ヤマハ仮想ルーター ソフトウェアライセンス

$Date: 2023/06/26 16:37:55 $

  1. 1. 概要
  2. 2. 用語の定義
  3. 3. 注意事項
  4. 4. 詳細
    1. 4-1. ライセンス無効時の機能制限
    2. 4-2. ライセンスの種類
    3. 4-3. タイムライン
    4. 4-4. ライセンスのインポート
    5. 4-5. ライセンスのエクスポート
    6. 4-6. ライセンスの削除
    7. 4-7. ライセンスの確認
    8. 4-8. ライセンスの状態が反映されるタイミング
  5. 5. コマンド
  6. 6. メッセージ
  7. 7. ソフトウェアライセンスの利用例

1. 概要

ヤマハ仮想ルーターのソフトウェアライセンスは、ルーターにかかる機能制限の状態を変更するためのライセンスです。ヤマハ仮想ルーターは ソフトウェアライセンスがなくても利用することができますが、ルーターの上限速度や VPN 対地数に制限があります。ソフトウェアライセンスをインポートしてルーターにかかる制限を変更することで、目的に応じたネットワーク環境を構築することができます。

有償ライセンスとトライアルライセンス

ソフトウェアライセンスには有償ライセンスと評価用の無償トライアルライセンスがあります。

有償ライセンス
トライアルライセンス

Amazon EC2 版ソフトウェアライセンスとローカル仮想環境版ソフトウェアライセンス

ソフトウェアライセンスにはAmazon EC2 版とローカル仮想環境版の2種類が存在します。

各ソフトウェアライセンスは以下のヤマハ仮想ルーターで利用可能です。

ヤマハ仮想ルーター ライセンス種別
vRX Amazon EC2 版 Amazon EC2 版ソフトウェアライセンス
vRX VMware ESXi 版 ローカル仮想環境版ソフトウェアライセンス

ローカル仮想環境版ヤマハ仮想ルーターでAmazon EC2 版ソフトウェアライセンスを利用することや、Amazon EC2 版ヤマハ仮想ルーターでローカル仮想環境版ソフトウェアライセンスを利用することは出来ません。

ソフトウェアライセンスを利用できるヤマハ仮想ルーター

ソフトウェアライセンスは1つのライセンスにつき、1台のヤマハ仮想ルーターでのみ利用できます。同じライセンスを複数のヤマハ仮想ルーターで併用することはできません。

ライセンスのエクスポートと削除を行うことで、利用中のライセンスを別のヤマハ仮想ルーターに移設できます。詳しくは「ソフトウェアライセンスの利用例」を参照してください。


2. 用語の定義

用語 説明
インスタンス ID
インスタンスを区別するための ID
基本ライセンスを発行したときに自動的に付与される
基本ライセンスとオプションライセンスはインスタンス ID で紐づけられているため、オプションライセンスを利用する場合はインスタンス ID が一致する基本ライセンスが必要となる
基本ライセンスの次年度版ライセンスを購入する場合や基本ライセンスの上限速度を変更する場合は、継続利用する基本ライセンスのインスタンス IDを申告する必要がある
利用中の基本ライセンスのインスタンス ID は show status license vrx コマンドや基本ライセンスを発行したときに通知されるライセンス証書で確認可能

3. 注意事項


4. 詳細

4-1. ライセンス無効時の機能制限

ルーターの現在の日付で有効となるソフトウェアライセンスがインポートされていない場合は機能が制限されます。

基本ライセンス無効時の機能制限

ルーターの LAN インターフェースごとの上限速度が制限されます。

上限速度 512K bit/s

VPN ライセンス無効時の機能制限

ルーターの VPN 対地数が制限されます。

VPN 対地数 なし (0対地)

