31.12 外部経路導入に適用するフィルタ定義

[書式]

[設定値及び初期値]

[説明]

OSPFv3 の経路テーブルに外部経路を導入する際に適用するフィルタを定義する。このコマンドで定義したフィルタはipv6 ospf import from コマンドの filter 項で指定されてはじめて効果を持つ。

ipv6_prefix/prefix_len では IPv6 プレフィクスを指定する。これは複数指定でき、kind に指定した方法で解釈される。
include IPv6 プレフィクスと一致する経路および、IPv6 プレフィクスに含まれる経路が該当
refines IPv6 プレフィクスに含まれる経路が該当するが、IPv6 プレフィクスと一致する経路は該当しない
equal IPv6 プレフィクスに一致する経路のみ該当

nr が省略されている場合には、一つでも該当する IPv6 プレフィクスがある場合にフィルタに合致したものとし、その経路を導入する。not 指定時には、いずれの IPv6 プレフィクスにも該当しなかった場合にフィルタに合致したものとし、その経路を導入する。reject 指定時には、一つでも該当する IPv6 プレフィクスがある場合にフィルタに合致したものとし、その経路を導入しない。

parameters では、導入する経路を OSPFv3 の外部経路として広告する場合のパラメータとして、メトリック値、メトリックタイプがそれぞれ metric、type により指定できる。これらを省略した場合には、以下の値が採用される。
  • metric=1
  • type=2

[ノート]

not 指定のフィルタをipv6 ospf import from コマンドで複数設定する場合には注意が必要である。not 指定のフィルタに合致しない経路は、そのフィルタでは導入するかどうかが決定しないため、ipv6 ospf import from コマンドで指定された次のフィルタで評価される。そのため、例えば以下のような設定ではすべての経路が導入されることになりフィルタの意味がない。

ipv6 ospf import from static filter 1 2
ipv6 ospf import filter 1 not equal fec0:12ab:34cd:1::/64
ipv6 ospf import filter 2 not equal fec0:12ab:34cd:2::/64

1 番のフィルタは fec0:12ab:34cd:1::/64 以外の経路に合致し、2 番のフィルタは fec0:12ab:34cd:2::/64 以外の経路に合致する。つまり、経路 fec0:12ab:34cd:1::/64 は 1 番のフィルタに合致しないが、2 番のフィルタに合致するため導入される。一方で経路 fec0:12ab:34cd:2::/64 は 1 番のフィルタに合致するため、2 番のフィルタにかかわらず導入される。よって、導入されない経路は存在しない。

経路 fec0:12ab:34cd:1::/64 と経路 fec0:12ab:34cd:2::/64 を導入したくない場合には以下のような設定を行う必要がある。

ipv6 ospf import from static filter 1
ipv6 ospf import filter 1 not equal fec0:12ab:34cd:1::/64 fec0:12ab:34cd:2::/64

あるいは

ipv6 ospf import from static filter 1 2 3
ipv6 ospf import filter 1 reject equal fec0:12ab:34cd:1::/64
ipv6 ospf import filter 2 reject equal fec0:12ab:34cd:2::/64
ipv6 ospf import filter 3 include ::/0

[適用モデル]

RTX5000, RTX3510, RTX3500, RTX1300, RTX1220, RTX1210, RTX830