ftp://ftp.rtpro.yamaha.co.jp/pub/rt/relnote/Rev.06.00/relnote_06_00_15.txt Revision : 06.00.15 Release : August 2000, ヤマハ株式会社 RT300i Rev.6.00.15 リリースノート ========================================================================== ○ Rev.6.00.11からの変更点 ========================================================================== ■機能追加 [1] OSPFに対応した。詳細は以下のURLにあるWWWページを参照のこと。 [2] プライベートMIBを実装した。MIBファイルは以下のURLから入手できる。 プライベートMIBで表示できる情報のうち、主なものは以下のとおりである。 ○ハードウェア関係 ・メモリサイズ ・CPU使用率 ・メモリ使用率 ・インタフェースモジュールの情報 ・電源、ファン、内部温度の状態 ・メモリ/CPU使用率、電源、ファン、内部温度の異常をSNMPトラップで通知 ○ファームウェア関係 ・ログインの状態(トラップ通知あり) ・設定の表示 ・リスタート ○インタフェース関係 ・PPとBRI/PRIのバインド関係 ・LEDの状態 ・LANでは、リンク、速度、全二重/半二重の状態 ・BRI/PRIではレイヤ1、回線速度 ・PPインタフェースは、MIB2相当の情報 ・優先/帯域制御で用いる各クラスについての情報 ・ISDN呼の状態 従来からの大きな変更点としては、PPインタフェースの情報がデフォルト ではMIB2には表示されずに、プライベートMIBの範囲に移動したことにあ る。従来どおりに、MIB2のインタフェースとしてPPインタフェースを表示 したい場合には、以下のMIB変数に"enabled(1)"を設定しなくてはいけな い。 private.enterprises.yamaha.yamahaRT.yamahaRTInterfaces.yrIfPpDisplayAtMib2 このMIB変数は、コマンドでも設定できる。 [入力形式] snmp yrifppdisplayatmib2 SW [パラメータ] SW ... on MIB変数yrIfPpDisplayAtMib2を"enabled(1)"とする off MIB変数yrIfPpDisplayAtMib2を"disabled(2)"とする [説明] MIB変数yrIfPpDisplayAtMib2の値をセットする。このMIB変数は、PPイン タフェースをMIB2の範囲で表示するかどうかを決定する。Rev.4以前と同 じ表示にする場合には、MIB変数を"enabled(1)"に、つまり、このコ マンドで"on"を設定する。 [デフォルト値] off [3] MPインタリーブ機能を実装した。 MPのパケット分割、再構成機能を利用して、優先順位の低いパケットの転 送中でも、その間に優先順位の高いパケットを割り込ませる。パケットの 順番を入れ換えるため、圧縮は使えない。圧縮が有効な時はこの機能は無 効になる。また、優先順位は通常の優先制御の手法で設定する。 ・MPインタリーブの使用 [入力形式] ppp mp interleave [DELAY] SW no ppp mp interleave [[DELAY] SW] [パラメータ] DELAY ... 遅延(ミリ秒) SW on ... MPインタリーブを使用する off ... MPインタリーブを使用しない [説明] MPインタリーブを使用するかどうかを設定する。DELAYでは、優先され るプロトコルで許容できる最大遅延を設定する。パケットをどのような大 きさに分割するかは、DELAYの値と回線速度により決定される。 [ノート] ・DELAYで設定した遅延が保証されるわけではない。 ・データの受信側でも同じ設定をしておかないと、効果が発揮されない。 ・同時に圧縮は利用できない。圧縮を利用する設定の場合、この機能は無視 されるので、以下の設定で圧縮を無効にしておく必要がある。 ppp ccp type none [デフォルト] ・SW = off ・DELAY = 30 [設定例] queue class filter 1 4 ip VOIP-GATEWAY * * * * queue class filter 2 3 ip * * icmp * * queue class filter 3 1 ip * * * * * pp select 1 pp bind bri2.1 queue pp type priority queue class filter list 1 2 3 isdn remote address call 03-123-4567 ppp mp use on ppp mp interleave on ppp mp maxlink 1 ppp ccp type none pp enable 1 [4] WFQを実装した。 queue INTERFACE typeコマンドの選択肢の一つに'wfq'が追加される。 PPインタフェースのデフォルト値となる。 [入力形式] queue INTERFACE type TYPE no queue INTERFACE type [TYPE] [パラメータ] ・INTERFACE ... LANインタフェース名、もしくはpp ・TYPE - fifo ... First In, First Out形式のキューイング - wfq ... Weighted Fair Queue形式のキューイング - priority ... 優先制御キューイング - cbq ... 帯域制御キューイング [説明] 指定したインタフェースに対して、キューイングアルゴリズムタイプ を選択する。 fifoは最も基本的なキューである。fifoの場合、パケットは必ず先に ルータに到着したものから送信される。パケットの順番が入れ替わる ことは無い。fifoキューにたまったパケットの数がqueue INTERFACE lengthコマンドで指定した値を越えた場合、キューの再後尾、つまり 最も最後に到着したパケットが破棄される。 LANインタフェースのデフォルトはfifoである。 wfqは、送信待ちのパケットを始点・終点IPアドレスやプロトコル、 ポート番号でフローとしてグループ分けして、それぞれのフローで使 用する帯域のバランスが取れるようにするキューイングアルゴリズム である。