http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/docs/relnote/Rev.07.01/relnote_07_01.08.txt Revision : 07.01.08 Release : Mar 2003, ヤマハ株式会社 RTX1000 Rev.7.01.08 リリースノート ========================================================================== ○ Rev.7.01.05からの変更点 ========================================================================== ■機能追加 [1] IPsecで、ipsec ike remote addressコマンドで相手側セキュリティ・ゲー トウェイを設定する時に、従来のIPアドレスに加えてホスト名でも設定で きるようにした。 [入力形式] ipsec ike remote address GATEWAY_ID GATEWAY no ipsec ike remote address GATEWAY_ID [GATEWAY] [パラメータ] GATEWAY_ID ... セキュリティ・ゲートウェイの識別番号 GATEWAY ... 相手側セキュリティ・ゲートウェイのIPアドレスまたは ホスト名、または'any' [説明] 相手側セキュリティ・ゲートウェイのIPアドレスまたはホスト名を設 定する。ホスト名で設定した場合には、鍵交換の始動時にホスト名か らIP アドレスをDNSにより検索する。そのため、dns serverコマンド などで必ずDNSサーバが設定されていなくてはいけない。 'any'が設定された場合には、相手側セキュリティ・ゲートウェイと して任意のホストからのアクセスを受け付ける。その代わりに、自分 から鍵交換を始動することはできない。'any'はダイヤルアップVPNの サーバ側の場合に利用する。 [2] ネットボランチDNS機能を実装した。 ネットボランチDNSとは、一種のダイナミックDNS機能であり、ルータのIP アドレスをヤマハが運営するネットボランチDNSサーバに希望の名前で登 録することができる。そのため、動的IPアドレス環境でのサーバ公開や拠 点管理などに用いることができる。IPアドレスの登録、更新などの手順に は独自のプロトコルを用いるため、他のダイナミックDNSサービスとの互 換性は無い。 ヤマハが運営するネットボランチDNSサーバは現時点では無料、無保証の 条件で運営されている。利用料金は必要無いが、ネットボランチDNSサー バに対して名前が登録できること、および登録した名前が引けることは保 証できない。また、ネットボランチDNSサーバは予告無く停止することが ある。 ネットボランチDNSには、ホストアドレスサービスと電話番号サービスの2 種類がある。電話番号サービスは、SIPに対応した機種でのみ利用できる が、このリリースにはSIP対応機種は含まれていないので、電話番号サー ビスも利用できない。 ネットボランチDNSでは、個々のRTシリーズ、ネットボランチシリーズルー タをMACアドレスで識別している。そのため、機器の入れ換えなどをした 場合には同じ名前がそのまま利用できる保証は無い。 ○ネットボランチDNSサービスの使用の可否 [入力形式] netvolante-dns use INTERFACE SW no netvolante-dns use INTERFACE SW [パラメータ] INTERFACE ... LANインタフェース名、もしくは'pp' SW ... 'auto'もしくは'off' [説明] IPアドレスが更新された時にネットボランチDNSサーバに自動でIPア ドレスを更新するか否かを設定する。 [デフォルト値] auto ○ネットボランチDNSサーバに手動で更新する [入力形式] netvolante-dns go INTERFACE [パラメータ] INTERFACE ... LANインタフェース名、もしくは'pp' [説明] ネットボランチDNSサーバに手動でIPアドレスを更新する。 ○ネットボランチDNSサーバから削除する [入力形式] netvolante-dns delete go INTERFACE [HOST] [パラメータ] INTERFACE ... LANインタフェース名、もしくは'pp' HOST ... ホスト名 [説明] ネットボランチDNSサーバからIPアドレスを削除する。インタフェー ス名の後にホスト名を指定することで、指定したホスト名のみを削除 できる。 ○ネットボランチDNSサーバに登録済みのホスト名一覧を取得 [入力形式] netvolante-dns get hostname list INTERFACE [パラメータ] INTERFACE ... LANインタフェース名、'pp'もしくは'all' [説明] ネットボランチDNSサーバに登録済みのホスト名一覧を取得し、表示 する。