Revision : 04.07.30 Release : Jun. 2003, ヤマハ株式会社 RT56v Rev.4.07.30 リリースノート ========================================================================== ○ 本ファームウェアの関連情報 ========================================================================== ・本ファームウェアを利用することにより、次のニュースリリースで紹介し たサービスが利用可能になる。 『YAMAHAとフュージョンが法人向IP電話端末で提携』 http://www.yamaha.co.jp/news/2003/03052101.html 設定方法の詳細については、インターネット電話 (VoIP) ソリューション ページ http://NetVolante.jp/voipsolution/index.html の「FUSION IP-Phoneの設定手順」を参照のこと。 ========================================================================== ○ 既知の問題点 ========================================================================== ・FUSION IP-Phoneを経由した通話において、機器間アナログ通話機能を使用 し、FUSION IP-Phone以外(一般固定電話 / 国際電話 / 携帯電話)との通話 を5通話以上同時に行うと、音の途切れや呼の切断などの問題が発生するこ とがある。これを避けるためには、同時通話数を4通話までに制限する必要 がある。 ========================================================================== ○ Rev.4.07.22からの変更点 ========================================================================== ■機能追加 [1] かんたん設定ページに次の新規機能を追加した。 ・IPv6フィルタのページを追加した。 ・NTTのフレッツ・スクウェア、フレッツ・グループアクセスサービスの設 定ページを追加した。 ・PPPoEによる端末型プロバイダ接続の登録の修正に[宛先情報]を追加 ・PPPoEによるネットワーク型LAN間接続の追加 [2] インターネット電話の発信について、以下の新規機能を追加した。 ・ネットボランチ電話番号への発信時のプレフィックスを設定出来るよう にした。 analog extension dial prefix コマンド設定の経路に"netvolante"を選 択できるようにした。 これによりネットボランチ電話番号への発信時のプレフィックスに"##" の他にプレフィックス無しや"2#"〜"9#"を選べるようになる。 ただし、"##"のプレフィックスは設定の有無によらず従来どおりにネッ トボランチ電話番号への発信となる。 プレフィックス無しでネットボランチ電話番号へ発信する場合の設定例 analog extension dial prefix netvolante TEL1ポートからプレフィックス2#でネットボランチ電話番号へ発信する 場合の設定例 analog extension dial prefix port=1 netvolante 2# ・ネットボランチ電話番号への発呼時、ダイヤル番号の一部を着信SIPユー ザ名として指定できるようにした。 従来ネットボランチ電話番号への発呼時、着信SIPユーザ名は固定文字列 "NetVolantePhone"が付与されていた。もしこれ以外のSIPユーザ名を使 いたければ、相手先ごとに電話帳に登録を行う方法があるが、この方法 では登録の手間がかかる。 この設定により相手先SIPユーザ名をダイヤル入力でき、数字で構成され る相手先SIPユーザ名を登録なしに指定してSIP発信ができるようになる。 新規機能[3]の2項目目と組み合せる事により、拠点が増えた場合やダイ ヤルイン番号が増えた場合にも各拠点の設定を追加する必要が無くなる。 ○ネットボランチ電話番号にSIPユーザ名として付与する下位桁数を設定 [入力形式] sip netvolante dial figure FIGURE [パラメータ] ・FIGURE ネットボランチ電話番号にSIPユーザ名として付与する下位からの ダイヤル桁数 (1..20) [説明] ネットボランチ電話番号に、SIPユーザ名として付与する桁数を、下位 からの桁数で指定します [入力例] SIPユーザ名として付与する桁数を4桁で設定 sip netvolante dial figure 4 [デフォルト値] FIGURE=0 [3] インターネット電話の着信について、以下の新規機能を追加した。 ・SIP着信サービスのデフォルト動作を指定できるようにした。 analog sip arrive incoming-signal コマンド設定のSIPユーザ名として "default"を追加し、一致する登録エントリが見つからない場合に "default"指定の動作に従うようにした。 アナログポートにPBXが接続されており、PBダイヤルインサービスを使用 している場合に、着SIPユーザ名とダイヤルイン登録のSIPユーザ名が一 致しない事によってダイヤルイン信号が出力されず、PBXに正しく着信で きない不都合があったが、この機能拡張によりSIPユーザ名が一致しない 場合においても常に設定したダイヤルイン信号が出力される。 TEL1ポートのSIP着信サービスのデフォルト動作をPBダイヤルイン1234と する場合 analog sip arrive incoming-signal 1 1 default pb 1234 ・SIP着信ユーザ名の一部を抽出してダイヤルイン番号としてアナログポー トから送出する機能を追加した。 analog sip arrive incoming-signal コマンド設定のSIPユーザ名として "lastdigit"を追加し、ダイヤルイン番号として抽出する桁数を下1桁か ら4桁までの範囲(1-4)で設定する。 