http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/docs/relnote/Rev.08.01/relnote_08_01_24.html
Revision : 08.01.24
Release : Oct. 2007, ヤマハ株式会社

RTX1000 Rev.8.01.24 リリースノート


Rev.8.01.20からの変更点


■機能追加

  1. ルータ側には存在しないPPPoEセッションを強制的に切断するか否かを設定するコマンドを追加した。

    ○ルータ側には存在しないPPPoEセッションを強制的に切断するか否かの設定

    [書式]
    pppoe invalid-session forced close SW
    no pppoe invalid-session forced close
    [設定値]
    • SW
      • on ... ルータ側には存在しないPPPoEセッションを強制的に切断す
      • off ... ルータ側には存在しないPPPoEセッションを強制的に切断しない
    [説明]
    ルータ側には存在しないPPPoEセッションを強制的に切断するか否かを設定する。
    [初期値]
    on


  2. BGPで、状態遷移とパケットの送受信をログに記録できるようにした。

    ○BGPのログの設定

    [書式]
    bgp log LOG [ LOG ]
    no bgp log [ LOG ... ]
    [設定値]
    • LOG
      • neighbor ... 近隣ルータに対する状態遷移
      • packet ... 送受信したパケット
    [説明]
    指定した種類のログをINFOレベルで記録する。
    [初期値]
    ログを記録しない。


  3. リンクダウンしているインタフェースに付与されたIPアドレスに対するpingに返事を返すかどうかを決めるコマンドを新設した。従来は、リンクの状態に関わらず返事を返していた。

    ○ICMP Echo Replyをリンクダウン時に送信するか否かの設定

    [書式]
    ip icmp echo-reply send-only-linkup SW
    ipv6 icmp echo-reply send-only-linkup SW
    no ip icmp echo-reply send-only-linkup [SW]
    no ipv6 icmp echo-reply send-only-linkup [SW]
    [設定値]
    • SW
      • on ... リンクアップしているときだけICMP Echo Replyを返す
      • off ... リンクの状態に関わらずICMP Echo Replyを返す
    [説明]
    リンクダウンしているインタフェースに付与されたIPアドレスを終点IPアドレスとするICMP Echoを受信したときに、それに対してICMP Echo Replyを返すかどうかを設定する。onに設定したときには、リンクアップしているときだけICMP Echo Replyを返すので、リンクの状態をpingで調べることができるようになる。
    offに設定したときには、リンクの状態に関わらずICMP Echoを返す。
    [初期値]
    off


■仕様変更

  1. syslog hostコマンドでホスト名を指定しているとき、従来の動作では、初めてSYSLOGを送信しようとしたときにホスト名の名前解決を行い、その後は得られたIPアドレスを使い続ける仕様だったが、DNSのTTLが切れたら再び名前解決を試みるように変更した。2回目以降の名前解決に失敗した場合には、一番最後に得られたIPアドレスをそのまま使い続ける。

  2. 複数のDNSサーバを設定しているときに、従来は最初のDNSサーバへに対して複数回のDNS問い合わせのパケットを送信しても返事がないときに、2つ目以降のDNSサーバに問い合わせを再送していたが、返事が得られないたびに問い合わせるDNSサーバを順番に切り替えるように変更した。

  3. traceroute6コマンドで、tracerouteコマンドと同様、時間の表示をミリ秒の精度からマイクロ秒の精度に変更した。

  4. IPv6のRouter Solicitationの返答としてRouter Advertisementを送信するときに、Router Solicitationの送信元宛てではなく、全ノードマルチキャストアドレス宛に送信するようにした。

  5. OSPF、BGPでのタイマ管理は、絶対時刻を参照しながら行っていたため、date/timeコマンドやNTPで時刻が変更されると、タイマの満了が本来よりも早く発生してしまうなどの問題があった。そのため、絶対時刻の参照をやめて、時刻が変更されてもタイマ動作に影響が出ないように変更した。

  6. OSPFで、タイプ5(AS External) LSAのLink State IDの決定方法を、RFC2328  Appendix Eに記載されているアルゴリズムに変更した。

    従来はネットワークアドレスのネットワーク部の下位1ビットが1であるときはホスト部はすべて0、ネットワーク部の下位1ビットが0であるときはホスト部はすべて1としていた。また、この決め方の場合でもホスト経路とバッティングすることがあるが、そのときには後から追加しようとした経路が広告されなかった。

