〜〜〜 インターネット・LAN間接続用のルータ製品のラインアップを強化 〜〜〜
■BRIとLANインターフェースを各2ポート装備し、
複数拠点・高機能のネットワーク接続や、多彩なLAN構築が可能なルータ
ヤマハ リモートルータ『RT140f』
1999年2月 |
ヤマハ株式会社 |
本社:静岡県浜松市中沢町10−1 |
社長: 石 村 和 清 |
当社は、ルータ (LAN間接続装置) の新製品として、 ヤマハリモートルータ『RT140f』を、2月22日(月)から発売いたします。
<製品の概要>
リモートルータは、LAN (Local Area Network = 構内情報通信網) を ISDN回線や専用線を通してインターネットや遠隔地の他のLANに接続するために 必要な機器です。ここ数年のインターネットへの接続数の爆発的な伸びにより、 リモートルータの市場は急速に拡大しています。リモートルータの機能として WAN (Wide Area Network = 広域ネットワーク) 側ではマルチメディアデータ等、 大容量データ通信の増加や高速な回線の低価格化が進み、高速な回線を利用できる リモートルータの需要が高まっています。一方、LAN側では、トラフィック (通信回線を通るデータ量) の軽減や管理の分散、セキュリティの強化にLANの 分割を手軽に行える機能を持つルータの需要が高まっています。
当社では、自社開発のISDN通信用LSIやデータ転送装置の開発などで培った ISDN関連技術を活かした高性能、小型、低価格のリモートルータとして、 個人ユース向けの『RTA50i』から企業間のLAN間接続のための上位機種『RT200i』 まで6機種を揃え、好評を得ています。
今回発売する『RT140f』は、中・大規模企業の複数拠点間のネットワークに 最適なリモートルータとして一昨年10月に発売した、BRI(注1) インターフェースを2ポート装備し、企業の拠点間接続が4個所まで可能な 『RT140i』に、LANインターフェースを1ポート追加し、2ポートとしたものです。
『RT140i』の多彩で高機能のリモートルータ機能に加え、LAN上の接続端末数 の増加によるトラフィック (通信回線を通るデータ量) の軽減や管理の分散、 およびインターネット接続時に社内ネットワークを別のLANにすることにより、 外部からの不正なアクセスを防ぎ、セキュリティを高めることができます。
また、『RT140i』同様、BRI用DSU (注2)を内蔵し、 設定が容易な日本語対応のインターフェースを実現したほか、モバイル (移動体通信) 環境からの通信(PIAFS [ピアフ] - 注3 ) にも対応しています。さらに、S/Tインターフェース (注4) を装備しているため、ルータ本体を含め最大8台のデジタル通信機器を 接続でき、高速LANインターフェースの「100BASE-TX」 (注5) をサポートするとともに、他社同機能モデルに比べ低価格を実現しています。
さらに、ファームウエアは、継続してバージョンアップを行い、 機能拡張と使いやすさの向上に努めていきます。 またバージョンアップされたソフトウェアは、当社ホームページより 無償でダウンロードできます。
当社では、今回の『RT140f』の発売により、企業のネットワークニーズに よりきめ細かく対応し、市場で好評な『RT140』シリーズのラインアップを強化し、 今後もリモートルータの分野で業界をリードしていきたいと考えています。
詳細は以下の通りです。
<主な特長>
BRIを2ポート装備しており、各BRIにISDN、専用線を任意に組み合わせて 利用できます。これにより、MP (マルチリンクプロトコル) による高速通信 (例えば64kbit/sのデータを4本束ねることによる、最大256kbit/sの高速データ通信) や、専用線、フレームリレーのISDNによるバックアップが可能です。
LANインターフェースを2ポート装備していることによりLANを分割することが できるため、トラフィックの軽減や管理の分散を実現し、快適な通信環境を 提供します。また、インターネット接続時に社内のLANとインターネットに 公開するLANを別にすることにより、外部からの不正なアクセスを防ぎ、 セキュリティを高めることができます。
重要なデータについては転送速度をあらかじめ確保しておく「帯域制御機能」と、 同じく重要なデータを他のデータに優先して通信させる「優先制御機能」を 備えています。これにより、トラフィック量が多い場合でも、ユーザーに とって優先順位が高い重要なデータの転送をスムースに行うことができます。
専用線やフレームリレー回線のダウン時に、ISDNによるバックアップが可能です。 これにより、信頼度の高いネットワーク構築が可能となります。
