http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/docs/relnote/Rev.08.03/relnote_08_03_90.html
Revision : 08.03.90
Release : Jul. 2010, ヤマハ株式会社

Rev.8.03.90 リリースノート


RTX1100 Rev.8.03.88, RTX1500/RT107e Rev.8.03.87 からの変更点


■機能追加

  1. DHCPクライアント機能で、DHCPクライアントとして動作するインタフェースがリンクダウンした時に、DHCPサーバーから得た情報を解放できる機能を実装した。

    ○リンクダウンした時に情報を解放するか否かの設定

    [書式]
    dhcp client release linkdown SW [TIME]
    no dhcp client release linkdown
    [設定値]
    SW
    • on ... インタフェースのリンクダウンがTIME秒間継続すると、取得していた情報を解放する
    • off ... インタフェースがリンクダウンしても情報は保持する(初期値)
    TIME ... 秒数(0..259200, 初期値:3)
    [説明]
    DHCPクライアントとしてDHCPサーバーからIPアドレスを得ているインタフェースがリンクダウンした時に、DHCPサーバから得ていた情報を解放するか否かを設定する。
    リンクダウンするとタイマーが働き、TIMEの秒数だけリンクダウン状態が継続すると情報を解放する。情報が解放されると、次にリンクアップした時に情報の取得を試みる。
    [ノート]
    タイマーの値を長く設定すると、不安定なリンク状態の影響を避けることができる。
    本コマンドの設定は、コマンド実行後に発生したリンクダウン以降で有効になる。
    タイマーの満了前にリンクアップした場合にはタイマーはクリアされ、情報を解放しない。
    タイマーの満了前に情報のリース期間が満了した場合には、タイマーはクリアされ、情報は解放される。
    以下のコマンド実行時には、動作中のタイマーはクリアされる。
    • ip INTERFACE address
    • ip pp remote address
    • ip pp remote address pool
    • dhcp client linkdown release

    対象機種: RTX1100, RTX1500, RT107e

■仕様変更

  1. RT107eのQoS機能をファストパスで動作させるようにした。

    対象機種: RT107e

  2. sshd host コマンドでLANインタフェースを設定した時に、IPv6アドレスでアクセスした場合に必ず拒否していたのを、設定通りに動作するように変更した。
    ただし、リンクローカルアドレスやサイトローカルアドレスでは動作しない。

    対象機種: RTX1100, RTX1500, RT107e

  3. telnetd host コマンドでLANインタフェースを設定した時に、IPv6アドレスでアクセスした場合に必ず拒否していたのを、設定通りに動作するように変更した。
    ただし、リンクローカルアドレスやサイトローカルアドレスでは動作しない。

    対象機種: RTX1100, RTX1500, RT107e

■バグ修正

  1. ip(ipv6) interface secure filterコマンドで不正な入力を行うと動作が不安定になる可能性があるバグを修正した。

    対象機種: RTX1100, RTX1500, RT107e

  2. VIDが0であるタグVLANパケットを受信した時にリブートすることがあるバグを修正した。

    対象機種: RTX1100, RT107e

  3. LAN分割機能で、IGMPが設定された分割LANインタフェースでマルチキャストパケットを配信する場合、マルチキャストグループから離脱するリスナーがあるとそれ以降マルチキャストグループにリスナーを参加させることができなくなり、そのインタフェースでマルチキャストパケットを配信できなくなるバグを修正した。

    対象機種: RTX1500

  4. RIPv2で、ポイズンリバースで送るRIPのネクストホップに、0.0.0.0ではなく、そのRIPを送って来たルーターのIPアドレスをセットしてしまうバグを修正した。

    対象機種: RTX1100, RTX1500, RT107e

  5. ルーティングプロトコルとしてOSPFを使用する場合、4096バイト以上のOSPFパケットを受信すると、リブートすることがあるバグを修正した。
    336以上のLSAを含んだLSUパケットを受信した場合がこの条件に該当する。

    対象機種: RTX1100, RTX1500, RT107e

  6. OSPFによる経路切り替えにおいて、一部の経路だけが切り替わらないことがバグを修正した。

    対象機種: RTX1100, RTX1500, RT107e

  7. ospf virtual-link コマンドのオンラインヘルプで、パラメータが複数設定できるような表記に修正した。
    また、no ospf virtual-link コマンドのオンラインヘルプで、不適切なキーワードが表示されるバグを修正した。

