4.73 CPUスケジューリング方式の設定

[書式]


[設定値及び初期値]


[説明]

CPUスケジューリング方式を設定する。

hash を選択した場合、受信パケットから算出されたハッシュ値を基にしてパケットの転送処理を実行するCPUコアが決まる。

load-balance を選択した場合、各CPUコアの負荷が均等になるようにパケットの転送処理を実行するCPUコアがパケット単位で変化する。

lan-based を選択した場合、パケットを受信したLANインターフェースによって転送処理を実行するCPUコアが次のように決まる。

CPUコア数が 4、NIC のバインド数が 4 のとき
受信LANインターフェース CPUコア
LAN1 CPU1
LAN2 CPU2
LAN3 CPU3
LAN4 CPU1
CPUコア数が 2、NIC のバインド数が 3 のとき
受信LANインターフェース CPUコア
LAN1 CPU1
LAN2 CPU1
LAN3 CPU1

fixed を選択した場合、パケットを受信した LAN インターフェースによらず、転送処理は常に CPU1 で実行される。

[ノート]


vRX Amazon EC2 版で本コマンドによる設定の変更を反映するには、ルーターの再起動が必要となる。
また、本コマンドを実行すると、すべての LAN インターフェースの初期化処理が実行されるため、すべての LAN インターフェースにおいて一時的にリンクダウンが発生する。

ノーマルパスの処理対象となるパケットは、本コマンドの設定に従って決定された CPU コアでは受信処理のみが実行され、転送処理は常に CPU0 で実行される。これは、ip routing process コマンドで normal が設定されている場合はすべてのパケットが対象となる。

CPU スケジューリング方式に hash を選択した場合、IPv4/IPv6 ヘッダを持たない受信パケットの転送処理は CPU1 で実行される。

CPUスケジューリング方式に load-balance を選択した場合、パケットの順番が入れ替わる可能性がある。パケットの順番が入れ替わると UDP を用いるアプリケーションで問題が発生する可能性がある。なお、TCP ではパケットの順番が入れ替わっても通常は問題は発生しない。

IPsec では、どの CPU スケジューリング方式であっても、ESP シーケンス番号の順序通りに ESP パケットが送信されないことがあるため、対向側ルーターの受信処理で ESP シーケンスエラーが発生し、ESP パケットが破棄される可能性がある。ESP シーケンスエラーは、対向側ルーターの ipsec sa policy コマンドで anti-replay-check を off にして、ESP シーケンス番号のチェックを行わないようにすることで回避できる。

[適用モデル]

vRX Amazon EC2 版, vRX VMware ESXi 版