Revision : 08.00.77 Release : Sep. 2006, ヤマハ株式会社 RTV700 Rev.8.00.77 リリースノート ========================================================================== ○ Rev.8.00.69 からの変更点 ========================================================================== ■機能追加 [1] 他のPP経由のホスト経路が既に存在しているIPアドレスをPP接続時に相手側 IPアドレスとして通知されたときに、そのIPアドレスを受け入れることが出 来るようにした。 これまでは、そのようなIPアドレスを通知された場合には、PPP/IPCPネゴシ エーションで拒否していた。 ○ホスト経路が存在する相手側IPアドレスを受け入れるか否かの設定 [書式] ppp ipcp remote address check SW no ppp ipcp remote address check [SW] [設定値] SW on ... 通知された相手のPP側IPアドレスを拒否する off ... 通知された相手のPP側IPアドレスを受け入れる [説明] 他のPP経由のホスト経路が既に存在しているIPアドレスをPP接続時に相 手側IPアドレスとして通知されたときに、そのIPアドレスを受け入れる か否かを設定する。 [初期値] on [2] SIPサーバ毎の設定において、発信時にSIPサーバから5xxエラーが返ってき た時にサーバ障害と認識してサーバとの接続状態を未接続状態とするかどう かの設定を出来るようにした。 ○発信時の5xxエラーをサーバ障害とするかどうかの設定 [入力形式] sip server call server error server=NUMBER SW no sip server call server error server=NUMBER [パラメータ] NUMBER ... SIPサーバ登録番号 SW ... on / off [説明] onに設定した場合は、SIPサーバを経由した発信時にinitial-INVITEに 対して5xxエラーレスポンスを返された時に、サーバ障害と認識してサ ーバとの接続状態を未接続とする。 より速くサーバ障害を検知する事が可能となるが、SIPサーバの仕様に よっては、設定ミスや発信タイムアウト等によっても5xxエラーレスポ ンスを返す事があるので、設定する際にはSIPサーバの仕様を確認する 必要がある。 [デフォルト値] off [3] SIP着信時、ネーム・ディスプレイで通知する有効な情報がない場合に、 PBXポートおよびネーム・ディスプレイを使用すると設定したTELポートにネ ーム・ディスプレイ情報として「インターネット電話」あるいは「ネットボ ランチ電話」という情報を通知するか否かを設定するコマンドを新設した。 ○インターネット電話着信時におけるネーム・ディスプレイ情報通知設定 [書式] sip arrive name-display default MODE no sip arrive name-display default [MODE] [設定値] MODE off ... ネーム・ディスプレイ情報として送出する有効な情報がな い場合にネーム・ディスプレイ情報を出力しない on ... ネーム・ディスプレイ情報として送出する有効な情報がな い場合に「インターネット電話」あるいは「ネットボラン チ電話」というネーム・ディスプレイ情報を通知する [説明] SIPプロトコルによるVoIPの着信において、ネーム・ディスプレイ情報 として通知する有効な情報がない場合におけるネーム・ディスプレイの 通知内容に関する設定を行う。 [ノート] この設定に関わらず、ネーム・ディスプレイの設定がされていないTEL ポートにはネーム・ディスプレイ情報は通知されない。 ネーム・ディスプレイ情報として送出する有効な情報が存在する場合、 PBXポートおよびネーム・ディスプレイの設定がされているTELポートに は、この設定に関わらずネーム・ディスプレイの情報が通知される。 [初期値] off ■仕様変更 [1] かんたん設定ページからppp ipcp remote address checkコマンドを実行で きるようにした。 [2] かんたん設定ページから以下の設定をする際、誤設定を防ぐための措置とし て、経路情報にルータのLANアドレスを指定したらエラーとするようにした。 