  7. 以下のコマンドにおいて、ネットワークアドレスの入力形式が"*.*.*.*/"のように "/"(スラッシュ)の後にマスク値の指定がない形式を受け付けないようにした。

  8. 以下のコマンドにおいて、ネットワークアドレスのホスト部が0でない設定を受け付けないようにした。

    なお、起動時においてはホスト部が0でない設定でも入力を受け付け、その際はホスト部を0に変換する。

  9. show configコマンドでconfigを表示したとき、bgp importコマンドおよびbgp exportコマンドにおいてネットワークアドレスを表示する場合、"all"ではなく"0.0.0.0/0"と表示するように変更した。なお、入力時には従来通り"all"を入力でき る。

  10. ファストパスでパケットを転送するときに、IPヘッダのチェックサムフィールドに0xFFFFをセットすることがあったが、その場合は0x0000をセットするように変更した。

    また、ファストパスでIPマスカレードの変換を行うときには、IPヘッダのチェックサムに加えて、TCPヘッダのチェックサムでも同様に0xFFFFをセットすることがあったので、TCPヘッダでも0x0000になるように変更した。

    UDPヘッダのチェックサムでも0xFFFFをセットすることがあるが、UDPヘッダでは0x0000は「チェックサムなし」を表す特別な値なので、UDPについては0xFFFFのままとする。

  11. anonymous着信でpp user nameコマンドによる双方向でのCHAP認証を行うとき、送信するCHAPチャレンジのNameフィールドが常にLAN1のIPアドレスであったのを、clidキ ーワードで発番号認証を併用することにより接続相手が特定できる場合にはpp user nameコマンドで設定されている自分側のユーザ名とするようにした。

  12. DHCPリレーエージェント機能で、リレー対象となるパケットサイズのチェックをDHCPサーバ機能と同様に緩めた。

  13. show status bootコマンドで機種名とリビジョン番号を表示するようにした。

■バグ修正

  1. MMI関連で以下のバグを修正した。

  2. ip pp addressコマンドやip pp remote addressコマンドにより設定したIPアドレスを、同じコマンドで上書きして設定したとき、不当な経路を追加したり、ルータがリブートする可能性があるのを修正した。

  3. フラグメントされたパケットの最初のパケットより先に2番目以降のいずれかのパケットを受信すると、そのフラグメントされたパケットを再構築せずに廃棄するバグを修正した。

  4. TCPのデータを受信したときに動作が不安定になったり、リブートするバグを修正した。UPnPで発生しやすい。

  5. 長さが0にセットされているTCPオプションの付いたTCPパケットを受信するとリブートすることがあるバグを修正した。

  6. ルータ自身がTCP端点となる複数の通信が同時に行われたときに、動作が不安定になり、リブートすることがあるバグを修正した。

  7. 帯域制御において使用するクラスの帯域について、queue INTERFACE class ropertyコマンドのBANDWIDTHパラメータで「%」単位を指定して設定しているとき、帯域制御が正しく動作しないバグを修正した。
    ノーマルパスにおけるQoS制御のバグであるが、QoSがファストパスで動作する機種においても、ノーマルパス経由となるパケットを送信する場合や、ip routing process normalと設定して明示的にノーマルパスを利用する場合はこの問題が発生する。

  8. 優先制御、あるいは、帯域制御を使用し、かつ、NATを適用しているインタフェースからフラグメントされたパケットを送出するとき、パケットが不当なクラスにクラス分けされて送出されたり、不当に破棄されるバグを修正した。

  9. speedコマンドで1kを設定した場合に帯域制限が働かないバグを修正した。

  10. ip routeコマンドで、hideと設定された経路について、以下の条件が重なると回線 がアップして通信できる状態になっても利用できないバグを修正した。

    このような場合に、動的経路制御プロトコルにより受け取っていた経路が消滅したときでも、静的経路はshow ip routeコマンドで「(hidden)」と表示されたままで利用できなくなっていた。

  11. フィルタ型経路制御に対応できていなかった下記のバグを修正した。

  12. OSPFで、経路のネクストホップは変わらないが、経路のコストやメトリックだけが変わった場合に、show ip routeコマンドで表示される経路のコストやメトリックが更新されずに、変更前のままになってしまうバグを修正した。
    show ip routeコマンドの表示だけの問題で、経路の選択ルールなどでの影響はない。