4-2. ライセンスの種類

本節ではライセンスの種類ごとの詳細を示します。

基本ライセンス

基本ライセンスはルーターの上限速度を決定するライセンスです。

基本ライセンスが有効である期間は、ルーターの LAN インターフェースごとの上限速度がライセンスに従った値となります。

基本ライセンスの品番ごとの上限速度と有効期限を以下に示します。

品番 (クラウド版) 品番 (オンプレミス版) 上限速度 有効期限
vRX-1Y10M vRX-1Y10M-VM 10M bit/s 1年
vRX-1Y20M vRX-1Y20M-VM 20M bit/s 1年
vRX-1Y100M vRX-1Y100M-VM 100M bit/s 1年
vRX-1Y500M vRX-1Y500M-VM 500M bit/s 1年
vRX-1Y1G vRX-1Y1G-VM 1G bit/s 1年
vRX-1Y10G vRX-1Y10G-VM 10G bit/s 1年

拠点間の IPsec トンネル接続を行う場合、「IPsec トンネル接続に必要な帯域の目安」を参考にして基本ライセンスを選定してください。

新規に購入した基本ライセンスは、申し込み月末日の1年後までが有効期間ですが、申し込み月からご利用は可能です。

オプションライセンス

オプションライセンスはルーターのオプションにかかる機能制限の状態を変更するためのライセンスです。

オプションライセンスはライセンス発行時に基本ライセンスとインスタンス ID で紐づけられています。インスタンス ID が一致する基本ライセンスがない場合は利用できません。

基本ライセンスが有効期限切れとなるとオプションライセンスも利用できなくなります。ソフトウェアライセンスを継続して利用する場合は、基本ライセンスが有効期限切れとなる前に次年度版の基本ライセンスを購入してください。有効期限切れとなったあとに基本ライセンスを新規購入した場合はオプションライセンスを再度購入する必要があります。

VPN ライセンス

VPN ライセンスはルーターの VPN 対地数を決定するライセンスです。

VPN ライセンスの有効期限は基本ライセンスの有効期限に従います。

VPN ライセンスが有効である期間は、ルーターの VPN 対地数がライセンスに従った値となります。

VPN ライセンスの品番ごとの VPN 対地数を以下に示します。

品番 (クラウド版) 品番 (オンプレミス版) VPN 対地数
vRX-VPN10 vRX-VPN10-VM 10
vRX-VPN100 vRX-VPN100-VM 100
vRX-VPN500 vRX-VPN500-VM 500
vRX-VPN1K vRX-VPN1K-VM 1000

複数の VPN ライセンスがインポートされている場合、ライセンスごとの対地数の合計値がルーターの VPN 対地数となります。ただし、機能ごとの最大対地数をこえて接続することはできません。

機能 最大対地数
vRX (通常モード) vRX (コンパクトモード)
IPsec 6000 1000
IPIP 6000 1000
L2TPv2/IPsec 1000 1000
L2TPv3, L2TPv3/IPsec 99 99
マルチポイントトンネル 100 100
データコネクト 200 200
合計(※) 6000 1000

(※)VPN 全体での合計の対地数。例えば IPsec と L2TP/IPsec を併用するとき、それぞれの接続数の合計が VPN 全体の最大対地数をこえて接続することはできない。

トライアルライセンス

トライアルライセンスは評価用の無償ライセンスです。基本ライセンスと VPN ライセンスで、それぞれのトライアルライセンスがあります。

トライアル基本ライセンス

トライアル基本ライセンスが有効である期間は、ルーターの LAN インターフェースごとの上限速度がライセンスに従った値となります。

トライアル基本ライセンスの上限速度と有効期限を以下に示します。

品番 上限速度 有効期限
vRX-TR-B1 10G bit/s 最大3ヶ月間
トライアル VPN ライセンス

トライアル VPN ライセンスの有効期限はトライアル基本ライセンスの有効期限に従います。

トライアル VPN ライセンスが有効である期間は、ルーターの VPN 対地数がライセンスに従った値となります。

トライアル VPN ライセンスの VPN 対地数を以下に示します。

品番 VPN 対地数
vRX-TR-V1 100

4-3. タイムライン

基本ライセンスの延長、および VPN ライセンスの追加を行う場合を例として、ルーターにかかる機能制限のタイムラインを以下に示します。その他の例については「7. ソフトウェアライセンスの利用例」を参照してください。

ライセンス 品番 有効期限 インポート日
基本ライセンス1 vRX-1Y1G 2019/11/10〜2020/11/30 2019/11/10
基本ライセンス2 (次年度版ライセンス) vRX-1Y1G 2020/12/01〜2021/11/30 2020/11/01
VPN ライセンス1 vRX-VPN1K - 2019/12/01
VPN ライセンス2 vRX-VPN500 - 2020/11/01

