http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/docs/relnote/Rev.09.00/relnote_09_00_43.html
Revision : 09.00.43
Release : Jan. 2009, ヤマハ株式会社

Rev.9.00.43リリースノート


Rev.9.00.40 からの変更点


■機能追加

  1. 生存通知機能2を追加した。

    なお、従来の生存通知機能とは動作上の互換性はない。

    http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/docs/heartbeat/index2.html

  2. プライベートMIBでLOOPBACKインタフェースとNULLインタフェースの情報を取得できるようにした。
    プライベートMIBファイルも更新する必要がある。

  3. インタフェースに複数のグローバルIPv6アドレスが設定されているときの、始点IPv6選択規則を設定するコマンドを新設した。
    従来は、このコマンドで'lifetime'と設定したときと同じ動作をしていたが、本来は'prefix'と同じ動作をするべきであった。

    ○インタフェースに複数のグローバルIPv6アドレスが設定されているときの始点IPv6の選択規則の設定

    [書式]
    ipv6 source address selection rule RULE
    no ipv6 source address selection rule [RULE]
    [設定値]
    RULE
    • prefix ... プレフィクスの最長一致
    • lifetime ... 寿命の長いほうを優先
    [説明]
    始点IPv6アドレスを選択する規則を設定する。

    'prefix'を設定した場合には、終点IPv6アドレスと候補を選択して、先頭から一致している部分(プレフィクス)がもっとも長いものを始点アドレスとして選択する。

    'lifetime'を設定した場合には、IPv6アドレスの寿命が長いものを優先して選択する。
    [ノート]
    通常は'prefix'を設定しておけばいいが、アドレスリナンバリングが発生するときには、'lifetime'の設定が有効な場合がある。
    [初期値]
    prefix
  4. IPv6で、RAによりインタフェースに自動的に設定されるIPv6アドレスの数を最大16に制限するようにした。

    また、最大数を変更することができるコマンドを新設した。

    ○自動的に設定されるIPv6アドレスの最大数

    [書式]
    ipv6 max auto address MAX
    no ipv6 max auto address [MAX]
    [設定値]
    MAX ... 自動的に設定されるIPv6アドレスの1インタフェースあたりの最大数 (1〜256)
    [説明]
    RAによりインタフェースに自動的に設定されるIPv6アドレスの1インタフェースあたりの最大数を設定する。
    [初期値]
    16
  5. ファームウェアファイルの一覧を表示するコマンドを新設した。

    ○ファームウェアファイルの一覧

    [書式]
    show exec list
    less exec list
    [設定値]
    なし
    [説明]
    内蔵Flash ROMに保存されているファームウェアファイルのリビジョンの一覧を表示する。
    起動中のファームウェアファイルには '*' 印が表示される。

■仕様変更

  1. 以下のコマンドで、起動中の設定ファイルには '*' 印を表示するようにした。

  2. RIPで強制的に経路を広告する機能で、強制的に広告する経路は、RIPフィルターの設定にかかわらず常に広告するように動作を変更した。

  3. LANインタフェースでQoSを設定しているとき、各クラスの送信キューへのエンキュー失敗回数をSNMPのMIB変数interfaces.ifTable.ifEntry.ifOutDiscardsにカウントするようにした。

  4. IPv6 LANのスループットを改善した

■バグ修正

  1. 多数の相手先に対してランダムに発着信を行うと、不特定の相手先とその後に通信ができなくなることがあるバグを修正した。

  2. 着ユーザビジー(#17 user busy)以外の理由でISDNの着信を拒否すると、その後、すべてのISDN Bチャネルを使用中に通信中着信ができなくなるバグを修正した。

  3. LAN3/LAN4インタフェースで送信アンダーフロー、Late collision、再送エラーのいずれかが発生すると、そのインタフェースからの送信ができなくなることがあるバグを修正した。

  4. LANインタフェースのアドレスが変更されたときには、そのLANインタフェースで記憶しているARP情報を消去するようにした。LANインタフェースのアドレスを変更するときに、不要なARP情報が残ることによるトラブルを排除する。

  5. 1000BASE-T対応のLANインタフェースを用いてPPPoEを利用する場合に、インタフェース速度が1Gbit/sでリンクアップしたときに、show status pp コマンドで表示される送受信負荷の表示の計算で、分母となるべき数字が1Gbit/sではなく10Mbit/sになってしまい、負荷が異常に大きな数字で表示されるバグを修正した。

  6. 以下のIPオプションを持つルーター宛のパケットを受信したときに、不要なログが表示されるバグを修正した。

  7. IPsec機能において、アグレッシブモードでlocal nameが同じでpre-shared-keyが異なる接続があった場合に、正しいpre-shared-keyが設定された接続が切れてしまうことがあるバグを修正した。

  8. IPsec機能において、ISAKMPヘッダが正しくないパケットを受信したときに、不要なログが出力されていたバグを修正した。

  9. VRRPで、仮想IPアドレスと実IPアドレスが異なる場合でマスターとして動作しているときに、受信したIPパケットに対してICMPエラーパケットを送信するときに、エラーの原因となったIPパケットの終点MACアドレスが仮想MACアドレスであった場合でも、ICMPエラーパケットの始点MACアドレスを実MACアドレスとして送信するバグを修正した。

    Windows PCだと、自分が送信したIPパケットに対して、異なるMACアドレスからICMPリダイレクトを受信してもそれを処理しないために、ICMPリダイレクトの効果がなかった。