INTERFACEに'all'を指定すると、すべてのインタフェースで登 録したホスト名の一覧を取得できる。 ○ホスト名の登録 [入力形式] netvolante-dns hostname host INTERFACE HOST [duplicate] no netvolante-dns hostname host INTERFACE [HOST [duplicate]] [パラメータ] INTERFACE ... LANインタフェース名、もしくは'pp' HOST ... ホスト名(最大128文字) [説明] ネットボランチDNSサービス(ホストアドレスサービス)で使用するホ スト名を設定する。ネットボランチDNSサーバから取得されるホスト 名は、 『(ホスト名).(サブドメイン).netvolante.jp』 という形になる。(ホスト名)はこのコマンドで設定した名前となり、 (サブドメイン)はネットボランチDNSサーバから割り当てられる。(サ ブドメイン)をユーザが指定することはできない。 このコマンドを一番最初に設定する際は、(ホスト名)部分のみを設定 する。ネットボランチDNSサーバに対しての登録・更新が成功すると、 コマンドが上記の完全なFQDNの形になって保存される。 'duplicate'を付加すると、1台のルータで異なるインタフェースに 同じ名前を登録できる。 [デフォルト値] なし ○ホスト名を自動生成するか否か [入力形式] netvolante-dns auto hostname INTERFACE SW no netvolante-dns auto hostname INTERFACE [SW] [パラメータ] INTERFACE ... LANインタフェース名、もしくは'pp' SW ... on 自動生成する ... off 自動生成しない [説明] ホスト名の自動生成機能を利用するか否かを設定する。自動生成され るホスト名は、 『'y'+(MACアドレス下6桁).auto.netvolante.jp』 という形になる。 このコマンドを'on'に設定して、netvolante-dns goコマンドを実行 すると、ネットボランチDNSサーバから上記のホスト名が割り当てら れる。割り当てられたドメイン名は、show status netvolanteコマン ドで確認することができる。 [デフォルト値] off ○通信タイムアウトの設定 [入力形式] netvolante-dns timeout INTERFACE TIME no netvolante-dns timeout INTERFACE [TIME] [パラメータ] INTERFACE ... LANインタフェース名、もしくは'pp' TIME ... タイムアウト時間(1-180) [説明] ネットボランチDNSサーバとの間の通信がタイムアウトするまでの時 間を秒単位で設定する。 [デフォルト値] 30秒 ○ネットボランチDNSサービスで使用するポート番号の設定 [入力形式] netvolante-dns port PORT no netvolante-dns port [PORT] [パラメータ] PORT ... ポート番号(1-65535) [説明] ネットボランチDNSサービスで使用するTCPのポート番号を設定する。 [デフォルト値] 2002 ○ネットボランチDNSサーバの設定 [入力形式] netvolante-dns server SERVER no netvolante-dns server [SERVER] [パラメータ] SERVER ... FQDNもしくはIPアドレス [説明] ネットボランチDNSサーバのホスト名、またはIPアドレスを設定する。 [デフォルト値] netvolante-dns.netvolante.jp ○ネットボランチDNSサービスに関する設定を表示 [入力形式] show status netvolante-dns INTERFACE [パラメータ] INTERFACE ... LANインタフェース名、もしくは'pp' [説明] ダイナミックDNSに関する設定を表示する。 [3] PP ANONYMOUSで着信した時に、相手のユーザ名をSNMPトラップで送信する ようにした。送信するのはプライベートMIBとなる。プライベートMIBにつ いては、以下のURLを参照のこと。 http://www.comm.yamaha.co.jp/RT/docs/mib/ ■仕様変更 [1] ping、tracerouteコマンドで、引数としてホスト名ではなくIPアドレスを 指定された時には、結果を出力する時にもDNSの逆引きを行なわないよう にした。DNSの結果を待つ時間が無くなるため、出力が速くなる。 [2] snmp trap hostコマンドで、複数のホストをトラップ送信先として設定で きるようにした。また、ホスト毎にコミュニティ文字列を変更できるよう にした。 [入力形式] snmp trap host IP-ADDR [COMMUNITY] no snmp trap host IP-ADDR [COMMUNITY] [パラメータ] IP-ADDR ... トラップ送信先のホストのIPアドレス COMMUNITY ... コミュニティ文字列 [説明] SNMPトラップを送信するホストを指定する。