L2MS
$Date: 2018/08/29 17:09:52 $
L2MS(Layer2 Management Service)とは、ヤマハネットワーク機器をレイヤー2レベルで管理する機能です。L2MSでは管理を行う機器をマスターと呼び、マスターから管理される機器をスレーブと呼びます。従来は「スイッチ制御機能」という名称でしたが、対応機種や機能を拡充していく中で、より相応しい名称に変更しました。以下にPC、マスターおよびスレーブの接続方法を示します。
PCからマスターにはシリアル接続やTELNET、SSHでログインします。マスターにはスレーブの設定や状態取得を行うためのコマンドやWeb GUIが用意されており、これらを利用してスレーブを操作します。マスターとスレーブはイーサネットケーブルで接続します。通信には独自のプロトコル(L2MS)を使用します。本機能は次のような特徴を持っています。
初期設定不要
TELNETやSSHでは最初にIPアドレスを設定する必要がありますが、本機能では独自のプロトコル(L2MS)を使用して通信を行うためスレーブへの初期設定は不要です。イーサネットケーブルを接続すると、マスターは自動的に配下のスレーブを認識します。
複数のスレーブを同時制御
マスターは、同時に複数のスレーブを認識し制御することができます。
本文書では、ヤマハルーターでのL2MSの使用方法について説明します。SWXシリーズのL2MSの使用方法については技術資料 から参照してください。
ヤマハルーターでは、スレーブの設定や状態取得を行うためのWeb GUIとして「スイッチ制御GUI」または「LANマップ」を利用することができます。「スイッチ制御GUI」の利用方法はSWX2200 GUIマニュアル を参照してください。「LANマップ 」では、「スイッチ制御GUI」のスレーブ管理機能に加えて、端末の管理も行うことができます。
用語の定義
用語
説明
マスター(コントローラー)
L2MSのスレーブとして動作しているヤマハネットワーク機器の管理を行う機器
ネットワーク内のヤマハネットワーク機器を管理する
スレーブ
L2MSのマスターによって管理されるヤマハネットワーク機器
マスターから設定の確認や変更を行うことができる
スレーブスイッチ
L2MSのスレーブとして動作しているヤマハスイッチ
スレーブAP
L2MSのスレーブとして動作しているヤマハ無線AP
スレーブルーター
L2MSのスレーブとして動作しているヤマハルーター
従来はL2MSのスレーブの管理を行う機器を「コントローラー」と呼称していましたが、機能を拡張していく中でより相応しい名称「マスター」に変更しました。
ヤマハルーターでは以下の機種およびファームウェアで、L2MSを使用することができます。ファームウェアリビジョンによって以下の通り、一部機能に差異があります。
機能
説明
最大制御台数
L2MSのマスターであるとき、1つのインターフェースにつき制御できるスレーブの台数
ポート分離機能との併用
ポート分離機能が設定されているインターフェースでL2MSを使用できるか否か
スレーブモード
ヤマハルーターをL2MSのスレーブとして使用できるか否か
スレーブモードに対応していないヤマハルーターはL2MSのマスターとしてのみ使用できる
機種
ファームウェア
最大制御台数
ポート分離機能との併用
スレーブモード
RTX830
Rev.15.02.01 以降
64
○
○
NVR510
Rev.15.01.02 以降
32
×
×
Rev.15.01.09 以降
64
×
○
NVR700W
Rev.15.00.02 以降
32
○
×
Rev.15.00.10 以降
64
○
○
RTX1210
Rev.14.01.05 以降
32
○
×
Rev.14.01.20 以降
64
○
○
FWX120
Rev.11.03.02 以降
32
○
×
RTX810
Rev.11.01.04
8
×
×
Rev.11.01.06 以降
32
○
×
NVR500
Rev.11.00.13 以降
8
×
×
Rev.11.00.20 以降
32
×
×
RTX1200
Rev.10.01.29 以降
8
×
×
Rev.10.01.42 以降
32
○
×
スレーブにはヤマハスイッチ、ヤマハ無線AP、およびヤマハルーターがあります。以下の機種およびファームウェアで、L2MSのスレーブとして動作させることができます。
機種
ファームウェア
SWX3200-52GT
Rev.4.00.02 以降
SWX3200-28GT
SWX3100-10G
Rev.4.01.02 以降
SWX2310P-28GT
Rev.2.02.02 以降
SWX2310P-18G
SWX2310P-10G
SWX2300-24G
Rev.2.00.03 以降
SWX2300-16G
SWX2300-8G
SWX2210-24G
Rev.1.02.01 以降
SWX2210-16G
SWX2210-8G
SWX2200-24G
Rev.1.00.04 以降
SWX2200-8G
SWX2200-8PoE
Rev.1.01.03 以降
SWX2100-24G
Rev.3.04.02 以降
SWX2100-16G
Rev.3.01.29 以降
SWX2100-8G
Rev.3.00.31 以降
SWX2100-10PoE
Rev.3.03.02 以降
SWX2100-5PoE
Rev.3.02.01 以降
WLX313
Rev.18.00.02 以降
WLX402
Rev.17.00.05 以降
WLX302
Rev.12.00.05 以降
WLX202
Rev.16.00.04 以降
RTX830
Rev.15.02.01 以降
NVR510
Rev.15.01.09 以降
NVR700W
Rev.15.00.10 以降
RTX1210
Rev.14.01.20 以降
マスター(ヤマハルーター)とスレーブ(ヤマハスイッチ、ヤマハ無線AP、ヤマハルーター)の対応表は以下をご覧ください。
マスター
スレーブ
機種
ファームウェア
SWX3200-52GTSWX3200-28GT
SWX3100-10G
SWX2310P-28GTSWX2310P-18GSWX2310P-10G
SWX2300-24GSWX2300-16GSWX2300-8G
SWX2210-24GSWX2210-16GSWX2210-8G
SWX2200-24GSWX2200-8G
SWX2200-8PoE
SWX2100-16GSWX2100-8G
SWX2100-10PoESWX2100-5PoESWX2100-24G
WLX313
WLX402
WLX302
WLX202
RTX830
NVR510
NVR700W
RTX1210
RTX830
Rev.15.02.01 以降
×
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Rev.15.02.03 以降
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Rev.15.02.09 以降
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NVR510
Rev.15.01.02 以降
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Rev.15.01.03 以降
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Rev.15.01.09 以降