以下の接続型、設定箇所が該当する。 ・[PPPoEを用いる端末型ADSL接続(フレッツ・ADSL、Bフレッツ)]の「宛先ア ドレス」 ・[PPPoEを用いるネットワーク型 LAN間接続]の「経路情報」 ・[ISDN回線によるネットワーク型 LAN間接続]の「経路情報」 ・[専用線によるネットワーク型 LAN間接続]の「経路情報」 ・[PPTPを使用したネットワーク型 LAN間接続VPN]の「経路情報」 ・[IPsecを使用したネットワーク型 LAN間接続VPN]の「経路情報」 [3] ファストパスでパケットを転送する時に、IPヘッダのチェックサムフィール ドに0xFFFFをセットすることがあったが、その場合は0x0000をセットするよ うに変更した。 また、ファストパスでIPマスカレードの変換を行う時には、IPヘッダのチェッ クサムに加えて、TCPヘッダのチェックサムでも同様に0xFFFFをセットするこ とがあったので、TCPヘッダでも0x0000になるように変更した。 UDPヘッダのチェックサムでも0xFFFFをセットすることがあるが、UDPヘッダ では0x0000は「チェックサム無し」を表す特別な値なので、UDPについては 0xFFFFのままとする。 [4] sip useコマンド設定を変更した場合に必ず再起動が必要だったが、offから onに変更した場合にのみ再起動を必要としないように変更した。 [5] REGISTERリクエストを送信する間隔をより正確にした。sip server 設定が 1つの場合は設定値またはサーバから指定された間隔で送信する。ただし、 複数の設定がある場合は最大で設定数×10秒ほど遅れることがある。 [6] VoIP機能において、Allowヘッダに記述していたREGISTERとOPTIONSを記述し ないように変更した。 また、sip server analog service設定でrule=3以外で設定されたサーバ設 定の通話では、SIPパケットに保留転送に関するパラメータを記述しないよ うに変更した。 [7] 正の寿命のIPv6プレフィックスを含むRAの受信により、インタフェースに IPv6アドレスが付与される時、そのIPv6アドレスの寿命は、従来受信したRA のプレフィックスの寿命に関係なく無限としていたが、RAのプレフィックス の寿命が反映されるように変更した。 [8] SIP-NAT機能において、外側から内側へのSIPのリクエストメッセージについ て、Request-Lineに外側IPアドレスが記述されていれば内側IPアドレスに書 き換えるようにした。 [9] SIP機能のUDPプロトコル使用時のリクエスト再送タイムアウトの実装につ いて以下の変更を行なった。 ・initial-INVITE送信における再送タイムアウトのデフォルト値を、迂回を 伴う発信では4秒、迂回を伴わない発信では32秒に変更した。 ・initial-INVITE以外のINVITEおよびREGISTER送信における再送タイムアウ トを32秒に変更した。 この変更に伴い、以下のコマンドの仕様変更を行なった。 なおこの変更によって、デフォルト設定時におけるSIP発信時に対向からの 応答がない場合にビジートーンになるまでの無音時間が7.5秒から32秒に変 更されるため、利用環境に応じた設定を行なう必要がある。 ○SIP INVITE再送タイムアウト値の設定 [書式] sip request retransmit timer TIMER1 [TIMER2] no sip request retransmit timer [TIMER1 [TIMER2]] [設定値] TIMER1 ... 通常の発信におけるINVITE再送タイムアウト秒数 (4.0 ... 32.0) TIMER2 ... 迂回を伴う発信におけるINVITE再送タイムアウト秒数 (4.0 ... 32.0) [説明] UDPプロトコルを用いたSIPのINVITEを送信する際の再送タイムアウト 時間を設定する。 最初にINVITEを送信した時点から指定した時間を 経過した以降は、再送を行わない。 [初期値] TIMER1 ... 32 TIMER2 ... 4 [ノート] RFC3261に従った動作とするためには、 sip request retransmit timer 32 32と設定する必要がある。 PBXポートに接続された機器がT310のタイマーを実装している場合、そ のタイマー値より長い時間をTIMER1, TIMER2に設定しても、機器による タイマーが先に満了して意図した通りに迂回動作などが行なわれない場 合があるため、注意が必要である。 [10] DHCPリレーエージェント機能で、リレー対象となるパケットサイズのチェッ クをDHCPサーバ機能と同様に緩めた。 [11] カスケード接続において、アナログ回線を持つ子機に対して電話番号ルー ティング動作ができるようにした。 [12] show config analog extensionコマンドにおいて、アナログ回線を持つ子 機の設定情報も表示するようにした。 [13] VoIP着信時に送信する100(Trying)レスポンスのToヘッダにtagパラメータ を付加しないようにした。 [14] VoIP着信時に送信する200(OK)レスポンスのContactヘッダに記述する userinfo部分を受信したINVITEのRequest-URIを参照するようにした。 [15] VoIP着信時に、応答する前に発信側が途中放棄を行った時に送信する CANCELリクエストに対する200(OK)レスポンスのToヘッダにtagパラメータを 付加するようにした。 [16] かんたん設定ページからFUSION IP-Phoneの設定をした場合に、SIPパケッ トのAllowヘッダにUPDATEおよびPRACKを記述しないようにした。 ■バグ修正 [1] ネットボランチDNSサーバに既にホストアドレスが登録されている状態でか んたん設定ページから異なるホストアドレスを新規に登録をしようとした場 合,登録済みホストアドレスが正しく削除されないことがあったバグを修正 した。 [2] netvolante-dns get hostname list ppコマンドを、PP番号の指定無しに実 行すると、不正なPP番号の情報を取得してしまう、またはリブートするバグ を修正した。 [3] ネットボランチDNSホスト名を自動取得、その後開放し、再度自動取得した ときに、取得したネットボランチDNSホスト名が変更になると、後から取得 したホスト名が正しく保存されないことがあるバグを修正した。 [4] KDDI-IPフォン(法人向け)のIP電話サーバを経由してFOMAに発信すると、呼 出開始から約40秒後に、通話が切断される、または、呼出が停止するバグを 修正した。 RSeqの値のみが異なる暫定応答を40秒以内に続けて受信したときに、2つめ 以降の暫定応答に対してPRACKリクエストを送信していなかった。 [5] VoIP機能において、audio rtp segsizeでセグメントサイズを変更しても、 G.729aを使用した通信では実際のRTP動作に反映されず、設定に関わらず 20msec毎にRTPパケットが送信されてしまうバグを修正した。 RTV700ではRev.8.00.39からこの現象が発生する。 [6] カスケード子機からのSIP通話において、メディア張り替えが発生し、RTP接 続の対向が最初に接続された相手から変更された場合に以下の現象が発生す るバグを修正した。 1. 対向のアドレスが変更される場合 RTPの処理がノーマルパスになってしまい、処理能力が低下する。 2. 対向のアドレスが同一でポート番号のみ変更される場合 双方向共に音声が通らず、無音状態になってしまう。 [7] no isdn sip call mynameコマンドを入力する際、BchとSIPユーザ名のどち らのパラメータも指定していない場合に、過去に入力したコマンドの該当パ ラメータが参照されてしまい、意図した通りにコマンドが消去できないこと があるバグを修正した。 [8] isdn sip arrive myaddressコマンド及びそのnoコマンドを入力する際、必 須のパラメータを入力していない場合に、パラメータが不足している旨のエ ラーが表示されず、その代わりに過去に入力したコマンドのパラメータが参 照されてしまい、意図しないコマンドが設定または消去されてしまう場合が あるバグを修正した。 [9] SIPパケットの再送がRFC3261の規定通りでないバグを修正した。 [10] VoIP機能において、SIP サーバへの経路が存在しない状態でセッションタ イマを使った通話時に、セッションタイマが満了しても通話が切断されない バグを修正した。 [11] analog pad rtpコマンドにおいて、設定した方向とは逆の向きにPADが効い てしまうバグを修正した。本来ならば、sendでTELポートに接続された電話 機からRTPの送信方向、receiveでRTPから電話機への受信方向に対する音量 調整となる。 RTV700ではRev.8.00.62以降にこのバグが存在する。 [12] VoIP機能において、sip ip protocol tcpに設定した時に、NATを越えた通 話が出来なかったバグを修正した。 [13] SIPパケットの再送制御において、Viaヘッダのbranchパラメータを参照し ていなかったために、正しくレスポンスを返送できなかった事があったバグ を修正した。 [14] RSeqの値だけが違う暫定応答を40秒以内に続けて受信した場合に、2つめ以 降の暫定応答に対してPRACKリクエストを送信しなかったバグを修正した。 [15] VoIP機能において、IPv6による通話を行う時に、sip codec permit コマン ド設定が反映されず、全てのコーデックを使用可能としていたバグを修正し た。 [16] アナログ機能において、アナログ付加サービスのフッキング操作における ポーズトーン中に、'*'以外のダイヤル操作を行なった場合、その後フッキ ング後の操作有効時間を経過してもポーズトーンが停止せず、通話先の切替 操作を行なうことができなくなるバグを修正した。 [17] VoIP機能について、LANおよびWANにそれぞれIPv6アドレスが設定されてい る場合に、WANのIPv6アドレスによる通話ができないバグを修正した。 [18] カスケード接続機能で、TELポートに接続した電話機のオフフック時にカス ケード接続された機器に収容されたアナログ回線のダイヤルトーンが聞こえ る状態からVoIPの番号をダイヤルした場合、即時発信が動作しないバグを修 正した。 [19] TCPでSIPの通信を行っているとリブートする事があるバグを修正した。 [20] カスケード接続構成によって、ISDNとアナログ両方の回線が繋がっている 状態において、ISDN回線で繋がった通話に対して機器からのフッキング操作 によって擬似付加サービスを起動した場合、発信するための回線としてアナ ログ回線が選択されることがあるバグを修正した。 この修正によって、 ・擬似付加サービスのダイヤル操作が終了するまで、別のTELポートからの 発信時に、選択されたアナログ回線が使用できない ・別途空きチャネルがあるISDN回線があっても、その回線を使用して擬似付 加サービスの発信が行なわれない という不具合が修正される。 [21] カスケード接続された機器のアナログ回線に着信時、以下の動作後にアナ ログ回線が使用できなくなるバグを修正した。 ・200秒以上アナログ回線が鳴動し続け、TELポートのリンガが停止した後 ・モデムダイヤルインの着信に対してTELポートにダイヤルインの着信サー ビスの設定がされており、そのTELポートに接続された機器がダイヤルイ ンの着信を受け付けなかった場合 [22] カスケード接続の構成で使用したとき、子機としてRT56vやRT58iを接続し てそのアナログ回線を使用した発信ダイヤル操作を行うとメモリリークする バグを修正した。 [23] カスケード接続子機のダイヤルパルスのアナログ回線を使用しての通話中 フッキングによるボイスワープ操作において、セカンドダイヤルトーンが全 桁ダイヤルして桁間タイマのタイムアウトになるまで止まらないバグを修正 した。 [24] カスケード接続子機のアナログ回線を使用した発呼操作時、TELポートに接 続された機器をオフフック直後にオンフックすると、子機のLINE LEDが点灯 し続け、その後アナログ回線を使用した発着信ができなくなることがあるバ グを修正した。 [25] ISDN回線を接続した直後に電話で着信すると、その後、着信を正しく処理 できなくなるバグを修正した。 また、その状況が何回も発生すると、データ呼も含めて発着信が出来なく なっていた。 [26] analog call routeコマンドにおいて、出力ダイヤル番号の1桁目にxを設定 できないバグを修正した。 [27] SIP通話後にINFOレベルで表示される以下のSYSLOGにおいて、 [SIP] RTP Result Report: This side:のLost情報として負数が表示されることがあるバグを修正した。 なお、この場合、RTCPの情報として非常に大きな正の値が通知され、対向で はOther side:のLost値も異常値が表示されていた。 [28] ISDN回線で外線通話を内線呼出転送したとき、転送先のTELポートが応答 する前に保留されている外線通話が切断されると、その後の外線通話に保留 音が流れてしまうバグを修正した。 [29] カスケード接続の子機にアナログ回線が接続された機器が存在し、 ・全ての子機に機器番号が振られ、アナログ回線が接続された機器よりも大 きな機器番号を持つ機器にISDN回線が接続されている あるいは、 ・機器番号が振られていない環境で、アナログ回線が接続された機器よりも MACアドレスが大きな値を持つ機器にISDN回線が接続されている という環境において、PBXポートからの発信あるいはTELポートでの擬似付加 サービスによる発信を行なうと、ISDN回線からの発信ができないことがある バグを修正した。 [30] SIP発信時、To:またはFrom:のSIPディスプレイ名が2バイト文字1文字ある いは両端が2バイト文字、かつ2バイト文字と1バイト文字の交互繰り返しで 構成される場合、動作が不安定になったり、リブートしたりすることがある バグを修正した。 [31] SIP通話後にINFOレベルで表示されるRTP Result Reportに関する以下のバ グを修正した。 ・通話時間が短い場合、This sideのjitter値に異常値が表示されることが ある。 ・対向からRTCPパケットを受けとっていない場合、Other sideの値に異常値 が表示されることがある。 ・カスケード接続子機からのSIP通話後、親機に表示される値がSIP対向との ものではなく、子機との通信のものになっている。 ・主にカスケード接続子機からのSIP通信後の表示において、This sideの Jitterの値が160msecになっている。 ・カスケード親機がip routing process normalに設定されている場合、カ スケード接続子機からのSIP通話後に親機に表示されるSend packetsと Received packetsに間違った値が表示される。 [32] フィルタ型経路に対応できていなかった下記のバグを修正した。 ・SIPパケットを送出する際、送出インタフェースとは異なるインタフェー スのIPアドレスを送信元IPアドレスとすることがある [33] アナログ機能で、リンガを鳴動させてから着信転送を行なう設定になって おり、かつ着信転送が失敗した場合に鳴動を継続する設定になっている場合 に、話中着信による着信転送が失敗すると、話中着信音が停止してしまうバ グを修正した。 [34] 高負荷の状態でSIPの発着信を繰り返し行なうと、SIPの発着信ができなく なることがあるバグを修正した。 [35] 高負荷の状態でTELポートを使用した発着信を繰り返し行なうと、SIPおよ びカスケード接続を使用した機器間の通話ができなくなることがあるバグを 修正した。 [36] ipsec ike remote addressコマンドにホスト名を設定した場合で、そのホ スト名をDNSで名前解決した時にAAAAレコードによりIPv6アドレスが返され ると、間違った相手にIKEのパケットを送信してしまうバグを修正した。 [37] IKEで、ISAKMP SAが1つしか存在しない状態で、そのISAKMP SAの寿命が切 れたり、そのISAKMP SAを強制的に削除するとき、本来は送信するはずの Delete Payloadを送信しないバグを修正した。 [38] IKEキープアライブでICMP Echoを使うときに、正常な状態にもかかわらず、 「ICMP keepalive: recovery detected」というsyslogを出力することがあ るバグを修正した。この問題が発生するときには、ipsec ike keepalive log コマンドでoffを設定していても、syslogに出力する可能性がある。 ICMP Echoを送信してからICMP Echo-Replyを受信するまでの間隔が長いとき に発生しやすい。 [39] IKE, 名前解決などルーター発のIPv6パケットを送信する設定で、RAを受け 取るインタフェースがリンクダウンしていてデフォルトゲートウェイが無い など、そのパケットの経路の無い状態がしばらく継続すると、その他の経路 に対するパケットも含め、パケットの送受信性能が落ちる、または、送受信 不能になってしまうことがあるバグを修正した。 [40] ipsec ike local nameコマンドの種別に認識できない文字列が指定された 場合、入力に対してはエラーが表示されるにも関わらず、show configコマ ンドではkey-idで設定されたかのように表示されるバグを修正した。 [41] トンネル2本を使ってフィルタ型ルーティングでIPsecの始点IPアドレスで 2つのPPを使い分ける時、片方のPPがダウンするとそのPPを使用するトンネ ルもダウンするが、そのPPを使用していないもう一方のトンネルまでダウン することがあるバグを修正した。 [42] tunnel endpoint nameコマンドにおいて、自分側端点の名前を省略し、相 手側端点の名前だけを指定して実行すると、コマンドを正常に受け付けない ことがあるバグを修正した。 [43] "ipv6 lan1 prefix ra-prefix@lan1::/64"のように、RA proxyの親インタ フェースと設定先インタフェースを一致させると、CPU使用率100%の状態が 続くことがあるバグを修正した。 [44] IPv6アドレスを削除すると、残っているアドレスに対応する要請ノードマ ルチキャストアドレスが削除される場合があるバグを修正した。 [45] interface address autoコマンドによって自動構成したIPv6アドレスの寿 命が切れた後も経路が存在するバグを修正した。 [46] RA proxyでプレフィックスを配布する設定の時、その同じプレフィックス からIPv6アドレスが自動構成された後、同一インタフェースにリンクローカ ルアドレスが割り振られ、それらの要請ノードマルチキャストアドレスが一 致していた場合に、RA proxyで配布するプレフィックスの寿命切れの後リブ ートが発生するバグを修正した。 [47] DHCPv6-PDの機能を利用してIPv6アドレスを取得した場合に、取得したPPイ ンタフェースの切断によりアドレスが無効になるが、その後ipv6 filterコ マンドを実行することで、PPインタフェースが切断された状態でも、アドレ スが復活してしまうバグを修正した。 [48] ipv6 INTERFACE rip filterコマンドにおいて、入力時には100個のフィル タIDを受け付けるが、実際には10個しか設定されないバグを修正した。 [49] LANインタフェース経由でパケットを送信するときに、送信のタイミングが 遅れることがあるバグを修正した。 20msec間隔で送信されるべきRTPパケットが、20msec余計に遅れて、その直 後のRTPパケットとほぼ同時に送信される現象が発生していた。 [50] syslog hostコマンドで、IPv6アドレスを指定する時にスコープIDを同時に 指定すると、IPv6アドレスではなくFQDNとして扱われてしまうバグを修正し た。 [51] 他のルータからremote setupでログインして、TELNETクライアントで他の 機器にログインしようとするとリブートするバグを修正した。 [52] ip routeコマンドで、hideと設定された経路について、以下の条件が重な ると回線がアップして通信できる状態になっても利用できないバグを修正し た。 ・ip routeコマンドで静的経路にhideフラグを設定し、回線がダウンしてい る時には利用できないように設定している。 ・動的経路制御プロトコルのプリファレンス値を静的経路の10000よりも大 きく設定し、そちらから経路を受け取っている時には静的経路が隠される ようになっている。 ・回線がアップするよりも先に、動的経路制御プロトコルにより経路を受け 取っている。 ・回線のアップは、動的経路制御プロトコルによる経路が存在する時に発生 した。 このような場合に、動的経路制御プロトコルにより受け取っていた経路が消 滅した時でも、静的経路はshow ip routeコマンドで「(hidden)」と表示さ れたままで利用できなくなっていた。 [53] DHCPサーバからDHCPクライアントにセカンダリネットワークのアドレスを 付与するパケットをブロードキャストで送出する場合に、送信元IPアドレス としてセカンダリアドレスではなくプライマリアドレスを使用するバグを修 正した。 [54] ルーターにログインする際、パスワードを入力後、Enterキーを押すと、入 力した文字数分だけ、カーソルが一瞬右に移動するバグを修正した。 [55] speedコマンドで1kを設定した場合に帯域制限がなされないバグを修正した。 [56] フラグメントされたパケットの最初のパケットより先に2番目以降のいず れかのパケットを受信すると、そのフラグメントされたパケットを再構築で きずに廃棄したり、機種によってはリブートするバグを修正した。 [57] schedule atコマンドで、PPの相手先としてANONYMOUSを入力する時に、そ のANONYMOUSキーワードに対してTAB補間が効かないバグを修正した。 [58] dhcp scopeコマンドで、expire/maxexpireオプションで0を入力してもエラ ーとならないバグを修正した。またヘルプ文で同オプションの最大値の表記 が間違っていたバグを修正した。 [59] ip rip auth keyコマンドで十六進数列を設定する時、不正な入力でもエラ ーとならないことがあるバグを修正した。 [60] pp keepakive useコマンドでicmp-echoを指定して、downwait=で時間を指 定したときに、指定した時間でのダウン検出が正しく行われないバグを修正 した。 また、ダウン検出後にアップ検出することができないバグを修正した。 [61] ip hostコマンド、dns staticコマンドで、ホスト名やFQDNに空文字列が設 定できてしまうバグを修正した。空文字列を設定した場合、コマンドがエラ ー無く受け付けられてしまうが、show configコマンドやTFTPでの設定取得 では、空文字列のホスト名は表示されず、不完全なコマンドとして表示され る。また、設定を保存することもできない。 [62] ip hostコマンド、dns staticコマンドで、ホスト名やFQDNにDNSルートを 表すドット(.)を設定しても、DNSルートに関する問い合わせに対して返事を 返せないバグを修正した。 この修正に伴い、ip hostコマンド、dns staticコマンドではホスト名や FQDNの末尾にドットがあっても無くても同じ名前として扱うようになった。 つまり、以下の2つのコマンドは同じ意味になる。 ip host a.com 192.168.0.1 ip host a.com. 192.168.0.1 show configなどの表示では、ドット一文字だけであるルートの場合を除き、 末尾のドットは表示しない。 [63] dns server selectコマンドでセカンダリDNSサーバを指定しても、セカン ダリDNSサーバへ問い合わせの要求を行わないバグを修正した。 本修正後は、プライマリDNSサーバへの問い合わせの要求に対して応答を受 信しなかった場合には、セカンダリDNSサーバへ問い合わせの要求を行う。 [64] ip lanN dhcp retryコマンドで、回数と時間の2つ必要である引数のうち、 回数だけ指定して時間を指定しないと、本来であればパラメータの数が不適 当である旨のエラーメッセージを出力してエラーにしなければいけないとこ ろを、他の理由のエラーにしたり、あるいは機種によってはコマンド入力で リブートしてしまうバグを修正した。 [65] Administratorから抜ける際に、以下のコマンドを実行していても設定変更 を保存するかどうかの確認メッセージが出ないバグを修正した。 no analog call route no analog call route-table no console charctor no console columns no ipv6 mtu no security class no timezone [66] CPU使用率100%が継続する程処理負荷の高い状態で、RT宛のIPv6 TCPパケッ トを受信し続けると、使用可能なパケットバッファが減っていき、負荷が無 くなった後でも送受信性能が落ちる、または送受信不能になってしまう場合 があるバグを修正した。 [67] tcp logコマンドを設定することでSYSLOGに記録されるTCPのコネクション ログのうち、受信方向のログにおいて、送信元IPアドレスと宛先IPアドレス が逆になって記録されるバグを修正した。 [68] 相手の機器によってはルータが送出するWOL magic packetが機能しないこ とがあるバグを修正した。 [69] PPPのMPで通信中に、MPリンクを減らす場合には通常は最後に接続したMPリ ンクを切断するが、何らかの原因でそれ以外のMPリンクが切断されると、そ の後、MPリンクの増減が正常に行えなくなってしまうバグを修正した。 具体的には、以下のような問題が起きていた。 ・MPリンクを増やす条件になっても、新しくMPリンクが追加されない。 ・MPリンクが追加されても、それが通信には使われず、通信速度が上がらな い。 ・MPリンクを減らす条件になっても、MPリンクを切断しない。 ・通常とは違うMPリンクを切断してしまう。 この問題が発生している間でも、MPによる通信自体は行える場合が多い。 また、いったんすべてのMPリンクが切断されると、それ以降の通信はまた正 常な動作に戻る。 [70] PPP接続状態から切断状態になった直後に、PPP経由でデータを送信しよう とするとリブートすることがあるバグを修正した。 [71] mail-notify intrusionコマンドで、通知方法を"auto"と指定して、回数 に誤った値を指定すると、コマンド入力時にエラーになるにも関わらず、 回数に1を指定したものとして"mail-notify intrusion N auto 1"と設定さ れるバグを修正した。 