FAQ for YAMAHA RT Series / PPPoE

RTシリーズのPPPoEに関するFAQ

同時接続する場合の設定ヒント/アイディア

新規作成日	2002/Nov/12
最終変更日	2022/Dec/28
文書サイズ	20KB

同時接続する場合の設定ヒント/アイディアを教えてください

[ 同時接続可能ですか？ ]

ヤマハルーターのPPPoE機能は、2001年4月の初リリース以降、すべて、マルチセッション(複数同時接続)可能です。
同時接続可能数は、以下のFAQを参照してください。
- 同時接続数は幾つですか

[ どのような設定が可能ですか？ ]

注意事項
この設定例は、設定のアイディアを御紹介するもので、動作保証するものではありません。

Rev.6/Rev.7系のISPとフレッツ・スクウェアの同時接続

rt100i-users: 28620,28625,28625,28632,28633,28625,28641,28642,28643,28645
※設定例では、2002年8月時点でのNTT東日本を想定しています。

基本: PPPoEの設定例を2つ(ISPとフレッツ・スクウェア)
- フレッツ・スクウェアへの接続手順 (NTT東日本用)
- フレッツ・スクウェアへの接続手順 (NTT西日本用)
経路設定: 環境によって異なる。将来も利用できる保証はない。
下記設定例では、"172.16.0.0/12"(クラスBプライベートアドレス)とする。
DNSサーバ選択機能: DNSドメイン名は、環境によって異なる。将来も利用できる保証はない。
下記設定例では、"～.flets"とする。

通常のPPPoEによるプロバイダ接続の設定があるとします。

# LAN側設定
ip lan1 address 192.168.0.1/24

# PPPoE接続先: ISP
pp select 1
pp always-on on
pppoe use lan2
pp auth accept chap pap
pp auth myname ID1 PASSWORD1
ppp lcp mru on 1454
ppp ccp type none
ppp ipcp ipaddress on
ppp ipcp msext on
ip pp mtu 1454
ip pp nat descriptor 1
pp enable 1
nat descriptor type 1 masquerade

# ISPを利用するデフォルト経路設定
ip route default gateway pp 1

# DNSサーバ、DHCPサーバの設定
dns server pp 1
dns private address spoof on
dhcp service server
dhcp scope 1 192.168.0.2-192.168.0.254/24

フレッツ・スクエアに接続するための設定を追加します。

# PPPoE接続先: フレッツ・スクエア (NTT東日本)
pp select 2
pp always-on on
pppoe use lan2
pp auth accept pap chap
pp auth myname guest@flets guest     # NTT東日本の例
ppp lcp mru on 1454
ppp ipcp ipaddress on
ppp ipcp msext on
ppp ccp type none
ip pp mtu 1454
ip pp nat descriptor 2
pp enable 2
nat descriptor type 2 masquerade

フレッツ・スクエアで利用されているネットワークの経路を推測して、設定します。
設定例では、"172.16.0.0/12"としています。

ip route 172.16.0.0/12 gateway pp 2

フレッツ・スクエアで利用されているドメイン名を検索するためのDNSサーバを選択するために、ドメイン名を推測して設定します。
設定例では、"flets"としています。

dns server select 1 pp 2 any flets

[補足]
複数のDNSサーバを使い分けるときには、DNSリカーシブサーバのキャッシュに何か残っていると期待通りの動作をしないことがあります。
再起動してもいいですが、以下のコマンドをお試しください。

clear dns cache

[ 関連情報 ]

フレッツ・スクウェアの地域情報(無保証)

NTT東日本
地域	経路	DNSドメイン
東京都	172.26.0.0/16 172.26.35.0/24 (かも？)	flets	rt100i-users: 28641
全地域 (※)	172.25.0.0/16 172.26.0.0/16 172.27.0.0/16 220.210.194.0/25 220.210.195.0/26 220.210.195.64/27 220.210.196.0/24 220.210.197.0/26 220.210.197.64/27 220.210.197.96/27 220.210.198.0/26 220.210.199.0/27	flets	http://www.flets.com/square/routing.html
NTT西日本
地域	経路	DNSドメイン
兵庫県	10.60.0.0/16 10.60.21.0/24 (かも？)	flets	rt100i-users: 29458
静岡県	10.60.0.0/16 10.60.26.0/24 (かも？)	flets