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Rev.15.01.13 以降
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NVR700W
Rev.15.00.02 以降
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Rev.15.00.03 以降
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Rev.15.00.10 以降
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Rev.15.00.14 以降
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RTX1210
Rev.14.01.05 以降
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Rev.14.01.09 以降
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Rev.14.01.11 以降
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Rev.14.01.16 以降
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Rev.14.01.20 以降
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Rev.14.01.28 以降
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Rev.14.01.33 以降
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FWX120
Rev.11.03.02 以降
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Rev.11.03.04 以降
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Rev.11.03.13 以降
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Rev.11.03.22 以降
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◯
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◯
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RTX810
Rev.11.01.04 以降
×
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Rev.11.01.19 以降
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Rev.11.01.25 以降
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Rev.11.01.28 以降
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×
NVR500
Rev.11.00.13 以降
×
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×
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×
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×
Rev.11.00.23 以降
×
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×
Rev.11.00.28 以降
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×
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Rev.11.00.35 以降
×
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◯
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RTX1200
Rev.10.01.29 以降
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×
×
×
×
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×
×
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Rev.10.01.47 以降
×
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Rev.10.01.65 以降
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Rev.10.01.71 以降
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Rev.10.01.75 以降
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×
L2MSの動作モードの選択
ヤマハルーターには以下のL2MSの動作モードがあります。
動作モード
説明
マスターモード
L2MSのマスターとして動作する
スレーブを検出して一元管理できる
スレーブモード
L2MSのスレーブとして動作する
マスターから機器情報や端末情報などを確認したり、設定を変更することができる
同じブロードキャストドメインでは、ひとつのスレーブが同時に複数のマスターのスレーブとなることはできない
マスターが存在しない場合、L2MSは動作しない
switch control mode コマンドにmasterを設定した場合はマスターモード、slaveを設定した場合はスレーブモードとなります。
L2MSを使用しない場合は、switch control mode コマンドにoffを設定します。
注意事項
スレーブモードに対応していないファームウェア では、L2MSの動作モードはマスターモードとなります。これらのファームウェアでL2MSを使用しない場合は、switch control use コマンドのUSEにoffを設定します。
L2MSの使用
ヤマハルーターではインターフェースごとにL2MSを使用するか否かを設定します。switch control use コマンドのUSEがonに設定されたインターフェースでL2MSが動作します。L2MSの動作モードによって、ヤマハルーターの動作が異なります。
マスターモードの場合
ヤマハルーターはL2MSのマスターとして動作します。
L2MSを使用しているインターフェースと同じブロードキャストドメインのスレーブをヤマハルーターから管理することができます。