  13. OSPFで、仮想リンクの設定がある状態でOSPFが動作中のときに、ospf configure refreshコマンドを実行すると、リブートする可能性があるのを修正した。

  14. OSPFで、POINT-TO-POINTタイプのインタフェースの先のOSPFルータが、ルータIDおよびOSPFパケットの始点IPアドレスのいずれもが異なるOSPFルータに変更されるときに、インタフェースのダウンや、ネイバ状態のDOWNを経ないまま入れ換えられると、新しいOSPFルータと隣接関係は確立できるものの、新しいOSPFルータが広告する経路を取り込めないバグを修正した。

  15. OSPFで、LS-RequestでLSAの情報を送信するよう要求された場合、以下の2つの条件のいずれにも合致する時に間違ったLSAをLS-Updateで送信するバグを修正した。

    これらの条件が満たされると、LS-Requestを受信した側は本来であればBadLSReqイベントとして処理しなければいけないところを、自身のLSデータベースにある、異なる広告ルータを持つLSAをLS-Updateで送信してしまっていた。

    このバグが発生すると、LS-Requestを送信している側では、show status ospf neighborコマンドで表示できる隣接ルータの状態がLOADから先に進まなくなり、LS-Requestの送信を定期的に繰り返すようになる。逆に、LS-Requestを受信している側は、隣接ルータの状態はFULLになる。

  16. OSPFで、経路のdownとupが短い時間で連続したときに、経路を広告できなくなることがあるバグを修正した。

  17. OSPFが有効な設定でRTを起動(再起動)すると、1度 ospf configure refreshコマンドを実行するまでLSDBに意図しない経路が登録されてしまう可能性のあるバグを修正した。

  18. bgp aggregate filterコマンドで、本来は指定したプロトコルの経路だけが集約の対象になるところが、同じネットワークでプロトコルの異なる経路も集約の対象になるバグを修正した。

  19. pp enableコマンドでANONYMOUSインターフェースを有効にした場合、2つ目以降に使用されるANONYMOUSでRIPによる経路通知が行われないバグを修正した。

  20. ファストパスの通信負荷が高いときに、時計が遅れたり、IPsecのSAの寿命が長くなるように見えることがあるのを修正した。

  21. ファストパスで利用するフローテーブルに、フラグメントされたパケットのうち先頭ではないものを元にして誤った情報が登録されてしまうバグを修正した。

  22. ファストパスでIPsecによるVPNトンネルを処理しているときに、経路変更が起きて送信インタフェースならびに送信先ゲートウェイが変わっても変更前の送信インタフェースならびに送信先ゲートウェイへESPパケットを送信し続けてしまうバグを修正した。

  23. PPPoE上でのIPsecで、一度PPPoEを切断して再接続するとIPsecの暗号化対象のすべてのパケットがファストパスで処理されなくなるバグを修正した。

  24. IPsecトンネルへ送信するにあたってフラグメントの必要がある場合にフラグメント用のパケットエリアの確保ができないとメモリリークすることがあるバグを修正した。

  25. ipsec ike remote addressコマンドの相手側セキュリティゲートウェイにホスト名を指定していて、指定した宛先の名前解決ができない状態が続いた場合に、不正なアドレスに対して鍵交換を始動してしまう可能性を排除した。

  26. IKEキープアライブでICMPを使うときに、通信路の状態が不安定になると稀にリブートするバグを修正した。この設定では、送信したICMP Echoに対する応答がないときにSAを削除する処理に入る。この処理に要するわずかな間に新しい応答を受信すると、この問題が発生する。

  27. IKEで、ISAKMP SAが1つしか存在しない状態で、そのISAKMP SAの寿命が切れたり、そのISAKMP SAを強制的に削除するとき、本来は送信するはずのDelete Payloadを送信しないバグを修正した。

  28. IKEのリモートアドレスをホスト名で設定したとき、その名前解決の結果としてAAAAレコードが返されると、誤ったアドレスに対して鍵交換を始動してしまうバグを修正した。

  29. ipsec ike local nameコマンドの種別に認識できない文字列が指定された場合、入力に対してはエラーが表示されるにも関わらずkey-idで設定されたかのようにshow configで表示されるバグを修正した。

