$Date: 2014/08/08 08:05:12 $
すでにOSPFv3の設定が有効であるときにこのコマンドを入力した場合、 初期状態から再度設定を読み込む。よって、それまでOSPFv3が保持していた 経路情報や、他のプロトコルに配布した経路情報は一旦破棄され、 初期状態から動作を開始する。
on | ...... | OSPFv3を使用する |
off | ...... | OSPFv3を使用しない |
ROUTER-ID | ...... | IPv4アドレス表記(0.0.0.0は不可) |
プライマリIPv4アドレスが付与されたインタフェースがない場合は 初期値は設定されない。
backbone | ...... | バックボーンエリア |
1以上の数値(1...4294967295) | ...... | 非バックボーンエリア |
IPv4アドレス表記(0.0.0.0は不可) | ...... | 非バックボーンエリア |
stubキーワードを指定した場合、そのエリアはスタブエリアであることを表 わす。costは0以上の数値で、エリア境界ルーターがエリア内に広告するデ フォルト経路のコストとして使われる。costを指定しないとデフォルト経路 の広告は行われない。
backbone | ...... | バックボーンエリア |
1以上の数値(1...4294967295) | ...... | 非バックボーンエリア |
IPv4アドレス表記(0.0.0.0は不可) | ...... | 非バックボーンエリア |
backbone | ...... | バックボーンエリア |
1以上の数値(1...4294967295) | ...... | 非バックボーンエリア |
IPv4アドレス表記(0.0.0.0は不可) | ...... | 非バックボーンエリア |
NAME | VALUE | 説明 |
---|---|---|
type | broadcast | ブロードキャスト型 |
point-to-point | ポイント・ポイント型 | |
passive | インタフェースに対して、OSPFv3パケットを送信しない。該当インタ フェースに他のOSPFv3ルーターがいない場合に設定する。 | |
cost | コスト(1...65535) |
インタフェースのコストを設定する。初期値はインタフェースの種
類と回線速度によって決定される。LANインタフェースの場合は1、
トンネルインタフェースの場合は1562、
PPインタフェースの場合は、バインドされている回線の回線速度を
S[kbit/s]とすると、以下の計算式で決定される。例えば、
64kbit/sの場合は1562、1.536Mbit/sの場合には65となる。
COST = 100000 / S |
priority | 優先度(0...255) | 指定ルーター選択の際の優先度を設定する。値が大きいルーターが指名ルーターに選ばれる。0を指定すると、指定ルーターに選ばれなくなる。 |
retransmit-interval | 秒数(1...65535) | LSAを連続して送る場合の再送間隔を秒単位で指定する。 |
transmit-delay | 秒数(1...65535) | リンクの状態が変わってからLSAを送信するまでの時間を秒単位で 設定する。 |
hello-interval | 秒数(1...65535) | HELLOパケットの送信間隔を秒単位で設定する。 |
dead-interval | 秒数(1...65535) | 近隣ルーターからHELLOを受け取れない場合に、近隣ルーターがダウン したと判断するまでの時間を秒単位で設定する。 |
NAMEパラメータのtypeとして、LANインタフェースはbroadcastのみ が設定できる。PPインタフェースでPPPを利用する場合や、 トンネルインタフェースを利用する場合は、 point-to-pointのみが設定できる。
passive は、インタフェースが接続しているリンクに他の OSPFv3ルーターが存在しない場合に指定する。passiveを指定してお くと、インタフェースからOSPFv3パケットを送信しなくなるので、 無駄なトラフィックを抑制したり、受信側で誤動作の原因になるの を防ぐことができる。
LANインタフェース(type=broadcastであるインタフェース)の場合 には、インタフェースが接続しているリンクへの経路は、 ipv6 interface ospf areaコマンドを設定していないと他のOSPFv3 ルーターに広告されない。そのため、OSPFv3を利用しないリンク に接続するLANインタフェースに対しては、passiveを付けたipv6 interface ospf areaコマンドを設定しておくことでそのリンク ではOSPFv3を利用しないまま、そこへの経路を他のOSPFv3ルーター に広告することができる。
PPインタフェースに対してipv6 pp ospf areaコマンドを設定して いない場合は、インタフェースが接続するリンクへの経路は 外部経路として扱われる。外部経路なので、他のOSPFv3ルーターに広 告するにはipv6 ospf import コマンドの設定が必要である。