以下にLAN1とLAN2でL2MSを使用して、さらにLAN1で端末の管理を行うときのマスターの設定例を示します。
switch control mode master
switch control use lan1 on terminal=on
switch control use lan2 on
ヤマハルーターが認識しているスレーブ、および端末は以下のコマンドで確認することができます。
スレーブモードの場合
ヤマハルーターはL2MSのスレーブとして動作します。
L2MSを使用しているインターフェースと同じブロードキャストドメインのマスターからヤマハルーターを管理することができます。
以下にLAN1でL2MSを使用するときのスレーブの設定例を示します。
switch control mode slave
switch control use lan1 on
ヤマハルーターを管理しているマスターは以下のコマンドで確認することができます。
注意事項
LAN分割機能(ポートベースVLAN)が有効になっているインターフェースではswitch control use コマンドを設定することはできません。
switch control mode コマンドにoffが設定されている場合、L2MSは動作しません。
以下のように、ブリッジインターフェースとブリッジインターフェースに収容されているLANインターフェースで
switch control use コマンドのUSEにonを設定している場合は、ブリッジインターフェースの設定が優先されます。
bridge member bridge1 lan1 tunnel1
switch control use lan1 on
switch control use bridge1 on
L2MSのプロトコル
L2MSの制御には以下に示す独自プロトコルのL2フレームを使用します。
項目
値
宛先MAC
01:a0:de:00:e8:12 〜 01:a0:de:00:e8:15
Ethertype
0xe812
マスター と スレーブとの間にファイアーウォールを設置する場合は、ファイアーウォールにこのL2フレームを通過させる設定を行う必要があります。
スレーブの監視
マスターは定期的に探索パケットを送信することで配下のスレーブを監視します。また、スレーブは探索パケットに対して応答パケットを送信することでマスターに自身の存在を通知します。
探索パケットの送信時間間隔は、switch control watch interval コマンドのTIMEパラメータで設定します。設定値を大きくすると、送信頻度は減りますが、スレーブを接続してからマスターが認識するまでの時間は長くなります。設定値を小さくした場合はその逆となり、送信頻度は増えますが、スレーブを接続してからマスターが認識するまでの時間は短くなります。
マスターが探索パケットを一定回数送信してもスレーブから応答パケットを受信しない場合、当該のスレーブはダウンしたと判断します。回数はswitch control watch interval コマンドのCOUNTパラメータで設定します。また、スレーブを接続しているイーサネットケーブルを抜いた場合は当コマンドの設定よりも早いタイミングでスレーブがダウンしたと判断することがあります。
使用するネットワーク環境に合わせてswitch control watch interval コマンドの各パラメータに適切な値を設定してください。
スレーブの占有
1つのスレーブが同時に複数のマスターのスレーブとなることはできません。スレーブが探索パケットを受信すると、当該スレーブは探索パケットを送信したマスターに占有された状態となります。この状態は以下のいずれかの条件により解除されます。
スレーブの操作
スイッチの操作
マスターはスレーブスイッチに対して以下の操作を行うことができます。
スレーブスイッチの設定を変更する
スレーブスイッチの動作状態を取得する
スレーブスイッチのコンフィグを保存/復元する
スレーブスイッチの設定を変更する
以下のコマンドを使用することで、スレーブスイッチの設定を変更したりスレーブスイッチに特定動作を実行させることができます。詳細については
こちら を参照してください。
スレーブスイッチがSWX2200、SWX2100以外である場合は、HTTPプロキシー経由でスレーブスイッチのWeb設定画面を表示して、スレーブスイッチの設定を変更することができます。
遠隔拠点からスレーブスイッチのWeb設定画面を表示するために、パスワードを入力したり、フィルターやNATなどの設定を変更する必要がありません。
マスターからスレーブスイッチのWeb設定画面を開く方法については
こちら を参照してください。
スレーブスイッチの動作状態を取得する
以下のコマンドを使用することで、スレーブスイッチの動作状態を取得することができます。詳細については
こちら を参照してください。
スレーブスイッチのコンフィグを保存/復元する
スレーブスイッチのコンフィグをマスターに保存したり、マスターに保存されているコンフィグファイルの内容でスレーブスイッチを復元することができます。詳細については
こちら を参照してください。
設定については以下のコマンドを使用してください。
注意事項
無線APの操作
マスターはスレーブAPに対して以下の操作を行うことができます。
スレーブAPの設定を変更する
スレーブAPのコンフィグを保存/復元する
ゼロコンフィグ機能
スレーブAPの設定を変更する
マスター経由でスレーブAPのWeb設定画面を表示して、スレーブAPの設定を変更することができます。
遠隔拠点からスレーブAPのWeb設定画面を表示するために、パスワードを入力したり、フィルターやNATなどの設定を変更する必要がありません。
マスターからスレーブAPのWeb設定画面を開く方法はマスターの機種によって異なりますので、以下を参照してください。
機種
ファームウェア
Web GUIを開く方法
RTX830
Rev.15.02.01 以降
LANマップ
NVR510
Rev.15.01.02 以降
NVR700W
Rev.15.00.02 以降
RTX1210
Rev.14.01.05 以降
FWX120
Rev.11.03.02 以降
スイッチ制御GUI
RTX810
Rev.11.01.04 以降
NVR500
Rev.11.00.13 以降
RTX1200
Rev.10.01.29 以降
設定については以下のコマンドを使用してください。
スレーブAPのコンフィグを保存/復元する
スレーブAPのコンフィグをマスターに保存したり、マスターに保存されているコンフィグファイルの内容でスレーブAPを復元することができます。詳細については
こちら を参照してください。
設定については以下のコマンドを使用してください。
ゼロコンフィグ機能
工場出荷状態のスレーブAPのコンフィグを自動で復元することができます。詳細については
こちら を参照してください。
設定については以下のコマンドを使用してください。
ルーターの操作
マスターはスレーブルーターに対して以下の操作を行うことができます。
スレーブルーターの設定を変更する
スレーブルーターのWeb GUIを表示して、スレーブルーターの設定を変更することができます。
HTTPプロキシー経由でのスレーブルーターのWeb GUIアクセスが許可されている場合はパスワードを入力したり、マスター、およびスレーブルーターのフィルターやNATなどの設定を変更する必要がありません。HTTPプロキシー経由でのスレーブルーターのWeb GUIアクセスが許可されていない場合はパスワードの入力や、マスター、およびスレーブルーターのフィルターやNATなどの設定変更が必要になる場合があります。
