$Date: 2023/03/28 20:36:19 $
フレキシブルLAN/WANポートとは、従来固定されていたLANインターフェースの物理ポート構成をユーザーがフレキシブルに変更することができる機能です。例えば図1のようにLAN1=ポート1〜8、LAN2=ポート9、LAN3=ポート10という構成から、LAN1=ポート1〜4、LAN2=ポート5〜8、LAN3=ポート9、LAN4=ポート10という構成に変更することができます。この例のようにポート構成だけでなくLANインターフェースの数も変更することができます。
図1 LANインターフェースの物理ポート構成を変更する例
本機能により、回線速度やネットワーク構成など、利用環境に応じた構成を取ることで、ルーターのリソースを効率よく利用することができます。
フレキシブルLAN/WANポートには以下のような利点があります。
回線のリンク速度に合ったポートをWANポートとすることで、ポートを有効に活用できます。
最大10Gbit/sのメイン回線をLAN2、最大1Gbit/sのバックアップ回線をLAN3に収容、LAN1に10GBASE-T対応のNASを接続
図2 回線速度に合わせたWANポートの選択 (1)
最大10Gbit/sのメイン回線、バックアップ回線をLAN3、LAN4に収容、LAN2にゲストWi-Fiを構成
図3 回線速度に合わせたWANポートの選択 (2)
回線や接続機器の変更にも、LANインターフェースの構成を変更することで柔軟に対応できます。
機種毎に使用できる最大LANインターフェース数を以下に示します。
機種 | 最大LANインターフェース数 |
---|---|
RTX1300 | 8 |
ヤマハルーターでは以下の機種およびファームウェアで、フレキシブルLAN/WANポートをサポートしています。
機種 | ファームウェア |
---|---|
RTX1300 | すべてのリビジョン |
本機能は、設定を反映させるために再起動が必要です。lan flexible-portコマンドの設定、またはWeb GUIの[詳細設定]-[フレキシブルLAN/WANポート]の設定を変更した後は必ず再起動をしてください。
lan flexible-portコマンドでは、以下の条件をすべて満たす必要があります。
RTX1300では、LANに関する一部のコマンドの書式が変更されています。RTX1200/RTX1210/RTX1220のCONFIGを使用した場合、一部の設定で変換できない場合があります。詳しくはRTX1200/RTX1210/RTX1220からの置き換えを参照してください。
RTX1300では、以下の機能を使用することができませんが、LAN分割機能は本機能で代用することができます。
RTX1300の工場出荷状態では、各ポートは以下のようにLANインターフェースにマッピングされています。
LANインターフェース | ポート番号 |
---|---|
lan1 | 1 .. 8 |
lan2 | 9 |
lan3 | 10 |
このときLAN1インターフェースにマッピングされたポート 1~8 は、図4のようにグルーピングされ、同一のインターフェースとして動作します。また、ポート9、およびポート10はそれぞれ独立したLAN2、LAN3として動作します。ポートがマッピングされていないLAN4からLAN8までの各LANインターフェースは無効になります。
図4 工場出荷状態におけるポートマッピング
このポート構成は、RTX1200/RTX1210/RTX1220の物理ポート構成と同等のポート構成となります。
ポートマッピングを変更するには、lan flexible-portコマンドを使用します。このコマンドで、LANインターフェースごとにマッピングするポートを設定します。Web GUIの[詳細設定]-[フレキシブルLAN/WANポート]からも設定することができます。
なお、同じLANインターフェースに複数のポートをマッピングした場合、それらのポートはスイッチとして動作します。
図5はLAN1からLAN4の4つのLANインターフェースを使用するポート構成の例です。
図5 4つのLANインターフェースを使用する例
図5のポート構成を実現する場合、以下のようにマッピングの設定をします。
LANインターフェース | ポート番号 |
---|---|
lan1 | 3 .. 8 |
lan2 | 1, 2 |
lan3 | 9 |
lan4 | 10 |
lan flexible-port lan1=3-8 lan2=1-2 lan3=9 lan4=10 - - - - - - a save - - - - - - b restart - - - - - - c
LAN1インターフェースのポート3からポート8、およびLAN2インターフェースのポート1とポート2はスイッチとして動作します。また、ポートがマッピングされていないLAN5からLAN8までの各LANインターフェースは無効になります。
図6 変更後のポートマッピング
ポートマッピングの設定を反映させるには、ルーターの再起動が必要です。設定を変更したうえで、ルーターを再起動してください。
ポートマッピングの設定を変更したにもかからわず、ルーターを再起動していない場合、 show config コマンド、 show environment コマンドの実行結果、およびWeb GUIのメッセージボードに再起動を促すメッセージが表示されます。
# show config LANポートのマッピングの設定が変更されました 設定を有効にするには、新しい設定を保存後、再起動してください # # (以下にshow configの実行結果を出力)
図7 再起動を促すメッセージ
ポートマッピングを確認するには、show lan flexible-portコマンドを使用します。このコマンドで、LANインターフェースにマッピングされているポートを確認することができます。Web GUIの[詳細設定]-[フレキシブルLAN/WANポート]からも確認することができます。
[コマンド実行例]# show lan flexible-port LAN1: 3 4 5 6 7 8 LAN2: 1 2 LAN3: 9 LAN4: 10 #
show lan flexible-portコマンドは現在のポートマッピングを表示します。lan flexible-portコマンドの設定を変更しても、再起動するまではshow lan flexible-portコマンドの表示に反映されません。
