Revision : 09.01.41 Release : Feb. 2009, ヤマハ株式会社 RT58i Rev.9.01.41 リリースノート ========================================================================== ○ Rev.9.01.36 からの変更点 ========================================================================== ■機能追加 [1] HTTPリビジョンアップを定期的に実行する機能を追加した。 HTTPリビジョンアップの実行は、http revision-up goコマンドにより行われますが、 このコマンドはRev.8.03系以降のファームウェアではschedule atコマンドで定期的 に実行することができないようになっています。schedule atコマンドでは、多数あ るルータのリビジョンアップ試行の時間をばらつかせるなどの運用ができないためで す。 そこで、schedule atコマンドの代わりに、定期的にHTTPリビジョンアップを試行す ることができるコマンドを追加しました。 また、本機能でHTTPリビジョンアップを試行する際には以下のINFOレベルのSYSLOGを 出力します。 [HTTP REVUP] http revision up started by schedule ○リビジョンアップ実行のスケジュール [書式] http revision-up schedule PERIOD TIME1 TIME2 no http revision-up schedule [PERIOD TIME1 TIME2] [設定値] ファームウェアのリビジョンアップを試みるスケジュールを設定する。 以下の書き方が可能。 PERIOD … daily 毎日 weekly DAY 毎週 DAYは曜日を表す文字列で、以下のいずれか sun, mon, tue, wed, thu, fri, sat monthly DATE 毎月 DATEは1〜31の数字で月内の日を表す TIME1,TIME2 … リビジョンアップを試みる時間帯を設定する。 TIME1、TIME2は24時間制で、HH:MM形式で指定する。 [説明] ファームウェアのリビジョンアップを試みるスケジュールを設定する。 PERIODではリビジョンアップを試みる間隔を指定する。毎日、毎週、毎月の指定 をそれぞれ、daily、weekly、monthlyで指定する。weekly、monthlyの場合はそ れぞれ曜日、日の指定が必要になる。 monthlyの場合で、指定した日がその月に存在しない場合には、その月にはリビ ジョンアップは試みられない。たとえば、'monthly 31'と指定した場合、31日が 存在しない2月、4月、6月、9月、11月にはリビジョンアップは試みられない。 TIME1、TIME2ではリビジョンアップを試みる時間帯を設定する。TIME1で指定し た時刻からTIME2で指定した時刻の間のランダムな時刻に1 回だけ、リビジョン アップを試みる。そこでリビジョンアップできなかった場合には、次の日/週/月 までリビジョンアップは行われない。 TIME1で指定した時刻がTIME2で指定した時刻より遅い場合には、TIME2は翌日の 時刻と解釈される。 http revision-up permitコマンドでHTTPリビジョンアップを許可されていない ときは、ファームウェアのリビジョンアップは行わない。 http revision-down permitコマンドでリビジョンダウンが許可されている場合 は、WEBサーバにおいてあるファームウェアが現在のファームウェアよりも古い リビジョンであってもファームウェアの書き換えを行う。 なお、WEBサーバにおいてあるファームウェアが現在のファームウェアと同一リ ビジョンの場合には、ファームウェアの書き換えは行わない。 [設定例] http revision-up schedule daily 23:00 02:00 # 毎日、23時から翌日2時までの間 http revision-up schedule weekly sun 12:00 13:00 # 日曜日の昼12時から13時までの間 http revision-up schedule monthly 1 23:00 0:00 # 毎月1日の23時から24時までの間 [2] VoIP機能において、SIPサーバ経由での発信時に、*など番号以外をダイヤルした場合 に発信できないようにする機能を追加した。 ○SIPサーバへの発信に番号以外を使えないように制限する設定 [書式] sip server dial number-only server=N SW no sip server dial number-only server=N [SW] [設定値] SW on ... 制限する off ... 