    対象機種: RTX1100, RTX1500, RT107e

  8. IPマスカレードを使用している環境で、FTPのPORT/EPRTコマンド、PASV/EPSVレスポンスを再送するとき異なるポート番号に変換してしまうバグを修正した。

    対象機種: RTX1100, RTX1500, RT107e

  9. PPP接続で多数の相手先に対してランダムに発着信を行うと、不特定の相手先へその後自動発信できなくなったり、メモリリークすることがあるバグを修正した。

    対象機種: RTX1100, RTX1500

  10. PPPoE接続においてAC-Nameタグが含まれないPADSパケットを受信するとリブートするバグを修正した。

    対象機種: RTX1100, RTX1500, RT107e

  11. DHCPサーバ機能で、予約設定できないアドレス(ルータ自身の持つアドレスやネットワークアドレス、ディレクティッド・ブロードキャストアドレス)の予約設定を試みるとリブートすることがあるバグを修正した。

    対象機種: RTX1100, RTX1500, RT107e

  12. DHCPサーバ機能で、予約設定とルータ自身のIPアドレスが重複した場合、特定のクライアント識別子の予約設定ができなくなるバグを修正した。

    対象機種: RTX1100, RTX1500, RT107e

  13. DHCPサーバー機能で、UDPポートの確保に失敗したときにdhcp serviceコマンドの設定がserverからrelayに変わってしまうバグを修正した。
    この状態でsaveすると再起動時にDHCPリレーエージェントとして起動していた。
    また、UDPポートの確保に失敗したときに出力されるログをDEBUGレベルからINFOレベルへ修正した。

    対象機種: RTX1100, RTX1500, RT107e

  14. ルーターをDHCPクライアントとして動作させる場合、IPアドレスの取得処理中にARPパケットを受信するとハングアップしてしまうことがあるバグを修正した。

    対象機種: RTX1100, RTX1500, RT107e

  15. IPsecのSA更新処理が行われる場合、ipsec ike keepalive useコマンドによって新しいSAの生成からそのSAが有効になるまでのupwait時間が設定されていると、新しいSAが有効になるタイミングでESPパケットのロスが発生することがあるバグを修正した。

    対象機種: RTX1100, RTX1500, RT107e

  16. IKE XAUTHを使用し、VPNクライアントに内部IPアドレスを配布する構成において、内部IPアドレスプールが不当に枯渇する場合があるバグを修正した。
    本バグは、内部IPアドレスの配布方法として ipsec ike mode-cfg address pool コマンド、もしくは user group attribute コマンドのアドレスプールを使用したときに発現する可能性がある。

    対象機種: RTX1100, RTX1500, RT107e

  17. ipsec ike local/remote address、ipsec ike local/remote nameコマンドにおいて、トンネルテンプレート経由で設定変更した場合に、設定状況に応じて適切に当該トンネルの接続状態がクリアされないバグを修正した。

    対象機種: RTX1100, RTX1500, RT107e

  18. cold start 直後に、gateway_idパラメータを指定せずにno ipsec ike send infoコマンドを実行するとエラーにならず、リブートしたり、ルーターの動作が不安定になったりするバグを修正した。
    gateway_idパラメータを指定せずに上記コマンドを実行した場合、エラーとなるようにした。

    対象機種: RTX1100, RTX1500, RT107e

  19. IKEv1のInformational交換でレスポンダとして動作したときに、payload-infoログで「info mode initiator 1」と出力されるバグを修正した。
    本来は「info mode responder 1」と出力されるのが正しい。なお、本件は表示上の問題であり、実際の動作は問題ない。

    対象機種: RTX1100, RTX1500, RT107e

  20. トンネルテンプレートで展開したトンネルを利用し、メインモードにより確立したSAについて、show ipsec saコマンドで詳細情報を表示させたとき、"相手側の識別子"の項目に不明な名前が表示される場合があるバグを修正した。