LANインターフェース名を指定するコマンドに対して、ポートが1つもマッピングされていないLANインターフェースを指定した場合、エラーにはなりませんが当該コマンドは機能しません。
[コマンド実行例]# lan flexible-port lan1=1-4 lan2=5-8 lan3=9 lan4=10 # # ip lan8 address 192.168.100.1/24 # ip lan8 secure filter in 1040 3000 # ip lan8 secure filter out 1020 3000 # # 設定は出来るが機能しない
また、show statusコマンドでは以下のように表示されます。
[コマンド実行例]# show status lan8 LAN8インターフェースは現在使用できません。 #
LANインターフェースとポート番号を指定するコマンドに対して、実際にマッピングされていないポート番号を指定した場合、エラーにはなりませんが当該コマンドは機能しません。
ただし、lan link-aggregation staticコマンドは、正しいポート指定と無効なポート指定が混在する場合があります。正しいポート指定に関しては正常に動作しますが、無効なポート指定に関しては機能しませんのでご注意ください。
[コマンド実行例]# lan flexible-port lan1=1-4 lan2=5-8 lan3=9 lan4=10 # # lan link-aggregation static 1 lan1:1 lan1:2 lan1:9 lan1:10 # # エラーにならず設定可能。リンクアグリゲーション機能はport1、port2では動作するが、port9、port10では動作しない # # lan link-aggregation static 2 lan2:1 lan2:2 # # 設定は出来るがリンクアグリゲーション機能は動作しない
MACアドレスは、従来のヤマハルーターと同様に各LANインターフェースに1つずつ連番で割り当てられます。例えば、RTX1300は最大8個のLANインターフェースが使用できるため、8個のMACアドレスを持ちます。
例えばac:44:f2:00:00:01からac:44:f2:00:00:08の8個のMACアドレスを持つ場合、各LANインターフェースとMACアドレスは次のようになります。
LANインターフェース | MACアドレス |
---|---|
LAN1 | ac:44:f2:00:00:01 |
LAN2 | ac:44:f2:00:00:02 |
LAN3 | ac:44:f2:00:00:03 |
LAN4 | ac:44:f2:00:00:04 |
LAN5 | ac:44:f2:00:00:05 |
LAN6 | ac:44:f2:00:00:06 |
LAN7 | ac:44:f2:00:00:07 |
LAN8 | ac:44:f2:00:00:08 |
LANインターフェースに対してMACアドレスは固定であり、ポートのマッピングが変わってもLANインターフェースとMACアドレスの組は変わりません。
LANインターフェース | ポート | MACアドレス |
---|---|---|
LAN1 | 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8 | ac:44:f2:00:00:01 |
LAN2 | 9 | ac:44:f2:00:00:02 |
LAN3 | 10 | ac:44:f2:00:00:03 |
LANインターフェース | ポート | MACアドレス |
---|---|---|
LAN1 | 1, 2, 3, 4 | ac:44:f2:00:00:01 |
LAN2 | 5,6,7,8 | ac:44:f2:00:00:02 |
LAN3 | 9 | ac:44:f2:00:00:03 |
LAN4 | 10 | ac:44:f2:00:00:04 |
設定例1と設定例2でLAN1 ~ LAN3のポートマッピングが異なりますが、MACアドレスは変わりません。しかし、ポートを主体に見るとポート1 ~ ポート4以外はMACアドレスが変わっていることに注意してください。
RTX1300では、次のコマンドの書式が変更されています。RTX1200/RTX1210/RTX1220のCONFIGを使用する場合は、コマンド設定時または読み込み時に自動で変換されます。
ただし、LAN分割機能を使用している場合は一部のケースで変換できないことがあるため、注意が必要です。変換できなかった場合はALARM LEDとブザー音による通知が行われる場合があります。その場合、意図した通りに設定されていない可能性があるため、CONFIGを確認してください。
パラメータ毎に変換ルールが異なります。
パラメータ | 変換ルール |
---|---|
LAN速度および動作モード | lan port typeコマンドに変換されます。
|
mtu | lan typeコマンドに引き継がれます。 |
macaddress-aging | switching-hub macaddress-agingコマンドに変換されます。 |
auto-crossover | lan port typeコマンドに変換されます。
|
speed-downshift | |
energy-saving | |
port-based-option=divide-network | lan flexible-portコマンドに変換されます。詳しくはLAN分割機能(lan typeコマンド)の自動変換を参照してください。 |
port-based-option=divide-network以外 | 変換されず当該オプション設定は削除されます。 |