  30. IKEキープアライブ機能で、キープアライブの方法をicmp-echoとして設定した場合、noコマンドでこの設定を削除してもキープアライブ動作が停止しないバグを修正した。

  31. IPsecでicmpキープアライブを使用する場合、障害とみなすまでの試行回数の最終回で対向ルーターからのリプライを受信してキープアライブに成功したにもかかわらずトンネルがダウンしてしまうバグを修正した。

  32. IPsecの対向セキュリティ・ゲートウェイへの経路をフィルタ型経路で設定している場合に、設定によっては鍵交換がされずトンネルが確立できないバグを修正した。

  33. tunnel endpoint addressコマンドの相手側のアドレスとして自分自身のIPv4アドレスを間違えて設定しているときに、そのトンネルインタフェースでIPv4パケットを送信しようとするとリブートするバグを修正した。

  34. tunnel endpoint addressコマンドで、自分側の端点アドレスを指定せずに、相手側の端点アドレスにIPv6アドレスを指定したときに、そのIPv6アドレスへの経路が存在しないと、当該トンネルインタフェース宛のパケットを送出するときにリブートするバグを修正した。

  35. PPTPの通信で負荷が高いとシステムが不安定になるバグを修正した。

  36. IPv6で、トンネルインタフェースから受信したパケットを同じトンネルインタフェースに転送しないようにした。

  37. 存在しないアドレスに対してping6を実行した後など、近隣キャッシュのエントリを削除するときに、不正なメモリアクセスが発生し、動作が不安定になる可能性を排除した。

  38. CPU使用率が100%で継続するほど負荷の高い状態で、ルータ宛てのIPv6 TCPパケットを受信し続けると、使用可能なパケットバッファが減っていき、負荷が無くなった後 でも送受信性能が落ちる、または送受信不能になってしまう場合があるバグを修正した。

  39. タイプ0のルーティングヘッダが付いたIPv6パケットがDoS攻撃に悪用され得る脆弱 性を修正した。
    具体的には、自分宛でタイプ0のルーティングヘッダが付いたIPv6パケットは処理せずに破棄するようにした。さらに、このときipv6 icmp parameter-problem send onが設定されていれば、送信元へICMPv6(Parameter Problem)を返すようにした。
    なお、以下のコマンドでこれまで通りにタイプ0のルーティングヘッダが付いたIPv6パケットを処理するように設定できる。

    ○タイプ0のルーティングヘッダ付きIPv6パケットを破棄するか否かの設定

    [書式]
    ipv6 rh0 discard SWITCH
    no ipv6 rh0 discard
    [設定値]
    • SWITCH
      • on ... 破棄する
      • off ... 破棄しない
    [説明]
    タイプ0のルーティングヘッダ付きIPv6パケットを破棄するか否かを選択する。
    [初期値]
    on


  40. VRRPで、LANインタフェースの実IPアドレスを仮想IPアドレスとして利用しているときに、自分がマスター状態でない場合には、本来はそのIPアドレスに対するARP要求に応答しないが、実際には応答するバグを修正した。

  41. 時計の日時を変更すると、 VRRPの広告パケットが短時間に大量に送信されるか、あるいは、まったく送信されなくなるバグを修正した。

  42. VRRPで、マスター側のVRRPを設定してあるインタフェースがリンクダウンすると再度リンクアップしたときに優先度が0であるVRRP広告を送信するバグを修正した。

  43. VRRPで、マスターがダウンしたと判定するまでの時間を長くしているとき、または、多くのVRRPグループを使用しているときに、VRRPに関する内部のタイマが起動できなくなり、以下の状態になることがあるバグを修正した。

  44. IPマスカレードでルータの内側から外側に対してパケットを送信するときに、異なるIPアドレスで同じ内側ポート番号のエントリがあると通信できなくバグを修正した。

  45. 静的NATの外側アドレスとして、すべての外側アドレスを個数で指定しているときに、外側アドレスの範囲外のアドレスの通信が発生するとリブートする可能性があるのを修正した。

  46. Windows Messenger、MSN Messengerでの音声チャット中にNATの設定を変更した場合、MessengerソフトもしくはWindowsを再起動するまで音声チャットを行えないことがあるバグを修正した。

  47. IPマスカレードを適用したインタフェースを経由するTCPコネクションが張られているときに、コネクションの終了を示すFINまたはRSTを観測した後にファストパスでパケットが転送されると、終了したコネクションのキャッシュがNATテーブルに最大で900秒残り続けるバグを修正した。
    本バグ修正により、終了したコネクションのキャッシュは60秒以内に解消される。