基本ライセンス2は基本ライセンス1が有効期限切れとなったあと、ソフトウェアライセンスを継続利用するための次年度版ライセンスです。

2019/11/10に基本ライセンス1、2019/12/01に VPN ライセンス1をインポートします。基本ライセンス1は、申し込み月末日の1年後までが有効期間ですが、申し込み月からご利用は可能です。

基本ライセンス1が有効期限切れとなる前 (2020/11/01) に次年度版ライセンスをインポートします。また、次年度版ライセンスのインポートにあわせて VPN ライセンス2をインポートします。

ルーターにかかる機能制限のタイムラインは以下のようになります。

タイムライン
期間 上限速度 VPN 対地数
〜2019/10/31 512K bit/s なし
2019/11/10〜2019/11/30 1G bit/s なし
2019/12/01〜2020/10/31 1G bit/s 1000対地
2020/11/01〜2021/11/30 1G bit/s 1500対地

2019/11/10以降は基本ライセンス1が有効となるため、上限速度は 1G bit/s となります。2020/12/01以降は次年度版ライセンスが有効となりますが、上限速度に変化はありません。

2019/12/01以降は VPN ライセンス1が有効となるため、VPN 対地数は 1000対地 となります。2020/11/01以降は VPN ライセンス2が追加されるため、VPN 対地数は 1500対地 となります。

VPN ライセンスの有効期限は基本ライセンスの有効期限に従うため、基本ライセンスが有効な期間はすべての VPN ライセンスが有効となります。

4-4. ライセンスのインポート

import vrx license コマンドでソフトウェアライセンスをインポートすることができます。以下のいずれかの方法でインポートします。

ソフトウェアライセンスをインポートする手順を以下に示します。

ライセンスファイルでインポート

  1. (1)ライセンスファイルを用意する
    ライセンスファイルはライセンス発行時に提供された圧縮ファイルに格納されています。ユーザー証書に従って圧縮ファイルを解凍してください。
    "xxxxxxx.lic" というファイルがライセンスファイルです。
  2. (2)ユーザー IDとパスワードを設定する
    vrx user コマンドでルーターを使用する使用するユーザー ID とパスワードを設定します。
    ユーザー ID とパスワードについてはソフトウェアライセンス発行時に通知されたユーザー証書をご確認ください。
    # vrx user <ユーザーID> <パスワード>
  3. (3)ライセンスファイルを保存する
    SFTP でルーターのライセンスファイルの保存ディレクトリ "/" にライセンスファイルを転送します。SFTP については SFTP サーバー機能の技術資料を参照してください。
    ライセンスファイルの保存ディレクトリにすべてのライセンスファイルを保存してください。インポート済みのライセンスがある場合は、当該ライセンスのライセンスファイルは削除しないでください。
    なお、ライセンスファイルの保存ディレクトリは vrx license file directory コマンドで任意のディレクトリに変更できます。
  4. (4)ライセンスをインポートする
    import vrx license file コマンドでライセンスをインポートします。
    import vrx license file コマンドを実行すると、インポートするライセンスの一覧が表示されます。内容をご確認のうえ、問題がなければ Y を入力してください。
    # import vrx license file
    以下のライセンスをインポートします。
    基本ライセンス:
        =========================================================
         品番                  速度      有効期限
        ---------------------------------------------------------
         vRX-1Y1G              1G        2019/11/01 - 2020/11/30
    オプションライセンス:
        vRX-VPN1K
        vRX-VPN500
    
    ライセンスのインポートを続けますか? (Y/N)
  5. (5)ライセンスがインポートできていることを確認する
    show status license コマンドでライセンスがインポートされていることを確認します。詳しくは「4-7. ライセンスの確認」を参照してください。