[変換前] lan type lan1 1000-fdx 1 2 100-fdx 4 5 mtu=1454 auto-crossover=on speed-downshif t=on energy-saving=on macaddress-aging=300 port-based-option=split-into-12:3:456 78 lan type lan2 1000-fdx lan type lan3 100-fdx [変換後] lan type lan1 mtu=1454 lan port type 1 1000-fdx auto-crossover=on speed-downshift=on energy-saving=on lan port type 2 1000-fdx auto-crossover=on speed-downshift=on energy-saving=on lan port type 3 auto-crossover=on speed-downshift=on energy-saving=on lan port type 4 100-fdx auto-crossover=on speed-downshift=on energy-saving=on lan port type 5 100-fdx auto-crossover=on speed-downshift=on energy-saving=on lan port type 6 auto-crossover=on speed-downshift=on energy-saving=on lan port type 7 auto-crossover=on speed-downshift=on energy-saving=on lan port type 8 auto-crossover=on speed-downshift=on energy-saving=on lan port type 9 1000-fdx lan port type 10 100-fdx switching-hub macaddress-aging 300
lan flexible-portコマンドに変換されます。詳しくはポートマッピング(vlan port mappingコマンド)の自動変換を参照してください。
lan port shutdownコマンドに変換されます。
[変換前] lan shutdown lan1 4 8 lan shutdown lan3 [変換後] lan port shutdown 4 lan port shutdown 8 lan port shutdown 10
LANインターフェース名の指定が不要になっているためキーワード「lan1」が削除されます。
[lan port-mirroringコマンドの変換例][変換前] lan port-mirroring lan1 4 in 1 2 out 7 8 [変換後] lan port-mirroring 4 in 1 2 out 7 8
LAN分割機能を使用していないCONFIGは、書式が変更されたコマンドの自動変換にある変換ルールに従って自動的に変換されるため、ユーザーがCONFIGを変更する必要はありません。
LAN分割機能の設定は、フレキシブルLAN/WANポートが代用されるように変換されるため、lan typeコマンドのport-based-option=divide-networkオプションはlan flexible-portコマンドに置き換えられます。
RTX1200/RTX1210/RTX1220はLAN分割機能が有効なとき、ポートマッピングを変更していない場合は10個のLANインターフェース(LAN分割インターフェース(vlan1 ~vlan8)、LAN2、LAN3)を使用できます。一方、RTX1300は物理LANインターフェースが最大8個であるため、各インターフェースを1対1に変換できません。そのため、各ポートは表9に従って物理LANインターフェースにマッピングされます。
ポート | LANインターフェース |
---|---|
1 | lan1 |
2 | lan4 |
3 | lan5 |
4 | lan6 |
5 | lan7 |
6 | lan8 |
7 | lan1 |
8 | lan1 |
9 | lan2 |
10 | lan3 |
LAN分割機能はポート1からポート8をそれぞれ別々のLANインターフェースとして扱う機能です。LAN分割機能に関係のないポート9、ポート10はそれぞれLAN2、LAN3としてのマッピングを維持します。ポート1からポート8をLAN1およびLAN4~LAN8に順にマッピングしていくとポート7とポート8に対する物理LANインターフェースが足りません。そのためポート7とポート8はLAN1にマッピングされます。
[lan typeコマンド(port-based-option=divide-networkオプション)の変換例][変換前] lan type lan1 port-based-option=divide-network [変換後] lan flexible-port lan1=1,7-8 lan2=9 lan3=10 lan4=2 lan5=3 lan6=4 lan7=5 lan8=6
vlan port mappingコマンドはlan flexible-portコマンドに置き換えられます。
vlan port mappingコマンドが初期値の場合のマッピングルールは表10のようになります。初期値の状態ではポート1からポート8がそれぞれvlan1からvlan8にマッピングされており、これはポートマッピングを変更せずにLAN分割機能を使っているのと同じ状態のため、LAN分割機能(lan typeコマンド)の自動変換のマッピングルール(表9)と同じになっています。
ポート | LANインターフェース |
---|---|
1 | lan1 |
2 | lan4 |
3 | lan5 |
4 | lan6 |
5 | lan7 |
6 | lan8 |
7 | lan1 |
8 | lan1 |
一方、vlan port mappingコマンドでポートマッピングを変更している場合は、各ポートは表11に従って物理LANインターフェースにマッピングされます。
ポート | LANインターフェース |
---|---|
vlan1にマッピングしているポート | lan1 |
vlan2にマッピングしているポート | lan4 |
vlan3にマッピングしているポート | lan5 |
vlan4にマッピングしているポート | lan6 |
vlan5にマッピングしているポート | lan7 |
vlan6にマッピングしているポート | lan8 |
vlan7にマッピングしているポート | 表10に従う |
vlan8にマッピングしているポート | 表10に従う |
LAN分割インターフェース(vlan1 ~ vlan8)を物理LANインターフェースに置き換えますが、vlan7およびvlan8は対応する物理LANインターフェースがないため、vlan7、vlan8を指定しているvlan port mappingコマンドは初期値として扱います。これによりvlan7、vlan8にマッピングしているポートは表10に従ってマッピングされます。
