WLX402 Controller-APの切り替え手順

$Date: 2017/12/14 08:33:00 $

1. 概要
2. 注意事項
3. ファームウェアリビジョン
4. Controller-AP自動代替機能を使用しているとき
5. Controller-AP自動代替機能を使用していないとき

1. 概要

WLX402ではController-APを中心に構成されている機能があり、例えば最適AP選択機能など一部の機能は、 万一Controller-APが利用不能になると機能しなくなってしまいます。
しかし無線LANコントローラー機能で予め代替Controller-APを指定しておくことで、ネットワーク障害などController-APが利用できなくなったときでも、 代替Controller-APをController-APに切り替えて機能を引き継がせることができます。
本資料では、代替Controller-APをController-APに切り替える手順について説明しています。

なおRev.17.00.09以降のファームウェアでは、WLX402 Controller-AP自動代替機能が利用可能です。 本機能を使用した場合とそうでない場合で操作が異なりますので、まず本機能を使用した場合で説明し、その後本機能を使用しない場合の手順の差分について説明します。


2. 注意事項


3. ファームウェアリビジョン

本ドキュメントに記載の手順は、以下のファームウェアでサポートしています。

ファームウェア
Controller-AP自動代替機能を使用しない場合 Rev.17.00.05以降
Controller-AP自動代替機能を使用する場合 Rev.17.00.09以降

4. Controller-AP自動代替機能を使用しているとき

Controller-AP自動代替機能では、Controller-APが利用不能になると代替Controller-APが自動的にその機能を代替します。 その状態で運用は継続できますが、あくまで一時的に機能を代替しているに過ぎず、例えば自動代替中に代替Controller-APを再起動させると自動代替状態が解除されてしまいます。 もしController-APが故障するなどして復旧する見通しのない場合は、すみやかに代替Controller-APをController-APに切り替えることをお勧めします。

4.1 事前準備

まず事前の準備として、Controller-AP自動代替機能を有効に設定し、 さらにRADIUSサーバー機能で証明書を使用した認証接続(EAP-TLS)をご利用の場合は、 RADIUSサーバー情報の自動同期も併せて有効に設定してください。 代替Controller-APがController-APのRADIUSサーバー機能を引き継ぐための情報が自動的に同期されます。

4.2 切り替え手順の概要

4.2.1 代替Controller-APをController-APへ昇格させ、故障したController-APは交換して代替Controller-APとする場合

Controller-APが故障するなどした場合に、代替Controller-APをController-APに昇格させて運用を継続する場合の手順です。

connection

[操作手順]
具体的な操作手順は、4.3 操作手順(1)から(5)までです。(6)以降の手順は必要ありません。

4.2.2 故障したController-APを交換してController-APとし、代替Controller-APは継続して代替Controller-APとする場合

故障したController-APを新規APに交換し、交換後のAPをController-APとする場合の手順です。
その場合も、グループの構成を変更するにはController-APが必要なため、代替Controller-APを一旦昇格させる必要があります。 まずは4.2.1 代替Controller-APをController-APへ昇格させる場合の手順を実行し、 そこから続く手順でController-APと代替Controller-APの役割を入れ替える手順となります。

swap

[操作手順]
具体的な操作手順は、4.3 操作手順(1)から(11)までです。

4.3 操作手順

(1) 代替Controller-APを本昇格させる

代替Controller-APはController-APが不在になったことを検知すると、自動的に代替動作を開始します。
自動代替動作中は、代替Controller-APは自身のIPアドレス(192.168.100.101)ではなく、Controller-APのIPアドレス(192.168.100.100)で動作します。ブラウザでController-APのIPアドレス(192.168.100.100)を指定してWeb設定画面を開くと、代替Controller-APのトップページが表示されます。
How to switch the controller

上記画面で、「Controller-AP 自動代替」-「本適用する」の「実行」ボタンを押すことで、代替Controller-APがController-APとして動作を開始します。

なお、本昇格が完了すると元のController-APはグループから自動的に外されます。 もし元のController-APが故障ではなく、その後復旧したとしても、本昇格が完了した後は以下の手順を実行して改めてグループに追加しなおす必要があります。

(2) 故障したAPを新規APに交換する

故障したAPの代わりに新規APをネットワークに接続し、(昇格した)Controller-APのWeb設定画面の[グループ設定]-[グループ1]-[グループ定義]を開きます。
同画面では、新規APが「発見したAP一覧」に表示されます(発見されるまで30秒程度かかる場合があります)。
新規APの「グループに追加する」のチェックを入れ、「設定」ボタンを押して新規APをグループに追加します。
Grouping

(3) 新規APを代替Controller-APに指定する

新たに追加したAPの「代替機」と「自動昇格」を選択し、「設定」ボタンを押します。
Add Sub-Controller

(4) 新規APのIPアドレスを設定

新規APのIPアドレスを設定します。 [グループ設定]-[グループ1]-[AP情報設定]を開き、IPアドレスを入力して「設定」ボタンを押します。
Set IP Address