ライセンスキーでインポート

  1. (1)ライセンスキーを用意する
    ライセンスキーはライセンスファイルに記載されています。
    ライセンスファイルはライセンス発行時に提供された圧縮ファイルに格納されています。ユーザー証書に従って圧縮ファイルを解凍してください。
    "xxxxxxx.lic" というファイルがライセンスファイルです。
    ライセンスファイルをテキストエディタで開いたときに表示される "ysl" ではじまる文字列がライセンスキーです。
    ライセンスキーが複数ある場合は 1 行につき 1 ライセンスキーとなります。テキストエディタによっては改行が表示されないことがありますのでご注意ください。
    ライセンスキーが 3つ 記載されているライセンスファイルをテキストエディタで開いたときは以下のようになります。
    ライセンスキー
  2. (2)ユーザー IDとパスワードを設定する
    vrx user コマンドでルーターを使用する使用するユーザー ID とパスワードを設定します。
    ユーザー ID とパスワードについてはソフトウェアライセンス発行時に通知されたユーザー証書をご確認ください。
    # vrx user <ユーザーID> <パスワード>
  3. (3)ライセンスをインポートする
    import vrx license key コマンドでライセンスをインポートします。
    import vrx license key コマンドを実行すると、ライセンスキーの入力を求められます。
    # import vrx license key
    ライセンスキーを入力してください:
    ライセンスキーはコピー&ペーストで入力できます。ただし、コピー&ペーストした内容に改行コードが含まれている場合はエラーとなります。
    ライセンスキーを入力すると、インポートするライセンスの一覧が表示されます。内容をご確認のうえ、問題がなければ Y を入力してください。
    以下のライセンスをインポートします。
    基本ライセンス:
        =========================================================
         品番                  速度      有効期限
        ---------------------------------------------------------
         vRX-1Y1G              1G        2019/11/01 - 2020/11/30
    
    ライセンスのインポートを続けますか? (Y/N)
    vRX VMware ESXi 版 では、import vrx license key コマンドに続けてライセンスキーを指定することもできます。
    この方法では対話的な入出力は行われず、ライセンスキーが正しければ自動的にインポートされます。
    # import vrx license key ysl100abcdefghijklmnopqrstuvwxyzabcdefghijklmnopqrstuvwxyzabcdefghijklmnopqrstuvwxyz
    インポートするライセンスが複数ある場合は、手順3を繰り返してください。
  4. (4)ライセンスがインポートできていることを確認する
    show status license コマンドでライセンスがインポートされていることを確認します。詳しくは「4-7. ライセンスの確認」を参照してください。

4-5. ライセンスのエクスポート

export vrx license file コマンドでソフトウェアライセンスをエクスポートすることができます。

ソフトウェアライセンスのエクスポートを行うと、vrx license file directory コマンドで指定したディレクトリ内の vrx_license ディレクトリにライセンスファイルが保存されます。vrx_license ディレクトリがない場合は自動で作成します。

エクスポートしたライセンスファイルは以下の名前となります。

ライセンス ファイル名
基本ライセンス vrx_basic_yyyymmdd_hhmmss.lic
VPN ライセンス vrx_vpn_yyyymmdd_hhmmss.lic

yyyymmdd_hhmmss はエクスポートを行った日時となります。

4-6. ライセンスの削除

clear vrx license コマンドでルーターにインポートされているソフトウェアライセンスを削除することができます。

ソフトウェアライセンスを削除する手順を以下に示します。

  1. (1)ライセンスを削除する
    clear vrx license コマンドでライセンスを削除します。
    clear vrx license コマンドを実行すると、削除するライセンスの品番が表示されます。内容をご確認のうえ、問題がなければ Y を入力してください。
    # clear vrx license
    以下のライセンスをクリアします。
    基本ライセンス:
        =========================================================
         品番                  速度      有効期限
        ---------------------------------------------------------
         vRX-1Y1G              1G        2019/11/01 - 2020/11/30
    オプションライセンス:
        vRX-VPN1K
        vRX-VPN500
    
    ライセンスのクリアを続けますか? (Y/N)
    ライセンスを削除するとルーターにインポートされているライセンスがすべて削除されます。以降、ルーターはライセンス無効時の機能制限に従って動作します。
    clear vrx license コマンドに history オプションを付与した場合は、有効期限切れとなったライセンスのみ削除します。
    # clear vrx license history
  2. (2)ライセンスが削除できていることを確認する
    show status license コマンドでライセンスが削除されていることを確認します。詳しくは「4-7. ライセンスの確認」を参照してください。

