http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/docs/relnote/Rev.08.03/relnote_08_03_80.html
Revision : 08.03.80
Release : Oct. 2008, ヤマハ株式会社

Rev.8.03.80リリースノート


RTX1100/RTX1500 Rev.8.03.77, RT107e Rev.8.03.78 からの変更点


■機能追加

  1. 生存通知機能2を追加した。

    なお、従来の生存通知機能とは動作上の互換性はない。

    http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/docs/heartbeat/index2.html

    対象機種:RTX1100, RTX1500, RT107e

  2. HTTPリビジョンアップを定期的に実行する機能を追加した。

    ○リビジョンアップ実行のスケジュール

    [書式]
    http revision-up schedule PERIOD TIME1 TIME2
    no http revision-up schedule [PERIOD TIME1 TIME2]
    [設定値]
    PERIOD … ファームウェアのリビジョンアップを試みるスケジュールを設定する。以下の書き方が可能。
    daily毎日
    weekly DAY 毎週
    DAYは曜日を表す文字列で、以下のいずれか
    sun, mon, tue, wed, thu, fri, sat
    monthly DATE毎月
    DATEは1〜31の数字で月内の日を表す
    TIME1,TIME2 … リビジョンアップを試みる時間帯を設定する。TIME1、TIME2は24時間制で、HH:MM形式で指定する。
    [説明]
    ファームウェアのリビジョンアップを試みるスケジュールを設定する。

    PERIODではリビジョンアップを試みる間隔を指定する。毎日、毎週、毎月の指定をそれぞれ、daily、weekly、monthlyで指定する。weekly、monthlyの場合はそれぞれ曜日、日の指定が必要になる。

    monthlyの場合で、指定した日がその月に存在しない場合には、その月にはリビジョンアップは試みられない。たとえば、'monthly 31'と指定した場合、31日が存在しない2月、4月、6月、9月、11月にはリビジョンアップは試みられない。

    TIME1、TIME2ではリビジョンアップを試みる時間帯を設定する。TIME1で指定した時刻からTIME2で指定した時刻の間のランダムな時刻に1回だけ、リビジョンアップを試みる。そこでリビジョンアップできなかった場合には、次の日/週/月までリビジョンアップは行われない。

    TIME1で指定した時刻がTIME2で指定した時刻より遅い場合には、TIME2は翌日の時刻と解釈される。

    http revision-up permitコマンドでHTTPリビジョンアップを許可されていない時は、ファームウェアのリビジョンアップは行わない。

    http revision-down permitコマンドでリビジョンダウンが許可されている場合は、WEBサーバにおいてあるファームウェアが現在のファームウェアよりも古いリビジョンであってもファームウェアの書き換えを行う。

    なお、WEBサーバにおいてあるファームウェアが現在のファームウェアと同一リビジョンの場合には、ファームウェアの書き換えは行わない。

    [設定例]
     
    http revision-up schedule daily 23:00 02:00        # 毎日、23時から翌日2時までの間
    http revision-up schedule weekly sun 12:00 13:00   # 日曜日の昼12時から13時までの間
    http revision-up schedule monthly 1 23:00 0:00     # 毎月1日の23時から24時までの間
    

    対象機種:RTX1100, RTX1500, RT107e

  3. プライベートMIBでLOOPBACKインタフェースとNULLインタフェースの情報を取得できるようにした。
    プライベートMIBファイルも更新する必要がある。

    対象機種:RTX1100, RTX1500, RT107e

  4. インタフェースに複数のグローバルIPv6アドレスが設定されているときの、始点IPv6選択規則を設定するコマンドを新設した。
    従来は、このコマンドで'lifetime'と設定したときと同じ動作をしていたが、本来は'prefix'と同じ動作をするべきであった。

    ○インタフェースに複数のグローバルIPv6アドレスが設定されているときの始点IPv6の選択規則の設定

    [書式]
    ipv6 source address selection rule RULE
    no ipv6 source address selection rule [RULE]
    [設定値]
    RULE
    • prefix ... プレフィクスの最長一致
    • lifetime ... 寿命の長いほうを優先
    [説明]
    始点IPv6アドレスを選択する規則を設定する。

    'prefix'を設定した場合には、終点IPv6アドレスと候補を選択して、先頭から一致している部分(プレフィクス)がもっとも長いものを始点アドレスとして選択する。

    'lifetime'を設定した場合には、IPv6アドレスの寿命が長いものを優先して選択する。
    [ノート]
    通常は'prefix'を設定しておけばいいが、アドレスリナンバリングが発生するときには、'lifetime'の設定が有効な場合がある。
    [初期値]
    prefix

