1998年4月 |
ヤマハ株式会社 |
本社:静岡県浜松市中沢町10−1 |
社長: 石 村 和 清 |
当社は、ルータ (LAN間接続装置) の新製品として、ヤマハリモートルータ 『RT140p』およびヤマハローカルルータ『RT140e』を、 5月21日(木)から発売致します。
リモートルータは、LAN (Local Area Network = 構内情報通信網) をISDN回 線や専用線を通してインターネットや遠隔地の他のLANに接続するために必要 な機器です。ここ数年のインターネットへの接続数の爆発的な伸びにより、 このリモートルータの市場は、急速に拡大しています。リモートルータの機能 としてWAN(Wide Area Network=広域ネットワーク)側ではマルチメディアデー タ等、大容量データ通信の増加や高速な回線の低価格化が進み、高速な回線を 利用できるリモートルータの需要が高まっています。一方、LAN側では、トラ フィック(通信回線を通るデータ量)の軽減や管理の分散、セキュリティの強化 にLANの分割を手軽に行なえるローカルルータの需要が高まっています。
当社では、自社開発のISDN通信用LSIやデータ転送装置の開発などで培った ISDN関連技術を活かした高性能、小型、低価格のリモートルータとして、 小規模オフィス用の 『RT80i』 から企業間のLAN間接続のための上位機種 『RT200i』 まで4機種を揃え、好評を得ています。今回、リモートルータ、 ローカルルータ各1機種を追加することにより、ラインアップをさらに充実 します。
今回発売する『RT140p』および『RT140e』は、昨年10月発売したリモートルー タ『RT140i』をベースに、新たな機能を加え開発したものです。当社のリモー トルータの実績ある機能を継承し、中・大規模企業の高速回線によるインター ネット接続や、多数拠点間のネットワーク構築および、企業内のLANの分割に と、幅広いユーザニーズに対応が可能です。
『RT140p』は、PRI (注1) を1ポート ( CSU - 注2 - 機能内蔵 )、 BRI (注3) を2ポート( DSU - 注4 - 内蔵 )を装備し、64kbit/sから1.5Mbit/sまでの高速回線に対応したモデルです。 これにより、NTTのDA1500や高速専用線、OCNスタンダード、高速 フレームリレー (注5)などの高速回線を利用でき ます。また、別売のソフトウェア『YMS15P』を利用することにより、専用線 の多重化、INSネット1500の利用が可能になります。
『RT140e』は、LANインタフェースを2ポート、 BRI (注3) を1ポート( DSU - 注4 - 内蔵 )を装備したローカルルータです。LAN上の接続端末数の増加による トラフィック(通信回線を通るデータ量)の軽減や管理の分散、およびインター ネット接続時に社内ネットワークを別LANにすることにより、外部からの不正 なアクセスを防ぎ、セキュリティを高めることができます。
いずれの製品も、BRI用DSUを内蔵し、設定が容 易な日本語対応のインタフェースを実現したほか、市場ニーズが高まってい るモバイル(移動体通信)環境からの通信 (PIAFS [ピア フ]- 注6 )にも対応しています。さらに、S/Tインタ フェース (注7)を装備しているため、ルータ本体を含め最大8台のデ ジタル通信機器を接続でき、高速LANインタフェースの「 100BASE-TX」 (注8) をサポートするなど、業界で高い評価を得て いる『RT140i』の数々の優れた機能を継承するとともに、他社同機能モデルに 比べ低価格を実現しています。
詳細は以下の通りです。
ISDN、専用線、フレームリレー、OCNをはじめとするキャリア系インターネッ トに対応し(『RT140p』: 64kbit/s〜1.5Mbit/s、『RT140e』: 64k/128kbit/s、DA64/DA128)、料金の低額・定額化など、ユーザに最適なサー ビスを提供できます。
IP(インターネットで使われる標準的なプロトコル)レベルでの認証や暗号化の 処理を行う「IPsec」機能と、データパケットで配送するための「トンネル機 能」などのセキュリティゲートウェイ機能を搭載しています。これにより、高 価なセキュリティ用製品を追加で用意することなく、セキュリティを強化でき ます。
重要なデータについては転送速度をあらかじめ確保しておく「帯域制御機能」 と、同じく重要なデータを他のデータに優先して通信させる「優先制御機能」 を備えています。これにより、トラフィック量が多い場合でも、ユーザにとっ て優先順位が高い重要なデータの転送をスムーズに行うことができます(ファー ムウェアの無償バージョンアップにて対応。'98年秋予定)。
PHSのPIAFS規格に対応。近年市場ニーズの高まっているモバイル環境からの通信に 対応しており、これによりオフィス外からの電子メール等のデータ通信が可能です。
現在のLANの標準的なインタフェース「10BASE-T (注 8)」はもちろん、その10倍の転送速度を持ち、今後普及すると思われ る「100BASE-TX」にも対応しています。
DSU内蔵により、別途DSUを購入する必要がなく経済的です。また、 S/Tインタフェースの入出力切り替えが可能なので回線の増設の際も容易に移設可能です。
WANインタフェースにPRI(CSU内蔵)1ポートを装備。1.5Mbit/sまでの高速回線に 対応しています。これにより、「高速専用線」「フレームリレー」「デジタル アクセス1500」「OCNスタンダード」など、高速専用線・インターネット接続を 利用できます。
別売のソフトウェア『YMS15P』を利用することにより、専用線の多重化が 最大24多重まで可能です('98年6月末予定)。これにより、本社と複数支店を 専用線多重サービスを利用して接続可能です。また、INSネット1500の 23B+D (注9)にも対応を予定しています('98年12月予定)。
