Revision : 03.03.34 Release : Aug 1999, ヤマハ株式会社 RTA50i Rev.3.03.34 リリースノート ========================================================================== ○ 追記 (1999年10月21日) ========================================================================== Rev.3.03.28でβ版としてリリースされたPIAFS 64kbit/sモードの対応は、本リ リースにおいて良好に動作することが確認できたので、Rev.3.03.34を正式版の リリースとして扱うことにする。 ========================================================================== ○ Rev.3.03.29からの変更点 ========================================================================== ■機能追加 [1] i・ナンバーサービスに対応した。 ○i・ナンバーサービスのポート番号とアナログポートの対応付け [入力形式] analog arrive inumber-port PORT all analog arrive inumber-port PORT none analog arrive inumber-port PORT INUM_PORT [INUM_PORT] [パラメータ] PORT ... アナログポートの番号 (1, 2, 3) INUM_PORT ... i・ナンバーサービスのポート番号 (1, 2) [説明] i・ナンバーサービスで網から送られるポート番号を、RTA50iのアナログ ポートに対応付ける。対応付けたポート番号が送られてきたら、そのアナ ログポートが着信を受ける。'all'を設定したときには、どのポート番号 が送られてきても着信を受ける。'none'を設定したときには、どのポート 番号が送られてきても着信を受けない。 [デフォルト値] i・ナンバーサービスのポート番号と同じ番号のアナログポートが着信を 受ける。 ○アナログポートからの設定 [機能番号] 81 [設定動作] 「オフフック」 「*」「#」「8」「1」 「ポート番号(1/2/3/*)」 「i・ナンバーサービスのポート番号(0/1/2/*)(複数可)」 「#」 「オンフック」 なお、i・ナンバーサービスのポート番号として「*」を押すと、コマンド の'all'の意味となる。同様に「0」はコマンドの'none'の意味となる。 ○かんたん設定 「電話設定」の「オプション設定」の項目で設定する。 [2] かんたん設定に複数プロバイダ選択機能を追加した。この機能は、以下の2つ からなる。 ・メール専用プロバイダ選択 メール専用のプロバイダとそれ以外のプロバイダを区別して登録し、それぞ れに対して独立にアクセスする。 ・コンピュータ(IPアドレス)毎のプロバイダ選択 各コンピュータ(IPアドレス)毎にプロバイダを区別して登録し、それぞれが 独立にアクセスする。ただし、同時に接続できるプロバイダは2個所に限ら れる。 なお、本機能のために ・フィルタ番号の50〜79 ・dns server selectコマンドのDNSサーバ選択テーブルの番号20〜49 が予約されるため、ユーザは、これら番号を使用してはならない。 [3] フィルタ型ルーティング機能を実装した。経路を設定するためのコマンドとし て、ip routeコマンドとip route deleteコマンドが追加される。なお、従来 のip (lan/pp) route addコマンドとip (lan/pp) route deleteコマンドも利 用することができる。ip (lan/pp) route addコマンドは、自動的にip route コマンドに変換される。 ○IPの静的経路情報の追加 [入力形式] ip route DESTINATION gateway GATEWAY [filter FNUM...] [metric METRIC] [hide]... [パラメータ] DESTINATION = IP_ADDRESS[/MASKLEN] or 'default' GATEWAY = IP_ADDRESS, 'pp PP_NUM', 'name NAME'   [説明] IPの静的経路情報を追加する。 ○IPの静的経路情報の削除 [入力形式] ip route delete DESTINATION [パラメータ] DESTINATION = IP-ADDRESS[/MASKLEN] or 'default'   [説明] IPの静的経路情報を削除する。 [4] DNSに関して2つの機能を追加した。 ○DNS問い合わせの内容に応じたDNSサーバの選択 [入力形式] dns server select ID SERVER [TYPE] QUERY [ORIGINAL-SENDER] dns server select ID pp PP_NUM [DEFAULT-SERVER] [TYPE] QUERY [ORIGINAL-SENDER] dns server select delete ID [パラメータ] ID ... DNSサーバ選択テーブルの番号 SERVER ... DNSサーバのIPアドレス PP_NUM ... IPCPにより接続相手から通知されるDNSサーバを使う場合の接 続相手先番号 DEFAULT-SERVER ... PP_NUMで指定した接続相手からDNSサーバを獲得でき なかったときに使うDNSサーバのIPアドレス TYPE ... DNSレコードタイプ a、ptr、mx、ns、cname、anyを取る。