RTシリーズのモバイル通信に関するFAQ

PIAFSという通信規格の概要を教えてください

[ PIAFSの役割 ]

• 携帯可能な電話機であるPHSを利用してデータ通信を行なえるようにする 規格です。
• ISDN回線用のデータ通信のための機器(ターミナルアダプタやISDNリモー トルータなど)がPIAFSに対応していると、PHSを利用してデータ通信が行なえる ようになります。
• RTシリーズをダイヤルアップサーバに仕立てた構成例

     +-------------+
     | コンピュータ|
     +------+------+
            |       
     +------+------+
     | PHS(PIAFS)  |
     +-------------+
            : 06-999-9999
         1B : 
  　〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
                  : :                                           ISDN網
                  : : 
                  : : 03-1111-1111
     +--------------------------+
     |        RTシリーズ        | (PIAFS対応機器)
     +-------------+------------+
                   |192.168.0.1
                   |                                   192.168.0.0/24
      -------------+----------------------+------------------+-------
                                          |                  |
                                  +-------+-------+  +-------+-------+
                                  | コンピュータ  |  | コンピュータ  |
                                  |   (サーバ)    |  | (クライアント)|
                                  +---------------+  +---------------+
  

[ PIAFSの仕様書 ]

• 仕様書のバージョンの流れ

  PIAFS 仕様書はこれまで4つの版がリリースされています。 それらは各々が以下のような内容を規定しています。

• それぞれのPIAFS 仕様書の概要

  仕様書バージョン	概要
  PIAFS1.0	32kbit/s モード
  PIAFS1.1	1.0 への細かな追記、等
  PIAFS2.0	64kbit/s モードの追加とそれに伴なうパラメータ値の追加、等
  PIAFS2.1	32kbit/s <-> 64kbit/s 可変モードの追加とそれに伴なう手順の追加、PIAFS 2.0 との相互接続性に関する手順の追加、等

• 注意事項
  PIAFS 1.0 と PIAFS 1.1 は同等です。

[ データ伝送プロトコルと方式 ]

• それぞれのPIAFS仕様書で規定されるデータ伝送プロトコル (許容される通信速度)

  仕様書バージョン	概要
  PIAFS1.1	速度固定 (32kbit/s のみ)
  PIAFS2.0	速度固定 (32kbit/s および 64kbit/s)
  PIAFS2.1	速度固定 (32kbit/s および 64kbit/s) 速度可変 (速度可変タイプ1 および 速度可変タイプ2)

  速度可変タイプ	概要
  速度可変タイプ1	自局から速度切替が発生するが、対局からの速度切替には対応しない つまり、基地局側のデータ伝送プロトコルと言えます。
  速度可変タイプ2	自局からの速度切替は発生しないが、対局から速度切替には対応する つまり、端末側のデータ伝送プロトコルと言えます。

• 「××方式」

  各キャリアが PIAFS のサービスを仕様のバージョン番号でなく「××方式」と 呼んでいますが、上記の"速度固定"に対応した方式が「ギャランティ方式」、 上記の"速度可変"に対応した方式が「ベストエフォート方式」です。

  仕様書バージョン	××方式
  PIAFS1.1	ギャランティ方式
  PIAFS2.0	ギャランティ方式
  PIAFS2.1	ギャランティ方式 ベストエフォート方式

[ PIAFS のデータ伝送プロトコルの相互接続性 ]

• PIAFS規格の相互接続性

  +-----------+-----------+-----------+-----------+-----------+
  |　　　 局側|  速度固定 |  速度固定 |  速度可変 |  速度可変 |
  |端末側　　 |  32kbit/s |  64kbit/s |   タイプ1 |   タイプ2 |
  +-----------+-----------+-----------+-----------+-----------+
  |  速度固定 |     ○    |     ×    |     ×    |     ○    |
  |  32kbit/s | 32k 固定  |           |           | 32k 固定  |
  +-----------+-----------+-----------+-----------+-----------+
  |  速度固定 |     ×    |     ○    |     ×    |     ○    |
  |  64kbit/s |           | 64k 固定  |           | 64k 固定  |
  +-----------+-----------+-----------+-----------+-----------+
  |  速度可変 |     ×    |     ×    |     ×    |     ○    |
  |   タイプ1 |           |           |           | 速度可変  |
  +-----------+-----------+-----------+-----------+-----------+
  |  速度可変 |     ○    |     ○    |     ○    |     ○    |
  |   タイプ2 | 32k 固定  | 64k 固定  | 速度可変  | 64k 固定  |
  +-----------+-----------+-----------+-----------+-----------+
  

• 実際にPIAFSを利用したときの相互接続性

  実際には、上記の表の通りにならない場合がありえます。

  • 32k 固定と 64k 固定とでは SETUP 内の BC が異なる
  • ギャランティ方式とベストエフォート方式では発サブアドレスが異なる
  • 着信側が複数のデータ伝送プロトコルを自動判別する機能を持つ場合には それぞれの機能についての動作を組み合わせて考えなければなりません。

  RTシリーズを用いた実際の相互接続性は、 「64k PIAFSは、使えますか」の「PIAFS 2.1 対応ファームウェアの動作」を御覧ください。

[ 関連FAQ ]

• PHSを使ったモバイルと接続できますか
• 32k PIAFSは、使えますか
• 64k PIAFSは、使えますか

[ 関連情報 ]

• ダイヤルアップ(接続/サーバ)の事例集

[ FAQ for RT-Series ]
[ FAQ for Mobile / Windows / Macintosh ]