フレームリレーのダウン時に、ISDNによるバックアップが可能です。 これにより、信頼度の高いネットワーク構築が可能となります(ファームウェ アの無償バージョンアップにて対応。'98年秋予定)。
PRIに加え、BRIを2ポート装備しており、ISDN、専用線を任意に組み合わせた MP(マルチリンクPPPプロトコル)で利用可能です。これにより、専用線のISDN によるバックアップや、ISDNによる小規模ネットワークの追加が可能です。
LANを分割することができるため、トラフィックの軽減や管理の分散を実現し、 快適な通信環境を提供します。また、インターネット接続時に社内のLANとイ ンターネットに公開するLANを別にすることにより、外部からの不正なアクセ スを防ぎ、セキュリティを高めることができます。
従来のWAN側NAT (ナット) 、IPマスカレード (複数のIPアドレスを1個のグローバ ルアドレスに対応させる機能)に加えて、LAN側NAT、IPマスカレードを利用すること が可能になります。これにより、ローカルルータとして利用する場合にも 別セグメントをプライベートアドレスで組むことができ、柔軟なネットワーク 構築ができます ('98年12月予定)。
ローカルルータながら、ISDNの基本インタフェースであるBRIポートを 標準装備しているため、LAN間接続、インターネット接続が可能です。
品 名 | 品 番 | 価 格 (税別) | 発売日 |
---|---|---|---|
ヤマハリモートルータ | RT140p | 640,000円 | 5月21日 |
ヤマハローカルルータ | RT140e | 320,000円 |
○『RT140p』用多重化ソフトウェア 『YMS15P』 350,000円 (税別) 6月30日発売
*'98年12月にINSネット1500の23B+D対応(無償バージョンアップ)を予定
◎初年度販売予定数 : | 『RT140p』 『RT140e』 |
5,000台 3,000台 |
www.rtpro.yamaha.co.jp流のテキスト(文字)による構成図です。
もし、テキスト(文字)が崩れて理解できないようでしたら、 今御覧頂いているWWWブラウザの設定が誤っていると思われます。 以下のFAQを参考にしながら、適正な状態に調整して頂いた上で御覧下さい。
インターネット・プロバイダなど * * * * アクセスライン(ISDN回線、64K/128K専用線、など) * * * * 東京のLAN * * ====+================= * * (東京の拠点) | * * +---------------+-----+ * * | [LAN1] | * *******+[BRI1] | * | RT140p | (オプションのYMS15Pを追加) *********+[BRI2] | | [PRI1] | +---------------+-----+ # # 専用線(1.5Mbps+多重化サービス) # 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 # # # 専用線(768kbps) # 専用線(384kbps) (大阪の拠点) # (名古屋の拠点) # +---------------+-----+ +---------------+-----+ | [PRI1] | | [PRI1] | +[BRI1] | +[BRI1] | | RT140p | | RT140p | +[BRI2] | +[BRI2] | | [LAN1] | | [LAN1] | +---------------+-----+ +---------------+-----+ | 大阪のLAN | 名古屋のLAN ====+================= ====+=================
インターネット・プロバイダ * * アクセスライン(ISDN回線、64K/128K専用線、など) * +----------+----------+ | [BRI1] | | | | RT140e | | | | [LAN1] [LAN2] | +----+-----------+----+ | | | | <社内用LAN:プライベートIPアドレス機器> | ====+======+======================+=+=========== | | | |… | | | | +---------+---------+ +---------+---------+ | | 社内LAN用サーバ | | コンピュータ/端末 | | | DNS/WWW/SMTPなど | +-------------------+ | +-------------------+ | | <インターネット公開用LAN:グローバルIPアドレス機器> ====+========+==========================+==+=============== | | |… | | +-------------+-------------+ +---------+---------+ | インターネット公開サーバ | | コンピュータ/端末 | | DNS/WWW/SMTPなど | +-------------------+ +---------------------------+