wfqを使用すると、TELNETのような、帯域はあまり必要とし ないが速い応答時間を必要とするプロトコルと、FTPのような応答時 間よりも広い帯域を必要とするプロトコルを同時に利用した場合に、 TELNETの応答時間の落ち込みをfifoに比べて軽減することができる。 wfqのもう一つの特徴は、設定がいらないということである。設定す るところがないため、優先制御や帯域制御に比べて細かい調整はでき ないが、簡単にフロー間での帯域のバランスを図ることができる。 PPインタフェースのデフォルトはwfqである。 priorityは優先制御を行う。queue class filterコマンドおよび queue INTERFACE class filter listコマンドでパケットをクラス分 けし、送信待ちのパケットの中から最も優先順位の高いクラスのパケッ トを送信する。 cbqは帯域制御を行う。queue INTERFACE class propertyコマンドで 各クラスに割り振る帯域をあらかじめ設定しておき、queue class filterコマンドおよびqueue INTERFACE class filter listコマンド でクラス分けされたパケットが指定の帯域になるように送信する。 [デフォルト] LANインタフェースはfifo PPインタフェースはwfq ■仕様変更 [1] LANドライバで、送信タイムアウトが発生した時には、無条件にLSIをリセッ トするようにした。 [2] リモートセットアップによる発信時に網から受信するALERTを無視するよ うにした。 [3] snmp community read-writeコマンドのデフォルト値を空文字列にした。 これにより、デフォルトのままではread-write属性を持つMIB変数に書き 込むことができなくなる。 [4] isdn piafs controlのデフォルト値を'both'から'call'に変更した。 'both'が設定されているときに、一部の端末から着信できない問題がある。原 因の1つは、PIAFS端末の実装の問題であるが、それ以外にも未確認の原因が存 在する可能性がある。そこで、今後、同様の問題が発生しないように、デフォ ルト値を'both'から'call'に変更する。 [5] NATディスクリプタのアドレス割り当てをログに記録する機能で、ログのヘッ ダ部分の書式を以下のように変更した。 変更前: [NAT] 変更後:[NAT(ディスクリプタ番号):インタフェース名] [6] anonymousに発番号付きで登録されたユーザ名に対してMSコールバックを実施 するときに、着信時に通知された発番号ではなく、登録された発番号にコール バックするようにした。 ■バグ修正 [1] MMI関連の修正 - 一行の長さがconsole columnsの設定を越えるログをless logコマンド で表示しようとすると、複数行に分割された内の最終行しか表示されな い - anonymousに対するshow account ppコマンドで、ヘッダ行がanonymous の数だけ繰り返し表示されてしまう - PRI専用線に対するremote setupコマンドで、インタフェース名の指定 方法を変更した - pp bindコマンドのオンラインヘルプ - queue INTERFACE class filter listコマンドがエラーになることがある - 複数のゲートウェイがあるip routeコマンドを投入するとリブートする [2] ISDNのログとして正しいポート名を表示するようにした。 [3] TFTPで、2000程度のip routeコマンドを一気に設定しようとすると、一部 の設定が抜けてしまうバグを修正した。 [4] リビジョンアップ時に、TFTPで送り込むファイル名は`exec'であるべきと ころが、管理パスワードが設定してあると`exec/パスワード'というファ イル名でないとリビジョンアップできなくなっていたのを修正した。 [5] RIPで、同じメトリック値の経路を別のルータから受け取った時、経路を 切替えるべきではないのに切替えてしまうバグを修正した。 [6] IPマスカレード機能で、外部からIPマスカレード変換テーブルにないポー ト番号へのTCPパケットを受信したらそれに対してTCPリセットを返送する が、それが正しく返らないことがあるのを修正した。 [7] PPインタフェースで、ip pp addressコマンドの設定が無く、かつip pp remote addressコマンドで相手のIPアドレスだけを指定している時には、 相手のIPアドレスに対するホスト経路ができなくてはいけないのに、それ ができていなかったのを修正した。 [8] 空いている回線がないときに、接続していないPPインタフェースにパケットを 送信しようとすると、回線が空くのを待つことになるが、ルータがこのパケッ トを破棄した後も、回線の空きを待ち続けるバグを修正した。この場合、回線 が空いたときに、パケットの有無に関わらず回線を接続することになる。 [9] anonymousの2番以降の発呼が課金制限によって抑制されないバグを修正した。 [10] MSコールバックの着呼を受けた後の折り返しの発呼が、課金制限によって抑制 されないバグを修正した。 [11] IPsecで、鍵交換の際にリブートする可能性を排除した。 [12] ipsec ike local addressコマンドの設定が働かないバグを修正した。本来、 このコマンドが設定されているときには、トンネリングされた後のIPヘッダの 始点IPアドレスを、設定されたIPアドレスに置き換える。 [13] AHのトランスポートモードをESPと組み合わせずに用いると、誤った認証デー タが送信され、通信できないバグを修正した。 [14] SAが更新されるときに古いSAの寿命が無条件に短くなるバグを修正した。本 来は寿命を変更する必要はない。 [15] PRI専用線のパフォーマンスを向上させた。 [16] PRIモジュールを4枚実装した時に、PRI4が動作しないのを修正した。 [17] 2枚以上の多重化対応PRIボード(YBA-1PRI-M)を装着してそれぞれに INS1500を収容しても通信できないバグを修正した。6.00.11でエンバグ。 [18] line masterclock autoの設定で、複数のPRIモジュールを装着して電源を 投入すると、 Receive LINE Master Clock from pri1. Receive LINE Master Clock from pri3. のように、マスタクロックが2つ選択されたようにログに残ってしまうバ グを修正した。