[YNO] IPフラグメントの発生有無に関する確認事項 (2021/07/26)
YNOマネージャーの設備変更に伴い、ヤマハネットワーク機器の管理通信においてフラグメントされたIPパケットを受信できなくなります。そのため、お客様ネットワーク環境においてIPフラグメントが発生している場合は設定変更が必要となります。
本ドキュメントでは、いくつかのネットワーク構成例においてIPフラグメントの発生有無を判断するための確認ポイントを説明します。次に、IPフラグメントが原因でYNOマネージャーと正しく通信できているか否かを判断するための方法を説明します。
YNOエージェントはYNOマネージャーとTCPで通信しています。TCPでは回線のMTUに合わせてMSSを調整することで、IPフラグメントが発生しなくなります。
ここではいくつかのネットワーク構成を例として、ルーターのMTUとMSSに関わる設定の確認ポイントを説明します。
構成例
確認ポイント
- ip pp mtu コマンド(※1)が回線業者の指定する値に設定されていること
(例)フレッツ光ネクストでは ip pp mtu 1454
- ip pp tcp mss limit コマンド(※2)と pppoe tcp mss limit コマンド(※3)のいずれかの設定値が auto であること
構成例
確認ポイント
- ヤマハルーターの場合
- ip pp mtu コマンドが回線業者の指定する値に設定されていること
(例)フレッツ光ネクストでは ip pp mtu 1454
- ip pp tcp mss limit コマンド(※2)と pppoe tcp mss limit コマンド(※3)のいずれかの設定値が auto であること
- 他社ルーターの場合
- TCPのMSSを調整する機能が有効であること
- MSSは [MTU size] - [40byte](TCP/IPヘッダー) に設定されていること(自動調整機能がある場合はそれを使用する)
(例)フレッツ光ネクストではMSSが 1454byte - 40byte = 1414byte になります
構成例
確認ポイント
- ip tunnel tcp mss limit コマンド(※2)が auto であること
- ip tunnel mtu コマンド(※4)が 1280 に設定されていること
構成例
確認ポイント
- ip tunnel tcp mss limit コマンド(※2)が auto であること
- ip tunnel mtu コマンド(※4)が 1280 に設定されていること
(※1) [初期値]: 1280
(※2) [初期値]: auto(Rev.10.01.75 以降、Rev.11.01.31 以降、Rev.11.03.25 以降、Rev.14.00.22 以降、Rev.14.01.26 以降、Rev.15.00.10 以降、Rev.15.01.09 以降、Rev.15.02.03 以降、Rev.15.04.01 以降、Rev.23.00.03 以降、Rev.23.01.01 以降)、off( 左記以外 )
(※3) [初期値]: auto
(※4) [初期値]: 1280
- ルーター/APの機器管理画面における状態の確認
- 機器の状態がオンラインであれば、IPフラグメントによる問題は発生していません
- 機器の状態がオフラインの場合は、2に進んでください
- オフラインアラームの発生時刻の確認
- ダッシュボードのアラーム一覧でオフラインの発生時刻を確認してください
- IPフラグメントによる問題が原因で機器がオフラインになっている場合、オフラインアラームの発生時刻が 2021/07/27 02:10 前後になっています。この時刻から大きくずれている場合は、本件とは別の原因で機器がオフラインとなっていると考えられます
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