  10. 同じ宛先に対して、OSPFあるいはBGPで受信した経路(経路Aとする)と、ip routeコマンドによる静的経路あるいはRIPで受信した経路(経路Bとする)があり、経路Aよりも経路Bの方がプレフィクス値が高く、優先されている状態のときに、 経路Aが先に消え、その後経路Bが消えた場合に、show ip routeコマンドで消えたはずの経路Aが表示され、パケットも転送されてしまうバグを修正した。

  11. OSPFまたはBGPを使用しているときに、次の操作を行うとメモリリークが発生するバグを修正した。

    なお、上記コマンドを入力・保存した後にrestartした場合、このバグは顕在化しない。

  12. ospf/bgp configure refresh でメモリリークするバグを修正した。

    bgp neighbor コマンドで、gateway オプションにインタフェースが指定されていて、且つ、local-address オプションが設定されていない場合に bgp configure refreshが繰り返されるバグを修正した。

  13. SIP-NAT機能において、NATのouterがprimaryに設定されている場合に、配下のVoIP機器が折り返し通話で無音になるバグを修正した。

    SIP-NAT機能において、外側から内側へのSIPパケットについて、SDPのc=行のアドレス変換を追加した。

  14. リモートセットアップを着信したとき、再送制御方式に関するログが間違って表示されることがあったバグを修正した。

  15. 専用線接続でリモートセットアップを実行したとき、接続中にも関わらず、show status remote setupコマンドの「最近の接続」には "まだ接続はありません"と表示されてしまうバグを修正した。

  16. マルチキャスト機能において、複数のソースアドレスを含んでいるQueryを受信すると、1つ目のアドレスしかチェックしないようになっていたため、260秒後に2つ目以降のアドレスを消去してしまっていたバグを修正した。

  17. IPv6 RAプロキシ機能で、上位ルーターから受信したRAのなかに未対応オプションが含まれていると、それが中継されないバグを修正した。

    また、上位ルーターから受信したRAに複数のプレフィクスが含まれていても、そのうちの一つしか中継されないバグを修正した。

  18. ip keepalive を 128 以上設定している場合に、 yrIpKeepaliveIndex、yrIpKeepaliveType、yrIpKeepaliveStatus を取得すると Index が 128 以降の情報を取得できないバグを修正した。

  19. LANインタフェースにQoSを設定しているとき、通信中にQoSの設定を変更したり、interface reset lanNコマンドを実行すると、SNMPのMIB変数interfaces.ifTable.ifEntry.ifOutQLenに狂いが生じることがあるバグを修正した。

  20. DHCP serverでdhcp scope bindコマンド用いて、あらかじめ予約されているIPアドレスに対するイーサネットアドレスを変更したときに、変更内容がDHCP relay-agentに反映されないバグを修正した。

    変更内容が反映されないと、DHCP relay-agentにおいてdhcp-bind型もしくはdhcp-not-bind型のethernet filterが正しく動作しない。

  21. 外部データベース参照型URLフィルタでネットスターを使用した場合、正常にライセンス認証が行えないことがあるバグを修正した。

  22. メール通知の設定で待機時間(mail templateコマンドのnotify-wait-timeオプション)に約4300秒以上の値を設定してトリガを検出すると、Task Time Exceedでリブートすることがあったバグを修正した。

  23. 全角文字が設定されたconfigを状態メール通知機能でメール通知をすると、受信したメールの一部が文字化けすることがあったバグを修正した。

  24. セキュリティクラスの設定によりTELNET接続またはSSH接続が失敗したときのログ表示について、正しくIPアドレスが表示されていなかったバグを修正した。

  25. ip lanN address dhcpコマンドを設定しても、コマンドを再設定、または再起動をしないとDNSの名前解決ができないことがあったバグを修正した。

  26. ip filterコマンドで、始点・終点IPアドレスとしてネットマスク付きの形を設定したときに、ネットマスク長が32の場合だとshow configで表示されたりフラッシュROMに保存されるときにネットマスクが省略されるバグを修正した。

    ほとんどの場合で、ip filterコマンドで設定されるフィルターのネットマスク長が32のときにネットマスクを省略しても同じ意味になるので問題とはならないが、フィルターをRIPのフィルターとして使用するときで、rip filter ruleコマンドをwith-netmaskと設定している場合には両者で意味が変わってくるため問題となる。

  27. dns server selectコマンドで、入力キーワードが不十分な状態で設定しようとすると、リブートすることがあるバグを修正した。
    また、コマンド入力エラーになったとき、一部のエラー内容が不適切だったバグを修正した。

  28. dhcp scopeコマンドについて、以下のバグを修正した。

  29. 以下のコマンドを用いて、ルーターのサーバ機能へアクセスできるホストをIPアドレス (IPv4またはIPv6) の範囲指定で制限したとき、異なるバージョンのIPアドレスを持つホストからはアクセスできてしまうバグを修正した。

  30. 以下のコマンドで、プロトコル番号に256以上の値を指定してもエラーにならないバグを修正した。

  31. nat descriptor masquerade port rangeコマンドで指定したポート範囲が上限の3つに満たないとき、show nat descriptor addressコマンドで表示されるポート範囲に"0-0"という不当な文字列が表示されるバグを修正した。

  32. no ospf import fromコマンドのコマンドヘルプの誤記を修正した。

  33. no ip null secure filterコマンドのコマンドヘルプの誤記を修正した。

  34. no nat descriptor timerコマンドのコマンドヘルプの誤記を修正した。

  35. ip pim sparse join-prune sendコマンドのヘルプ文を修正した。

■更新履歴

Jan. 2009, Rev.9.00.43 リリース


以上