(※)2003/9/11以降は、これらの経路を設定しなければ一部のURLにアクセスできない場合があるようです。

経路情報の推測の仕方
1. フレッツ・スクウェアで使用されているDNS名に割り当てられているIPアドレスを確認する。
2. フレッツ・スクウェアのPPインタフェースにパケットフィルタでログをとってみる。
  syslog notice on ip filter 1000 pass-log * * * * * pp select 2 ip pp filter out 1000
[参考] フレッツ・スクウェアのDNSサーバーアドレスの公開情報 (rt100i-users: 30327)
- NTT東日本におけるフレッツ・スクウェアのトップページ
  - NTT東日本のDNSサーバアドレス一覧
- NTT西日本におけるフレッツ・スクウェアのトップページ
  - [フレッツ・スクウェアへのアクセス方法]→[フレッツ・マネージャを使わない方法]
複数プロバイダ同時接続機能のための追加コマンド
RT60w Rev.5.01.21のリリースノート
機能追加[6]: dns server selectコマンドの機能拡張
ASCII, NETWORK MAGAZINE, 2003/1, P.106～P.107
「Load Test:フレッツ・ADSLのスーパー活用術」でこの情報が紹介されました。

(参考情報) ネットボランチのISPとフレッツ・スクウェアの同時接続

注意事項:
環境依存の要素があるためWWW設定画面(かんたん設定)では、設定機能を提供しておりません。ただし、上記Rev.6/Rev.7系設定情報をベースに、以下のような設定を行うことで、同時利用も可能になるようです。
※設定例では、2002年8月時点でのNTT東日本を想定しています。

(参考情報) かんたん設定とコマンド入力を組み合わせる。

(前提)基本的なISPとフレッツ・スクウェアの接続設定を登録する

以下のような情報を「かんたん設定」で登録すると、「かんたん設定」上にて、手動切り替えで利用できるようになります。

設定の識別情報	設定内容
PP01	PPPoEによる端末型プロバイダ接続設定で、ISP接続情報を新規登録する。
PP02	PPPoEによる端末型プロバイダ接続設定で、フレッツ・スクウェアの接続情報を新規登録する。

追加のコマンド入力

「かんたん設定」で、自動接続先として「プロバイダ」を選択しておきます。

フレッツ・スクウェアで利用している経路情報とドメイン名を推測します。
本設定例では、以下の情報を推測しました。

情報種別	内容
フレッツ・スクウェアのネットワーク情報	172.16.0.0/12
フレッツ・スクウェアのドメイン情報	flets

[システム管理]-[内部情報]-[コマンド入力]にて以下のコマンドを入力します。
```
ip route 172.16.0.0/12 gateway pp 2
dns server select 1 pp 2 any flets
clear dns cache
		  
```

フィルタ型ルーティング機能を利用する

LAN側の2つのネットワークや端末を別々のISPに個別にルーティングする。

(前提)2個分の基本的なPPPoEによるISP接続設定

# LAN側設定
ip lan1 address 192.168.0.1/24
ip lan1 secondary address 192.168.1.1/24

# PPPoE接続先: ISPその1
pp select 1
pp always-on on
pppoe use lan2
pp auth accept chap pap
pp auth myname ID1 PASSWORD1
ppp lcp mru on 1454
ppp ccp type none
ppp ipcp ipaddress on
ppp ipcp msext on
ip pp mtu 1454
ip pp nat descriptor 1
pp enable 1

# PPPoE接続先: ISPその2
pp select 2
pp always-on on
pppoe use lan2
pp auth accept chap pap
pp auth myname ID2 PASSWORD2
ppp lcp mru on 1454
ppp ccp type none
ppp ipcp ipaddress on
ppp ipcp msext on
ip pp mtu 1454
ip pp nat descriptor 1
pp enable 2

# NATディスクリプタ定義(IPマスカレードの定義を共有する)
nat descriptor type 1 masquerade

振り分けパターン#1

対象ホスト	接続先
192.168.0.100	ISP#1
そのほか	ISP#2

# フィルタ型ルーティング機能を利用する経路設定
ip filter 1001 pass 192.168.0.100 * * * *
ip route default gateway pp 1 filter 1001 gateway pp 2

# DNSサーバ選択機能(DNSリカーシブサーバの付加機能)を利用する設定
dns server select 1001 pp 1 any . 192.168.0.100
dns server pp 2
dns private address spoof on