スレーブルーターのHTTPプロキシー経由でのWeb GUIへのアクセス許可の設定については、以下のコマンドを使用してください。
マスターからスレーブルーターのWeb GUIを開く方法については
こちら を参照してください。
注意事項
httpd proxy-access l2ms permit コマンドはスレーブルーターに設定します。マスターに設定した場合はコマンドが反映されません。
ファームウェアの更新
コマンドを実行することで、マスターからスレーブスイッチとスレーブAPのファームウェアを更新することができます。更新処理が正常に終了すると、スレーブは自動的に再起動します。
スレーブスイッチの場合
スレーブAPの場合
注意事項
マスターからスレーブルーターのファームウェアを更新することはできません。
コマンドでスレーブを指定する場合、MACアドレスによる指定と経路による指定の2つの方法があります。
MACアドレスによる指定
MACアドレスによる指定では、対象のスレーブのMACアドレスをコロン":"区切り (例 00:a0:de:00:00:00)で記述します。
経路による指定
経路による指定では、以下の記述ルールにしたがってスレーブの経路を記述します。
以下に経路による指定の記述例を示します。
記述例1
スレーブ
経路
SWX2200-24G
lan1:1
SWX2200-8G
lan1:1-10
WLX302
lan1:1-15
記述例2
スレーブ
経路
SWX2200-8G
lan2
RTX1210_2
lan2-8
記述例3
スレーブ
経路
SWX2200-24G
lan1:1
RTX1210_2
tn1
SWX2200-8G_1
tn1-lan1:1
RTX1210_3
tn2
SWX2200-8G_2
tn2-lan1:1
WLX302_1
tn2-lan1:1-8
WLX302_2
tn2-lan1:2
注意事項
NVR510やNVR700WのWeb GUIではWANインターフェースを"lanN"とは表記していませんが、L2MSの経路による指定では"lanN"という表記で統一しています。
マスターと異なるブロードキャストドメインのスレーブを指定することはできません。
上記の構成ではRTX1210_3のLAN1とLAN2でブロードキャストドメインが異なります。RTX1210_3はRTX1210_1とRTX1210_2のスレーブとなり、SWX2200-8GはRTX1210_1のスレーブとなります。SWX2200-8GはRTX1210_2のスレーブではないので、RTX1210_2からSWX2200-8Gを指定することはできません。
スレーブの指定方法を経路指定に変更するとき、タイミングによってはスレーブの経路の反映が完了していない場合があります。show status switch control コマンドやWeb GUIで現在の経路をご確認の上、設定を変更してください。
他社スイッチが混在する構成での経路指定
マスターの配下に他社スイッチが接続されていても、マスターはそれを認識することができません。この場合、他社スイッチの配下にいるスレーブを経路で指定できる場合とできない場合があります。
指定できる場合
以下のように、他社スイッチの配下にスレーブが1つだけ接続されている場合は経路で指定することができます。ヤマハスイッチAの経路はlan1:2となります。
指定できない場合
以下のように、他社スイッチの配下にスレーブが複数接続されている場合は経路で指定することができません。ヤマハスイッチA、B両方とも経路はlan1:2になるため、コマンドを実行してもエラーになります。この場合はMACアドレスで指定してください。
マスターの制限
マスターと異なるブロードキャストドメインのスレーブを検出することはできません。
マスターとスレーブの間に他社製スイッチを挟み込むなど、L2MSの通信経路上に他社製スイッチが存在すると、スレーブを正しく制御できない場合があります。他社製スイッチを含めてローカルエリアネットワークを構成する際は、事前に動作確認を行ってください。
スレーブを直列に接続して使用する場合、接続可能なスレーブの最大台数はマスターから数えて8台までです。下図左側のようにスレーブをマスターから数えて9台以上直列に接続することはできません。また、下図右側のように、直列に接続するスレーブの台数がマスターから数えて8台までであれば、最大制御台数で定められた台数を制御できます。
スレーブをマスターから数えて9台以上直列に接続した場合、L2MSの通信が遅延してスレーブの認識や制御が正しく行えず、以下のような不具合が起こることがあります。
同期処理が正しく動作しないことがあります。
マスターのGUIからホストを検索したり、複数のスレーブの設定を一括で変更した場合に、正しく実行できないことがあります。
設定の同期やマスターのGUIからスレーブを操作する方法について、詳しくは
関連情報 を参照してください。
スレーブの制限
SWX2200、およびWLXシリーズでVLANを使用する場合は、L2MSの通信が行われるポートはアクセスポート、またはハイブリッドポートに設定してください。トランクポートではL2MSの通信を行うことができません。スレーブのVLAN機能に関する詳細は
コマンドリファレンス を参照してください。
SWXシリーズ(SWX2200以外)でVLANを使用する場合は、L2MSの通信が行われるポートはトランクポートに設定して、ネイティブVLANにデフォルトVLANを設定してください。SWXシリーズ(SWX2200以外)のVLAN機能に関する詳細は
技術資料 からを参照してください。
同じブロードキャストドメインでは、ひとつのスレーブが同時に複数のマスターのスレーブとなることはできません。
マスターとスレーブルーターで共通する制限
LAN分割機能(ポートベースVLAN)が設定されているインターフェースではL2MSを使用することはできません。
ブリッジインターフェースとブリッジインターフェースに収容されているLANインターフェースでL2MSを使用する場合は、ブリッジインターフェースの設定が優先されます。
共通のコマンド
[書式]
switch control mode MODE
no switch control mode [MODE]
[設定値]
MODE
master ... L2MSのマスターとして動作する
slave ... L2MSのスレーブとして動作する
off ... L2MSを使用しない
[説明]
L2MSの動作モードを設定する。MODEがmasterである場合はL2MSのマスターとして動作する。MODEがslaveである場合はL2MSのスレーブとして動作する。
[ノート]
本コマンドはRev.14.01.20以降、Rev.15.00.10以降、Rev.15.01.09以降、およびRev.15.02系のファームウェアで設定可能。
本コマンドが設定できないファームウェアは、L2MSのマスターとして動作する。
[初期値]
MODE ... master
[書式]
switch control use INTERFACE USE [terminal=TERMINAL]
no switch control use INTERFACE [USE [terminal=TERMINAL]]
[設定値]
INTERFACE ... LANインタフェース名、ブリッジインターフェース名