省略したときは'a'となる。 'any'を選択した場合にはすべてのタイプにマッチする。 QUERY ... DNS問い合わせの内容 - TYPEがa、mx、ns、cnameの場合 QUERYはドメイン名を表す文字列であり、後方一致とする。例え ば、"yamaha.co.jp"であれば、comm.yamaha.co.jp、 rtpro.yamaha.co.jpなどにマッチする。 - TYPEがptrの場合 QUERYはIPアドレス(IP_ADDRESS[/MASKLEN])であり、MASKLENを 省略したときはIPアドレスにのみマッチし、MASKLENを指定した ときはネットワークアドレスに含まれるすべてのIPアドレスに マッチする。DNS問い合わせに含まれる.in-addr.arpaドメイン で記述されたFQDNは、IPアドレスへ変換された後に比較される。 ORIGINAL-SENDER ... DNS問い合わせの送信元のIPアドレスの範囲 [説明] DNS問い合わせの解決を依頼するDNSサーバとして、DNS問い合わせの内容 およびDNS問い合わせの送信元とDNSサーバとの組合せを複数登録しておき、 DNS問い合わせに応じてその組合せから適切なDNSサーバを選択できるよう にする。テーブルは若番から検索され、DNS問い合わせの内容にQUERYがマ ッチしたらそのDNSサーバを用いてDNS問い合わせを解決しようとする。一 度マッチしたら、それ以降のテーブルは検索しない。すべてのテーブルを 検索してマッチするものがないときは、dns serverコマンドで指定された DNSサーバを用いる。 ○静的DNSレコードの登録 ルータに静的にDNSレコードを登録し、それに対する問い合わせには上位のDNS サーバに問い合わせないで、ルータ自身が返事を返すようにする。 [入力形式] ip host FQDN VALUE ip host delete FQDN dns static TYPE NAME VALUE dns static delete TYPE NAME [パラメータ] TYPE ... 名前のタイプ a、ptr、mx、ns、cname NAME、VALUE ... DNSテーブルの中身、タイプによって以下のように意味 が異なる - a NAMEはFQDN、VALUEはIPアドレス - ptr NAMEはIPアドレス、VALUEはFQDN - mx/ns/cname NAME、VALUEともにFQDN [説明] 静的なDNSレコードを定義する。ip hostコマンドは、dns staticコマンド でaとptrを両方設定することを簡略化したものである。 [ノート] 問い合わせに対して返されるDNSレコードは以下のような特徴を持つ。 - TTLフィールドには1がセットされる - Answerセクションに回答となるDNSレコードが1つセットされるだけで、 Authority/AdditionalセクションにはDNSレコードがセットされない - MXレコードのpreferenceフィールドは0にセットされる ○静的DNSレコードの表示 [コマンド形式] show ip host show dns static [パラメータ] なし [説明] 静的なDNSレコードを表示する。 ■仕様変更 [1] isdn callback response time 1bコマンドの設定が、ヤマハ方式のコールバッ クのみでなく、MSCBCP方式でも有効になるようにした。ただし、この設定は、 MSCBCPのクライアントに対して、サーバ側の待ち時間として提案されるのみで あり、実際の待ち時間はクライアントが通知してくる値に従う。 [2] IPマスカレード機能について、以下の仕様変更を行った。 ・外向きのポート番号として従来は機器全体で最大4096個まで使用できたが、 PPインタフェースごとに最大4096個まで使えるように変更した。 ・IPマスカレードの使用時にも、tracerouteを使用できるようにした。 ・内側のホストが外側へpingを実行したときに、従来は返りのICMP Echo Replyを、IPマスカレード変換テーブルに存在するすべてのホストへ送信し ていたが、pingを実行したホストに対してのみ送信するように変更した。 [3] 同じ相手に対して連続して認証に失敗すると、その後、その相手に対する発呼 動作を行わないようにした。発呼動作をブロックするまでの回数はコマンドに より設定できる。また、発呼動作のブロックは、以下のコマンドを実行すると 解除される。 pp auth accept / pp auth requst / pp auth myname / pp auth username / pp auth clear myname / pp auth delete username ○ 同じ相手に対して連続して認証に失敗できる回数の設定 [入力形式] isdn call prohibit auth-error count off isdn call prohibit auth-error count COUNT [パラメータ] off ... 連続した認証の失敗が発生しても発呼を続ける COUNT ... 1-21474836。連続して認証に失敗できる回数 [説明] 連続して認証に失敗できる回数を設定する。ここで設定した回数だけ連続 して認証に失敗したときには、その後は、同じ相手に対して発呼しない。 なお、以下のコマンドを実行すると、再び発呼が可能となる。 pp auth accept / pp auth requst / pp auth myname / pp auth username / pp auth clear myname / pp auth delete username [デフォルト値] 5 [4] Directed broadcastパケットをフィルタリングできるようにした。 ○ Directed broadcastパケットのフィルタリング [入力形式] ip filter directed-broadcast SW [パラメータ] SW on ... Direted broadcastパケットを通さない off ... Direted broadcastパケットを通す [説明] 終点アドレスがDireted broadcastアドレスになっているIPパケットを、 ルータがつながっているネットワークにブロードキャストするか否かを設 定する。設定が'on'の場合には、ブロードキャストしない。 [ノート] いわゆるsmurf攻撃を防止するためにはこの設定を'on'にしておく。 [デフォルト値] off [5] DNSリカーシブサーバ機能で、IPCPのMS拡張によって相手からDNSサーバを割り 当ててもらうために発呼する場合に、それをログに記録するようにした。この 設定は、dns serverコマンドと、dns server selectコマンドで、DNSサーバと してPP番号を指定している場合に有効となる。 [6] アナログの着呼で、発番号非通知理由が通知されたら、それをログに表示する ようにした。 ・サービス提供不可のため通知不可 "InComing Call from *** [Service unavailable(0)] as TEL" ・ユーザ拒否のため通知不可 "InComing Call from *** [Rejected by user(1)] as TEL" ・サービス競合のため通知不可 "InComing Call from *** [Interaction with other services(2)] as TEL" ・公衆電話発信のため通知不可 "InComing Call from *** [Coin line(3)] as TEL" [7] IPマスカレードで、外側からIPマスカレードを代表するIPアドレスに対してパ ケットが送信されてきたときに、エントリが変換テーブルにないために変換で きないならば、パケットを破棄するようにした。従来はIPアドレスを変換しな いで処理していた。 [8] ブロードキャスト宛に来たTCPパケットを処理しないようにした。 [9] 擬似フレックスホン及び内線と外線の三者通話で、保留音を送出するようにし た。 [10] かんたん設定で登録できるフィルタの最大数を増やした。 [11] PAPで、相手から受信したPAP AuthAck/Nakにmsglenフィールドがないときに、 このフィールドが0であるものと見なして動作を続けるようにした。 ■バグ修正 [1] MS Callbackに応答して発信したときに、show status ppコマンドの表示が 「発信側」ではなく「着信側」となり、MPで接続できないバグを修正した。 [2] anonymousで着信した相手に対してMSコールバックする設定で、MPを使って2B 目の発信を行うとリブートするのを修正した。 [3] TAモードで、PIAFSの着信に対して応答してしまうバグを修正した。 [4] 一部のプロバイダに接続したときに、メール着信確認機能が正常に動作しなか ったバグを修正した。 [5] TAモードでMacintosh端末と接続し、MP接続用に用意されたCCLファイルを用い てOpenTransportを利用すると、ファイル転送に失敗することがあるのを修正 した。 [6] DNSサーバの設定が間違っているなどの理由により、DNSの問い合わせが失敗す ると、その後の動作が不安定になることがあるのを修正した。 [7] NATやIPマスカレードの設定されたインタフェースに、ICMPを送信しようとす るとリブートすることがあるのを修正した。 [8] かんたん設定に関して、以下のバグを修正した。 ・ブラウザから再読み込みを繰り返すとリブートすることがあったのを修正し た。 ・再起動時や、時刻の変更時などに、切断タイマのスケジュールが消えてしま うことがあるのを修正した。 ・プロバイダを再登録したときに、切断タイマのスケジュールが消えないのを を修正した。 ・ネットワーク型接続を設定したときに、フィルタが自動設定されるため、 NTPによる時刻調節ができなかったのを修正した。 ・着信ベル、識別着信、フッキングタイマ、着信転送を正しく設定できないこ とがあるのを修正した。 ・ネットワーク型接続を設定した後で設定内容を変更すると、端末型接続に移 行してしまうバグを修正した。 ・フィルタの設定をした後に、リブートすることがあるのを修正した。 [9] 同時に2対地に接続しているときに、3対地目への接続要求がキューに保存され ないバグを修正した。 [10] PIAFSで、一部のPIAFS端末と接続できないのを修正した。 [11] show isdn remoteコマンドで、PIAFSの設定内容が正しく表示されないバグを 修正した。 [12] PIAFSで、64kbit/s通信モードで着信したときに、発番号を示すログが正しく 出力されないことがあるのを修正した。 [13] PIAFSで「ビットずれあり」で同期しているときに、スループットが低くなる バグを修正した。Rev.3.03.28でエンバグしている。 [14] 擬似LANで接続しているときに、DNSサーバのアドレスを相手に渡すことがで きないバグを修正した。 [15] show environmentコマンドで出力される「S/T switch」の内容が、実際とは 反対になるバグを修正した。 [16] isdn call prohibit timeコマンドで、設定できるパラメータの下限が仕様と 異なっていたのを修正し、下限を60秒とした。 [17] anonymousで、PIAFSの64kbit/sモードの着信を受け付けないバグを修正した。 [18] 着信を受けたときに受話器を上げずに放置すると、一定時間後に切断してし まうことがあるのを修正した。