振り分けパターン#2

対象ネットワーク	接続先
192.168.0.0/24	ISP#1
そのほか	ISP#2

# フィルタ型ルーティング機能を利用する経路設定
ip filter 1001 pass 192.168.0.0/24 * * * *
ip route default gateway pp 1 filter 1001 gateway pp 2

# DNSサーバ選択機能(DNSリカーシブサーバの付加機能)を利用する設定
dns server select 1001 pp 1 any . 192.168.0.1-192.168.0.254
dns server pp 2
dns private address spoof on

振り分けパターン#3

対象ネットワーク	接続先
192.168.0.0/24	ISP#1
192.168.1.0/24	ISP#2
そのほか	ルーティングしない

# フィルタ型ルーティング機能を利用する経路設定
ip filter 1001 pass 192.168.0.0/24 * * * *
ip filter 1002 pass 192.168.1.0/24 * * * *
ip route default gateway pp 1 filter 1001 gateway pp 2 filter 1002

# DNSサーバ選択機能(DNSリカーシブサーバの付加機能)を利用する設定
dns server select 1001 pp 1 any . 192.168.0.1-192.168.0.254
dns server select 1002 pp 2 any . 192.168.1.1-192.168.1.254
dns private address spoof on

[ 関連情報 ]

複数プロバイダ同時接続機能のための追加コマンド

Rev.6系以降のマルチホーミング機能を利用する

設定は、ルーティングの方法や取得するIPアドレスなどによって変化しますが、基本的にはPPPoEの設定例を2つ組み合わせた形になります。

# LAN側設定
ip lan1 address 192.168.0.1/24

# PPPoE接続先: ISPその1
pp select 1
pp always-on on
pppoe use lan2
pp auth accept chap pap
pp auth myname ID1 PASSWORD1
ppp lcp mru on 1454
ppp ccp type none
ppp ipcp ipaddress on
ppp ipcp msext on
ip pp mtu 1454
ip pp nat descriptor 1
pp enable 1

# PPPoE接続先: ISPその2
pp select 2
pp always-on on
pppoe use lan2
pp auth accept chap pap
pp auth myname ID2 PASSWORD2
ppp lcp mru on 1454
ppp ccp type none
ppp ipcp ipaddress on
ppp ipcp msext on
ip pp mtu 1454
ip pp nat descriptor 1
pp enable 2

# NATディスクリプタ定義(IPマスカレードの定義を共有する)
nat descriptor type 1 masquerade

# マルチホーミング機能を利用する経路設定
ip route default gateway pp 1 gateway pp 2

[ 関連情報 ]

マルチホーミング機能の技術資料

[ トラブル対策 ]

2セッション目を張りに行ったら、エラーになり繋がらない

エラーメッセージ例

851 PPPoE: PADI Timeout
PPPoE接続でPADIタイムアウト

接続先にサーバが存在しない。または、サーバまでの区間の回線状態が良くない可能性がある。

対策:
PPPoEが複数セッション張れる状態(契約)であるか確認してください。例えば、NTT西日本のフレッツ・ADSLでは、複数セッション張るために手続きが別途必要です。

経路情報が違うらしい
以下のような方法でフレッツ・スクウェアで使用されているIPアドレス/IPネットワークを推測してください。
1. フレッツ・スクウェアで使用されているDNS名に割り当てられているIPアドレスを確認する。
2. フレッツ・スクウェアのPPインタフェースにパケットフィルタでログをとってみる。
  syslog notice on ip filter 1000 pass-log * * * * * pp select 2 ip pp filter out 1000
[参考] フレッツ・スクウェアのDNSサーバーアドレスの公開情報 (rt100i-users: 30327)
- NTT東日本におけるフレッツ・スクウェアのトップページ
  - NTT東日本のDNSサーバアドレス一覧
- NTT西日本におけるフレッツ・スクウェアのトップページ
  - [フレッツ・スクウェアへのアクセス方法]→[フレッツ・マネージャを使わない方法]

[ 関連情報 ]

FAQ
- 同時接続数は幾つですか
技術資料
- PPPoEの技術資料
PDF書庫
- フレッツ・シリーズ&PPPoE～活用アイディア～(2002/11/26)

[ FAQ for RT-Series ]
[ FAQ for PPPoE ]