USE
on ... L2MSを使用する
off ... L2MSを使用しない
TERMINAL
on ... 端末情報の取得を行う
off ... 端末情報の取得を行わない
[説明]
L2MSを使用するか否かをインターフェースごとに設定する。USEがonであるインターフェースでL2MSを使用する。L2MSはswitch control mode の設定にしたがって動作する。
L2MSのマスターとして動作している場合はスレーブを制御するための通信を行う。また、terminalオプションがonに設定されたインターフェースでは端末情報の取得も行う。L2MSを使用しないインターフェースでは本コマンドをoffに設定することで不要なパケットの送出を抑えることができる。
L2MSのスレーブとして動作している場合はマスターからの探索パケットに対して応答パケットを返す。
[ノート]
switch control modeコマンドでMODEにoffが設定されている場合、本コマンドの設定は反映されない。
LAN分割機能が有効になっているインターフェースでは本コマンドを設定することはできない。
ポート分離機能が有効になっているインターフェースは、Rev.10.01.42以降、Rev.11.01.06以降、Rev.14.01.05以降のファームウェアで設定可能。
bridge memberコマンドでLANインターフェースが収容されていない場合、本コマンドのブリッジインターフェースへの設定は反映されない。
ブリッジインターフェースとブリッジインターフェースに収容されているLANインターフェースでUSEにonを設定している場合は、ブリッジインターフェースへの設定のみ反映される。
ブリッジインターフェースは、 Rev.14.01.20以降、Rev.15.00.10以降、およびRev.15.02系のファームウェアで設定可能。
USEがoffに設定されたインターフェースではterminalオプションがonであっても端末情報の取得は行わない。また、L2MSのスレーブとして動作している場合、terminalオプションの設定はL2MSの動作に反映されない。
terminalオプションは、Rev.14.01系以降のファームウェアで使用可能。
[初期値]
USE ... off
TERMINAL ... off
[書式]
switch control watch interval TIME [COUNT]
no switch control watch interval
[設定値]
TIME ... 秒数 (2 .. 10)
COUNT ... 回数 (2 .. 10)
[説明]
スレーブを探索するパケットの送信時間間隔、およびスレーブからの応答パケットを受信せずダウンしたと判断するまでの探索パケット送信回数を設定する。
TIMEを大きな値に設定した場合、探索パケットの送信頻度は減るが、スレーブを接続してからマスターが認識するまでの時間が長くなる。TIMEを小さな値に設定した場合はその逆となり、探索パケットの送信頻度は増えるが、スレーブを接続してからマスターが認識するまでの時間が短くなる。
探索パケットをCOUNTで設定した回数送信してもスレーブから応答パケットを受信しない場合、当該のスレーブはダウンしたと判断する。
[ノート]
switch control modeコマンドでMODEにmasterが設定されていない場合、本コマンドの設定はL2MSの動作に反映されない。
スレーブを接続しているイーサネットケーブルを抜いた場合は、当コマンドの設定よりも早いタイミングでスレーブがダウンしたと判断することがある。
[初期値]
[書式]
show status switch control [INTERFACE]
[設定値]
INTERFACE ... LANインターフェース名、ブリッジインターフェース名
[説明]
スレーブの一覧を表示する。INTERFACEを省略した場合は、すべてのインターフェースについて情報を表示する。
L2MSの動作状態に応じて、以下の情報を表示する。
L2MSのマスターとして動作している場合
管理しているスレーブの情報
MACアドレス
機種名
機器名
マスターからの経路
アップリンクポート
スレーブを操作するときに指定する経路
現在使用している設定内容
L2MSのスレーブとして動作している場合
[ノート]
ブリッジインターフェースは、 Rev.14.01.20以降、Rev.15.00.10以降、およびRev.15.02系のファームウェアで指定可能。
[表示例]
> show status switch control
LAN1
[00:a0:de:01:02:03]
機種名 : SWX2200-24G
機器名 : SWX2200-24G_0123456
経路 : lan1:1
アップリンク: 1
設定用経路 : lan1:1
設定 : switch select lan1:1
---
LAN2
スイッチ制御機能が有効になっていません
---
LAN3
スイッチ制御機能が有効になっていません
---
BRIDGE1
スイッチ制御機能が有効になっていません
> show status switch control
LAN1
[00:a0:de:01:02:03]
Model name : SWX2200-24G
System name : SWX2200-24G_0123456
Route : lan1:1
Uplink : 1
Route for Config:lan1:1
Config : switch select lan1:1
---
LAN2
Switch control function is not available.
---
LAN3
Switch control function is not available.
---
BRIDGE1
Switch control function is not available.
> show status switch control
LAN1
マスター: 00:a0:de:01:02:03
---
LAN2
スイッチ制御機能が有効になっていません
---
LAN3
スイッチ制御機能が有効になっていません
---
BRIDGE1
スイッチ制御機能が有効になっていません
> show status switch control
LAN1
Master: 00:a0:de:01:02:03
---
LAN2
Switch control function is not available.
---
LAN3
Switch control function is not available.
---
BRIDGE1
Switch control function is not available.
スレーブスイッチ用のコマンド
[書式]
switch select SWITCH
no switch select
[設定値]
[説明]
対象とするスイッチを選択する。以降プロンプトにはconsole prompt で設定した文字列と選択したスイッチが続けて表示される。
switch select noneまたはno switch select を実行すると、プロンプトにスイッチを表示しなくなる。
無線APを選択する場合は、ap select を使用する。
[書式]
switch control function set FUNCTION [INDEX...] VALUE
no switch control function set FUNCTION [INDEX...]