[vlan port mappingコマンドでvlan7、vlan8を指定した場合の変換例][変換前] vlan port mapping lan1.1 vlan1 vlan port mapping lan1.2 vlan1 vlan port mapping lan1.3 vlan1 vlan port mapping lan1.4 vlan1 vlan port mapping lan1.5 vlan7 vlan port mapping lan1.6 vlan7 vlan port mapping lan1.7 vlan8 vlan port mapping lan1.8 vlan8 [変換後] lan flexible-port lan1=1-4,7-8 lan2=9 lan3=10 lan7=5 lan8=6 # # vlan7、vlan8にマッピングしているlan1.5~lan1.8(ポート5~8)は表10に従ってマッピングされる
また、一部のポートのみマッピングを変更している場合は、その他のポートに対するvlan port mappingコマンドは初期値の状態として扱います。この場合その他のポートは表10に従ってマッピングされます。
[vlan port mappingコマンドを一部のポートのみ設定した場合の変換例][変換前] vlan port mapping lan1.1 vlan1 vlan port mapping lan1.2 vlan1 [変換後] lan flexible-port lan1=1-2,7-8 lan2=9 lan3=10 lan5=3 lan6=4 lan7=5 lan8=6 # # lan1.3~lan1.8(ポート3~8)は初期値として表10に従ってマッピングされる
RTX1200/RTX1210/RTX1220はLAN分割インターフェース(vlan1 ~ vlan8)、LAN2、LAN3で最大インターフェース数10個であることに対し、RTX1300は最大インターフェース数8個です。ポートマッピング(vlan port mappingコマンド)の自動変換で説明した通り、vlan7およびvlan8は対応する物理LANインターフェースがありません。そのため、LANインターフェース名を指定するコマンドに対してvlan7またはvlan8を指定した設定はエラーになり、当該コマンドは削除されます。
[変換前] ip vlan1 address 192.168.100.1/24 ip vlan1 secure filter in 1040 3000 ip vlan1 secure filter out 1020 3000 ip vlan2 address 192.168.101.1/24 ip vlan2 secure filter in 1041 3000 ip vlan2 secure filter out 1021 3000 ip vlan8 address 192.168.200.1/24 ip vlan8 secure filter in 1041 3000 ip vlan8 secure filter out 1021 3000 ip lan2 address 172.16.1.1/24 [変換後] ip lan1 address 192.168.100.1/24 ip lan1 secure filter in 1040 3000 ip lan1 secure filter out 1020 3000 ip lan2 address 172.16.1.1/24 ip lan4 address 192.168.101.1/24 ip lan4 secure filter in 1041 3000 ip lan4 secure filter out 1021 3000 # # vlan8の設定はエラーとなり削除される
VLAN7、VLAN8インターフェースを指定した他のコマンドの自動変換で説明した通り、LANインターフェース名を指定するコマンドでvlan7またはvlan8を指定しているものはエラーになり当該コマンドは削除されます。
流用元のCONFIGが以下の条件のいずれかに該当するときは、LAN分割インターフェースvlan7またはvlan8を実際の通信で使用していると判断し、自動変換されないと通信に支障をきたす可能性があるため、ALARM LEDの点灯およびブザー音で通知します。
また、RTX1300はLAN1インターフェースにポートがマッピングされていない状態を許容していません。そのため、自動変換でそのような状態になるvlan port mappingコマンドはエラーになります。この場合もALARM LEDの点灯およびブザー音で通知します。
通知の際のALARM LEDの点灯およびブザー音の仕様は以下の通りです。変換の失敗が通知されたときは、設定をよく確認し必要に応じて設定を修正してください。設定変更後はsaveコマンドで設定を保存してから再起動してください。
機種 | 最大LANインターフェース数 |
---|---|
RTX1300 | 8 |
インターフェース | ポート番号 |
---|---|
lan1 | 1 .. 8 |
lan2 | 9 |
lan3 | 10 |
# show lan flexible-port LAN1: 1 2 3 4 LAN2: 5 6 LAN3: 7 8 9 10 #
# show lan flexible-port lan2 LAN2: 5 6 #
設定値 | 説明 |
---|---|
auto | 速度自動判別 |
1000-fdx | 1000BASE-T 全二重 |
100-fdx | 100BASE-TX 全二重 |
100-hdx | 100BASE-TX 半二重 |
10-fdx | 10BASE-T 全二重 |
10-hdx | 10BASE-T 半二重 |
設定値 | 説明 |
---|---|
on | オートクロスオーバー機能を有効にする |
off | オートクロスオーバー機能を無効にする |
設定値 | 説明 |
---|---|
秒数 | エージング時間 |
on | MACアドレスエージング機能を有効にする |
off | MACアドレスエージング機能を無効にする |
設定値 | 説明 |
---|---|
divide-network | LAN分割機能を有効にする |
split-into-split_pattern | ポート分離機能を有効にする(基本機能) |