  48. IPマスカレードで変換したパケットに対するICMPエラーパケットを受信したとき、その原因となったパケットのエントリのTTLを60にしてしまうバグを修正した。

    ICMPエラーパケットのデータ部にはセットされていないTCPフラグの領域を参照してRST = 1 あるいは FIN = 1 と誤判定してTTLを変更していた。

  49. SIP-NAT機能で、外側から内側へのSIPのリクエストメッセージについてRequest-Lineに外側IPアドレスが記述されていれば内側IPアドレスに書き換えるようにした。

  50. SIP-NAT機能で、書き換え対象でないIPアドレス文字列が書き換え対象のIPアドレス文字列の一部と一致すると、間違えて書き換えてしまうバグを修正した。
    例えば、機器の外側アドレスが192.168.0.1で、経由するSIPサーバのIPアドレスが192.168.0.100のとき、Record-Routeヘッダを書き換えてしまい、VoIP端末で通話できなくなる。

  51. SIP-NAT機能で、TCPを使ったSIPパケットを壊してしまうバグを修正した。

  52. UPnPのポートマッピングで割り当てられたポートを通過するパケットについて、パケットの中のIPアドレスなどを書き換えないようにした。

  53. WindowsXPのネットワーク接続に現れるインターネット接続アイコンのプロパティより手動でUPnPのポートマッピングを行う際に、チェックボックスをチェックせずに登録し、その状態でupnp use offとする、もしくはポートマッピングタイマが切れると、UPnP機能がハングアップしてしまうバグを修正した。

  54. UPnP機能を使用して、IPマスカレードの適用されているインタフェース経由で通信を行ったときに、使用可能な外側ポート番号が減っていき、IPマスカレードを経由した通信が正常にできなくなるバグを修正した。

    UPnPを使用しない数多くの通信とUPnPを使用する通信を併用して、UPnPを使用する通信を繰り返し行ったときに現象が発生することがあった。

  55. UPnP機能で、コントロールポイントからのコントロール要求に対するエラー応答のXMLの文字列に誤りがあるバグを修正した。

  56. ISDN通信で、ユーザ間情報通知サービスを着信許可で契約しており、かつ発信側の電話またはデータ通信端末がユーザ間情報を含んだ発信をした場合、この着信を拒否するバグを修正した。

  57. ISDN回線で相手側からの着信処理中に自側からパケットを送信した場合、そのパケットが不当に破棄されるバグを修正した。
    自側からのパケット送信を契機として発信したときは接続完了後にパケットが正しく送信されていたが、相手側からの着信処理中に自側から送信したパケットは接続完了後に送信されずに破棄されていた。

  58. ISDNリモートセットアップによる着信を受けている状態でremote setupコマンドを実行すると、コマンドは実行されずに「他のユーザが使用中です」あるいは「Remote already used」というエラーメッセージが表示されるが、このエラーメッセージの言語がconsole characterコマンドの設定に従わず、常に日本語か英語のいずれかの表示になるバグを修正した。

  59. 他のヤマハルータからISDNリモートセットアップでログインして、telnetで他の機器にログインしようとすると、メモリリークするバグを修正した。

  60. ISDNのレイヤ3がU0状態で送信するSTATUSメッセージに呼状態情報要素がつかないバグを修正した。

  61. 複数のISDN回線でMP接続を行なっているときに、MPのプライマリリンクに対応するケーブルを抜き差しすると、通信出来なくなるバグを修正した。

  62. PIAFSの起動側として接続したときに、通信中に接続速度が変更されると、相手機器との間で同期を確立できなくなり、通信を継続できなくなることがあるバグを修正した。
    主にPIAFS端末からコールバック接続されたときに現象が発生していた。

  63. 複数の専用線でMP接続を行なっているときに専用線のケーブルを抜き差しすると、


    という現象が発生するバグを修正した。

  64. 専用線に接続して使用したときに、何らかの理由により相手機器がパケットを受信できない状態になりPPP/LCPネゴシエーションが失敗すると、その異常な状態が解消しても専用線経由でパケットを送受信できなくなり、その後ハングアップするバグを修正した。

  65. 専用線に接続しているときに、短時間にケーブルの抜き挿しを繰り返すと、ケーブルが抜けている状態でもPPP/LCPのネゴシエーションを起動してしまい、ケーブルを挿し直しただけでは接続が復旧しないことがあるバグを修正した。