[設定値]
FUNCTION ... 機能の名前
INDEX ... インデックス
VALUE ... 機能に設定する値
[説明]
スイッチが持つ機能について設定を行う。設定したい機能の名前とその機能に対する設定値をパラメータとして指定する。複数の設定対象が存在する機能ではインデックスを指定する。
コマンド実行中にCtrl-C押下で中断することができる。ただし、実行後に同期処理が開始された場合は中断できない。
[ノート]
本コマンドを実行する前にswitch select でスイッチを指定しておく必要がある。
ただし、SWX2300シリーズとSWX2100シリーズはコマンド実行による設定変更ができない。
スイッチの機能についてはコマンドリファレンス を参照のこと。
[書式]
switch control function get FUNCTION [INDEX...] [SWITCH]
[設定値]
FUNCTION ... 機能の名前
INDEX ... インデックス
SWITCH ... スイッチ
[説明]
スイッチが持つ機能の設定内容や動作状態を取得する。取得したい機能の名前をパラメータとして指定する。複数の取得対象が存在する機能ではインデックスを指定する。
コマンド実行中にCtrl-C押下で中断することができる。
[ノート]
SWITCHを指定しない場合は、本コマンドを実行する前にswitch select でスイッチを指定しておく必要がある。
スイッチの機能についてはコマンドリファレンス を参照のこと。
[書式]
switch control function execute FUNCTION [INDEX...] [SWITCH]
[設定値]
FUNCTION ... 機能の名前
INDEX ... インデックス
SWITCH ... スイッチ
[説明]
スイッチに対して特定の動作を実行させる。実行したい動作に対応する機能の名前をパラメータとして指定する。複数の実行対象が存在する機能ではインデックスを指定する。
コマンド実行中にCtrl-C押下で中断することができる。
[ノート]
SWITCHを指定しない場合は、本コマンドを実行する前にswitch select でスイッチを指定しておく必要がある。
スイッチの機能についてはコマンドリファレンス を参照のこと。
[書式]
switch control function default [both] [SWITCH]
[設定値]
both ... 対象のスイッチに対して適用可能な設定をすべて削除する
SWITCH ... スイッチ
[説明]
選択したスイッチに対するマスター上の設定を削除する。同時に、マスターがスイッチを制御している場合は同期処理を行う。
bothオプションを指定しない場合、スイッチに対して適用可能な他の設定が存在すれば、その設定でスイッチを同期する。例えば、MACアドレス指定と経路指定の設定が存在する状態で、MACアドレス指定の設定を選択して本コマンドを実行した場合、MACアドレス指定の設定が削除された後、スイッチは経路指定の設定で同期される。
bothオプションを指定する場合、スイッチに対して適用可能な他の設定が存在すれば、その設定も同時に削除する。上記の例では、MACアドレス指定と経路指定の両方の設定が削除される。
すなわち、スイッチを確実に初期化したい場合はbothオプションを指定する。
[ノート]
SWITCHを指定しない場合は、本コマンドを実行する前にswitch select でスイッチを指定しておく必要がある。
[書式]
switch control firmware upload go FILE [SWITCH]
[設定値]
FILE ... ファームウェアのファイルへの相対パスまたは絶対パス
SWITCH ... スイッチ
[説明]
スイッチのファームウェアを更新する。ファームウェアのファイルはフラッシュROMや外部メモリへ事前に保存しておき、FILEにパスを指定する。ファームウェアの書き換えに成功すると、スイッチは自動的に再起動する。
コマンド実行中にCtrl-C押下で中断することができる。
FILEに相対パスを指定した場合、環境変数PWDを基点としたパスと解釈される。PWDはset コマンドで変更可能であり、初期値は "/" である。
[ノート]
SWITCHを指定しない場合は、本コマンドを実行する前にswitch select でスイッチを指定しておく必要がある。
[書式]
switch control config get [SWITCH]
switch control config get [[INTERFACE] all]
[設定値]
SWITCH ... スイッチ
INTERFACE ... LANインターフェース、ブリッジインターフェース
[説明]
スイッチの設定ファイルを取得して保存する。
SWITCHパラメータにMACアドレスもしくは経路を指定した場合は、指定したスイッチの設定ファイルを取得する。
allを指定すると、マスターが認識している全てのスイッチの設定ファイルを取得する。
INTERFACEパラメータを指定すると、指定のインターフェースにつながっているスイッチを対象とする。INTERFACEパラメータを省略した場合は、allを指定した時と同様になる。
[ノート]
本コマンドで取得したスイッチの設定ファイルの名前には、switch config filename コマンドで指定したファイル名を使用する。
スイッチの設定ファイルはswitch config directory コマンドで指定したディレクトリに保存される。
本コマンドはschedule atコマンドで指定することができる。
本コマンドはRev.14.01.28以降、Rev.15.00.14以降、Rev.15.01.13以降、およびRev.15.02.03以降のファームウェアで設定可能。
[書式]
switch control config set [SWITCH]
switch control config set [[INTERFACE] all]
[設定値]
SWITCH ... スイッチ
INTERFACE ... LANインターフェース、ブリッジインターフェース
[説明]
マスターに保存されているスイッチの設定ファイルを使用して、スイッチの設定を復元する。
SWITCHパラメータにMACアドレスもしくは経路を指定した場合は、指定したスイッチの設定を復元する。
allを指定すると、マスターが認識している全てのスイッチの設定を復元する。
INTERFACEパラメータを指定すると、指定のインターフェースにつながっているスイッチを対象とする。INTERFACEパラメータを省略した場合は、allを指定した時と同様になる。
[ノート]
本コマンドで復元に使用するスイッチの設定ファイルの名前には、switch config filename コマンドで指定したファイル名を使用する。
スイッチの設定ファイルはswitch config directory コマンドで指定したディレクトリに保存されている必要がある。
本コマンドはschedule atコマンドで指定することができる。
本コマンドはRev.14.01.28以降、Rev.15.00.14以降、Rev.15.01.13以降、およびRev.15.02.03以降のファームウェアで設定可能。
[書式]
switch config directory PATH
[設定値]
PATH ... 相対パスまたは絶対パス(半角256文字以下、全角128文字以下)
[説明]
スイッチの設定ファイルを格納するディレクトリを指定する。
相対パスを指定した場合、環境変数PWDを起点としたパスと解釈される。PWDはsetコマンドで変更可能であり初期値は"/"である
PATHがRTFS領域となる場合には、PATHにマルチバイト文字を使用することはできない。
[初期値]
PATH ... /sw_config
[説明]