プライベートアドレスをインターネット接続可能なアドレスに変更する「NAT」 (ナット、Network Address Translation) 機能の対応や、複数のIPアドレスを 1個のグローバルアドレスに対応させ、複数のマシンで同時にインターネット 接続を可能とする「IPマスカレード」機能をLAN側でも利用ができることにより、 柔軟なネットワーク構築ができます。
PHSのPIAFS規格に対応。近年市場ニーズの高まっているモバイル環境からの 通信に対応しており、これによりオフィス外から電子メール等のデータ通信が 可能です。
現在のLANの標準的なインターフェース「10BASE-T」(注5)はもちろん、 その10倍の転送速度を持ち、今後普及すると思われる「100BASE-TX」にも 対応しています。
DSU内蔵により、別途DSUを購入する必要がなく経済的です。 また、DSU機能の切り放しも可能なため、既存のDSUの有効活用ができます。
<価格と発売日>
品 名 | 品 番 | 価 格 (税別) | 発売日 |
---|---|---|---|
ヤマハ リモートルータ | RT140f | 380,000円 | 2月22日(月) |
◎初年度販売予定数 : | 3,000台 |
品番 | 主な用途 | 価格 |
---|---|---|
RT200i | 本支店拠点間多数対地接続 | 580,000円 |
RT140p | 640,000円 | |
RT140i | 268,000円 | |
RT140f | 本支店拠点間多数対地接続、LANセグメント分割 | 380,000円 |
RT140e | 本支店拠点間接続、LANセグメント分割 | 320,000円 |
RT103i | インターネット接続、本支店拠点間接続 | 158,000円 |
RTA50i | 個人ユース向けインターネット接続 | 49,800円 |
<主な仕様>
RT140f | ||
---|---|---|
LANインタフェース | 10BASE-Tまたは100BASE-TX × 2 (RJ-45,NORMAL/REVERSE) |
|
WANインタフェース | ISDNまたは専用線 (64kまたは128kbit/s)×2ポート フレームリレー利用可 |
|
同時接続対地数 | 4 | |
設定用シリアルインタフェース | RS-232C (DB-9、1200〜9600 bit/s) | |
BRI用DSU | 内蔵×2 | |
S/Tインタフェース | 2 (各入出力切換可) |
|
表示 | LED13個 | |
外形寸法(WDHmm) | 300×236×84.2 | |
質量 | 3.4kg | |
定格電源電圧 | AC100V・50/60Hz | |
サポートプロトコル | IP,IPX(代理応答機能有)、 ブリッジ機能有 | |
その他機能 | セキュリティ機能 | フィルタリング、発信者番号通知 PAP/CHAP、パスワード、IPsec |
アドレス変換機能 | NAT、IPマスカレード | |
BOD機能 | MP、BACP | |
設定方法 | コマンドライン | |
PIAFS | 対応 |
<注>
ISDNでは、伝送速度の異なる二つのサービスが提供されています。 そのうちのひとつが基本インターフェース「BRI」 (Basic Rate Interface) であり、 64kbit/sの情報チャンネル (Bチャンネル) を2つと、 16kbit/sの信号チャンネル (Dチャンネル) を1つ持っています。
回線接続装置で、Digital Service Unitの略。国際規格であるISDNの規格にあわせて 作られたISDN装置 (TA、デジタル電話、デジタルG4ファクシミリなど) を電話回線と 接続するために必要です。
PIAF (PHS Internet Access Forum) で策定された、PHSで32kbpsのデータ通信を 行うための業界標準規格。PIAFSは広義にはリアルタイム通信や画像通信など の用途にも対応できるように、プロトコル自身が拡張可能に設計されていますが、 現在一般に「PIAFS」と称されるものは、データ転送プロトコルのみを指して います。
ISDNにデジタル通信機器を接続するときの、DSUとデジタル通信機器との間を規定した
インターフェース仕様の名称です。
LANのケーブルや接続方法に関する規格の一つです。電話線に似たツイストペア線 を使用し、転送速度は10BASE-Tが10Mbit/sで、100BASE-TXが100Mbit/sとなっ ています。両者の間には互換性があり、接続する機器をある程度共有すること ができます。