Wake On LAN
$Date: 2022/09/08 09:12:56 $
概要
Wake On LANは、Magic Packetと呼ばれる特殊なパケットを送信することで、
スリープ状態のPCをLANから起動することができる技術です。
以下の機種、ファームウェアで対応しています。
機種 |
ファームウェア |
vRX VMware ESXi版 |
すべてのリビジョン |
vRX Amazon EC2版 |
NVR510 |
NVR700W |
FWX120 |
NVR500 |
SRT100 |
Rev.10.00.31以降 |
RT58i |
Rev.9.01.11以降 |
RTXシリーズ |
Rev.8.01.07以降、およびRev.7.01.34以降 |
Wake On LAN機能として、以下の機能を持っています。
注1: |
ヤマハRTシリーズ自身がMagic Packetによって起動されることはありません。 |
注2: |
Wake On LANによって起動できるPCはハードウェアおよびOSがWake On LAN対応である必要があります。詳しくはPCメーカ等にお問い合わせ下さい。 |
RTシリーズからMagic Packetを送信するにはwol sendコマンドを使用します。
scheduleコマンドと組み合わせることによって、指定した時間にMagic Packet
を送信するよう指定することも可能です。
- Magic Packetを送信する
- [入力形式]
- wol send [-i INTERVAL] [-c COUNT] INTERFACE MAC-ADDRESS [IP-ADDRESS [udp PORT]]
wol send [-i INTERVAL] [-c COUNT] INTERFACE MAC-ADDRESS ethernet TYPE
- [パラメータ]
INTERVAL ... | パケットの送信間隔 (秒), 1〜21474836 |
COUNT ... | パケットの送信回数, 1〜21474836 |
INTERFACE ... | LANインタフェース名 |
MAC-ADDRESS ... | MACアドレス |
IP-ADDRESS ... | IPv4アドレス |
PORT ... | UDPポート番号(10進数) |
TYPE ... | イーサネットタイプフィールドの値(10進数) |
- [説明]
- 指定したLANインタフェースにMagic Packetを送信する。
第1の形式では、IPv4 UDPパケットとしてUDPペイロードにMagic Packet
データシーケンスを格納したパケットを送信する。終点IPアドレスと、
終点UDPポート番号を指定できるが、省略した場合には、終点IPアドレス
としてはインタフェースのディレクティッドブロードキャストアドレス
が、終点ポート番号には9(discard)が使われる。
また、終点IPアドレスを指定した場合にはユニキャストでパケットを送
信する。その場合、通常のルーティングやARPの手順は踏まず、終点MAC
アドレスはコマンドで指定したものになる。終点IPアドレスを省略した
場合にはブロードキャストでパケットを送信する。
第2の形式では、Ethernetヘッダの直後からMagic Packetのデータシーケ
ンスが始まるパケットを送信する。この時、イーサネットタイプフィー
ルドとしては、1501〜65535の値を指定しなくてはいけない。
どちらの形式でも、-i、-cオプションでMagic Packetの送信間隔および
回数を指定できる。パケットの送信中でも、^Cキーでコマンドを中断で
きる。
- [ノート]
- RT自身が直結しているLANインタフェース以外にMagic Packetを送信することはできない。
- [デフォルト]
- INTERVAL: 1 (秒)
COUNT: 4
RTシリーズのデフォルト設定では、ip filter directed-broadcastコマンドが
onに設定されており、ディレクティッドブロードキャスト宛のパケットは中継
しないようになっています。これは、ディレクティッドブロードキャスト宛の
パケットは通常の通信で利用されることはほとんどなく、むしろDDoS攻撃など
に悪用されることが多いためです。
そのため、遠隔地から送信された、ディレクティッドブロードキャスト宛の
IPv4パケットとして構成されたMagic PacketをLANに中継するためには、中継
しようとしているパケットを何らかの方法で識別する必要があります。RTシリー
ズではwol relayコマンドを用いることで、ip filter directed-broadcastコ
マンドにより通常のディレクティッドブロードキャスト宛パケットの中継が拒
否されている場合でも、ディレクティッドブロードキャスト宛のMagic Packet
の識別と中継を可能にします。
- Magic Packetを中継する
- [入力形式]
- ip INTERFACE wol relay SW
- [パラメータ]
INTERFACE ... | LANインタフェース名 |
SW ... |
スイッチ
broadcast ... | Magic Packetをブロードキャストパケットとして中継する |
unicast ... | Magic Packetをユニキャストパケットとして中継する |
off ... | Magic Packetかどうか検査しない |
|
- [説明]
- IPv4パケットとして構成されたMagic Packetを指定したLANインタフェー
スに中継する。IPv4パケットの終点IPアドレスは指定したLANインタフェー
スのディレクティッドブロードキャスト宛でなくてはいけない。
'broadcast'または'unicast'を指定した場合には、受信したパケットの
内容をチェックし、Magic Packetデータシーケンスが存在する場合にの
みパケットを中継する。
'broadcast'を指定した場合にはMagicPacketをブロードキャストパケッ
トとしてLANインタフェースに送信する。
'unicast'を指定した場合にはMagic PacketデータシーケンスからMACア
ドレスを抜きだし、それを終点MACアドレスとしたユニキャストパケット
として送信する。
'off'を指定した場合には、Magic Packetかどうかの検査は行なわない。
- [ノート]
- いずれの場合も、Magic Packetとして中継されなかった場合のパケット
は、ip filter directed-broadcastコマンドの設定に基づき処理される。
- [デフォルト]
- off
また、ip filter directed-broadcastコマンドも拡張され、ip filterコマン
ドでのフィルタ指定により通過、拒否が選択できるようになっています。
- ディレクティッドブロードキャストパケットの扱いを設定する
- [入力形式]
- ip filter directed-broadcast on
ip filter directed-broadcast off
ip filter directed-broadcast filter FILTER [FILTER...]
- [パラメータ]
-
- [説明]
- 終点アドレスがディレクティッドブロードキャストアドレスであるIPv4
パケットの扱いを設定する。
'on'を指定した場合には、ディレクティッドブロードキャストパケット
はすべて破棄する。
'off'を指定した場合には、ディレクティッドブロードキャストパケット
はすべて通過させる。
'filter'を指定した場合には、ip filterコマンドで設定したフィルタで
パケットを検査し、PASSフィルタにマッチした場合のみパケットを通過
させる。
- [ノート]
- このコマンドでのチェックよりも、wol relayコマンドのチェックの方が
優先される。wol relayコマンドでのチェックにより通過させることがで
きなかったパケットのみが、このコマンドでのチェックを受ける。
- [デフォルト]
- on