    対象機種:RTX1100, RTX1500, RT107e

  5. IPv6で、RAによりインタフェースに自動的に設定されるIPv6アドレスの数を最大16に制限するようにした。

    また、最大数を変更することができるコマンドを新設した。

    ○自動的に設定されるIPv6アドレスの最大数

    [書式]
    ipv6 max auto address MAX
    no ipv6 max auto address [MAX]
    [設定値]
    MAX ... 自動的に設定されるIPv6アドレスの1インタフェースあたりの最大数 (1〜256)
    [説明]
    RAによりインタフェースに自動的に設定されるIPv6アドレスの1インタフェースあたりの最大数を設定する。
    [初期値]
    16

    対象機種:RTX1100, RTX1500, RT107e

■仕様変更

  1. RIPで強制的に経路を広告する機能で、強制的に広告する経路は、RIPフィルターの設定にかかわらず常に広告するように動作を変更した。

    対象機種:RTX1100, RTX1500, RT107e

■バグ修正

  1. RTX1500で、ファストパスで処理されるべきパケットが頻繁にノーマルパスでも処理されてしまう場合があるのを修正した。

    ファストパスのフローがない状態から急激に高負荷をかけ続けた場合に発生しやすい。

    対象機種:RTX1500

  2. 着ユーザビジー(#17 user busy)以外の理由でISDNの着信を拒否すると、その後、すべてのISDN Bチャネルを使用中に通信中着信ができなくなるバグを修正した。

    対象機種:RTX1100, RTX1500

  3. LANインタフェースのアドレスが変更されたときには、そのLANインタフェースで記憶しているARP情報を消去するようにした。LANインタフェースのアドレスを変更するときに、不要なARP情報が残ることによるトラブルを排除する。

    対象機種:RTX1100, RTX1500, RT107e

  4. ARP情報が変わってもパケットの送信先が最大30秒程度変わらないことがあったバグを修正した。

    対象機種:RTX1100, RT107e

  5. 以下のIPオプションを持つルーター宛のパケットを受信したときに、不要なログが表示されるバグを修正した。

    対象機種:RTX1100, RTX1500, RT107e

  6. configure refresh でメモリリークするバグを修正した。

    bgp neighbor コマンドで、gateway オプションにインタフェースが指定されていて、且つ、local-address オプションが設定されていない場合に bgp configure refreshが繰り返されるバグを修正した。

    対象機種:RTX1100, RTX1500, RT107e

  7. RIPよりもプリファレンス値の低い他のプロトコル(静的経路含む)からとRIPからとで同じネットワーク宛の経路をほぼ同時に受信したときに、ごくまれにshow ip routeコマンドでは経路がRIPによるものと表示されるのに、show ip rip tableコマンドでは経路が"other protocol"と表示され、その後RIPからの経路の受信が無くなっても経路が消えなくなることがあるバグを修正した。

    対象機種:RTX1100, RTX1500, RT107e

  8. 同じ宛先に対して、OSPFあるいはBGPで受信した経路(経路Aとする)と、ip routeコマンドによる静的経路あるいはRIPで受信した経路(経路Bとする)があり、経路Aよりも経路Bの方がプレフィクス値が高く、優先されている状態のときに、 経路Aが先に消え、その後経路Bが消えた場合に、show ip routeコマンドで消えたはずの経路Aが表示され、パケットも転送されてしまうバグを修正した。

    対象機種:RTX1100, RTX1500, RT107e

  9. OSPFまたはBGPを使用しているときに、次の操作を行うとメモリリークが発生するバグを修正した。

    なお、上記コマンドを入力・保存した後にrestartした場合、このバグは顕在化しない。

    対象機種:RTX1100, RTX1500, RT107e

  10. VRRPで、仮想IPアドレスと実IPアドレスが異なる場合でマスターとして動作しているときに、受信したIPパケットに対してICMPエラーパケットを送信するときに、エラーの原因となったIPパケットの終点MACアドレスが仮想MACアドレスであった場合でも、ICMPエラーパケットの始点MACアドレスを実MACアドレスとして送信するバグを修正した。

    Windows PCだと、自分が送信したIPパケットに対して、異なるMACアドレスからICMPリダイレクトを受信してもそれを処理しないために、ICMPリダイレクトの効果がなかった。

