ftp://ftp.rtpro.yamaha.co.jp/pub/rt/relnote/Rev.06.01/relnote_06_01_06.txt Revision : 06.01.06 Release : Apr 2001, ヤマハ株式会社 RT300i/RT140 Rev.6.01.06 リリースノート ========================================================================== ○ Rev.6.00.27からの変更点 ========================================================================== ■機能追加 [1] RT300iで、以下のモジュールに対応した。 - VPNアクセラレータモジュール「YBA-VPN」 YBA-VPNはIPsecに必要な暗号計算をハードウェアで行うためのモジュー ルである。YBA-VPNを装着すると、IPsec通信はハードウェアによる暗号 / 復号化が行われ、パフォーマンスが上がる。また、VPNの同時接続対 地数も500まで増える。 - DSU内蔵8BRIモジュール「YBA-8BRI-U」 YBA-8BRI-Uは、NTT仕様のDSUを内蔵した8BRIモジュールである。 JT-G961回線に直結できるRJ-11モジュラジャックを8個有し、同時に8本 のISDN回線/専用線を収用できる。インタフェース名は、DSUを内蔵しな いS/T点モジュールYBA-8BRI-STと同様、'briX/Y'という形式になる。 [2] RT140に対応した。 - 主な機能追加、変更は以下のとおり: OSPF、VRRP、マルチホーミング、noコマンド - Rev.4からリビジョンアップする時は、内蔵FlashROMに保存された設定 はRev.6.01のものに自動的に変換される。Rev.2、Rev.3からのリビジョ ンアップでは変換できない設定があるため、リビジョンアップ後に設定 を見直す必要がある。 - Rev.4.00.39〜46では、メモリ不足のためRev.6.01にリビジョンアップ できない。そのため、一旦Rev.4.00.47以降にリビジョンアップしてか らRev.6.01にリビジョンアップする必要がある。 [3] VRRPに対応した。詳細は以下のURLを参照のこと http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/docs/vrrp/vrrp.html [4] OSPFで以下の機能拡張を行った - unnumberedリンクに対応した。 - イコールコスト経路に対応した。最大4経路までを扱える。 [5] PPPoE クライアント機能を実装した。 ブロードバンドインタフェース経由のアクセスにおいて、フレッツADSL等 のPPPoEを用いた接続に対応可能となる。例えば、従来のPPへのIPマスカ レード接続の様に、LAN経由でPPPoEサーバ(アクセスコンセントレータ)に PPP接続することでIPアドレスが割り当てられ、その割り当てられたIPア ドレスを外側アドレスとしたIPマスカレード接続により、同時に複数のホ ストが通信可能となる。なお、PPPoEはRFC2516で規定されている。 PPPoEで使用するLANインタフェース [入力形式] pppoe use INTERFACE no pppoe use [INTERFACE] [パラメータ] INTERFACE ... PPPoEで使用するLANインタフェース [説明] 選択されている相手に対して、PPPoEで使用するLANインタフェースを 指定する。設定がない場合は、PPPoEは使われない。 アクセスコンセントレータの名前の指定 [入力形式] pppoe access consentrator NAME no pppoe access consentrator [NAME] [パラメータ] NAME ... アクセスコンセントレータの名前を表す文字列 (7bit US-ASCII、64文字以内) [説明] 選択されている相手についてPPPoEで接続するアクセスコンセントレー タの名前を設定する。接続できるアクセスコンセントレータが複数あ る場合に、どのアクセスコンセントレータに接続するのかを指定する 場合に使用する。 PADIパケットの再送時間の初期値の設定 [入力形式] pppoe padi restart TIME [パラメータ] TIME ... ミリ秒 (20..10000) [説明] PADIパケットの再送時間を設定する。 [デフォルト値] 3000 PADIパケットの最大再送回数の設定 [入力形式] pppoe padi maxretry COUNT [パラメータ] COUNT ... 回数 (1..10) [説明] PADIパケットの最大再送回数を設定する。 [デフォルト値] 5 PADRパケットの再送時間の初期値の設定 [入力形式] pppoe padr restart TIME [パラメータ] TIME ... ミリ秒 (20..10000) [説明] PADRパケットの再送時間を設定する。 [デフォルト値] 3000 PADRパケットの最大再送回数の設定 [入力形式] pppoe padr maxretry COUNT [パラメータ] COUNT ... 回数 (1..10) [説明] PADRパケットの最大再送回数を設定する。 [デフォルト値] 5 PPPoEセッションの自動接続の設定 [入力形式] pppoe auto connnect SW [パラメータ] SW ・on ... 自動接続する ・off ... 自動接続しない [説明] 選択されている相手に対して、PPPoEセッションを自動で接続するか 否かを選択する。 [デフォルト値] on PPPoEセッションの自動切断の設定 [入力形式] pppoe auto disconnnect SW [パラメータ] SW ・on ... 自動切断する ・off ... 自動切断しない [説明] 選択されている相手に対して、PPPoEセッションを自動で切断するか否 かを選択する。 [デフォルト値] on PPPoEセッションの切断タイマの設定 [入力形式] pppoe disconnect time TIME [パラメータ] TIME ・秒数(1..21474836) ・off ... タイマを設定しない [説明] 選択されている相手に対して、タイムアウトによりPPPoEセッション を自動切断する時間を設定する。 [デフォルト値] off TCPパケットのMSSの制限の有無とサイズの指定 [入力形式] pppoe tcp mss limit off pppoe tcp mss limit auto pppoe tcp mss limit LENGTH [パラメータ] off ... MSSを制限しない auto ... MSSをMTUの値に応じて制限する LENGTH 1240 〜1452 ... MSSオプションとして書き換える値 [説明] PPPoEセッション上でTCPパケットのMSSを制限するかどうかを設定する。 [デフォルト値] pppoe tcp mss limit auto [ノート] 1452 = 1492(PPPoEのMTU) - 40(IPヘッダ長+TCPヘッダ長) 1414 = 1454(フレッツ・ADSLで指定可能なMRUの最小値) - 40(IPヘッダ長+TCPヘッダ長) 1240 = 1280(ppp lcp mru で指定可能な最小値) - 40(IPヘッダ長+TCPヘッダ長) autoの場合、"MTUの値 - 40(TCPヘッダサイズ)"を書き換えるべき値 とする。 以下のコマンドは、PPPoEに合わせて仕様が変更となる Maximum Receive Unitオプション使用の設定 [入力形式] ppp lcp mru SW [LENGTH] [パラメータ] SW ・on ... 使用する ・off ... 使用しない LENGTH 1280 〜1792 ... MRU の値 ※従来は1500と1792の2通りの値しか指定できなかった [説明] Maximum-Receive-Unitオプションを使用するか否かを選択する。 [デフォルト値] SW = on LENGTH = 1792 [6] 以下のサービスを停止できるコマンドを新設した。サービスを停止すると、 ポートも閉じる。 echo 7/tcp, 7/udp discard 9/tcp, 9/udp time 37/tcp, 37/udp これは、rdateコマンドで使用している [入力形式] ip simple-service SW no ip simple-service [SW] [パラメータ] SW ... on TCP/UDPの各種サービスを動作させる off サービスを停止させる [説明] TCP/UDPのecho(7)、discard(9)、time(37)の各種サービスを動作させ るかどうかを設定する。サービスを停止すると該当のポートも閉じる。 [デフォルト] on [7] DNSを利用するかどうかを設定するコマンドを新設した。DNSを利用しない 場合には、ポート53/udpが閉じられる。 [入力形式] dns service SERVICE no dns service [SERVICE] [パラメータ] SERVICE ... recusive DNSリカーシブサーバとして動作する off サービスを停止させる [説明] DNSリカーシブサーバとして動作するかどうかを設定する。dns service offと設定すると、DNS的機能は一切動作しない。また、ポー ト53/udpも閉じられる。 [デフォルト] recursive [8] IPsecを利用するかどうかを設定するコマンドを新設した。IPsecを利用し ない場合には、ポート500/udpが閉じられる。 [入力形式] ipsec use SW no ipsec use [SW] [パラメータ] SW ... on IPsecを使用する off IPsecを使用しない [説明] IPsecを使用するかどうかを設定する。 [デフォルト] on [9] TELNETサーバのアクセス制限機能を追加した。 telnetサーバ機能のON/OFF設定 [入力形式] telnetd service SERVICE [パラメータ] SERVICE ... on telnetサーバ機能を有効にする off telnetサーバ機能を停止させる [説明] telnetサーバ機能を有効にするか否かを選択する。 [デフォルト値] on telnetサーバ機能のポート設定 [入力形式] telnetd listen PORT [パラメータ] PORT ... 1-65535 telnetサーバ機能の待ち受けポート番号 [説明] telnetサーバ機能のポート番号を選択する。 [ノート] 通常、TELNETサーバはTCPの23番ポートで待ち受けしているが、この コマンドにより待ち受けポートを変更することができる。ただし、待 ち受けポートを変更した場合には、ポート番号が23番でなくても TELNETプロトコルのネゴシエーションが行なえるtelnetクライアント を用いる必要がある。 [デフォルト値] 23 telnetサーバへアクセスできるホストのIPアドレスを設定する。 [入力形式] telnetd host IP_RANGE [IP_RANGE...] [パラメータ] IP_RANGE ... telnetサーバへアクセスを許可するホストのIPアドレ ス範囲のリスト ・1個のIPアドレスまたは間にハイフン(-)をはさんだIPアド レス(範囲指定)、及びこれらを任意に並べたもの ・any すべてのホストからのアクセスを許可する。 ・none すべてのホストからのアクセスを禁止する。 [説明] telnetサーバへアクセスできるホストのIPアドレスを設定する。 [デフォルト値] any [10] PPPをpassive openする機能を追加した。 [入力形式] ppp lcp silent SW [パラメータ] SW ... on PPP/LCPで、回線接続直後のConfigure-Requestの 送信を、相手からConfigure-Requestを受信するま で遅らせる off PPP/LCPで、回線接続直後にConfigure-Requestを 送信する [説明] PPP/LCPで、回線接続後Configure-Requestをすぐに送信するか、ある いは相手からConfigure-Requestを受信するまで遅らせるかを設定す る。通常は回線接続直後にConfigure-Requestを送信して構わないが、 接続相手によってはこれを遅らせた方がよいものがある。 [デフォルト] off [11] フィルタ型経路で、フィルタのpass/restrict/reject指定が働くようにした。 ・passの場合は経路を選択する ・rejectの場合は経路を選択しない ・restrictの場合、経路のインタフェースがPPであればPPの接続状況に応 じて経路を選択する。インタフェースがPPでない場合にはpassとして働 く ■仕様変更 [1] 以下のサービス向けのポートを、必要ない時には閉じるようにした。 67/udp dhcp serviceコマンドが設定されていない時 69/udp tftp hostコマンドが設定されていない時 161/udp snmp hostコマンドが設定されていない時 520/udp rip use onの設定でない時 1645/udp raduis authコマンドとradius accountコマンドがともに 設定されていない時 [2] LANインタフェースのリンクが落ちている時には、そのインタフェースの implicit経路を消すようにした。その場合でもインタフェース自身に付与 されたIPアドレスは有効であり、ping等には返事を返すことができる。 [3] PPPで、1500よりも小さな値をMRUとして要求された場合に、その要求値を 受け入れるようにした。 [4] PPP での相手MRUのネゴシエーション結果をMTUに反映するようにした。 ・"ip pp mtu X"(X == デフォルト値)と設定されている場合 ネゴシエーションにより決定された相手MRUをそのPPインタフェースで のMTUとして使用する ・"ip pp mtu X"(X != デフォルト値)と設定されている場合 XをそのPPインタフェースでのMTUとして使用する [5] IPマスカレードの設定をしている時に、外側アドレス宛のパケットを受信 したが、該当する変換テーブルが存在しなかった時には、従来はパケット を変換せずに内側に転送していたのを、パケットを破棄するようにした。 ■バグ修正 [1] RIPで、経路がうまく切り替わらないことがあるのを修正した。 [2] ip routing on, bridge use on の場合でもマルチキャストパケットがブ リッジされていたのを修正した。 [3] MMIの修正 - isdn piafs call 64k guaranteeコマンドがshow configで表示されない - dns serviceコマンドのオンラインヘルプ [4] RIP2のデフォルト送出先アドレスを、ブロードキャストアドレスからマル チキャストアドレスに変更した。ip INTERFACE rip send on version 2 コマンドでマルチキャストアドレス宛の指定が可能となる。 [5] 大量(1000以上)の動的経路を保持している時に、clear ip dynamic routingコマンドを発行して経路を消そうとするとその後の動作が不安定 になるのを修正した。 ■付記 機能追加[6]〜[9]および仕様変更[1]により、ルータ自身をポートスキャンさ れてもどのポートも空いていないような設定にすることが可能となる。そのた めの設定は以下の通り: ip simple-service off dns service off ipsec use off telnetd service off no dhcp service no tftp host no snmp host no rip ues no radius auth no radius account -- 2001年10月18日追記 -- ■機能追加 [12] PIAFS 2.2に対応した。