X1,X2,X3,X4(X1..X4は1..4の数字を羅列し 末尾に"+"もしくは"-"をつけたもの) | ポート分離機能を有効にする(拡張機能) |
off | LAN分割機能、ポート分離機能を無効にする |
設定値 | 説明 |
---|---|
on | 速度ダウンシフト機能を有効にする |
off | 速度ダウンシフト機能を無効にする |
設定値 | 説明 |
---|---|
on | 省電力機能を有効にする |
off | 省電力機能を無効にする |
指定したLANインターフェースの速度と動作モードの種類、およびオプション機能について設定する。
スイッチングハブを持つLANインタフェースについては、ポート毎に速度と動作モードを指定できる。
"port-based-ks8995m/port-based-option"を設定する場合、コマンド文字列として、Rev.10.01系以前のファームウェアでは"port-based-ks8995m"を、Rev.10.01系以降のファームウェアでは"port-based-option"を入力する。
Rev.10.01系以降のファームウェアでも "port-based-ks8995m"を入力することはできるが、show configの出力には"port-based-option"と表示される。
インターフェースで送受信できる最大データ長を指定する。 データ長にはMACヘッダーとFCSは含まれない。 また、タグVLAN 時のタグ長(4バイト)も含まれない。
指定できるデータ長の範囲はLANインターフェースによって異なる。 ジャンボフレームをサポートしていないLANインターフェースでは、64~1500の範囲となる。 ジャンボフレームをサポートしているLANインターフェースでは、以下のようになる。
機種 | インターフェース | 設定範囲 |
---|---|---|
RTX5000、RTX3500 | LAN1、LAN2、LAN3、LAN4 | 64~9578 |
RTX3000 | LAN1、LAN2 | 64~9578 |
RTX1300★ | LAN1~LAN8 | 64~10218 |
インターフェースの mtu を設定して、かつ、ip mtu コマンドまたは ipv6 mtu コマンドの設定が初期値のままの場合、IPv4 や IPv6 での MTU にはインターフェースの mtu が利用される。一方、ip mtu コマンドまたは ipv6 mtu コマンドが設定されていて、かつ、その設定値がインターフェースの mtu より小さい場合、ip mtu コマンドまたはipv6 mtu コマンドの設定値が MTU として利用される。インターフェースの mtu も含めてすべて設定されていない時には、初期値である 1500 が利用される。
LANケーブルがストレートケーブルかクロスケーブルかを自動的に判定して接続する機能。この機能が有効になっていると、ケーブルのタイプがどのようなものであるかを気にする必要が無くなる。
このオプションはRTX1300では利用できない。lan port typeコマンドでポート毎に設定する。★
スイッチングハブを持つLANインターフェースでのみ利用できる。
このオプションはRTX1300では利用できない。swtiching-hub macaddress-agingコマンドで設定する。★
スイッチングハブが持つMACアドレステーブル内のエントリを、一定時間で消去していく機能。この機能をoffにすると、一度スイッチングハブが記憶したMACアドレスは自動的に消去されないのはもちろん、clear switching-hub macaddressコマンドを実行しても消去されない。エントリーが消去されるのは、この機能をonに設定し直した時だけになる。
以下の機種では設定値に秒数を指定することができる。ただし、コマンドの設定値と実際に消去されるまでの時間に誤差が生じる場合がある。RTX1220、RTX1210では、設定した値からその2倍の時間までの間に消去される。RTX830では、13秒未満の値を設定しても、実際に消去される時間が13秒より短くなることはない。
機種 | 設定範囲 |
---|---|
RTX5000、RTX3500、RTX830 | 1~3825 |
RTX1220、RTX1210 | 10~630 |
RTX1200 | 1~86400 |
RTX810 | 1~3551 |
秒数を指定できる機種でonを入力すると初期値である300に変換される。
MACアドレステーブルの大きさは以下の通りとなる。
機種 | 最大エントリー数 |
---|---|
RTX5000、RTX3500、RTX1220、RTX1210、RTX1200、RTX830 | 8192 |
RTX1500、RTX1100、RTX810、RT107e、SRT100 | 1024 |
スイッチングハブを持つLANインターフェースでのみ利用できる。
このオプションは RT107e およびRTX1300では利用できない。★
LAN分割機能には基本機能と拡張機能があり、拡張機能はRev.10.01系以降のファームウェアで利用できる。
基本機能では、スイッチングハブの各ポートが個別のLANインターフェースとして動作する。各インターフェースにはそれぞれ個別のIPアドレスを付与でき、その間でのルーティグも可能になる。
例えばRTX1100は通常はLANインターフェースを3つ持つルーターなのだが、LAN分割機能を使えばLANインタフェースを6個利用できることになる。
拡張機能では、スイッチングハブの各ポートを自由に組み合わせて1つのLANインターフェース(VLANインターフェース)とすることができる。
同一のVLANインターフェースに所属するポート間はスイッチとして動作する。
LAN分割で使用するインターフェース名は基本機能と拡張機能で異なる。
基本機能におけるLANインターフェースのインタフェース名は元のLANインターフェース名にピリオドとポート番号をつなげることで表される。例えば、RTX1100はlan1が4ポートのスイッチングハブを持つLANインターフェースなので、以下の LANインターフェースが使用できるようになる。
ポート番号 | インターフェース名 |
---|---|
1 | lan1.1 |
2 | lan1.2 |
3 | lan1.3 |
4 | lan1.4 |
拡張機能では、LANインターフェースのインターフェース名としてvlan1、vlan2、vlan3・・・(VLANインターフェース)を使用する。基本機能とは異なり、VLANインターフェースは特定のポートと関連付けられてはいない。