4-7. ライセンスの確認

show status license コマンドでソフトウェアライセンスの状態を確認することができます。

show status license コマンドを実行すると、現在有効となっている基本ライセンスが「vRX-<速度制限>」で表示されます。オプションライセンスがある場合は当該ライセンスの種類と機能制限が併記されます。

# show status license
=======================================================
品番                  状態                 有効期限
-------------------------------------------------------
vRX-10G               有効                 2021/11/30
    VPN (対地数:1500)

show status license コマンドに vrx オプションを付与するとルーターにインポートされているソフトウェアライセンスの詳細情報を表示します。

現在有効となっている基本ライセンスは先頭にアスタリスク (*) が付与されます。

# show status license vrx
ユーザーID:            vrx_user
インスタンスID:        12345678
基本ライセンス:
    =========================================================
     品番                  速度      有効期限
    ---------------------------------------------------------
    *vRX-1Y10G             10G       2020/12/01 - 2021/11/30
     vRX-1Y10G             10G       2021/12/01 - 2022/11/30
オプションライセンス:
    vRX-VPN1K
    vRX-VPN500

vrx オプションに加えて、 all オプションを付与すると有効期限切れとなったライセンスを含めたすべてのソフトウェアライセンスの詳細情報を表示します。

# show status license vrx all
ユーザーID:            vrx_user
インスタンスID:        12345678
基本ライセンス:
    =========================================================
     品番                  速度      有効期限
    ---------------------------------------------------------
     vRX-1Y10G             10G       2019/11/01 - 2020/11/30
    *vRX-1Y10G             10G       2020/12/01 - 2021/11/30
     vRX-1Y10G             10G       2021/12/01 - 2022/11/30
オプションライセンス:
    vRX-VPN1K
    vRX-VPN500

4-8. ライセンスの状態が反映されるタイミング

ソフトウェアライセンスの状態は vrx license update schedule コマンドの設定に従って反映されます。

ルーターは 1 日に 1 度、vrx license update schedule コマンドの TIME1 で指定した時刻から TIME2 で指定した時刻の間のランダムな時刻にライセンスの有無を確認します。現在の日付で有効となるライセンスがあれば、当該ライセンスに従って動作します。有効となるライセンスがなければ、ライセンス無効時の機能制限に従って動作します。なお、以下の場合は vrx license update schedule コマンドの設定に関わらず、即座にライセンスの有無を確認、反映します。


5. コマンド


6. メッセージ

ソフトウェアライセンスに関連するメッセージを以下に示します。

SYSLOG メッセージ

SYSLOG として出力されるメッセージを以下に示します。

レベル 出力メッセージ 意味
INFO [SFSYS_GENERAL] License is invalidated because there is a possibility that the date was changed improperly. ルーターの日付が不正に変更された可能性があるため、ライセンスが無効になった
Disabled IP Tunnel[num], insufficient license. ライセンスによる対地数制限を超過したため、トンネルインターフェースが無効になった
num はトンネル番号
DEBUG [TUNNEL] exceeded the number of license,disconnects multipoint tunnels. ライセンスによる対地数制限を超過したため、マルチポイントトンネルを切断した

ログインメッセージ

ルーターにログインしたときに出力されるメッセージを以下に示します。

出力メッセージ 意味
The License expires on yyyy/mm/dd. 現在有効なライセンスの有効期限の満了日まで3ヵ月以内になった
yyyy/mm/dd は基本ライセンスの有効期限の満了日
Valid license is not found. Operates in speed limited mode. 現在有効なライセンスがインポートされていないため、速度制限されている
License is invalidated because there is a possibility that the date was changed improperly. Operates in speed limited mode. ルーターの日付が不正に変更された可能性があり、ライセンスが無効になったため、速度制限されている

7. ソフトウェアライセンスの利用例

ソフトウェアライセンスの利用例ごとのルーターにかかる機能制限のタイムラインを以下に示します。ライセンスのインポート/エクスポート/削除の操作方法については、「4-4. ライセンスのインポート」、「4-5. ライセンスのエクスポート」、「4-6. ライセンスの削除」を参照してください。

