ヤマハRTシリーズでのIPv6について


はじめに

インターネットの全世界的な普及により、インターネットへのアクセス機能は、 パソコンにとどまらず、今後は携帯電話機や家電製品への機能の実装がすすむ ものと予測されています。このため、現行のインターネットプロトコルである IPv4(Internet Protocol Version 4)では、インターネットに接続している各 種機器の“住所”となるIPアドレスが不足してしまうことが明らかで、次世代 の規約として開発されたIPv6(Internet Protocol Version 6)への早期の移行 が社会的なニーズとなっています。

IPv6はインターネットで現在使用されているプロトコルであるIPv4の次期バー ジョンです。IPv4は広く世界に普及しましたが、32ビットしかないIPv4アドレ スの枯渇や経路テーブルの爆発が問題となっており、それらを解決するものと してIPv6は議論され、開発されてきました。

また、IPv6は政府の「e-Japan重点計画」における研究開発課題であり、2005 年までにIPv6インターネット環境を実現することが目標となっています。当社 は「IPv6普及・高度化推進協議会」のメンバーとして、IPv6の普及・推進に努 めています。

ヤマハRTシリーズのIPv6への対応

ヤマハRTシリーズでも、IPv6に対応していきます。ヤマハRTシリーズでのIPv6 への対応は、業務用の大型機から個人向けの小型機まで、多岐にわたります。 これにより、さまざまなネットワーク環境でIPv6を利用できるようになります。 また、従来のIPv4に関する機能を継承しているため、従来のネットワークに影 響を与えずにIPv6を利用できます。これらの機能は完全にファームウェアで実 現されているためハードウェアを変更する必要はありません。

ヤマハRTシリーズのIPv6対応は、ヤマハ、WIDEプロジェクト、東京工業大学、 北陸先端科学技術大学院大学の共同研究をベースに行われました。共同研究の 詳細については、開発の経緯を御 覧下さい。

IPv4からIPv6への安全な移行技術を提供

IPv6は、IPv4との互換性がないため、それぞれのネットワークが混在するとき には、双方を併用するために移行技術(Transition Mechanism)と総称される仕 組みが必要になります。

RTシリーズでは、移行技術として、IPv4ネットワークを経由してIPv6ネットワー クを接続するためのIPv6 over IPv4トンネリング、IPv6ネットワークを経由し てIPv4ネットワークを接続するためのIPv4 over IPv6トンネリングをサポート します。また、IPv4とIPv6の機器を相互に通信可能とするためのトランスレー タ機能も提供する予定です。これらの機能を活用することで、既存のIPv4ネッ トワークの機能を保存しつつ、安全にIPv6へ移行することができます。一般的 には、IPv4からIPv6への移行は複数の段階を踏むため、各段階に応じた移行技 術が必要になりますが、当社はルータを置き換えることなく運用が可能となる ようにファームウェアを提供します。

豊富なセキュリティ機能の提供

IPv6の標準的なセキュリティプロトコルであるIPsec(ESP、AH、IKE)もサポー トします。これによって、IPv6ネットワーク上でもIPv4と同様にVPNを構築す ることができます。IPv4とIPv6のIPsecを同時に使用することもできます。

IPv6でのIPsecサポートは、IPv4でIPsec をサポートしているモデルに限りま す。

また、パケットフィルタ機能も搭載し、IPv4と同様に、IPv6アドレス、プロト コル、TCP/UDPのポート番号によってパケットのアクセスを制御することがで きます。ファイアウォール機能についても、IPv6に対応する予定です。ファイ アウォール機能は、従来のパケットフィルタよりも多くの情報を監視して、いっ そうきめ細かいアクセス制御を可能にします。例えば通信の始まりと終わりを 検出して、その間だけアクセスを許可したり、不正なIPパケットを破棄するこ とが可能になります。RTシリーズではこれらの機能の活用により、IPv6ネット ワークの安全性を飛躍的に高めています。いずれの機能も、IPv4で培われた技 術を継承しつつIPv6に対応しているため、IPv4と同様に設定、運用することが 可能なほか、IPv4の使いやすさや安定性も継承しています。

対応モデルとファームウェアの提供状況

機種 提供状況
RT140シリーズ Rev.6.02.03以降
RT300i Rev.6.02.03以降
RT105i Rev.6.02.03以降
RTA54i Rev.4.04.03以降
RT52pro Rev.4.02.07以降
RT60w Rev.5.02.04以降

ファームウェア

IPv6正式対応ファームウェア

IPv6正式対応ファームウェアをダウンロードするためには、ファームウェア配 布ページにお進み下さい。

その他のIPv6関連ファームウェア


ファームウェアの機能

IPv6対応ファームウェアには以下のような機能が含まれています。

以下の機能はまだIPv6に対応していません。


ドキュメント

以下のドキュメントが用意されています。


問い合わせ先

IPv6正式対応ファームウェアにつきましては、通常のお問い合わせ窓口よりお 問い合わせをお願いします。

お問い合わせ窓口  <http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/support/index.html>