インターネット・プロバイダ # # アクセスライン(192kbit/s〜1.5Mbit/s専用線など) # +---------+---------+ | [PRI1] | | | | RT140p | | | | [LAN1] | +---------+---------+ | | <インターネット公開サーバ用LAN> ==========+=============================+======================= | | +---------+---------+ +-------------+-------------+ | [LAN1] | | インターネット公開サーバ | | | | | | RT140e | | | | | | DNS/WWW/メール/Proxy/... | | [LAN2] | +---------------------------+ +---------+---------+ | | <社内用基幹LAN> ==========+=======================+=====================+====== | | | +---------+---------+ +---------+---------+ +---------+---------+ | [LAN1] | | [LAN1] | | 社内公開サーバ | | | | | | | | RT140e | | RT140e | | | | | | | | DNS/WWW/メール/.. | | [LAN2] | | [LAN2] | +-------------------+ +---------+---------+ +---------+---------+ | | |<事業部A> |<事業部B> ==========+========== ==========+========== | | +---------+---------+ +---------+---------+ | ローカルサーバ | | ローカルサーバ | | や | | や | | 端末 | | 端末 | +-------------------+ +-------------------+
RT140p | RT140e | ||
---|---|---|---|
LANインタフェース | 10BASE-Tまたは100BASE-TX (RJ-45,NORMAL/REVERSE) |
10BASE-Tまたは100BASE-TX × 2 (RJ-45,NORMAL/REVERSE) |
|
WANインタフェース | ISDNまたは専用線 (64kまたは128kbit/s)×2ポート (192kbit/s〜1.5Mbit/s)×1ポート フレームリレー利用可 |
ISDNまたは専用線 (64kまたは128kbit/s)×1ポート フレームリレー利用可 |
|
同時接続対地数 | 5 (ソフトウェア追加で最大26または27) |
2 | |
設定用シリアルインタフェース | RS-232C (DB-9、1200〜9600 bit/s) | ||
PRI用CSU | 内蔵×1 | − | |
BRI用DSU | 内蔵×2 | 内蔵×1 | |
S/Tインタフェース | 2 (各入出力切換可) |
1 (入出力切換可) |
|
表示 | LED13個 | LED10個 | |
外形寸法(WDHmm) | 300×236×84.2 | ||
質量 | 3.4kg | 3.3kg | |
定格電源電圧 | AC100V・50/60Hz | ||
サポートプロトコル | IP,IPX(代理応答機能有)、 ブリッジ機能有 | ||
その他機能 | セキュリティ機能 | フィルタリング、発信者番号通知 PAP/CHAP、パスワード、IPsec |
|
アドレス変換機能 | NAT、IPマスカレード | ||
BOD機能 | MP、BACP | ||
設定方法 | コマンドライン | ||
PIAFS | 対応 |
ISDNでは、転送速度の異なる二つのサービスが提供されています。 PRI (Primary Rate Interface)は、転送速度の高いインタフェースの規格で す。最大1.5Mbit/sまでの高速通信が可能で、また最大64kbit/s×24までの多 重接続が可能です。
Channel Service Unitの略で、Iインタフェースをシリアルに変換する装置。
ISDNのもう一つのインタフェース規格で、基本インタフェース「BRI」 (Basic Rate Interface)と呼ばれています。データの転送を行なう64kbit/sの 情報チャネル(Bチャネル)を2つと、主に制御用信号を転送する16kbit/sの信号 チャネル(Dチャネル)を1つ持っています。Bチャネル1つが、アナログ電話回線 1本分として使用されます。
ディジタル回線終端装置で、Digital Service Unitの略。国際規格である ISDNの規格にあわせて作られたISDN装置 (TA、デジタル電話、デジタルG4 ファクシミリなど) を電話回線と接続するために必要です。
従来のパケット交換を簡略化し、高速なデータ転送を実現する技術。 距離に依存しない料金体系のため、比較的データ量の多い遠距離の通信に用い られることが多くなっています。
PIAF (PHS Internet Access Forum) で策定された、PHSで32kbpsのデータ通信を 行うための業界標準規格。PIAFSは広義にはリアルタイム通信や画像通信など の用途にも対応できるように、プロトコル自身が拡張可能に設計されているが、 現在一般に「PIAFS」と称されるものは、データ伝送プロトコルのみを指して います。
ISDNにデジタル通信機器を接続するときの、DSUとデジタル通信機器との間を規定した インタフェース仕様の名称。
LANのケーブルや接続方法に関する規格の一つです。電話線に似たツイストペ ア線を使用し、転送速度は10BASE-Tが10Mbit/sで、100BASE-TXが100Mbit/sと なっています。両者の間には互換性があり、接続機器をある程度共有すること ができます。
1.5Mbit/sを24分割し、64kbit/sの情報チャネル(Bチャネル)を23個、1個の 64kbit/s制御用チャネル(Dチャネル)として用います。INSネット1500を利用すること により、1本の回線で23ヶ所と同時接続が可能です。