPTPクライアント | | | | | | | <制御コネクション:TCP> | | | [1723]| ←──────────── |[*](1024〜65535) | | | | | | | <PPTPトンネル:GRE> | | | | ←──────────── | | | | ────────────→ | | +-------------------+ +-------------------+ |
基本となるフィルタ設定では、 PPTPサーバへの接続は、拒否されますので、 172.16.184.34のPPTPサーバへの 接続を通過させる追加設定が必要です。
# フィルタ定義例 (PPTPサーバが172.16.184.34の場合)
ip filter 16 pass * 172.16.184.34 tcp * 1723 ip filter 17 pass * 172.16.184.34 47 |
# フィルタ定義例 (PPTPクライアントのポート番号を1024-65535に制限する)
ip filter 16 pass * 172.16.184.34 tcp 1024-65535 1723 ip filter 17 pass * 172.16.184.34 47 |
# フィルタ定義例 (PPTPクライアントのポート番号を49152-65535に制限する)
ip filter 16 pass * 172.16.184.34 tcp 49152-65535 1723 ip filter 17 pass * 172.16.184.34 47 |
# フィルタ定義例 (PPTPクライアントのポート番号を60000-64095に制限する)
ip filter 16 pass * 172.16.184.34 tcp 60000-64095 1723 ip filter 17 pass * 172.16.184.34 47 |
# フィルタ定義例 (特定のPPTPクライアント192.168.0.2に制限する)
ip filter 16 pass 192.168.0.2 172.16.184.34 tcp 1024-65535 1723 ip filter 17 pass 192.168.0.2 172.16.184.34 47 |
# フィルタ適用例 (接続先のPP番号が1の場合)
pp select 1 ip pp secure filter in 10 11 12 13 14 15 16 17 |
基本となるフィルタ設定では、
12番(established)により
PPTPサーバへの制御コネクションの接続を通過させることができます。
「PPTPトンネル/GRE」の接続は、拒否されます。
よって、172.16.184.34のFTPサーバを公開するフィルタを 追加設定する必要があります。
# フィルタ定義例 (PPTPクライアントが192.168.0.2の場合)
ip filter 16 pass * 192.168.0.2 47 |
# フィルタ定義例 (PPTPサーバの172.16.184.34を特定する場合)
ip filter 16 pass 172.16.184.34 192.168.0.2 47 |
# フィルタ適用例 (接続先のPP番号が1の場合)
pp select 1 ip pp secure filter in 10 11 12 13 14 15 16 |
[ 設定の注意事項 ]
説明のためにIPアドレス(TCP/IPネットワーク)として、 192.168.0.0/24を用いております。 内側のネットワークがグローバルアドレスでも、プライベートアドレスでも、 アドレスを調整するだけで、ほぼ同等の設定となります。
実際に適用する場合には、実際のネットワーク状況に合せて調整してください。
ポート番号は、一般的な利用環境で利用されているものを
御紹介しております。
サーバやクライアントで変更可能であったり、
アドレス変換機能など介することでポート番号が変換されることも
あります。
ご利用環境を十分調査してから最終的なフィルタ設定を行なってください。
RTシリーズのIPパケットフィルタは、NATの内側で適用されている為、 NAT変換の有無をほとんど気にすることなく、設定(適用)することができます。
しかし、実際の通信では、NATやIPマスカレードのアドレス変換機能を
通すための追加設定が必要である場合があります。
例えば、RTシリーズでは、静的NATや静的IPマスカレードといった設定です。
[ 基本となるフィルタ ]
インターネット DNSサーバ メールサーバ ↑ │ │ │ <プロバイダ> ━━━━┯━┷━━━━━━━┷━━━━━━━┷━━━━━━━━━ │ ┌───┴───┐ │ ルータ │ └───┬───┘ : :ISDN回線や専用線 : ┌───┴───┐ │ ルータ │ └───┬───┘ │ 192.168.0.1 192.168.0.0/24 ━━━━┷━━━━┯━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ │ 192.168.0.2〜192.168.0.254 <端末アドレス> ┌───┴───┐ │ コンピュータ │ └───────┘ |
# フィルタ定義例 (LAN側ネットワークが192.168.0.0/24の場合)
ip filter 10 reject 192.168.0.0/24 * * * * ip filter 11 pass * 192.168.0.0/24 icmp * * ip filter 12 pass * 192.168.0.0/24 established * * ip filter 13 pass * 192.168.0.0/24 tcp * ident ip filter 14 pass * 192.168.0.0/24 tcp ftpdata * ip filter 15 pass * 192.168.0.0/24 udp domain * ip filter source-route on ip filter directed-broadcast on |
# フィルタ適用例 (接続先のPP番号が1の場合)
pp select 1 ip pp secure filter in 10 11 12 13 14 15 |
[ 関連情報 ]
[ FAQ for RT-Series ]
[ FAQ for IP Packet Filter / files / TCP/IP ]