vlan port mappingコマンドを用いて、スイッチングハブの各ポートがどのVLANインターフェースに所属するかを設定することで、分割方法を自由に変更することができる。同時にいくつのVLANインターフェースを使用できるかは機種ごとに異なり、以下の通りとなる。
機種 | 最大エントリー数 |
---|---|
RTX5000、RTX3500 | vlan1-vlan4(LAN1)、vlan5-vlan8(LAN2) |
RTX1220、RTX1210、RTX1200 | vlan1-vlan8 |
RTX830、RTX810 | vlan1-vlan4 |
LAN分割機能を有効にした場合、lan1インターフェースに対する設定は、lan1.1(基本機能の場合)もしくはvlan1(拡張機能の場合)に引き継がれる。
LAN分割で使用するLANインターフェースのMACアドレスは元のLANインターフェースのMACアドレスに一致する。したがって上記の例では、lan1.1-lan1.4やvlan1-vlan4のMACアドレスはすべてlan1と同一になる。
Rev.8.03.24以降のファームウェアで、スイッチングハブを持つLANインターフェースでのみ利用できる。
このオプションはRTX1300では利用できない。★
通常は、スイッチングハブの各ポートは他のポートと制限無く通信できるが、ポート分離機能を利用すると、ポート間での通信を制限することができる。
ポート分離機能には基本機能と拡張機能があり、基本機能ではポート間での通信を制限しつつ、ルーターを経由した通信が可能であり、拡張機能では指定ポートからのルーターを経由した通信も制限することができる。
拡張機能は Rev.11.01系以降のファームウェアで利用できる。
基本機能では、ポートをグループに分離し、グループ内の通信およびルーターとの通信は可能としつつ、他のグループのポートとは通信を制限できる。
LAN分割機能とは異なり、ポート分離機能によって LANインターフェースが増減することはない。 分離されたポートはすべて同じLANインターフェースとして認識され、同一のIPアドレスを持つ。
ポートの分離パターンは、ポート番号の数字の並びで分離する部分に ":" を入れて記述する。 例を以下に示す。
スイッチングハブのポート数が 4 の場合
split_pattern | ポート | 説明 | |||
---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | ||
1:234 | ←→ | ←- -- -→ | ポート1とその他 | ||
1:2:34 | ←→ | ←→ | ←- -→ | ポート1、ポート2とその他 | |
1:2:3:4 | ←→ | ←→ | ←→ | ←→ | 全ポートを分離 |
RTX1220、RTX1210、RTX1200では、最後のグループの記述を省略することができる。 以下の表では、省略形を括弧内に示す。
split_pattern | ポート | 説明 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | ||
123:45678 (123) | ←- -- -→ | ←- -- -- -- -→ | ポート1~3とその他 | ||||||
1:234:5678 (1:234) | ←→ | ←- -- -→ | ←- -- -- -→ | ポート1とポート2~4と その他 | |||||
12:34:56:78 (12:34:56) | ←- -→ | ←- -→ | ←- -→ | ←- -→ | ポート1、2、ポート3、4、 ポート5、6とその他 | ||||
1:2:3:4:5:6:7:8 (1:2:3:4:5:6:7) | ←→ | ←→ | ←→ | ←→ | ←→ | ←→ | ←→ | ←→ | 全ポートを分離 |
省略形でコマンドを入力しても、show configの出力には省略しない形で表示される。
同一LANインターフェースにおけるプライマリアドレスのネットワークとセカンダリアドレスのネットワーク間の通信はルーターを経由するので、他のグループとの通信も可能である。
拡張機能では、ポート毎に受信したパケットを転送するポートを指定することで、ポート間やルーター自身、ルーターを経由した通信を制限することができる。 具体的には、以下のように設定する。
lan type lan1 port-based-option=X1,X2,X3,X4
Xn(n = 1..4)にはポートnで受信したパケットを転送するポート番号を羅列し、ルーター自身との通信・ルーターを経由した通信を許可する場合は"+"、禁止する場合は"-"を末尾につける。ただし"+"は省略可能である。
"-"を指定した場合、そのポートで受信したパケットはルーティングされなくなる。 またそのポートに接続された機器はルーターとの通信ができなくなる。
例えば以下の設定の場合、ポート1から3で受信したパケットはポート4とルーターに転送され、ポート4で受信したパケットはポート1から3に転送されるがルーターには転送されない。 つまり、ポート1と4、ポート2と4、ポート3と4の3つのグループに分離された状態となり、ポート1から3はお互いのポートと通信できずポート4とのみ通信可能になる。 また、ポート1から3はルーターと通信可能だが、ポート4は通信不可であり受信パケットもルーティングされない。
lan type lan1 port-based-option=4,4,4,123-
onに設定すると 1000BASE-Tで使用できないケーブルを接続された時に、速度を落としてリンクを試みる。
このオプションはRTX1300では利用できない。lan port typeコマンドでポート毎に設定する。★
RTX5000、RTX3500、RTX1220、RTX1210、RTX1200、RTX830、RTX810で利用可能。
onに設定すると通信していないLANポートで消費電力を抑えることができる。
このオプションはRTX1300では利用できない。lan port typeコマンドでポート毎に設定する。★
RTX1220、RTX1210、RTX1200、RTX830で利用可能。
RTX1220、RTX1210、RTX830はEEE(Energy Efficient Ethernet)に対応している。
この機能を有効にするには、接続する機器もEEEをサポートしている必要がある。
RTX1200 は 独自方式である。