    専用線接続時に相手から何も受信できずにPPP/LCPのネゴシエーションが失敗した場合には、自動的にPPP/LCPのネゴシエーションを再起動するようにした。

  66. フレームリレーでOSPFを使用する設定でリブートするバグを修正した。

  67. フレームリレーで圧縮を使用し、非常に負荷が高いときに、ルータから送信したPVC状態確認要求に対して受信したPVC状態確認を認識できなくなり、DLCIがダウンしたと誤認してしまうことがあるバグを修正した。

  68. フレームリレーでSTAC圧縮を使用した場合に、一時的にリンクダウンが発生するバグを修正した。

  69. フレームリレーの設定を行った後、回線未接続の状態でpp bindコマンドを削除すると、メモリの不正アクセスをして、機種によってはハングアップすることがあるバグを修正した。

  70. フレームリレーで接続している状態で、restartコマンドやリビジョンアップをして再起動をすると、機種によってはリブートやハングアップしてしまう可能性があったバグを修正した。

  71. 他のPP経由のホスト経路が既に存在しているIPアドレスをPP接続時に相手側IPアドレスとして通知されたときに、そのIPアドレスを受け入れることができるようにした。
    これまでは、そのようなIPアドレスを通知された場合には、PPP/IPCPネゴシエーションで拒否していた。

    ○ホスト経路が存在する相手側IPアドレスを受け入れるか否かの設定

    [書式]
    ppp ipcp remote address check SW
    no ppp ipcp remote address check [SW]
    [設定値]
    • SW
      • on ... 通知された相手のPP側IPアドレスを拒否する
      • off ... 通知された相手のPP側IPアドレスを受け入れる
    [説明]
    他のPP経由のホスト経路が既に存在しているIPアドレスをPP接続時に相手側IPアドレスとして通知されたときに、そのIPアドレスを受け入れるか否かを設定する。
    [初期値]
    on


  72. PPPのMPで通信中に、MPリンクを減らす場合には通常は最後に接続したMPリンクを切断するが、何らかの原因でそれ以外のMPリンクが切断されると、その後、MPリンクの増減が正常にできなくなるバグを修正した。
    具体的には、以下のような問題が起きていた。

    この問題が発生している間でも、MPによる通信自体はできる場合が多い。また、一度すべてのMPリンクが切断されると、それ以降の通信は正常な動作に戻る。

  73. PPP接続状態から切断状態になった直後に、PPP経由でデータを送信しようとするとリブートすることがあるバグを修正した。
    また、MPのリンクを追加または削除するときにリブートする可能性も排除した。

  74. PPPoEを経由してIPsecを使用している場合に、PPPoEサーバからのPADTを受信してPPPoEの切断処理を行ったとき、再接続後にPPPoEのセッションIDが不正であるためにIPsecトンネル経由の通信ができないことがあるのを修正した。

  75. PPPoE上でIPsecを使用している場合に、PPPoEサーバからのGeneric-Error TAG付きのPADTを受信してPPPoEの切断処理を行ったとき、再接続後にPPPoEのセッションIDが不正であるためにIPsecトンネル経由の通信ができないことがあるバグを修正した。

  76. dhcp scope optionが設定されている場合に、dhcp scopeコマンドの削除や再設定などの後、動作が不安定になることがあるバグを修正した。

  77. DHCPサーバからDHCPクライアントにセカンダリネットワークのアドレスを付与するパケットをブロードキャストで送出する場合に、送信元IPアドレスとしてセカンダリアドレスではなくプライマリアドレスを使用するバグを修正した。

  78. LANインタフェースにバックアップゲートウェイを設定しており、かつ、そのゲートウェイのMACアドレスが不明である場合に、そのLAN上のDHCPクライアントからの要求に答えられないバグを修正した。

  79. DHCPサーバ機能で、show status dhcpコマンドで"つづく"表示のまま放置した場合、DHCPサーバ機能が正しく動作しないバグを修正した。

  80. DNSサーバに自分自身のインタフェースのIPアドレスを指定すると、CPU負荷が100%になり、やがてリブートするバグを修正した。

  81. ルータ自身が発したDNSの問い合わせに対して、DNSサーバからの返事が返ってくるタイミングによっては、ルータの動作が不安定になるバグを修正した。

  82. ip hostコマンド、dns staticコマンドで、ホスト名やFQDNにDNSルートを表すドット(.)を設定しても、DNSルートに関する問い合わせに対して返事を返せないバグを修正した。