(5) 設定送信

設定送信を実行し、グループ構成の変更をグループ全体に適用します。 [グループ設定]-[グループ1]-[設定送信]を開き、「すべて選択」→「送信」ボタンを押して設定送信します。
Send Config

4.2.1 代替Controller-APをController-APへ昇格させ、故障したController-APは交換して代替Controller-APとする場合の手順はここまでです。
4.2.2 故障したController-APを交換してController-APとし、代替Controller-APは継続して代替Controller-APとする場合は引き続き以下の手順を実行します。


(6) 代替Controller-APの役割をController-APに変更する

代替Controller-APのWeb設定画面(192.168.100.101)の[基本設定]-[コントローラー設定]で、「役割」を「Controller-AP」に変更して「設定」ボタンを押します。
(グループ内にController-APが2台存在するように見えますが、設定送信をしていないこの段階ではグループ全体には適用されておらず、グループとしては依然として192.168.100.100がController-APとして機能します)。
Switch to Controller-AP

(7) 設定送信

代替Controller-AP(192.168.100.101)をController-APとしてグループに適用するために設定送信をします。本操作により、元のController-AP(192.168.100.100)はグループから外れます。
代替Controller-APのWeb設定画面(192.168.100.101)の[グループ設定]-[グループ1]-[設定送信]で、「すべて選択」→「送信」ボタンを押して設定送信します。
Send Config

(8) 元のController-APの役割をMember-APに変更する

グループから外れた元のController-AP(192.168.100.100)の役割をMember-APに変更します。
元のController-APのWeb設定画面(192.168.100.100)の[基本設定]-[コントローラー設定]で、

以上の設定値で「設定」ボタンを押します。
Switch to Member-AP

(9) 元のController-APをグループに登録する

Controller-APのWeb設定画面(192.168.100.101)の[グループ設定]-[グループ1]-[グループ定義]を開きます。
同画面では、元のController-AP(192.168.100.100)が「発見したAP一覧」に表示されます(発見されるまで30秒程度かかる場合があります)。
「グループに追加する」のチェックを入れ、「設定」ボタンを押して元のController-APをグループに追加します。
Grouping

(10) 追加したAPを代替Controller-APに指定する

追加したAPの「代替機」と「自動昇格」を選択し、「設定」ボタンを押します。
Add Sub-Controller

(11) 設定送信

最後に、設定送信によりグループ構成の変更をグループ全体に適用します。 [グループ設定]-[グループ1]-[設定送信]を開き、「すべて選択」→「送信」ボタンを押して設定送信します。
Send Config


5. Controller-AP自動代替機能を使用していないとき

5.1 事前準備

RADIUSサーバー情報の自動同期を使用していない場合、 RADIUSサーバー機能で証明書を使用した認証接続(EAP-TLS)をご利用のときは、 Controller-APが故障など利用不能になる前に、 事前にController-APと代替Controller-APの間でRADIUSサーバー情報を同期しておく必要があります。 同期の詳細な手順については代替コントローラーの準備を参照ください。

5.2 切り替え手順の概要

Controller-AP自動代替機能を使用していないときでも、切り替え手順の流れは4. Controller-AP自動代替機能を使用しているときと概ね変わりません。基本的に異なるのは、代替Controller-APをController-APに昇格させる際の操作のみです。
その他の流れについては同じですので、4.2 切り替え手順の概要を参照してください。

5.3 操作手順

上記の通り、基本的には4.3 操作手順と操作は変わりません。

(1) 代替Controller-APを昇格させる

代替Controller-APのWeb設定画面(192.168.100.101)を開き、もし必要であればIPアドレスを変更します。
Controller-APのIPアドレスはDHCPで取得するのではなく、必ず固定アドレスを指定する必要があります。 もしDHCP設定だった場合は、固定アドレスに変更してください。
元から固定アドレスだった場合は特にIPアドレスを変更する必要はありませんが、ここでは4.3 操作手順と共通の説明にする都合上、故障したController-APのIPアドレス(192.168.100.100)に変更したものとします。
[基本設定]-[LANポート設定]で、「IPアドレス (IPv4)」に固定IPアドレスを入力して、「設定」ボタンを押します。
Change IP Address

IPアドレスを変更した場合はブラウザの接続先を新しいIPアドレスに変更します。
続いて[基本設定]-[コントローラー設定]で、「役割」を「Controller-AP」に変更して「設定」ボタンを押します。
Switch to Controller-AP

さらに[グループ設定]-[グループ1]-[設定送信]の画面を開きます。
Controller-AP(元の代替Controller-AP)とMember-APの一覧が表示されますので、「すべて選択」し、「送信」ボタンを押します。 全APに対する設定送信が完了すると昇格操作は完了です。
Send config to Member-AP


[EOF]