QoS キュー長自動設定機能

$Date: 2023/08/21 07:55:20 $

  1. 1. 概要
  2. 2. 対応機種とファームウェアリビジョン
  3. 3. 注意事項
  4. 4. 詳細
  5. 5. コマンド
  6. 6. SYSLOG メッセージ一覧
  7. 7. 関連情報

1. 概要

多数のクラスを使用して QoS を行う場合には、受信用パケットバッファーの枯渇に注意する必要があります。

QoS 制御によりルーターの内部に大量にパケットが溜められる状況になると、受信用のパケットバッファーが枯渇し、優先度の高いパケットでも QoS 処理に回される前の受信時に破棄されてしまうため、QoS の性能を充分に発揮させることができません。

受信用パケットバッファーの枯渇を防ぐためには、使用するクラス数に応じて各クラスのキュー長と受信用パケットバッファーの数を適切に調整する必要があります。詳細は 多対地 QoS の注意事項 を参照してください。

本機能を使用すれば、各クラスのキュー長と受信用パケットバッファーの設定を自動で行うことができます。50 以上のクラスを使用して QoS を行う場合には、本機能を使用することを推奨します。


2. 対応機種とファームウェアリビジョン

ヤマハルーターでは以下の機種およびファームウェアで、キュー長自動設定機能をサポートしています。

機種ファームウェア
RTX3510すべてのリビジョン

3. 注意事項


4. 詳細

キュー長、および受信用パケットバッファーは queue length auto-config go コマンドを実行することで自動設定されます。

queue length auto-config go コマンドを実行すると、設定されているクラス数に応じたキュー長が算出され、queue interface length コマンドにキュー長が自動で設定されます。階層型 QoS を使用している場合には、queue interface length secondary コマンドにも自動で設定されます。受信用パケットバッファーが不足する場合には、system packet-buffer コマンドも自動で設定され、受信用パケットバッファーが増やされます。

本機能は、設定されているクラスの数が 1,000 を超える場合には使用できません。

キュー長の算出

キュー長は、使用可能な受信用パケットバッファーの数を LAN インターフェース、または WAN インターフェースに設定されている優先制御、または帯域制御のクラス数で等分することにより算出されます。そのため、設定されているクラス数が多くなるほどクラス毎のキュー長は短くなります。また、階層型 QoS を使用している場合、第 2 階層クラスの数も算出されるキュー長に影響します。第 2 階層クラスを配下に持つ第 1 階層のクラスが多いほど、クラス毎のキュー長は短くなります。設定されているクラス数が 50 以下の場合には、クラス毎のキュー長は初期値と同じ値となります。算出されるキュー長は、クラス数のみの影響を受けるため、各クラスに設定されている優先度や帯域に相違があっても、すべてのクラスで同一となります。

受信用パケットバッファー数の決定

キュー長の算出は、受信用パケットバッファーの数を基準にして行われます。設定されているクラス数に対して受信用パケットバッファーが不足すると、クラス毎のキュー長を十分確保することができなくなるため、受信用パケットバッファー数を増やします。

RTX3510では、受信用に large サイズのパケットバッファーが初期設定で 40,000 個用意されています。設定されているクラス数が多い場合には、65,000 個を使用できるよう、受信用パケットバッファーを増やします。

自動設定の実行

queue length auto-config go コマンドによるキュー長、および受信用パケットバッファーの自動設定は、以下のコマンドを除いた QoS の設定が完了してから行ってください。

上記のコマンドは queue length auto-config go コマンドを実行すると自動で上書きされるため、すでに設定されている場合でも削除する必要はありません。

下記のコマンドの設定を変更した場合には、queue length auto-config go コマンドを再度実行してください。

以下は queue length auto-config go コマンドの実行例です。 コマンド実行後に表示されるメッセージに従って、設定の保存や再起動を行ってください。


5. コマンド


6. SYSLOG メッセージ一覧

本機能において出力される SYSLOG メッセージの一覧を以下に示します。

レベル 出力メッセージ 意味
DEBUG [MMI] Queue length auto-config succeeded (Total class: NUM, Queue length: LEN[, max-buffer: BUF_NUM]). キュー長の自動設定に成功した(総クラス数:NUM, キュー長:LEN[, max-buffer: BUF_NUM])。
[MMI] Queue length auto-config failed (REASON). キュー長の自動設定に失敗した(理由)。

7. 関連情報