本コマンドの実行後、LANインターフェースのリセットが自動で行われ、その後に設定が有効となる。
RTX5000、RTX3500、RTX3000、RTX1220、RTX1210、RTX1200は、このコマンドを実行すると、指定のlanインターフェースのみがリセットされる。
RTX1500、RTX1100は、lan1またはlan2に対してこのコマンドを実行すると、lan1およびlan2インターフェースが同時にリセットされる。lan3に対してこのコマンドを実行すると、lan3インターフェースのみがリセットされる。
RTX830、RTX810、RT107e、SRT100は、このコマンドを実行すると、lan1およびlan2インターフェースが同時にリセットされる。
RT250iは、lan1インタフェースがリセットされる。
RTX1300は、このコマンドを実行すると、すべてのLANインターフェースがリセットされる。★
RTX1300は、第5書式のみ使用可能である。 macaddress-agingオプションはswitching-hub macaddress-agingコマンドで設定できる。port-based-optionのうちdivide-network(LAN分割機能)はlan flexible-portコマンドで代用できる。split-into(ポート分離機能)は使用できない。その他のオプションはlan port typeコマンドで設定できる。★
設定値 | 説明 |
---|---|
auto | 速度自動判別 |
10g-fdx | 10GBASE-T 全二重 |
5g-fdx | 5GBASE-T 全二重 |
2.5g-fdx | 2.5GBASE-T 全二重 |
1000-fdx | 1000BASE-T 全二重 |
100-fdx | 100BASE-TX 全二重 |
100-hdx | 100BASE-TX 半二重 |
10-fdx | 10BASE-T 全二重 |
10-hdx | 10BASE-T 半二重 |
設定値 | 説明 |
---|---|
on | オートクロスオーバー機能を有効にする |
off | オートクロスオーバー機能を無効にする |
設定値 | 説明 |
---|---|
on | 速度ダウンシフト機能を有効にする |
off | 速度ダウンシフト機能を無効にする |
設定値 | 説明 |
---|---|
on | 省電力機能を有効にする |
off | 省電力機能を無効にする |
LANポートの速度と動作モードの種類、およびオプション機能について設定する。
SPEEDに指定可能な速度と動作モードは、ポートによって異なる。各ポートで指定可能な速度と動作モードを以下に示す。
機種 | ポート | 指定可能な速度と動作モード |
---|---|---|
RTX1300 | 1 .. 8 |
|
9, 10 |
|
本コマンドはLANポートのみに適用され、SFP+ポートの動作には影響しない。
本コマンドの実行後、全てのLANインターフェースでリセットが自動で行われ、その後に設定が有効となる。
SPEED、または OPTION=VALUE の組を少なくとも1つ指定する必要があり、1つも指定しなかった場合にはエラーになる。
OPTION=VALUEに指定可能な値は、lan typeコマンドで指定可能な値と同様である。 ただし、以下のオプションは指定することができない。
mtuオプションはlan typeコマンドで設定できる。macaddress-agingオプションはswitching-hub macaddress-agingコマンドで設定できる。port-based-optionのうちdivide-network(LAN分割機能)はlan flexible-portコマンドで代用できる。split-into(ポート分離機能)は使用できない。
MACアドレスエージング機能の設定をする。
MACアドレスエージング機能は、スイッチングハブが持つMACアドレステーブル内のエントリーを、一定時間で消去していく機能である。AGE_TIMEにoffを設定してMACアドレスエージング機能を無効にすると、一度スイッチングハブが学習したMACアドレスは自動的に消去されないのはもちろん、clear switching-hub macaddressコマンドを実行しても消去されない。エントリーが消去されるのは、AGE_TIMEに有効な値を設定して、この機能を再度有効にしたときだけになる。
以下の機種では設定値に秒数を指定することができる。ただし、コマンドの設定値と実際に消去されるまでの時間に誤差が生じる場合がある。
機種 | 設定範囲 |
---|---|
RTX1300 | 4 .. 819 |
秒数を指定できる機種でonを入力すると初期値である300に変換される。
MACアドレステーブルの大きさは以下の通りとなる。
機種 | 最大エントリー数 |
---|---|
RTX1300 | 16,378(※) |
本コマンドの実行後、スイッチングハブに接続された全てのLANポートでリセットが自動で行われ、その後に設定が有効となる。
指定したLANポートを利用できないようにする。このコマンドを設定したLANポートでは、LANケーブルを接続してもリンクアップしなくなる。
本コマンドの実行後、全てのLANインターフェースでリセットが自動で行われ、その後に設定が有効となる。
設定値 | 説明 |
---|---|
in | 入る方向 |
out | 出る方向 |
スイッチングハブインターフェースにおいて、特定ポートでの通信を他のポートで観測できる機能を設定する。
LANインターフェース名にはスイッチングハブを持つインターフェースだけが指定可能である。
LAN分割機能との併用はできない。
ミラーリングポートから送出されるパケットの送出レートが回線速度を超えないようにする必要がある。ミラーリングパケットがミラーリングポートから送出しきれない場合、他のポート間での通信に影響を与えることがある。
第2書式、および第4書式はフレキシブルLAN/WANポートに対応した機種のみで有効である。フレキシブルLAN/WANポートに対応した機種では、複数のLANインターフェースにまたがるミラーリングを行うことができる。ミラーリングパケット以外の通信パケットを除外したい場合、IPアドレスを設定していないLANインターフェースに所属するポートをスニファーポートとするとよい。★
RTX5000、RTX3500は、このコマンドを実行すると、対象のLANインターフェースのみがリセットされる。