コマンドを複数設定する ことで、複数のホストを同時に指定できる。トラップ送信時のコミュ ニティ文字列にはこのコマンドの設定値が用いられるが、省略されて いる場合にはsnmp trap communityコマンドの設定値が用いられる。 [3] ネットワークバックアップの切り替えと切り戻しのタイミングでSNMPトラッ プを送信するようにした。 [4] show status pptpコマンドで暗号化(MPPE)に関する状態も表示するように した。 [5] IPマスカレードではなく、NATを利用している時にNATされたパケットに対 するICMP エラーを正しく変換できるようにした。 [6] ipsec ike payload typeコマンドを拡張し、IPsecのアグレッシブモード で一部の機器と接続できるようにした。 [入力形式] ipsec ike payload type GATEWAY TYPE [パラメータ] GATEWAY ... セキュリティゲートウェイの識別子 TYPE ... メッセージのフォーマット - 1 ... ヤマハルータのリリース2との互換性を保持する - 2 ... ヤマハルータのリリース3に合わせる - 3 ... 初期ベクトル(IV)の生成方法を一部の実装に合わせる [説明] IKEのメッセージのフォーマットを調整する。 [デフォルト値] 2 [7] TCPのデフォルトMSSを512から1460に変更した。 ■バグ修正 [1] MMIで以下の修正を行なった。 - 英語のエラーメッセージのスペルミスを訂正した。 - pp bindコマンドで最大番号のトンネルをバインドすると、show config コマンドでの表示が間違ったものになり、設定も保存できないバグを修 正した。 - ip tunnel secure filterコマンドでフィルタセットの名前を指定した ときに、show configコマンドで設定が正しく表示されず、設定を保存 できないバグを修正した。 [2] show status ospf virtual-linkコマンドで表示される、バーチャルリン クのトランジットエリアの値が間違っているのを修正した。表示だけの間 違いであり、動作には影響はない。 [3] OSPFで、同じ外部経路の削除と追加が連続して起こった時に、外部経路 の追加が正しく処理されずに経路を他のルータに広告できないことがある バグを修正した。 [4] OSPFで、外部経路を削除する処理の中でまれに不正なメモリアクセスが 発生し、リブートなど動作が不安定になることがあるバグを修正した。 [5] 静的経路をOSPFで広告する設定の時に、hide指定した静的経路が無効な 時でも広告してしまう時があるバグを修正した。 [6] ISDNであるPP向きの静的経路をOSPFで広告する設定の時に、ISDNが一度 接続してその後切断されると、hide指定されていない静的経路でもOSPFで 広告されなくなってしまうバグを修正した。 [7] show ip routeコマンドの表示と異なる経路が発生して、IPパケットを正 しくルーティングしないことがあるのを修正した。 Rev.7.00.19でエンバグ。 [8] IPv4で大量の経路が一度に消滅するとルータがハングアップするのを修正 した。 [9] ip INTERFACE tcp mss limitコマンドによるMSSの書き換えで、フラグメ ントされたパケットを書き換えていたバグを修正した。 [10] RTX1000のファストパスで、IPマスカレードでのPPTPパススルーが正しく 動作していないバグを修正した。 [11] RTX1000のファストパスで、すでにRT上に存在するARPエントリのMACアド レスが書き換えられた場合に、そのARPエントリのIPアドレスとの通信が できなくなるバグを修正した。 [12] ISDNでMPを利用する場合で、トラフィックが減って2B接続から1B接続の状 態になると、その後トラフィックが増えても2B接続にならないバグを修正 した。 [13] 複数のバックアップコマンドで、バックアップ先インタフェースとして同 一のPPインタフェースを指定するとルータがハングアップしてしまうバグ を修正した。 [14] IPマスカレードと静的NATを併用する場合で、複数の連続するアドレスに 対する静的NATを一つのnat descriptor staticコマンドで設定しようとす ると、連続する外側アドレスのうち2番目のアドレスがIPマスカレードの 外側アドレスとして使われてしまい、対応する静的NATのエントリが生成 されないバグを修正した。 [15] PPTPで高負荷のデータ転送を行っているとCCPの再交渉が繰り返し行われ、 通信が先に進まなくなるバグを修正した。 [16] PPTP用のPPに対してshow status ppコマンドを実行すると、相手のホス ト名が正しく表示されないことがあるバグを修正した。 [17] IPv6の動的フィルタが動作しているときに、フラグメントされたICMPが通 過しないことがあるのを修正した。 [18] IPsecで、ESPのカプセル化(ESP over UDP)を設定しているときに、IKEキー プアライブ機能が動作しないバグを修正した。 [19] IKEで、AHのSAを作成するときに認証アルゴリズム(Authentication Algorithm)の属性を通知しないバグを修正した。ヤマハルータ間の接続で は問題はないが、RFC2407に違反しているため、他社製品と接続できない ことがある。 [20] IKEキープアライブ機能で、セキュリティゲートウェイの識別子とトンネ ルインタフェースの番号が一致していないときにトンネルインタフェース の障害を検出できないバグを修正した。具体的な現象としては、トンネル バックアップ機能で、バックアップに切り替わらないという問題になる。 両者の番号を揃えて設定することで回避できる。 [21] LANインタフェースに向いたIPsecトンネルでIPCOMPを設定していると大 きなサイズのパケットが通らないバグを修正した。 [22] RTX1000のファストパスで、38バイト以下のIPパケットをIPsecで処理す る時にESP HMACの認証データに間違ったデータを付けてしまい、通信でき なくなるというバグを修正した。 [23] IKEで、SAを更新するタイミングによって、IKEキープアライブでトンネ ルの障害を検出できなくなることがあるのを修正した。 [24] RTX1000のファストパスで、PPPoEの場合のshow status ppコマンドやPP インタフェースのMIBの送受信データ量が正しくカウントされないバグを 修正した。 [25] 以下の条件の時に、VRRPの状態不一致が発生し通信できなくなるバグを修 正した。 ・2台のルータでVRRPを組んでいる。 ・VRRPのシャットダウントリガは何も指定していない。 ・それぞれのルータのWAN側(具体的なインタフェースはLAN、PP、TUNNEL のいずれでも構わない)では、lan/pp/tunnel backupコマンドによりバッ クアップ先を他方のVRRPルータに指定している。 ・VRRPとしてバックアップルータになっている方のルータで、WAN側イン タフェースでのバックアップ条件が成立し、WAN側がバックアップ状態 になる。 このようになると、VRRPとしてバックアップルータになっている方のルー タがバグによりマスターに状態遷移してしまう。しかし、元々マスターで あった方のルータもやはりマスターであり続けてしまうため、VRRPとして 状態不一致になり、通信できなくなる。 [26] 動的フィルタでFTP、SMTP、netmeetingのいずれかを設定しているときに、 4096バイト以上のデータを持つTCPパケットを受信すると、ルータの動作 が不安定になるバグを修正した。 [27] 不正アクセス検知機能で、SYNフラッディングとポートスキャンが同時に 発生したときに正しく検知できないバグを修正した。 [28] 不正アクセス検知機能でFTPとSMTPの攻撃を検知できないことがあるのを 修正した。実環境で発生する可能性は低い。 [29] RTX1000で、LAN3のリンク状態が正しく認識できないことがあるバグを修 正した。 [30] RTにいったんTELNETでログインし、そこから他のホストへtelnetコマンド により接続した状態で、telnetコマンドにより接続したホストから大量に 出力があると、telnetコマンドを実行しているRTの動作が不安定になるバ グを修正した。 [31] DNSリカーシブサーバ機能で、dns staticコマンドによりCNAMEレコードが 登録されている名前に対するAもしくはAAAAの問い合わせに対して返事を 返せるようにした。ただし、dns staticコマンドによるCNAMEレコードの 登録が機能するのはCNAMEレコードの値(カノニカル名)がやはりdns staticコマンドでAもしくはAAAAレコードとして登録されている場合に限 られる。つまり、dns staticコマンドによるCNAMEでは、dns staticコマ ンドで設定されているAもしくはAAAAレコードに対する別名としてだけ設 定が可能である、ということになる。 なお、CNAMEの結果がまたCNAMEになる形は許されない。 例: dns static cname www.a.jp pc1.a.jp dns static a pc1.a.jp 192.168.0.1 この例では、2行目のAレコードの設定が無いと、たとえ、pc1.a.jpが他の DNSサーバからリカーシブに結果を得られる場合でも、www.a.jpに対するA レコードの問い合わせに返事を返すことができなくなる。 [32] DHCPサーバ機能で、リース期間のタイマがDHCPサーバの設定をしただけ では動作せず、再起動しないと正しく動作しないバグを修正した。 [33] DHCPクライアント機能で、DHCPクライアントとしての設定を行なっただ けでは動作せず、再起動しないと正しく動作しないバグを修正した。