また、"mail-notify intrusion N off"と設定したときに、show config で 設定が表示されないバグを合わせて修正した。 [72] UPnPにより割り当てられたポートマッピングを通過するパケットについて、 SIP-NAT機能のようなパケット内のIPアドレス等を書き換える機能を適用し ないようにした。 [73] Windows Messenger、MSN Messengerでの音声チャット中にNATの設定を変 更した場合、MessengerソフトもしくはWindowsを再起動するまで音声チャッ トを行えないことがあるバグを修正した。 [74] かんたん設定ページで、[電話の設定]-[ISDN電話の設定]-[TELnポートの設 定]-[着信機能設定]-[着信ベルの登録]、または[識別番号の登録]ページで、 複数個の着信ベル、または識別番号を登録した状態で任意の一つを削除した 後、新たに設定を追加すると、削除する前に一番下に表示されていた設定を 上書きして登録してしまうことがあったバグを修正した。 [75] かんたん設定ページで、[詳細設定と情報]-[コマンドの実行]から以下のコ マンドを設定すると、それぞれのパスワードに意図しない文字列が設定され てしまい、その後、ルータにログインできなくなってしまうバグを修正した。 ・login password (RETURNキー押下) ・administrator password (RETURNキー押下) なお、同ページから各パスワードを削除するには、それぞれ以下のコマンド を実行する必要がある。 ・no login password ・no administrator password [76] かんたん設定ページの[電話の設定]-[VoIPの設定]-[IP電話サーバの設定] において、キャリアのIP電話サーバに対して電話番号ルーティングを使用す るように設定されており、かつ、ヤマハ電話帳サーバーの迂回用サーバアド レスが設定されている状態から、キャリア用の電話番号ルーティングの設定 を解除するか、もしくは、ヤマハ電話帳サーバーの迂回用サーバアドレスを 削除すると、番号経路テーブルが全て消去され、期待通りに発信できなくな るバグを修正した。 [77] かんたん設定ページの[電話の設定]-[VoIPの設定]-[IP電話サーバの設定] のヤマハ電話帳サーバーの設定画面において、迂回用サーバアドレスを指定 し、かつ、発信時のプレフィックスを空欄のまま指定した場合に、直接ダイ ヤルするようにプレフィックスが設定されてしまい、発信できないようには 設定できなかったバグを修正した。このような場合には、迂回用サーバアド レスを指定していない場合と同様に、発信できないように設定されるように なる。 [78] かんたん設定ページの[詳細設定と情報]-[メールの設定]-[メール通知機能] の設定で、不正アクセス検知情報、または累積課金情報の「通知メールの題 名」を空欄のまま登録しても設定が削除されないバグを修正した。 [79] かんたん設定ページの「IP電話サーバの設定」の「ヤマハ電話帳サーバー の登録」画面において、Q値として小数点以下の先頭に0を含む値を登録した 後に、再び設定画面を開くと、その0の表示が省略されてしまうバグを修正 した。 [80] かんたん設定ページにて、ヤマハ電話帳サーバーへ接続するための設定を 行った時にサーバーでQ値が設定直後に反映されなかったバグを修正した。 [81] かんたん設定ページの[詳細設定と情報]-[IPv6の設定]で、DNSサーバを手 動で設定した状態で、IPv6の設定、または対象プロバイダの設定を削除して も、IPv6 DNSサーバの設定が残ってしまうバグを修正した。 [82] かんたん設定ページから「NTPサーバによる自動調整」の時間を誤って設定 した場合に、スケジュールの設定が削除されてしまうバグを修正した。 [83] かんたん設定ページ 「インターネット電話帳」ページで、電話番号を追加 する際に、「宛先名」に80文字まで入力できないバグを修正した。 [84] かんたん設定ページから「HTTPの利用を許可するホスト」を設定すると、 設定完了画面が途中までしか表示されないバグを修正した。 [85] provider auto connect forced disableコマンドでon/off以外の不正な値 を設定してもエラーにならず、offとして設定されてしまうバグを修正した。 以上