hello-interval/dead-intervalの値は、そのインタフェースから直 接通信できるすべての近隣ルーターとの間で同じ値でなくてはならな い。これらのパラメータが設定値とは異なるHELLOパケットを 受信した場合には、それは無視される。 dead-intervalを指定しなかった場合には、hello-intervalの4倍の値が 設定される。
本機のインスタンスIDは常に0であり、 OSPFv3パケットを受信する場合には、同じ値を持つパケット のみを受信する。
area | = | インタフェースはOSPFv3エリアに属していない |
type | = | broadcast(LANインタフェース設定時) |
= | point-to-point(PPインタフェース設定時) | |
= | point-to-point(トンネルインタフェース設定時) | |
passive | = | インタフェースはpassiveではない |
cost | = | 1(LAN設定時)、1562(トンネル設定時)、ppは回線速度に依存 |
priority | = | 1 |
retransmit-interval | = | 5秒 |
transmit-delay | = | 1秒 |
hello-interval | = | 10秒 |
dead-interval | = | 40秒 |
1以上の数値(1...4294967295) | ...... | 非バックボーンエリア |
IPv4アドレス表記(0.0.0.0は不可) | ...... | 非バックボーンエリア |
NAME | VALUE | 説明 |
---|---|---|
retransmit-interval | 秒数(1...65535) | LSAを連続して送る場合の再送間隔を秒数で設定する。 |
transmit-delay | 秒数(1...65535) | リンクの状態が変わってからLSAを送信するまでの時間を秒単位で設定する。 |
hello-interval | 秒数(1...65535) | HELLOパケットの送信間隔を秒単位で設定する。 |
dead-interval | 秒数(1...65535) | 相手からHELLOを受け取れない場合に、相手がダウンしたと判断するまでの時間を秒単位で設定する。 |
hello-intervalとdead-intervalの値は、そのインタフェースから 直接通信できるすべての近隣ルーターとの間で同じ値でなくてはなら ない。これらのパラメータの値が設定値とは異なっているHELLOパ ケットを受信した場合には、それは無視される。
本機のインスタンスIDは常に0であり、 OSPFv3パケットを受信する場合には、同じ値を持つパケット のみを受信する。
仮想リンクを設定した場合、経由するエリアへの出力インタフェース にグローバルアドレスが付与されていなければ、仮想リンクは使用 できない。
PREFERENCE | ...... | OSPFv3による経路の優先度(1...2147483647) |
FILTER_NUM | ...... | ipv6 ospf export filterコマンドのフィルタ番号 (1...2147483647) |
このコマンドが設定されていない場合には、 すべての経路がルーティングテーブルに導入される。
not | ...... | IPv6プレフィクスに該当しない経路を導入する |
reject | ...... | IPv6プレフィクスに該当した経路を導入しない |
include | ...... | 指定したIPv6プレフィクスに含まれる経路(IPv6プレフィクス自身を含む) |
refines | ...... | 指定したIPv6プレフィクスに含まれる経路(IPv6プレフィクス自身を含まない) |
equal | ...... | 指定したIPv6プレフィクスに一致する経路 |
IPV6_PREFIX/PREFIX_LENでは、IPv6プレフィクスを設定する。これは 複数設定でき、KINDに指定した方法で解釈される。
NRが省略されている場合には、一つでも該当するIPv6プレフィクスがある 場合にフィルタに合致したものとし、その経路を導入する。 not指定時には、いずれのIPv6プレフィクスにも該当しなかった場合に フィルタに合致したものとし、その経路を導入する。 reject指定時には、一つでも該当するIPv6プレフィクスがある場合に フィルタに合致したものとし、その経路を導入しない。
ipv6 ospf export from ospf filter 1 2 ipv6 ospf export filter 1 not equal fec0:12ab:34cd:1::/64 ipv6 ospf export filter 2 not equal fec0:12ab:34cd:2::/64
1番のフィルタはfec0:12ab:34cd:1::/64以外の経路に合致し、2番の フィルタはfec0:12ab:34cd:2::/64以外の経路に合致する。 つまり、経路fec0:12ab:34cd:1::/64は1番のフィルタに合致しないが、 2番のフィルタに合致するため導入される。 一方で経路fec0:12ab:34cd:2::/64は1番のフィルタに合致するため、 2番のフィルタにかかわらず導入される。 よって、導入されない経路は存在しない。