本コマンドはRev.14.01.28以降、Rev.15.00.14以降、Rev.15.01.13以降、およびRev.15.02.03以降のファームウェアで設定可能。
[書式]
switch config filename NAME
[設定値]
NAME ... ファイル名(半角99文字以下、全角49文字以下)
[説明]
スイッチの設定を保存するファイル名を指定する。
本コマンドが省略された場合は、switch select コマンドで指定された文字列に".conf"を付けたものをファイル名とする。ただし、":(コロン)"は"_(アンダースコア)"に置き換えられる。
複数のswitch select コマンドで同じファイル名を指定することができる。
switch config directory コマンドで指定したディレクトリがRTFS領域である場合は、ファイル名にマルチバイト文字を使用することはできない。
本コマンドを実行する前にswitch select コマンドでスイッチを指定しておく必要がある。
[説明]
本コマンドはRev.14.01.28以降、Rev.15.00.14以降、Rev.15.01.13以降、およびRev.15.02.03以降のファームウェアで設定可能。
スレーブAP用のコマンド
[書式]
ap control http proxy use USE
no ap control http proxy use [USE]
[設定値]
USE
on ... 使用する
off ... 使用しない
[説明]
無線AP用HTTPプロキシー機能を使用するか否かを設定する。 USE を on に設定した場合、マスター経由で無線APのWeb設定画面にアクセスすることができる。
[ノート]
利用に際して、無線APがマスターに認識されていること、および、無線APにIPアドレスが割り当てられている事が必要となる。
[初期値]
USE ... on
[書式]
ap control http proxy timeout TIME
no ap control http proxy timeout [TIME]
[設定値]
TIME ... タイムアウトの秒数(1..180)
[説明]
無線AP用HTTPプロキシー機能のタイムアウト時間を設定する。 マスター経由で無線APのWeb設定画面にアクセスする際、指定時間以内に無線APから応答がなければタイムアウトとなる。
[初期値]
TIME ... 60
[書式]
ap control config get [AP]
ap control config get [[INTERFACE] all]
[設定値]
AP ... 無線AP
INTERFACE ... LANインターフェース
[説明]
無線APの設定ファイルを取得して保存する。
APパラメータにMACアドレスもしくは経路を指定した場合は、指定した無線APの設定ファイルを取得する。
allを指定すると、マスターが認識している全ての無線APの設定ファイルを取得する。
INTERFACEパラメータを指定すると、指定のインターフェースにつながっている無線APを対象とする。INTERFACEパラメータを省略した場合は、allを指定した時と同様になる。
[ノート]
本コマンドで取得した無線APの設定ファイルの名前には、ap config filename コマンドで指定したファイル名を使用する。
無線APの設定ファイルはap config directory コマンドで指定したディレクトリに保存される。
本コマンドはschedule atコマンドで指定することができる。
[書式]
ap control config set [AP]
ap control config set [[INTERFACE] all]
[設定値]
AP ... 無線AP
INTERFACE ... LANインターフェース
[説明]
マスターに保存されているスイッチの設定ファイルを使用して、無線APの設定を復元する。
パラメータにMACアドレスもしくは経路を指定した場合は、指定した無線APの設定を復元する。
allを指定すると、マスターが認識している全ての無線APの設定を復元する。
INTERFACEパラメータを指定すると、指定のインターフェースにつながっている無線APを対象とする。INTERFACEパラメータを省略した場合は、allを指定した時と同様になる。
[ノート]
本コマンドで復元に使用する無線APの設定ファイルの名前には、ap config filename コマンドで指定したファイル名を使用する。
無線APの設定ファイルはap config directory コマンドで指定したディレクトリに保存されている必要がある。
本コマンドはschedule atコマンドで指定することができる。
[書式]
ap control config delete [AP]
[設定値]
[説明]
マスターに保存されている無線APのコンフィグを削除する。
APにMACアドレス、または、経路で指定すると、特定の無線APのコンフィグを削除する。
APに"all"を指定すると、マスターが認識している全ての無線APのコンフィグを削除する。
APを省略した場合は、"all"を指定した時と同様になる。
[ノート]
schedule atコマンドで指定することができる。
ap config directory で設定したディレクトリにあるap config filename で設定したファイルを削除する。
ap config filename の設定が省略されている場合、MACアドレス指定の際は"MACアドレス" + ".conf"を使用し、経路指定の際は"経路" + ".conf"を使用する。
ただし : (コロン) は _ (アンダースコア)に置き換えられる。
[書式]
ap config directory PATH
[設定値]
PATH ... 相対パスまたは絶対パス(半角256文字以下、全角128文字以下)
[説明]
無線APの設定ファイルを格納するディレクトリを指定する。
相対パスを指定した場合、環境変数PWDを起点としたパスと解釈される。PWDはsetコマンドで変更可能であり初期値は"/"である
PATHがRTFS領域となる場合には、PATHにマルチバイト文字を使用することはできない。
[初期値]
PATH ... /ap_config
[書式]
ap select AP
no ap select
[設定値]
[説明]
対象とする無線APを選択する。以降プロンプトにはconsole prompt で設定した文字列と選択した無線APが続けて表示される。
ap select noneまたはno ap select を実行すると、プロンプトに無線APを表示しなくなる。
[書式]
ap config filename NAME
[設定値]
NAME ... ファイル名(半角99文字以下、全角49文字以下)
[説明]
無線APの設定を保存するファイル名を指定する。
本コマンドが省略された場合は、ap select コマンドで指定された文字列に".conf"を付けたものをファイル名とする。ただし、":(コロン)"は"_(アンダースコア)"に置き換えられる。
複数のap select コマンドで同じファイル名を指定することができる。
ap config directory コマンドで指定したディレクトリがRTFS領域である場合は、ファイル名にマルチバイト文字を使用することはできない。
本コマンドを実行する前にap select コマンドで無線APを指定しておく必要がある。
[書式]
ap control config-auto-set use USE
no ap control config-auto-set use [USE]
[設定値]
USE
on ... 使用する
off ... 使用しない
[説明]
ゼロコンフィグ機能を使用するか否かの設定する。
[初期値]
USE ... on
