YAMAHA RTシリーズ の 2000年問題

[ 2000年に何か起る？ (一般的な話題) ]

• 2000年問題

  人間(西暦表記, 西洋文化)には、「'」を使い西暦年を下位２桁に省略して表現する慣習があります。
  人間には、上位桁が省略されていることが判別(類推)することが できますが、コンピュータには省略されていない十分な情報が必要です。

  コンピュータの日付管理の年情報を人間の慣習と同じように 省略する仕様で設計されていると、コンピュータが省略されてしまった情報を 判別できなくなって、正常に動作できなくなる可能性があります。

  この年情報に関わるコンピュータの誤動作(もしくは暴走)の可能性を 2000年問題(Year 2000, Y2K, Millennium Problem)といわれています。

• 日本のコンピュータは、年号(和暦)問題を越えてきた

  日本のコンピュータソフトウェアは、 和暦の変更(年号が昭和から平成へ)を経験しています。

  和暦(年号)表記から西暦表記への移行を促進した側面はあるものの 経験が生かされて良い結果が出ることを期待しています。
  和暦の対応が正しくなければ、更に複雑な不具合になるかもしれません。

• RFCには、インターネットと2000年問題に関する報告があります。

  RFC2626…The Internet and the Millennium Problem (Year 2000)

[ 2000年に何か起る？(RTシリーズの話題) ]

• RTシリーズの2000年問題

  ヤマハRTシリーズには、2000年以降に動作が止まってしまうような、 問題はありません。

  現在の時刻管理方法では、2079年までは大丈夫です。

• 2000年に発生する不具合

  しかし、2000年という時期に発生するバグ(時刻の設定が正しく行なえない)が いくつか判明しております。 それらを回避するために、ルータのファームウェアをリビジョンアップしていただくようお願いします。

• 対策済ファームウェアの情報

  系列	バグ対応リビジョン
  Rev.1系	Rev.1.07.07 バグ修正[1]
  Rev.2系	Rev.2.02.35 バグ修正[4],[5]
  Rev.3系	Rev.3.00.23 バグ修正[4],[5]

  Rev.4系、および、それ以降のリビジョンには2000年に関連したバグはありません。

• 対象ハードウェア

  これらのバグは、RT100i、RT102i、RT80i、RT140i、RT140e、RT140p、RT200iが対象です。

  RT103iおよびRTA50iには、上で示したバグは含まれていません。
  

• 対策済ファームウェアの配布ページ

  対策済のファームウェアは、ファームウェア配布ページから無償で入手可能です。

[ 1999年末〜2000年始のお問い合せ ]

• 2000年問題の臨時受付窓口からの報告

  2000年問題の不具合報告はありませんでした。

• 2000年問題の臨時受付窓口

  万が一、2000年問題が発生した際のために臨時のお問い合せ窓口を開設しまし たが、トラブルの報告はありませんでした。

  ＜2000年問題専用の臨時お問い合せ窓口＞

  開設日	平成12年1月1日〜平成12年1月5日
  対応時間	9:00〜12:00、13:00〜17:00
  電話番号	臨時対応は終了しましたので、 所定のサポート窓口へお問い合せ下さい

  2000年問題専用の臨時窓口の対応は終了しました。 所定のサポート窓口へお問い合せ下さいますようお願い申し上げます。

[ 不具合(バグ)内容の解説 ]

1. Rev.1〜3系にあるバグ

   内容

   dateおよびtimeコマンドで日付と時刻を設定する時には、timezoneコマンドで設定されている地域の地域時間を設定することになるが、その際に以下のような時間帯の日付と時刻を設定しようとすると、日付や時刻が正しくない値になってしまう。

   • UTC(いわゆるグリニッジ標準時)が1999年で、かつ、地域時間は2000年となるような時間帯
   • UTCが2000年で、かつ、地域時間は1999年となるような時間帯

   タイムゾーンの設定がデフォルト値の+09:00(日本時間)の場合と、-05:00(アメリカ東部時間)の場合を以下に図示する。

   

   対象となるリビジョン

   • Rev.1.00.00〜1.07.06
   • Rev.2.00.00〜2.02.34
   • Rev.3.00.00〜3.00.22

   対応策

   • 上記該当時間帯(日本時間であれば2000年1月1日0時0分0秒〜8時59分59秒) の時間帯にあたるような、date/timeコマンドを発行しない。
   • バグ修正されたファームウェアへリビジョンアップする。

2. Rev.2, 3系にあるバグ

   内容

   2000年1月1日以降に、ntpdate/rdateコマンド関連の機能で以下のバグが発生する。

   • ntpdateコマンドやrdateコマンドでサーバからもらってくる時刻に対して、24時間後の時刻をルータの内蔵時計に設定してしまう。
   • rdateサーバとして動作している時に、本来の時刻より24時間前の時刻をクライアントに渡してしまう。

   対象となるリビジョン

   • Rev.2.01.11〜2.02.34
   • Rev.3.00.00〜3.00.22

   対応策

   • 2000年1月1日以降に、ntpdateおよびrdateの機能を利用しない。
   • バグ修正されたファームウェアへリビジョンアップする。

[ 参考RFC ]

• RFC2626…The Internet and the Millennium Problem (Year 2000)