15.20 IKE キープアライブ機能の設定

[書式]

[設定値及び初期値]

[説明]


IKE キープアライブの動作を設定する。
本コマンドは、動作するIKEのバージョンによって以下のように動作が異なる。

  • IKEv1

    キープアライブの方式としては、heartbeat、ICMP Echo、DPD(RFC3706) の 3 種類から選ぶことができる。第 1 書式は自動的に heartbeat 書式となる。

    heartbeat 書式を利用するには第 1 、第 2 書式を使用する。 heartbeat 方式において switch パラメータが auto に設定されている場合は、相手から heartbeat パケットを受信したときだけ heartbeat パケットを送信する。従って、双方の設定が auto になっているときには、 IKE キープアライブは動作しない。

    ICMP Echo を利用するときには第 3 書式を使用し、送信先の IP アドレスを設定する。オプションとして、 ICMP Echo のデータ部の長さを指定することができる。この方式では、switch パラメータが auto でも on の場合と同様に動作する。

    DPD を利用するときには第 4 書式を使用する。この方式では switch パラメータが auto でも on の場合と同様に動作する。

    その他、 IKEv1 で対応していない方式 ( 書式 ) が設定されている場合は、代替方式として heartbeat で動作する。このとき、 switchcountintervalupwait パラメータは設定内容が反映される。

  • IKEv2

    キープアライブの方式として、RFC4306(IKEv2 標準 ) 、 ICMP Echo の 2 種類から選ぶことができる。第 1 書式は自動的に RFC4306 方式となる。

    switch パラメータが auto の場合には、 RFC4306 方式のキープアライブパケットを受信したときだけ応答パケットを送信する。なお、 IKEv2 ではこの方式のキープアライブパケットには必ず応答しなければならないため、 switch パラメータが auto でも off の場合でも同様に動作する。

    ICMP Echo を利用するときには第 3 書式を使用し、送信先のIPアドレスを設定する。 オプションとして、ICMP Echo のデータ部の長さを指定することができる。この方式では、switch パラメータが auto でも on の場合と同様に動作する。

    その他、 IKEv2 で対応していない方式 ( 書式 ) が設定されている場合は、代替方式として RFC4306 で動作する。このとき、 switchcountintervalupwait パラメータは設定内容が反映される。

[ノート]


相手先が PP インタフェースの先にある場合、down オプションを指定することができる。down オプションを指定すると、キープアライブダウン検出時と IKE の再送回数満了時に PP インタフェースの切断を行うことができる。網側の状態などで PP インタフェースの再接続によりトンネル確立状態の改善を望める場合に利用することができる。


キープアライブの方式として heartbeat を使用する場合、send-only-new-sa オプションを指定することができる。send-only-new-sa オプションに on を設定すると、鍵交換後の新旧のSAが混在するときに新しい SA のみに対してキープアライブパケットを送信するようになり、鍵交換時の負荷を軽減することができる。auto を設定すると、対向からの古い SA に対するキープアライブパケットを受信した場合のみこちらからも古い SA に対してキープアライブパケットを送信し、そうでない場合は on を設定したときと同様に動作する。
send-only-new-sa オプションに対応していないファームウェアとトンネルを構築する場合は、send-only-new-sa オプションを on に設定しているとトンネルがダウンするため、auto または off に設定しておかなければならない。


length パラメータで指定するのは ICMP データ部分の長さであり、IP パケット全体の長さではない。
同じ相手に対して、複数の方法を併用することはできない。
send-only-new-sa オプションは RTX5000、RTX3500 Rev.14.00.29 以降のファームウェア、および、 Rev.14.01 系以降のすべてのファームウェアで利用でき、 auto の指定は Rev.23.00 系以降のすべてのファームウェアで利用できる。

[拡張ライセンス対応]

拡張ライセンスをインポートすると、以下のパラメーターに入力できる上限値が拡張される。

[適用モデル]

RTX5000, RTX3510, RTX3500, RTX1300, RTX1220, RTX1210, RTX830