トライアルライセンスの利用開始後、有償ライセンスを追加する

トライアルライセンスの利用中に、有償ライセンスの利用を開始します。

ライセンス 品番 有効期限 インポート日
トライアル基本ライセンス vRX-TR-B1 2019/11/01〜2019/11/20 2019/11/01
トライアル VPN ライセンス vRX-TR-V1 - 2020/11/01
基本ライセンス vRX-1Y10G 2019/11/15〜2020/11/30 2019/11/15
VPN ライセンス vRX-VPN1K - 2020/11/15

2019/11/01にトライアルの 基本ライセンスと VPN ライセンスをインポートして、トライアルライセンスが有効期限切れとなる前 (2019/11/15) に有償の 基本ライセンスと VPN ライセンスをインポートします。

ルーターにかかる機能制限のタイムラインは以下のようになります。

利用例1
期間 上限速度 VPN 対地数
2019/11/01〜2019/11/14 10G bit/s 100対地
2019/11/15〜2020/11/30 10G bit/s 1000対地

2019/11/01以降はトライアルの基本ライセンスと VPN ライセンスが有効となるため、上限速度は 10G bit/s、VPN 対地数は 100対地 となります。

2019/11/15以降は有償の基本ライセンスと VPN ライセンスが有効となるため、上限速度は 10G bit/s、VPN 対地数は 1000対地 となります。

トライアル基本ライセンスと有償基本ライセンスが重複している期間 (2019/11/15〜2019/11/20) は、有償基本ライセンスが有効となります。

トライアル VPN ライセンスはトライアル基本ライセンスが有効であるときのみ有効となります。

基本ライセンスの利用開始後、VPN 対地数を追加する

基本ライセンスの利用中に VPN 対地数を追加します。

ライセンス 品番 有効期限 インポート日
基本ライセンス vRX-1Y10G 2019/11/10〜2020/11/30 2019/11/10
VPN ライセンス1 vRX-VPN500 - 2019/12/01
VPN ライセンス2 vRX-VPN100 - 2020/04/01

2019/11/10に基本ライセンスをインポートして、その後、VPN ライセンスをインポートして VPN 対地数を追加します。本例では 2回 (2019/12/01、2020/04/01) VPN ライセンスをインポートします。

ルーターにかかる機能制限のタイムラインは以下のようになります。

利用例2
期間 上限速度 VPN 対地数
2019/11/10〜2019/11/30 10G bit/s なし
2019/12/01〜2020/03/31 10G bit/s 500対地
2020/04/01〜2020/11/30 10G bit/s 600対地

2019/11/10以降は基本ライセンスが有効となるため、上限速度は 10G bit/sとなります。VPN ライセンスがインポートされていないため、VPN 対地数はありません。

2019/12/01以降は VPN ライセンス1が有効となるため、VPN 対地数は 500対地 となります。2020/04/01以降は VPN ライセンス2が追加されるため、VPN 対地数は 600対地 となります。

VPN ライセンスの有効期限は基本ライセンスの有効期限に従うため、基本ライセンスが有効な期間はすべての VPN ライセンスが有効となります。

基本ライセンスを延長する (基本ライセンスが有効期限切れとなる前に次年度版ライセンスをインポート)

基本ライセンスを延長する場合は、基本ライセンスが有効期限切れとなる前に次年度版ライセンスを購入してください。有効期限切れとなったあとに基本ライセンスを新規購入した場合は VPN ライセンスを再度購入する必要があります。

基本ライセンスが有効期限切れとなる前に次年度版ライセンスをインポートして、基本ライセンスを延長します。

ライセンス 品番 有効期限 インポート日
基本ライセンス1 vRX-1Y10G 2019/11/10〜2020/11/30 2019/11/10
基本ライセンス2 (次年度版ライセンス) vRX-1Y10G 2020/12/01〜2021/11/30 2020/11/01
VPN ライセンス vRX-VPN1K - 2019/11/01

基本ライセンス2は基本ライセンス1が有効期限切れとなったあと、ソフトウェアライセンスを継続利用するための次年度版ライセンスです。

2019/11/10に基本ライセンス1と VPN ライセンスをインポートして、基本ライセンス1が有効期限切れとなる前 (2020/11/01) に次年度版ライセンスをインポートします。

