RTシリーズの優先制御/帯域制御に関するFAQ
優先制御/帯域制御とVoIP
最終変更日 | 2018/Nov/06 |
文書サイズ | 5.6KB |
優先制御/帯域制御とVoIP
VoIP(Voice over IP)はリアルタイム音声情報をIPパケットに乗せて運ぶ技術です。 VoIPデータは普通のデータとは異なり、遅延に敏感なデータであり、 遅延が大きくなると音声の途切れやノイズなどとして聞こえてしまいます。
それを防止するために、VoIPデータの転送をルータで優先したいことがあります。 そのためには、普通は優先制御を用いるとよいでしょう。
queue class filter 1 4 ip VoIP-HOST1 * * * * queue class filter 2 4 ip VoIP-HOST2 * * * * queue class filter 3 4 ip VoIP-HOST3 * * * * pp select N queue pp type priority queue pp class filter list 1 2 3
LAN2側の送出速度を8Mbit/sとし、SIP/RTPで使用されるポート番号宛のパケットを優先させます。
speed lan2 8m queue lan2 type priority queue class filter 1 4 ip * * tcp * 5060 queue class filter 2 4 ip * * udp * 5004-5060 queue lan2 class filter list 1 2
ポート番号がH.323などの呼制御手順によりネゴシエーションされる場合には 事前にそれを知ることはできませんが、
VoIPアプリケーションによってはネゴシエーションする ポート番号を特定できるものもあります。
queue class filter 1 4 ip * * udp VoIP-PORT * queue class filter 2 4 ip * * udp * VoIP-PORT pp select N queue pp type priority queue pp class filter list 1 2
MPインタリーブ機能
64kbit/s、128kbit/sといった速度の遅い回線では、優先制御を利用しても音声 パケットの揺らぎや遅延を防げない事があります。これは、データ通信で利用 されるパケット長は最大1500バイトにもなることがあり、それを転送している 間は低速回線では100〜200ミリ秒もの間回線を占有し続けるからです。一度、 1500バイトのデータ転送が始まってしまうと、その後に届いた音声パケットは いくら優先度が高くても1500バイトの転送が終るまで待たされてしまいます。
これを防ぐ為には、MPインタリーブ機能を利用します。 MPインタリーブ機能では、MPの技術を利用し、長いパケットを複数の小さな パケットにあらかじめ分割して相手に送信し、受信側ではそれを再構成して 処理します。長いパケットの送信中に優先度の高いパケットが入って来ると、 分割されたパケットの間に割り込む形で優先度の高いパケットが送信される ため、遅延や揺らぎが最小限に押えられます。
MPインタリーブの代わりにインタフェースのMTUを小さくする事でも同じよう な効果が得られますが、MTUの場合は再構成が最終ホストに至るまで行われな いので、データ転送効率が下るという副作用があります。MPインタリーブ機 能では、データが分割されているのはPPPの区間だけに限定されており、パ フォーマンスの低下は最小限に押えられます。
MPインタリーブ機能を利用するには、双方で以下の設定を行います。
pp select N ppp mp use on ppp mp interleave on ppp mp maxlink 1 ppp ccp type none
MPインタリーブ機能はRev.6.00.15以降のファームウェアで利用できます。 ただし、MPの使用できないPPPoE環境では利用できません。
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