制限しない [説明] SIPサーバ経由でのVoIP発信時に*など番号以外をダイヤルして発信しようとした 場合に番号が正しくないとして発信しないように制限する。 [初期値] off [3] 送信するSIPパケットにUser-Agentヘッダを付加できるようにするコマンドを新設し た。 ○送信するSIPパケットにUser-Agentヘッダを付加する設定 [書式] sip user agent SW [User-Agent] no sip user agent [設定値] SW on ... 付加する off ... 付加しない User-Agent ... ヘッダに記述する文字列 [説明] 送信するSIPパケットにUser-Agentヘッダを付加することができる。 付加する文字列は、User-Agentパラメータにて設定することが可能であるが、64 文字以内でAscii文字のみ設定可能である。 [初期値] off [4] VoIP機能において、着信時にセッションタイマーの更新を行うリクエストをINVITEに 制限できるようにした。 ○着信時のセッションタイマーのリクエストを設定 [書式] sip arrive session timer method METHOD no sip arrive session timer method [METHOD] [設定値] METHOD auto ... 自動的に判断する invite ... INVITEのみを使用する [説明] 着信時にセッションタイマー機能で使用するリクエストを設定する。 autoに設定した場合にはUPDATE,INVITEともに使用でき、発信側またはサーバで UPDATEに対応していればUPDATEを使用する。 inviteに設定した場合には、発信側またはサーバでUPDATEに対応していてもこれ を使用せずに動作する。 UPDATEのみを使用する設定はできない。 また、サーバ毎に設定することできないため、全ての着信でこの設定が有効とな る。 発信の場合は、sip server session timer または sip session timerのupdate オプションで設定できる。 [初期値] auto [5] インタフェースに複数のグローバルIPv6アドレスが設定されているときの、始点IPv6 選択規則を設定するコマンドを新設した。 従来は、このコマンドで'lifetime'と設定したときと同じ動作をしていたが、本来は 'prefix'と同じ動作をするべきであった。 ○インタフェースに複数のグローバルIPv6アドレスが設定されているときの始点IPv6 の選択規則の設定 [書式] ipv6 source address selection rule RULE no ipv6 source address selection rule [RULE] [設定値] RULE prefix ... プレフィクスの最長一致 lifetime ... 寿命の長いほうを優先 [説明] 始点IPv6アドレスを選択する規則を設定する。 'prefix'を設定した場合には、終点IPv6アドレスと候補を選択して、先頭から一 致している部分(プレフィクス)がもっとも長いものを始点アドレスとして選択す る。 'lifetime'を設定した場合には、IPv6アドレスの寿命が長いものを優先して選択 する。 [ノート] 通常は'prefix'を設定しておけばいいが、アドレスリナンバリングが発生すると きには、'lifetime'の設定が有効な場合がある。 [初期値] prefix [6] IPv6で、RAによりインタフェースに自動的に設定されるIPv6アドレスの数を最大16に 制限するようにした。 また、最大数を変更することができるコマンドを新設した。 ○自動的に設定されるIPv6アドレスの最大数 [書式] ipv6 max auto address MAX no ipv6 max auto address [MAX] [設定値] MAX ... 自動的に設定されるIPv6アドレスの1インタフェースあたりの最大数 (1〜256) [説明] RAによりインタフェースに自動的に設定されるIPv6アドレスの1インタフェース あたりの最大数を設定する。 [初期値] 16 ■仕様変更 [1] SIPのREGISTERリクエストにおいて、CSeqの値を全てのSIPサーバ設定で共通して使っ ていたのを各設定毎に値を持つように変更した。 [2] SIPのsession-timer機能において、相手機器とのやり取りの中でSession-Expiresヘ ッダに値があればセッションタイマを起動するようにしていたが、Supportedヘッダ またはRequireヘッダにtimerが記述されていなければ起動しないように変更した。 [3] RIP強制経路広告機能で、強制的に広告する経路は、RIPフィルターの設定にかかわら ず常に広告するように動作を変更した。 [4] LANインタフェースのアドレスが変更されたときには、そのLANインタフェースで記憶 しているARP情報を消去するようにした。LANインタフェースのアドレスを変更すると きに、不要なARP情報が残ることによるトラブルを排除する。 [5] IPv6 LANノーマルパスのスループットを改善した ■ バグ修正 [1] 過電流からの復旧時にUSBボタンを2回押すと給電されてしまうバグを修正した。 [2] ARP情報が変わってもパケットの送信先が最大30秒程度変わらないことがあるバグを 修正した。 [3] 多数の相手先に対してランダムに発着信を行うと、不特定の相手先とその後通信がで きなくなることがあるバグを修正した。 [4] RIPよりもプリファレンス値の低い他のプロトコル(静的経路含む)からとRIPからとで 同じネットワーク宛の経路をほぼ同時に受信したときに、ごくまれにshow ip route コマンドでは経路がRIPによるものと表示されるのに、show ip rip tableコマンドで は経路が"other protocol"と表示され、その後RIPからの経路の受信が無くなっても 経路が消えなくなることがあるバグを修正した。 [5] DHCP serverでdhcp scope bindコマンド用いて、あらかじめ予約されているIPアドレ スに対するイーサネットアドレスを変更したときに、変更内容がDHCP relay-agent に反映されないバグを修正した。 変更内容が反映されないと、DHCP relay-agentにおいてdhcp-bind型もしくは dhcp-not-bind型のethernet filterが正しく動作しない。 [6] DHCPでアドレスをリース延長し続けるとリブートすることがあるバグを修正した。 クライアントからのメッセージにホストネームオプションがあった場合に発生してい た。 [7] 以下のIPオプションを持つルーター宛のパケットを受信したときに、不要なログが表 示されるバグを修正した。 ・レコードルート ・タイムスタンプ [8] IPv6 RAプロキシ機能で、上位ルーターから受信したRAのなかに未対応オプションが 含まれていると、それが中継されないバグを修正した。 また、上位ルーターから受信したRAに複数のプレフィクスが含まれていても、そのう ちの一つしか中継されないバグを修正した。 [9] リモートセットアップを着信したとき、再送制御方式に関するログが間違って表示さ れることがあるバグを修正した。 [10] 専用線接続でリモートセットアップを実行したとき、接続中にも関わらず、show status remote setupコマンドの「最近の接続」には "まだ接続はありません"と表示 されてしまうバグを修正した。 [11] NTTが提供するISDN回線の付加サービスである着信転送機能で、着信を着信転送でき なかったときにTELポートで着信を受けると、show status analog コマンドで表示さ れる発信側の電話番号に着信転送先の番号が表示されるバグを修正した。 [12] UPnP機能を使用していてUPnP用のNATエントリが作成されると、そのエントリを削除 するときにメモリリークが発生し、これが繰り返されるとMalloc Faultによりリブー トするバグを修正した。 [13] VoIP機能において、インターネット電話帳を使った発信を行なったときに、INVITE のContactヘッダのユーザ名部分がanalog sip call mynameで設定されたユーザ名に なっていないバグを修正した。 SIPサーバーを利用した通話には影響しない。また、通話自体にも影響しない。 [14] CATV型接続のときにVoIP通話において、自分折り返し通話をアナログ子機で行なう と無音になるバグを修正した。 SIP-NAT機能において、外側から内側へのSIPパケットについて、SDPのc=行のアドレ ス変換を追加した。 [15] マルチキャスト機能において、複数のソースアドレスを含んでいるQueryを受信する と、1つ目のアドレスしかチェックしないようになっていたため、260秒後に2つ目以 降のアドレスを消去してしまっていたバグを修正した。 [16] PPTPのサーバー側にてMSCHAPまたはMSCHAP-V2で認証を行うときに、パスワードを32 文字以上に設定していて、実際にPPTPクライアント側から32文字以上のパスワードを 受信するとリブートすることがあるバグを修正した。 [17] IPマスカレードが設定されているとPPTPの接続ができないことがあるバグを修正し た。 [18] HTTPリビジョンアップ機能で、HTTPサーバーとの接続に失敗またはHTTPリクエスト の送信に失敗し続けると、"Can't create socket" というログが表示され、その後、 HTTPサーバーに接続できなくなることがあるバグを修正した。 [19] かんたん設定ページにて、[詳細設定と情報]→[基本接続の詳細な設定]→[設定可能 なプロバイダ]で、[リモートアクセス型接続](パスワード認証)を選択し、[RT58iが 行うパスワード認証(pp auth request)] にて任意の認証方法を選んで登録すると、 正しく設定が反映されなかったり、システムが不安定になることがあるバグを修正し た。 [20] かんたん設定ページにて、プロバイダの設定名に33バイト以上の文字列が設定でき てしまうバグを修正した。 対象となるプロバイダ設定は以下。 1. ISDN回線によるネットワーク型LAN間接続 2. 発信者番号認証(発信者番号認証のダイヤルアップサーバ) [21] かんたん設定ページにて、nat descriptor address outerコマンドが設定されてい ない状態で、ネットワーク型プロバイダの設定ページを開くと、リブートすることが あるバグを修正した。 [22] かんたん設定ページにて、メール通知の設定を行う際に、時刻に不正な値を入力し てもエラーメッセージが表示されないバグを修正した。 [23] かんたん設定ページのインターネット電話帳のヘルプ画面において、宛先名の文字 数の上限が、実際に設定可能な文字数の上限と異なって記述されていたのを修正した。 [24] かんたん設定ページにて、「本体の設定」ページで、不正な日付を入力してもエラ ーメッセージが表示されないバグを修正した。 [25] かんたん設定ページにて、「リビジョンアップの実行」ページで、ファームウェア の確認中に「中止」ボタンを押すと、かんたん設定ページからHTTPリビジョンアップ を実行できなくなるバグを修正した。 [26] かんたん設定ページにて、「LANの設定」ページで、DHCPスコープの削除とLAN/WAN ポートの設定が同時にできないバグを修正した。 [27] かんたん設定ページにて、「IPv6の設定」ページで、IPv6アドレスが意図した値で 設定されないバグを修正した。 [28] かんたん設定ページの[コマンドの実行]ページから、以下のコマンドが設定できな いバグを修正した。 - dns cache max entry - dns cache use [29] セキュリティクラスの設定によりTELNET/SSH接続が失敗したときのログ表示につい て、正しくIPアドレスが表示されていなかったバグを修正した。 [30] ip lanN address dhcpコマンドを設定しても、コマンドを再設定、または再起動を しないとDNSの名前解決ができないことがあるバグを修正した。 [31] ip filterコマンドで、始点・終点IPアドレスとしてネットマスク付きの形を設定し たときに、ネットマスク長が32の場合だとshow configで表示されたりフラッシュROM に保存されるときにネットマスクが省略されるバグを修正した。 ほとんどの場合で、ip filterコマンドで設定されるフィルターのネットマスク長が 32のときにネットマスクを省略しても同じ意味になるので問題とはならないが、フィ ルターをRIPのフィルターとして使用するときで、rip filter ruleコマンドを with-netmaskと設定している場合には両者で意味が変わってくるため問題となる。 [32] dns server selectコマンドで、入力キーワードが不十分な状態で設定しようとする と、リブートすることがあるバグを修正した。 コマンド入力エラーになったとき、一部のエラー内容が間違っていたのを修正した。 [33] dhcp scopeコマンドについて、以下のバグを修正した。 - gateway、expire、maxexpire以降のパラメーターを省略して設定すると、リブー トすることがある。 - exceptオプションで範囲指定のIPアドレスを入力すると、それ以降のキーワード がタブ補完されない。 - gateway、expire、maxexpire以降のパラメーターを省略して設定すると、リブー トすることがあるバグを修正した。 [34] 以下のコマンドで、プロトコル番号に256以上の値を指定してもエラーにならないバ グを修正した。 - nat descriptor timer - nat descriptor masquerade static [35] 以下のコマンドを用いて、ルーターのサーバ機能へアクセスできるホストをIPアド レス (IPv4またはIPv6) の範囲指定で制限したとき、異なるバージョンのIPアドレス を持つホストからはアクセスできてしまうバグを修正した。 ・dns host ・telnetd host ・httpd host ・user attribute host= ・sshd host [36] no nat descriptor timerコマンドのコマンドヘルプの誤記を修正した。 [37] no ip null secure filterコマンドのコマンドヘルプの誤記を修正した。 ・"方向"に、'in'が表示されないようにした。 ■更新履歴 Feb. 2009, Rev.9.01.41 リリース 以上