DNS の設定

本機は、DNS(Domain Name Service) 機能として名前解決、リカーシブサーバー機能、上位 DNS サーバーの選択機能、簡易 DNS サーバー機能 ( 静的 DNS レコードの登録 ) を持ちます。

名前解決の機能としては、pingtracerouterdatentpdatetelnet コマンドなどの IP アドレスパラメータの代わりに名前を指定したり、SYSLOG などの表示機能において IP アドレスを名前解決したりします。

リカーシブサーバー機能は、DNS サーバーとクライアントの間に入って、DNS パケットの中継を行います。本機宛にクライアントから届いた DNS 問い合わせパケットをdns server 等のコマンドで設定された DNS サーバーに中継します。DNS サーバーからの回答は本機宛に届くので、それをクライアントに転送します。dns cache max entry コマンドで設定した件数 (初期値 = 256) のキャッシュを持ち、キャッシュにあるデータに関しては DNS サーバーに問い合わせることなく返事を返すため、DNS によるトラフィックを削減する効果があります。キャッシュは、DNS サーバーからデータを得た場合にデータに記されていた時間だけ保持されます。

DNS の機能を使用するためには、dns server 等のコマンドで、問い合わせ先 DNS サーバーを設定しておく必要があります。また、この設定は DHCP サーバー機能において、DHCP クライアントの設定情報にも使用されます。問い合わせ先 DNS サーバーを設定するコマンドは複数存在しますが、これらのうち複数のコマンドで問い合わせ先 DNS サーバーが設定されている場合、利用できる中で最も優先順位の高いコマンドの設定が使用されます。各コマンドによる設定の優先順位は、高い順に以下の通りです。
  1. dns server select コマンド
  2. dns server コマンド
  3. dns server pp コマンド
  4. dns server dhcp コマンド
なお、これらのコマンドで問い合わせ先 DNS サーバーが全く設定されていない場合でも、DHCP サーバーから取得した DNS サーバーが存在すれば、そちらが自動的に使用されます。