    この修正にともない、ip hostコマンド、dns staticコマンドではホスト名やFQDNの末尾にドットがあってもなくても同じ名前として扱うようにした。つまり、以下の2つのコマンドは同じ意味になる。

    show configなどの表示では、ドットが1文字だけであるルートの場合を除き、末尾のドットは表示しない。

  83. DNSリカーシブサーバ機能で、EDNS0に対応したクライアントからの問い合わせに正しく応答しないバグを修正した。

    OPT RRを含むDNS問い合わせに対して、DNS responseではなくDNS requestを返すようになっていた。

  84. 相手の機器によってはルータが送出するWOL magic packetが機能しないことがあるバグを修正した。

  85. tcp log コマンドを設定することでsyslogに記録されるTCPのコネクションログのうち、受信方向のログにおいて、送信元IPアドレスと宛先IPアドレスが逆になって記録されるバグを修正した。

  86. プライベートMIBで、yrIfPortTypeなどが本来のポート数よりも多くなるバグを修正した。

  87. プライベートMIBで、yrIfPpSpeedの型がGaugeでなければいけないところがINTEGERになっているバグを修正した。

  88. プライベートMIBで、yrIpKeepaliveStatus変数の値として実際の状態とは異なる値を返すバグを修正した。

  89. FR MIBで、frErrIfIndexを取得すると、その後の動作が不安定になる可能性があったバグを修正した。

  90. YAMAHA private MIBのyrIfPpAccumulatedConnTimeで表示されるPPの累積接続時間が正しく表示されない可能性があったため、この可能性を排除した。

  91. MIBファイルではGAUGE型として定義されているデータをINTEGER型で設定してSNMPトラップyrhCpuUtilTrap、yrhMemoryUtilTrap、yrhSystemAlarmTrapを送信するバグを修正した

  92. 状態メール通知機能で、メール本文にログを載せて送信したときに、動作が不安定になることがあるのを修正した。

    具体的には、show status ip keepaliveコマンドの表示で'up'または'down?'と表示されているときに2(down)を、'down'または'up?'と表示されているときに3(up-wait)を返していた。本来は、以下のようになるべきである。

               show status ip keepalive     yrIpKeepaliveStatus
            -----------------------------------------------------
               up                           1(up)
               down                         2(down)
               up?                          3(up-wait)
               down?                        4(down-wait)
            -----------------------------------------------------
          
  93. POPやSMTPで、改行コードの存在しないメッセージを受信したときに、動作が不安定になることがあるのを修正した。

  94. ネットボランチDNSのホスト名が設定されていない状態で netvolante-dns delete goコマンドを実行すると、削除するホスト名が設定されていないのでエラーになるはずが、syslogに「Delete Succeeded」という間違ったログを表示するバグを修正した。

  95. DDNSホスト名を自動取得した後で解放し、再び自動取得したときに、取得したDDNSホスト名が変更になると、後から取得したホスト名が正しく保存されないことがあるのを修正した。

  96. ネットボランチDNSの登録に成功したときに、コンソールの表示が文字化けすることがあるのを修正した。

  97. ネットボランチDNSの新規登録の際、サーバから通知されたドメイン名が128文字を超えていたときに、動作が不安定になるバグを修正した。

  98. 非常に大きな設定ファイルをTFTPで送り込むと、一部が設定に反映されない可能性があるのを修正した。

  99. telnet経由で長いconfigをペーストすると表示が途中で止まってしまい、任意のキーを入力しないと、続きの処理が実行されないバグを修正した。

  100. TELNETやリモートセットアップで接続したときに、セッションが終了する直前にデータを入力すると、そのデータがセッション終了時に廃棄されずに、次のセッションを開始したときに誤って処理するバグを修正した。

  101. シリアルまたはリモートセットアップでの接続で、自分自身がlogin timer clearマンドを入力しない限り、以前に設定されていたタイマが停止しないバグを修正した。

  102. ルータにログインする際、パスワードを入力後、Enterキーを押すと、入力した文字数分だけ、カーソルが一瞬右に移動するバグを修正した。

  103. 長いログを保持した状態で、コンソールとtelnetなど複数の方法で同時にSYSLOGを表示させようとすると、以下のようにSYSLOGが正しく表示されないことがあるバグを修正した。

  104. コンソールで、設定・状態表示で「つづく」が表示された状態でタイムアウトするとメモリリークするバグを修正した。

  105. WWWブラウザ設定支援機能(Web Assistance)で、下記のバグを修正した。