ルーターにかかる機能制限のタイムラインは以下のようになります。

利用例3
期間 上限速度 VPN 対地数
2019/11/10〜2021/11/30 10G bit/s 1000対地

2019/11/10以降は基本ライセンス1と VPN ライセンスが有効となるため、上限速度は 10G bit/s、VPN 対地数は 1000対地 となります。2020/12/01以降は次年度版ライセンスが有効となりますが、上限速度に変化はありません。

VPN ライセンスの有効期限は基本ライセンスの有効期限に従うため、基本ライセンスが有効な期間はすべての VPN ライセンスが有効となります。

基本ライセンスが有効期限切れとなったあと、新規に購入した基本ライセンスをインポートする

基本ライセンスが有効期限切れとなったあとに、別途、新規購入した基本ライセンスの利用を開始します。

ライセンス 品番 有効期限 インスタンス ID インポート日
基本ライセンス1 vRX-1Y10G 2019/11/10〜2020/11/30 1000 2019/11/10
基本ライセンス2 vRX-1Y10G 2021/04/01〜2022/04/30 1001 2021/04/01
VPN ライセンス1 vRX-VPN1K - 1000 2019/11/10
VPN ライセンス2 vRX-VPN1K - 1001 2021/04/01

基本ライセンス2は新規に購入したライセンスであるため、基本ライセンス1とインスタンス ID が異なります。

2019/11/10に基本ライセンス1と VPN ライセンス1をインポートして、基本ライセンス1が有効期限切れとなったあと (2021/04/01) に基本ライセンス2と VPN ライセンス2をインポートします。

ルーターにかかる機能制限のタイムラインは以下のようになります。

利用例5
期間 上限速度 VPN 対地数
2019/11/10〜2020/11/30 10G bit/s 1000対地
2020/12/01〜2021/03/31 512K bit/s なし
2021/04/01〜2022/04/30 10G bit/s 1000対地

2019/11/01以降は基本ライセンス1と VPN ライセンス1が有効となるため、上限速度は 10G bit/s、VPN 対地数は 1000対地 となります。

2020/12/01以降は基本ライセンス1が有効期限切れとなるため、上限速度は 512K bit/s となります。基本ライセンス1の有効期限切れとなることで VPN ライセンスが無効となるため、VPN 対地数はありません。

2021/04/01以降は基本ライセンス2と VPN ライセンス2が有効となるため、上限速度は 10G bit/s、VPN 対地数は 1000対地 となります。インスタンス ID が異なるため、VPN ライセンス1は無効となります。VPN 対地数を追加する場合は、インスタンス ID が基本ライセンス2と一致する VPN ライセンス2をインポートしてください。

ソフトウェアライセンスの利用を停止する

基本ライセンスが有効期限切れとなる前にライセンスを削除して、ソフトウェアライセンスの利用を停止します。

ライセンス 品番 有効期限 インポート日 削除日
基本ライセンス vRX-1Y10G 2019/11/01〜2020/11/30 2019/11/01 2020/04/01
VPN ライセンス vRX-VPN1K - 2019/11/01 2020/04/01

2019/11/01に基本ライセンスと VPN ライセンスをインポートして、基本ライセンスが有効期限切れとなる前 (2021/04/01) にソフトウェアライセンスを削除します。

ルーターにかかる機能制限のタイムラインは以下のようになります。

利用例6
期間 上限速度 VPN 対地数
2019/11/01〜2020/03/31 10G bit/s 1000対地
2020/04/01〜 512K bit/s なし

2019/11/01以降は基本ライセンス1と VPN ライセンスが有効となるため、上限速度は 10G bit/s、VPN 対地数は 1000対地 となります。

2020/04/01以降は有効なソフトウェアライセンス がインポートされていないため、上限速度は 512K bit/s となり、VPN 対地数はありません。

基本ライセンスの有効期限内であれば、基本ライセンスとVPNライセンスを再度インポートすることで、ソフトウェアライセンスの利用を再開することができます。

ルーターの上限速度を変更する

基本ライセンスの利用中に上限速度を変更した基本ライセンスをインポートして、ルーターの上限速度を変更します。

ライセンス 品番 有効期限 インポート日
基本ライセンス1 vRX-1Y500M 2019/11/01〜2020/11/30 2019/11/01
基本ライセンス2 vRX-1Y1G 2020/04/01〜2021/03/31 2020/04/01
VPN ライセンス vRX-VPN1K - 2019/11/01