RTX1220、RTX1210、RTX1200は、このコマンドを実行すると、lan1インターフェースのみがリセットされる。
RTX1300は、このコマンドを実行すると、全てのLANインターフェースが同時にリセットされる。 ★
スイッチングハブを持つLANインターフェース内の複数のポートの物理リンクを集約し、一つの論理リンクを形成する。 集約対象ポートに接続された複数のLANケーブルは、仮想的に1本のLANケーブルと見なされるようになる。 なお、集約されたポートの中で実際にパケットが出力されるポートは、パケットの宛先MACアドレスと送信元MACアドレスを基に決められる。
同一のLANインターフェースに属するポートを集約させることができる。 一つのポートを複数の論理リンク (複数のリンク識別子) に従属させることはできない。
集約対象の各ポートで学習したMACアドレスは同一の論理リンクに属する全ポートで共有され、常に一番大きいポート番号のMACアドレステーブルに保持される。これは、一番大きいポート番号の物理リンクがダウンしている状態においても同じである。そのため、show status switching-hub macaddressコマンドでは常に一番大きいポート番号の欄にまとめてMACアドレスが表示される。 show arpコマンドやARPログで表示されるポート番号も同様に、MACアドレスを学習したポートが集約対象になっている場合は常に一番大きいポート番号となる。
LAN分割機能、ポート分離機能、ポートミラーリング機能との併用が可能である。ただし、LAN 分割機能またはポート分離機能と併用する場合は、分割または分離したスイッチポートと同一のセグメントに属するポートのみを集約させることができる。
フレキシブルLAN/WANポートに対応した機種では、PORTに指定した集約対象のポートがINTERFACEに指定したLANインターフェースにマッピングされていない場合、入力エラーにはならないがリンクアグリゲーションが正常に機能しない。本コマンドの設定前に、集約対象のポートが同一LANインターフェースにマッピングされるようにlan flexible-portコマンドを設定しておく必要がある。 ★
RTX1300では、1つの論理リンクに最大8ポートを集約できる。また、論理リンク上でパケットの出力ポートが分散していれば、論理リンク全体として利用できる帯域が集約したポートの分だけ増加する。 ★
パケットのループを避けるため、リンク相手機器の設定も含め、先にリンクアグリゲーションの設定を済ませてからLANケーブルを結線することに注意する。
RTX5000、RTX3500は、このコマンドを実行すると、対象のLANインターフェースのみがリセットされる。
RTX1300は、このコマンドを実行すると、全てのLANインターフェースが同時にリセットされる。 ★
RTX1220、RTX1210は、このコマンドを実行すると、lan1インターフェースのみがリセットされる。
RTX1300 では、Rev.23.00.04 以降で使用可能。 ★
図8 10G回線と1G回線のバックアップ構成
ip route default gateway pp 1 hide gateway pp 2 weight 0 lan flexible-port lan1=2-8,10 lan2=9 lan3=1 ip lan1 address 192.168.100.1/24 pp select 1 pppoe use lan2 pp auth accept pap chap pp auth myname MYNAME1 PASSWORD1 ppp lcp mru on 1454 ppp ipcp ipaddress on ppp ipcp msext on ppp ccp type none ip pp mtu 1454 ip pp nat descriptor 1 pp enable 1 nat descriptor type 1 masquerade nat descriptor address outer 1 ipcp pp select 2 pppoe use lan3 pp auth accept pap chap pp auth myname MYNAME2 PASSWORD2 ppp lcp mru on 1454 ppp ipcp ipaddress on ppp ipcp msext on ppp ccp type none ip pp mtu 1454 ip pp nat descriptor 2 pp enable 2 nat descriptor type 1 masquerade nat descriptor type 2 masquerade nat descriptor address outer 1 ipcp nat descriptor address outer 2 ipcp dhcp service server dhcp server rfc2131 compliant except remain-silent dhcp scope 1 192.168.100.2-192.168.100.191/24
lan flexible-port lan1=2-8,10 lan2=9 lan3=1 ip lan1 address 192.168.100.1/24LANポートの構成を変更します。デフォルトの設定から、ポート1をLAN3に、ポート10をLAN1に変更します。
pp select 1 pppoe use lan2 : ip pp nat descriptor 1 pp enable 1 : nat descriptor type 1 masquerade nat descriptor address outer 1 ipcpPP[01]にメイン回線のPPPoEとIPマスカレードの設定をします。PPPoEにはLAN2を使用します。
pp select 2 pppoe use lan3 : ip pp nat descriptor 2 pp enable 2 : nat descriptor type 2 masquerade nat descriptor address outer 2 ipcpPP[02]にバックアップ回線のPPPoEとIPマスカレードの設定をします。PPPoEにはLAN3を使用します。
ip route default gateway pp 1 hide gateway pp 2 weight 0通常はメイン回線(PP[01])を、障害発生時はバックアップ回線(PP[02])を使用します。