    対象機種:RTX1100, RTX1500, RT107e

  11. IPsec機能において、アグレッシブモードでlocal nameが同じでpre-shared-keyが異なる接続があった場合に、正しいpre-shared-keyが設定された接続が切れてしまうことがあるバグを修正した。

    対象機種:RTX1100, RTX1500, RT107e

  12. IPsec機能において、ISAKMPヘッダが正しくないパケットを受信したときに、不要なログが出力されていたバグを修正した。

    対象機種:RTX1100, RTX1500, RT107e

  13. PPTPのサーバー側にてMSCHAPまたはMSCHAP-V2で認証を行うときに、パスワードを32文字以上に設定していて、実際にPPTPクライアント側から32文字以上のパスワードを受信するとリブートすることがあるバグを修正した。

    対象機種:RTX1100, RTX1500

  14. マルチキャスト機能において、複数のソースアドレスを含んでいるQueryを受信すると、1つ目のアドレスしかチェックしないようになっていたため、260秒後に2つ目以降のアドレスを消去してしまっていたバグを修正した。

    Rev.8.03.68以降で発生していた。

    対象機種:RTX1100, RTX1500, RT107e

  15. リモートセットアップを着信したとき、再送制御方式に関するログが間違って表示されることがあったバグを修正した。

    対象機種:RTX1100, RTX1500

  16. 専用線接続でリモートセットアップを実行したとき、接続中にも関わらず、show status remote setupコマンドの「最近の接続」には "まだ接続はありません"と表示されてしまうバグを修正した。

    対象機種:RTX1100, RTX1500

  17. HTTPリビジョンアップ機能で、HTTPリクエストの送信に失敗し続けると、"Can't create socket" というログが表示され、その後、HTTPサーバーに接続できなくなることがあったバグを修正した。

    対象機種:RTX1100, RTX1500, RT107e

  18. GUIからipsec ike local addressの設定に0.0.0.0を指定してもエラーにならないバグを修正した。

    対象機種:RTX1100, RTX1500

  19. GUIの"ハードウェア"の"LANXの設定"にて、lan typeコマンドでデフォルト値を指定しても、lan typeコマンドが残ってしまうバグを修正した。

    対象機種:RTX1100, RTX1500

  20. nat descriptor address outerコマンドが設定されていない状態で、GUIのネットワーク型プロバイダの設定ページを開くと、リブートすることがあるバグを修正した。

    対象機種:RT107e

  21. GUIの「本体の設定」ページで、不正な日付を入力してもエラーメッセージが表示されないバグを修正した。

    対象機種:RT107e

  22. GUIの「リビジョンアップの実行」ページで、ファームウェアの確認中に「中止」ボタンを押すと、GUIからHTTPリビジョンアップを実行できなくなるバグを修正した。

    対象機種:RT107e

  23. GUIの「LANの設定」ページで、DHCPスコープの削除とLAN/WANポートの設定が同時にできないバグを修正した。

    対象機種:RT107e

  24. GUIの「IPv6の設定」ページで、IPv6アドレスが意図した値で設定されないバグを修正した。

    対象機種:RT107e

  25. GUIからフレッツ・スクウェアへの接続設定を行うと、当該PPインタフェースがpp disableとなってしまい、手動でpp enableの設定しないとフレッツ・スクウェアへの接続ができないバグを修正した。

    対象機種:RT107e

  26. セキュリティクラスの設定によりTELNET接続またはSSH接続が失敗したときのログ表示について、正しくIPアドレスが表示されていなかったバグを修正した。

    対象機種:RTX1100, RTX1500, RT107e

  27. ip filterコマンドで、始点・終点IPアドレスとしてネットマスク付きの形を設定したときに、ネットマスク長が32の場合だとshow configで表示されたりフラッシュROMに保存されるときにネットマスクが省略されるバグを修正した。

    ほとんどの場合で、ip filterコマンドで設定されるフィルターのネットマスク長が32のときにネットマスクを省略しても同じ意味になるので問題とはならないが、フィルターをRIPのフィルターとして使用するときで、rip filter ruleコマンドをwith-netmaskと設定している場合には両者で意味が変わってくるため問題となる。

    対象機種:RTX1100, RTX1500, RT107e

  28. TFTPでconfigファイルをルーターにアップロードする場合に、configファイル中にrestartコマンドが記述してあっても、以下の条件に合致する場合にはルーターの再起動が行われないバグを修正した。

    または、

    configファイル中のrestartコマンドの直前にsaveコマンドが記述されていればこの問題は発生しない。

    対象機種:RTX1100, RTX1500, RT107e

  29. ip pim sparse join-prune sendコマンドのヘルプ文を修正した。

    対象機種:RTX1500

  30. ipsec ike payload type 1 1のように、IKEペイロードタイプをヤマハルータリリース2と互換性を維持する設定にした状態で対向機からSAを削除されると、リブートしたり不安定になるバグを修正した。

    対象機種:RTX1100, RTX1500, RT107e

■更新履歴

Oct. 2008, Rev.8.03.80 リリース

Jan. 2009, バグ修正[30]の記載漏れを追加


以上