$Date: 2022/09/27 11:02:54 $
OSPFはインテリアゲートウェイプロトコルの一種で、グラフ理論をベースとしたリンク状態型の動的ルーティングプロトコルです。 同じインテリアゲートウェイプロトコルであるRIPと比べると以下のような特徴があります。
OSPFの仕様は英語で記述されていますが、それを日本語訳した場合に用語をどのように訳すかが、書籍や文献などによって多少のばらつきがあります。 そこで、この文書では以下のような用語を用いることとします。他の書籍などと読み合わせる場合には適宜用語を置き換えて下さい。
RFCでの表記 | 略称 | この文書での表記 |
---|---|---|
Router ID | - | ルーターID |
Internal Router | - | 内部ルーター |
Area Border Router | ABR | エリア境界ルーター |
AS Boundary Router | ASBR | AS境界ルーター |
Designated Router | DR | 指定ルーター |
Backup Designated Router | BDR | バックアップ指定ルーター |
Neighbor | - | 近隣ルーター |
Adjacency | - | 隣接ルーター |
Virtual Link | - | 仮想リンク |
AS External route | - | 外部経路 |
ヤマハルーターでのOSPFの実装は、RFC1583対応を基本に、以下のようになっています。
ヤマハルーターでは、LANインターフェースにセカンダリーアドレスを割り当てることが可能です。
セカンダリーアドレスを割り当てたインターフェースでOSPFを使用する設定にすると、そのインターフェースでのOSPFの情報交換はプライマリーアドレスで行い、セカンダリーアドレスではOSPFパケットの送受信は行われません。
また、セカンダリーアドレスを持つスタブインターフェースが自分につながっているかのように振る舞います。
したがって、そのLANに接続するすべてのOSPFルーターで、プライマリーアドレスが同一ネットワークになるよう設定してください。
なお、以下のファームウェアではセカンダリーアドレスを割り当てたインターフェースでOSPFを使用しても正しく経路交換ができません。 セカンダリーアドレスを割り当てたインターフェースでOSPFを使用する場合は、以下のリビジョンより新しいファームウェアを使用してください。
系列 | セカンダリーアドレスをOSPFで扱えないファームウェア |
---|---|
Rev.6系 | すべてのリビジョン |
Rev.7系 | |
Rev.8.01系 | |
Rev.8.02系 | |
Rev.8.03系 | Rev.8.03.90、およびそれ以前 |
Rev.9.00系 | Rev.9.00.48、およびそれ以前 |
Rev.10.00系 | Rev.10.00.56、およびそれ以前 |
Rev.10.01系 | Rev.10.01.29、およびそれ以前 |
OSPFを使用しているインタフェースでNATディスクリプターを使用することはできません。
vRXシリーズではLANインターフェースがリンクダウンしないため、エリアに設定したLANインターフェースのimplicit経路は近隣ルーターに広告され続けます。
また、LANインターフェースのリンクダウンを契機とした近隣ルーターおよび経路情報の更新も行われません。ただし、HELLOパケットの不通を契機とした更新は可能です。更新までの許容可能な遅延時間を踏まえ、ip interface ospf areaコマンドのhello-intervalパラメーターおよびdead-intervalパラメーターに適当な値を設定してHELLOパケットの不通が検知できるように設定してください。この際、dead-intervalがhello-intervalを下回らないように注意してください。加えて、パケットがロスする可能性を踏まえ、dead-intervalのパラメーター値はhello-intervalのパラメーター値の整数倍に設定してください。