[書式]
ap control firmware update go [AP]
[設定値]
[説明]
無線APのファームウェアを更新する。WEBサーバのファームウェアをチェックし、必要があればリビジョンアップを行う。ファームウェアの更新に成功すると自動的に再起動する。
WEBサーバのファームウェアが、現在のファームウェアのリビジョンと同一の場合、リビジョンアップは行わない。
[ノート]
APを指定しない場合は、本コマンドを実行する前にap select でスイッチを指定しておく必要がある。
スレーブルーター用のコマンド
[書式]
httpd proxy-access l2ms permit PERMIT
no httpd proxy-access l2ms permit [PERMIT]
[設定値]
PERMIT
on ... HTTPプロキシー経由でのWeb GUIへのアクセスを許可する
off ... HTTPプロキシー経由でのWeb GUIへのアクセスを許可しない
[説明]
HTTPプロキシー経由でのWeb GUIへのアクセスを許可するか否かを設定する。
PERMITがonである場合は、マスターのWeb GUIから本機のWeb GUIを表示するときにHTTPプロキシー経由でアクセスする。
[ノート]
switch control modeコマンドでMODEにslaveが設定されていない場合、本コマンドの設定は反映されない。
本コマンドはRev.14.01.20以降、Rev.15.00.10以降、Rev.15.01.09以降、およびRev.15.02系のファームウェアで設定可能。
[初期値]
PERMIT ... off
本機能において出力されるSYSLOGメッセージを以下に示します。
出力されるメッセージには "[SWCTL] route (addr ):" というプレフィックスが付加されます。route はマスターからスレーブへの経路、addr はスレーブのMACアドレスです。
スレーブ共通のSYSLOGメッセージ
以下のメッセージはマスターに出力されます。
レベル
出力メッセージ
意味
INFO
スレーブの認識
find switch
スレーブを認識した。
detect down
スレーブがダウンした。
スレーブスイッチ用のSYSLOGメッセージ
以下のメッセージはマスターに出力されます。
出力メッセージ中のn はポート番号、speed は通信速度はスタック番号です。
レベル
出力メッセージ
意味
INFO
リンクのアップ/ダウン
PORTn link up (speed )
スレーブスイッチのポートn がリンクアップした。通信速度はspeed 。
PORTn link down
スレーブスイッチのポートn がリンクダウンした。
同期処理
sync start
スレーブスイッチの同期処理を開始した。
sync done
スレーブスイッチの同期処理が完了した。
sync failed
スレーブスイッチの同期処理に失敗した。
警告
fan lock
スレーブスイッチのファンが停止している。
PORTn loop detect
スレーブスイッチのポートn でループが発生していた。(注)
DEBUG
同期処理
can't get param of sync
スレーブスイッチの同期処理を行うために必要な情報を取得できない。
(注)
このSYSLOGが出力されるのはループの発生をスレーブスイッチが検出し、ポートを自動的にリンクダウンした状態のときです。ループが発生している最中ではありません。したがって、loopdetect-linkdown がlinkdownもしくはlinkdown-recoveryに設定されている必要があります。なお、ループ検出機能の詳細についてはコマンドリファレンスを参照してください。
スレーブAP用のSYSLOGメッセージ
以下のメッセージはマスターに出力されます。
コンフィグの保存/復元には "[SWCTL]" というプレフィックスが付加されます。出力メッセージ中のroute はマスターからスレーブへの経路、addr はスレーブのMACアドレス、model はスレーブのモデル名です。
レベル
出力メッセージ
意味
INFO
無線AP用HTTPプロキシー機能
Request from IP_ADDR to AP_IP_ADDR
IPアドレスがIP_ADDRであるホストから、IPアドレスがAP_IP_ADDRであるスレーブAPへのGUIへのアクセス要求があった。
コンフィグの保存/復元
route (addr ): received config (CONFIG_FILE)
マスターはスレーブからCONFIG_FILEを取得し保存した。
route (addr ): send config (CONFIG_FILE)
マスターはスレーブへCONFIG_FILEを送信した。
CONFIG_FILE: model (addr ) is executing a config ... PROGRESS %
スレーブでCONFIG_FILEの設定を復元中。PROGRESSは進捗率。
CONFIG_FILE: model (addr ) finished executing a config
スレーブでCONFIG_FILEの復元が完了した。
CONFIG_FILE:LINE: ERR_MSG
スレーブでCONFIG_FILEの復元中に、行数 LINE がエラー ERR_MSGになった。 ERR_MSG はエラーの内容、LINEは、エラーになったコマンドのCONFIG_FILE内の行数を指す。
route (addr ): Airlink setting changed
スレーブの無線機能が、設定変更された。
DEBUG
無線AP用HTTPプロキシー機能
[APCTL_HTTP_PROXY] Cannot send ARP
スレーブへARPを要求できなかった。
[APCTL_HTTP_PROXY] Cannot connect to AP (no arp reply)
スレーブからARPの応答がなかった。
[APCTL_HTTP_PROXY] cannot get ap account
スレーブから認証情報を取得できなかった。
[APCTL_HTTP_PROXY] cannot add to host list
スレーブから認証情報を取得した後、内部リストに追加できなかった。
[AP_HTTP_PROXY] Can't create socket
スレーブへ接続する際にソケットを作成できなかった。
[AP_HTTP_PROXY] Can't connect to server(ERRNO)
スレーブへの接続に失敗した。ERRNOは内部エラー番号。
[AP_HTTP_PROXY] Connection Timeout
スレーブとの通信中にタイムアウトした。
[AP_HTTP_PROXY] Write Error (ERRNO)
スレーブへTCPデータを送信できなかった。ERRNOは内部エラー番号。
[AP_HTTP_PROXY] Read Error (ERRNO)
スレーブからTCPデータを受信できなかった。ERRNOは内部エラー番号。
スレーブルーター用のSYSLOGメッセージ
以下のメッセージはマスターに出力されます。
出力メッセージ中のinterface はインターフェース、n はポート番号、speed は通信速度です。
レベル
出力メッセージ
意味
INFO
リンクのアップ/ダウン
interface :n link up (speed )
スレーブのinterface のポートn がリンクアップした。通信速度はspeed 。
interface にSwitchingHubがない場合は":n "は付与されない。
interface :n link down
スレーブのinterface のポートn がリンクダウンした。
interface にSwitchingHubがない場合は":n "は付与されない。