LLDP自動設定は、ヤマハスイッチとヤマハ無線AP間で独自のLLDPフレームを送受信し、LLDPで通知された情報をもとに自動的に設定を行う機能です。
LLDP自動設定により実現する機能は以下のとおりです。
ヤマハスイッチとヤマハ無線APのLLDP自動設定の対応機種については、以下を参照してください。
Link Layer Discovery Protocol。
IEEE 802.1ABで規定される。
LLDP自動設定を有効にすると、ヤマハスイッチとヤマハ無線APは独自のLLDPフレームの送受信を行います。
LLDP自動設定は、 lldp auto-setting コマンドで設定します。
本製品の初期設定では、LLDP自動設定は 有効 です。
本機能を使用するためには、LLDPフレームを受信できるようにする必要があります。
そのため、事前に以下が設定されていることを確認してください。
本製品の初期設定では、LLDPフレームの送受信は 有効 です。
本機能では、ヤマハ無線AP(クラスター)で動作中のRADIUSサーバー情報を自動的に本製品へ設定します。これにより、ヤマハ無線APをRADIUSサーバー、本製品をRADIUSクライアントとした認証機能を簡単に構築できます。
本製品におけるポートごとの認証設定は環境にあわせてユーザーが手動で行う必要があります。設定の詳細は技術資料の ポート認証機能 を参照してください。
ヤマハ無線APがRADIUSサーバー情報を送信する条件は以下のとおりです。
ヤマハ無線APの設定については、ヤマハ無線APの 技術資料 を参照してください。
送信条件を満たす場合、ヤマハ無線APはLLDPの定期送信タイミングで以下のRADIUSサーバー情報を通知します。
本製品のLLDP自動設定が有効な状態でヤマハ無線APからRADIUSサーバー情報を受信すると、コマンドの末尾に dynamic オプションが付与された radius-server host コマンドを running-config に自動的に設定します。
以降の説明では、 dynamic オプションが付与された radius-server host コマンドを「動的エントリー」、手動で設定した radius-server host コマンドを「静的エントリー」と呼びます。
dynamic オプションが付与された動的エントリーは、 write コマンドを実行してもstartup-configに保存されません。
動的エントリーが自動設定された後に、 dynamic オプションを手動で削除して静的エントリーとして設定することができます。
ただし、静的エントリーに手動で dynamic オプションを付与して動的エントリーに変更することはできません。
radius-server host 192.168.100.241 auth-port 1234 key EXAMPLE dynamic
LLDP自動設定で設定された動的エントリーには、「LLDP受信ポート番号」と「有効期間」の情報が付与されます。
同一のRADIUSサーバー情報を複数のポートから受信した場合、 最も小さいポート番号 で受信したRADIUSサーバー情報が保持されます。
有効期間には、受信したLLDPフレーム内に含まれる TTL(Time to Live) の値が設定されます。
ヤマハ無線APから送信されるLLDPフレームのデフォルトのTTLの値は 120 秒です。
TTL秒以内に新たにRADIUSサーバー情報を受信すると有効期間が更新され、TTL秒以内に新たにRADIUSサーバー情報を受信できなかった場合は動的エントリーが削除されます。
なお、TTL=0のLLDPシャットダウンフレームを受信した場合、動的エントリーは即時削除されます。
show radius-server コマンドでRADIUSサーバー情報を確認することができ、自動設定されたRADIUSサーバーホストにはアスタリスク(*)が付与され、
LLDP受信ポート番号(LLDP Received port)と有効期間(Expires)の情報が表示されます。
SWX#show radius-server Server Host : 192.168.100.241* LLDP Received port : port1.2 Expires : 00:00:33 Authentication Port : 1234 Secret Key : EXAMPLE Timeout : 10 sec Retransmit Count : 5 Deadtime : 0 min * - Assigned by LLDP.
本製品では、動的エントリーと静的エントリーを合わせてRADIUSサーバー情報を最大 8 件まで設定することができます。
静的エントリーは動的エントリーよりも優先的に使用されます。
そのため、RADIUSサーバー情報が最大数まで設定されている場合であっても、既存エントリーの中に動的エントリーが存在する場合は静的エントリーを新規設定できます。
このとき、最も大きいLLDP受信ポート番号の動的エントリーが自動的に削除されます。
本機能を使用する場合、以下の点に注意してください。
本製品はヤマハ無線APから死活監視開始要求を受信すると、自動的にLLDPによる死活監視を開始します。
ヤマハ無線APが死活監視の開始要求を送信する条件は以下のとおりです。
本製品のLLDP自動設定が有効な状態で死活監視開始要求を受信すると、LLDP受信ポートに対してLLDP受信間隔監視設定を登録します。
設定が登録されたポートではLLDPによる死活監視を行い、一定時間LLDPを受信しなかった場合、SNMPトラップおよびL2MSトラップで通信断を検出したことを通知します。
詳細については端末監視の技術資料を参照してください。
本機能を使用する場合、以下の点に注意してください。
関連コマンドについて、以下に示します。
詳細は、コマンドリファレンスを参照してください。
操作項目 | 操作コマンド |
---|---|
LLDP自動設定の有効化 | lldp auto-setting |
LLDP機能の有効化 | lldp run |
LLDPエージェントの作成 | lldp-agent |
LLDP送受信モードの設定 | set lldp |
LLDPフレームの送信間隔の設定 | set timer msg-tx-interval |
RADIUSサーバーホストの設定 | radius-server host |
RADIUSサーバー1台あたりの応答待ち時間の設定 | radius-server timeout |
RADIUSサーバーへの要求再送回数の設定 | radius-server retransmit |
RADIUSサーバー設定情報の表示 | show radius-server |
RADIUSサーバー全体の応答待ち時間の設定 | auth timeout server-timeout |
ヤマハスイッチとヤマハ無線APのそれぞれの設定方法については以下を参照してください。
機能ごとの注意事項を参照してください。