経路fec0:12ab:34cd:1::/64と経路fec0:12ab:34cd:2::/64を導入したくない 場合には以下のような設定を行なう必要がある。
ipv6 ospf export from ospf filter 1 ipv6 ospf export filter 1 not equal fec0:12ab:34cd:1::/64 fec0:12ab:34cd:2::/64
あるいは、
ipv6 ospf export from ospf filter 1 2 3 ipv6 ospf export filter 1 reject equal fec0:12ab:34cd:1::/64 ipv6 ospf export filter 2 reject equal fec0:12ab:34cd:2::/64 ipv6 ospf export filter 3 include ::/0
static | ...... | 静的経路 |
rip | ...... | RIPng |
経路を広告する場合のパラメータであるメトリック値、メトリックタイプは フィルタの検査で該当したipv6 ospf import filter コマンドで指 定されたものを使う。filterキーワード以降を省略した場合には、以下のパ ラメータを使用する。
not | ...... | IPv6プレフィクスに該当しない経路を導入する |
reject | ...... | IPv6プレフィクスに該当する経路を導入しない |
include | ...... | 指定したIPv6プレフィクスに含まれる経路(IPv6プレフィクス自身を含む) |
refines | ...... | 指定したIPv6プレフィクスに含まれる経路(IPv6プレフィクス自身を含まない) |
equal | ...... | 指定したIPv6プレフィクスに一致する経路 |
metric=METRIC | ...... | メトリック値(1〜16777215) |
type=TYPE | ...... | メトリックのタイプ(1または2) |
IPV6_PREFIX/PREFIX_LENではIPv6プレフィクスを指定する。これ は複数指定でき、KINDに指定した方法で解釈される。
NRが省略されている場合には、一つでも該当するIPv6プレフィクスがある 場合にフィルタに合致したものとし、その経路を導入する。 not指定時には、いずれのIPv6プレフィクスにも該当しなかった場合に フィルタに合致したものとし、その経路を導入する。 reject指定時には、一つでも該当するIPv6プレフィクスがある場合に フィルタに合致したものとし、その経路を導入しない。
PARAMETERSでは、導入する経路をOSPFv3の外部経路として広告する場合のパ ラメータとして、メトリック値、メトリックタイプがそれぞれ metric、typeにより指定できる。これらを省略した場合には、以下の 値が採用される。
ipv6 ospf import from static filter 1 2 ipv6 ospf import filter 1 not equal fec0:12ab:34cd:1::/64 ipv6 ospf import filter 2 not equal fec0:12ab:34cd:2::/64
1番のフィルタはfec0:12ab:34cd:1::/64以外の経路に合致し、2番の フィルタはfec0:12ab:34cd:2::/64以外の経路に合致する。 つまり、経路fec0:12ab:34cd:1::/64は1番のフィルタに合致しないが、 2番のフィルタに合致するため導入される。 一方で経路fec0:12ab:34cd:2::/64は1番のフィルタに合致するため、 2番のフィルタにかかわらず導入される。 よって、導入されない経路は存在しない。
経路fec0:12ab:34cd:1::/64と経路fec0:12ab:34cd:2::/64 を導入したくな い場合には以下のような設定を行なう必要がある。
ipv6 ospf import from static filter 1 ipv6 ospf import filter 1 not equal fec0:12ab:34cd:1::/64 fec0:12ab:34cd:2::/64
あるいは、
ipv6 ospf import from static filter 1 2 3 ipv6 ospf import filter 1 reject equal fec0:12ab:34cd:1::/64 ipv6 ospf import filter 2 reject equal fec0:12ab:34cd:2::/64 ipv6 ospf import filter 3 include ::/0
database | ...... | OSPFv3のデータベース |
neighbor | ...... | 近隣ルーター |
interface | ...... | 各インタフェースの状態 |
virtual-link | ...... | 仮想リンクの状態 |
interface | ...... | インタフェースの状態や仮想リンクに関わるログ |
neighbor | ...... | 近隣ルーターの状態に関わるログ |
packet | ...... | OSPFv3パケットに関わるログ |