基本ライセンス2はルーターの上限速度を変更してソフトウェアライセンスを継続利用するためのライセンスです。

2019/11/01に基本ライセンス1と VPN ライセンスをインポートして、2020/04/01に基本ライセンス2をインポートします。

ルーターにかかる機能制限のタイムラインは以下のようになります。

利用例7
期間 上限速度 VPN 対地数
2019/11/01〜2020/03/31 500M bit/s 1000対地
2020/04/01〜2021/03/31 1G bit/s 1000対地

2019/11/01以降は基本ライセンス1と VPN ライセンスが有効となるため、上限速度は 500M bit/s、VPN 対地数は 1000対地 となります。

2020/04/01以降は基本ライセンス2が有効となるため、上限速度は 1G bit/s となります。VPN 対地数に変化はありません。

VPN ライセンスの有効期限は基本ライセンスの有効期限に従うため、基本ライセンスが有効な期間はすべての VPN ライセンスが有効となります。

ヤマハ仮想ルーターAで利用しているソフトウェアライセンスをヤマハ仮想ルーターBで利用する

ヤマハ仮想ルーターAの利用中のソフトウェアライセンスをヤマハ仮想ルーターBに移設します。

ライセンス 品番 有効期限 ヤマハ仮想ルーターA ヤマハ仮想ルーターB
インポート日 削除日 インポート日
基本ライセンス vRX-1Y10G 2019/11/10〜2020/11/30 2019/11/10 2020/04/01 2020/04/01
VPN ライセンス vRX-VPN1K - 2019/11/10 2020/04/01 2020/04/01

2019/11/10にヤマハ仮想ルーターAに基本ライセンスと VPN ライセンスをインポートします。

2020/04/01にヤマハ仮想ルーターBに基本ライセンスと VPN ライセンスを移設します。ソフトウェアライセンスの移設は以下の手順で行います。

  1. 1. ヤマハ仮想ルーターAでソフトウェアライセンスをエクスポートする
    ヤマハ仮想ルーターAで export vrx license file コマンドを実行してソフトウェアライセンスをエクスポートします。
  2. 2. ヤマハ仮想ルーターAでソフトウェアライセンスの利用を停止する
    ヤマハ仮想ルーターAで clear vrx license コマンドを実行してソフトウェアライセンスを削除します。
  3. 3. ヤマハ仮想ルーターBにエクスポートしたライセンスファイルを保存する
    SFTP でヤマハ仮想ルーターBのライセンスファイルの保存ディレクトリに手順1でエクスポートしたライセンスファイルを転送します。
  4. 4. ヤマハ仮想ルーターBにソフトウェアライセンスをインポートする
    ヤマハ仮想ルーターBで import vrx license file コマンドを実行してソフトウェアライセンスをインポートします。

ルーターにかかる機能制限のタイムラインは以下のようになります。

利用例8
期間 ヤマハ仮想ルーターA ヤマハ仮想ルーターB
上限速度 VPN 対地数 上限速度 VPN 対地数
2019/11/10〜2020/03/31 10G bit/s 1000対地 512K bit/s なし
2020/04/01〜2020/11/30 512K bit/s なし 10G bit/s 1000対地
  1. ヤマハ仮想ルーターA
    2019/11/10以降は基本ライセンスと VPN ライセンスが有効となるため、上限速度は 10G bit/s、VPN 対地数は 1000対地 となります。
    2020/04/01以降はライセンスがインポートされていないため、上限速度は 512K bit/s となり、VPN 対地数はありません。
  2. ヤマハ仮想ルーターB
    2020/03/31まではライセンスがインポートされていないため、上限速度は 512K bit/s となり、VPN 対地数はありません。
    2020/04/01以降は基本ライセンスと VPN ライセンスが有効となるため、上限速度は 10G bit/s、VPN 対地数は 1000対地 となります。

[EOF]