    対象機種: RTX1100, RTX1500, RT107e

  21. Syslogサーバーにログを出力している環境でARPエントリ変更のログを出力する設定を追加すると、起動時にリブートを繰り返してしまうバグを修正した。

    対象機種: RTX1100, RTX1500, RT107e

  22. TFTPで設定ファイルを書き込む際、clear configurationコマンドによって設定をクリアした場合に以下のコマンドが削除されないバグを修正した。

    対象機種: RTX1100, RTX1500, RT107e

  23. ntpdateコマンドをschedule実行しても失敗することがあったバグを修正した。
    同時刻にntpdateコマンドを含む複数のコマンドをschedule実行しようとしたときに発生していた。

    対象機種: RTX1100, RTX1500, RT107e

  24. schedule atコマンドで、設定するインタフェースを指定していないのにPP/TUNNELインタフェースに対する設定が追加されてしまうことがあるバグを修正した。

    対象機種: RTX1100, RTX1500, RT107e

  25. 以下の機能を実行するとMalloc Faultでリブートすることがあったバグを修正した。
    メモリ使用率が高いときに実行すると発生することがあった。

    対象機種: RTX1100, RTX1500, RT107e

  26. show techinfoコマンドを実行したとき、各コマンドの実行結果が途中で切れてしまうことがあるバグを修正した。

    対象機種: RTX1100, RTX1500, RT107e

  27. HTTPリビジョンアップ機能、HTTPアップロード機能で、URL中にポート番号を指定すると、HTTPリクエストヘッダのHostフィールドが不正になるバグを修正した。

    対象機種: RTX1100, RTX1500, RT107e

  28. login userコマンドのパスワード設定で、文字コードがsjisの場合とasciiの場合で異なる内容のエラーメッセージを表示していたバグを修正した。

    対象機種: RTX1100, RTX1500, RT107e

  29. ip keepaliveコマンドによってネットワーク監視機能が設定されている場合、監視端末からのping応答を受信できなくなることで行われるキープアライブによる到達性の試行期間中にping応答を受信すると、SNMPのIpKeepaliveUpトラップが送出されてしまうことがあるバグを修正した。
    到達性がないと判断するまでにキープアライブを送出する回数(count)が1になった状況で監視端末からping応答を受信すると発生する。

    対象機種: RTX1100, RTX1500, RT107e

  30. 負荷通知機能でnameオプションが一致しない場合でも通知を受け入れることがあるバグを修正した。

    対象機種: RTX1100, RTX1500

  31. 帯域検出機能、負荷通知機能のコマンドで、以下のバグを修正した。

    対象機種: RTX1100, RTX1500, RT107e

  32. 外部データベース参照型URLフィルタで認証結果や問い合わせ結果を取得した際に、リブートすることがあるバグを修正した。

    対象機種: RTX1100, RT107e

  33. かんたん設定ページの[詳細設定と情報]-[ファイアウォールの設定]から各インタフェースに対して動的フィルタを設定するとき、プロトコルに「静的なフィルタ定義の番号リストでアクセス制御ルールを登録する」を選択して、監視用アクセス制御ルール、逆方向用アクセス制御ルール、順方向用アクセス制御ルールにフィルタ番号以外の不正な文字列を入力しても、エラーにならないバグを修正した。
    複数のフィルタ番号を指定するときは、「,」で区切って入力する必要がある。

    対象機種: RT107e

  34. GUIの[インターフェース]ページからIP over IP接続の設定をするとき、エンドポイントアドレスに 0.0.0.0 を設定してもエラーにならないバグを修正した。

    対象機種: RTX1100, RTX1500

  35. GUIの[NAT]-[変換ルールの設定]ページから静的IPマスカレードの設定をするとき、プロトコルに不正な値を入力してもエラーにならないバグを修正した。

    対象機種: RTX1100, RTX1500

  36. GUIの[NAT]ページからIPマスカレードの外側アドレスを範囲指定で設定するとき、IPアドレス以外の文字列を入力して設定エラーになると、メモリの解放漏れが発生するバグを修正した。

    対象機種: RTX1100, RTX1500

  37. かんたん設定ページのコマンド実行ページで設定ファイル番号を指定してshow configコマンドを実行した場合にエラーが表示されないバグを修正した。

    対象機種: RT107e

■更新履歴

Jul. 2010, Rev.8.03.90 リリース


以上