DHCP サーバーの設定


無線LANに接続するデバイスのうち、特にスマートフォン、タブレットといった端末は、既定ではIPアドレスをDHCPで取得する設定になっています。従ってこれらのデバイスを使用する無線LAN環境では、固定IPアドレスではなくDHCPで動的にIPアドレスを割り振る運用が多いと考えられます。

無線LANをDHCPで運用する場合、DHCPサーバー機能を持ったルーターをDHCPサーバーとして用いる例がよくあります。しかし例えば、既存の有線ネットワークに後から無線APだけを追加するような場合に、既存のルーターの設定を変更できない諸般の事情があって新たに別途DHCPサーバーを用意しなければならない場合があります。このような場合、APとは別にルーターを追加しDHCPサーバーとして動作させる構成となりますが、本構成には管理すべき機器が増えることやルーター分のコストがかかるといったデメリットがあります。
本機能を使用することで、別途DHCPサーバーを設けることなく、本APのDHCPサーバー機能から無線端末にIPアドレスを配布することができます。

  特徴
     1. 有線LANにDHCPサーバーが稼働している環境でも、有線LANのDHCPサーバーと共存することが可能
     本機能は無線LANに接続している無線端末に対してのみIPアドレスを配布します。
     有線LANの端末にはIPアドレスを配布しません。
     また有線LANと無線LANの間のDHCPパケットを遮断し、有線LANのDHCPサーバーを無線LAN端末から隠します。
     2. DHCPリレーエージェント
     システム上の複数のAPのうち、1台のみをDHCPサーバー、他をそのリレーエージェントとして設定することができます。
     本機能により、無線端末はAP間をローミングしても同じIPアドレスを使い続けることができます。
     3. 無線LANコントローラー機能による自動構成
     DHCPサーバー機能を使用する設定を無線LANコントローラーから配布すると、コントローラーAPをDHCPサーバー、メンバーAPをそのリレーエージェントとする構成を自動構成します。