アナログポートにPBX等が接続されており、ダイヤルインサービスを使用 している場合に、この機能追加によってすべてのユーザ名を登録しなく ても、着信したSIPユーザ名からダイヤルイン番号を取り出すことができ るため、個別に着信サービスを登録する手間が省ける。 TEL1ポートのSIP着信時にユーザ名の下位4桁をPBダイヤルインとする場合 analog sip arrive incoming-signal 1 1 lastdigit pb 4 ■仕様変更 [1] インタネット電話機能について、以下の仕様変更を行った。 ・インターネット電話でダイヤルのプレフィックス設定をアナログポート 毎に設定できるようにした。この設定は機器間アナログ通話全体の設定 (アナログ親機のanalog extension dial prefixでの設定)に優先して使 用される。 例えば、 analog extension dial prefix line analog extension dial prefix sip 9# analog extension dial prefix port=1 sip となっている場合、TEL1からのプレフィックスなしのダイヤルにおいて は、ポート毎の最終行の設定が優先されるため、インターネット電話帳 を使った発呼となる。TEL1以外からは一般回線への発呼となる。 ○アナログポートからのダイヤル時、特定のプレフィックスによる発呼 経路の設定 [入力形式] analog extension dial prefix [port=PORT] ROUTE [SIP_SERVER_NUM [phone]] [DIAL] [パラメータ] ・PORT TELポートに対して設定する場合のポート番号 ・ROUTE line ... 公衆回線(ISDN/PSTN)でかけるためのプレフィックス 設定 sip ... インターネット電話(SIP)でかけるためのプレフィッ クス設定 ・SIP_SERVER_NUM ... ダイヤルした番号を埋め込むサーバ ・phone ... 宛先のURIにuser=phoneのタグを埋め込む ・DIAL 入力なし ... プレフィックスなし 2#-9# ... 2#, 3#, ... , 9#のプレフィックスに対する設定 [説明] アナログポートからのダイヤル時に、特定のプレフィックスによる発 呼経路を設定する。 プレフィックスが既に他の経路に設定されている場合、新しく設定し た経路が有効となり、以前の経路は削除される。 PORTを設定すると、選択されたTELポートのみに対してプレフィックス と発呼経路の関係が設定される。発呼時には、まずTELポートに対する 設定が優先され、そのプレフィックスに対する設定が存在しない場合 はTELポートが指定されていない設定が使用される。 SIP_SERVER_NUMを設定すると、sip serverコマンドによるサーバ設定 におけるSIP_URIのユーザ名部分をダイヤルした番号に置き換えてSIP の発呼を行う。 phoneを設定すると、宛先のURIにuser=phoneのタグを埋め込んでSIPの 発呼を行う。一般回線に抜ける発呼を行う際に必要に応じて設定する。 [ノート] SIP_SERVER_NUM, phoneはSIPサーバ対応時に有効になるパラメータで ある。 tftpから設定を入力する場合、#がコメント開始を示す記号となってい るため、#の前にエスケープ文字(キャラクターコード0x5c)を入力する 必要がある。 [デフォルト値] (デフォルト値でもconfigには表示する) line sip 9# ○アナログポートからのダイヤル時、特定の発呼経路に割り当てられた プレフィックス設定の削除 [入力形式] analog extension dial prefix delete [port=PORT] ROUTE [SIP_SERVER_NUM] [phone] [パラメータ] ・PORT TELポートに対する設定を削除する場合のポート番号 ・ROUTE line ... 公衆回線(ISDN/PSTN)でかけるためのプレフィックス 設定 sip ... インターネット電話(SIP)でかけるためのプレフィッ クス設定 ・SIP_SERVER_NUM ... サーバ番号 ・phone ... user=phoneのタグが設定されるプレフィックスを示 す [説明] アナログポートからのダイヤル時に、特定の発呼経路に割り当てられ たプレフィックス設定を削除する。 PORTを設定すると、選択されたTELポートに対するプレフィックスと発 呼経路の関係のみが削除される。 [デフォルト値] なし ・設定したSIPユーザ名以外での着信を許可しない設定で、自分のユーザ名 として登録していないSIPユーザ名での着信があった場合、 404 Not Foundレスポンスを返すように変更した。通信記録については変 更ない。 ・IPv6アドレスによるインターネット電話において、リンクローカルアド レスおよびサイトローカルアドレスで利用できるように変更した。 [2] dns server selectコマンドで、SERVERとしてIPアドレスを設定する場合 省略可能なパラメータとしてセカンダリサーバのIPも入力できるようにし た。 [入力形式] dns server select ID SERVER [SERVER] [TYPE] query [ORIGINAL-SENDER] [restrict pp CONNECTION-PP] 問い合わせ時、プライマリサーバで解決できなければ続いてセカンダリ サーバに問い合わせを行う。 [3] 自分宛のパケットに対するICMPエラーの始点IPアドレスに、受信したパ ケットの終点IPアドレスを使うように変更した。従来はICMPエラーパケ ットを送出するインタフェースのIPアドレスを利用していた。 [4] DirectX 9.0対応としてUPnPのGetStatusInfoアクションに対応した。 ■バグ修正 [1] メール転送を繰り返しているとシステムがハングアップするバグを修正 した。 [2] TFTPに関連する以下のコマンドのclearが実行できないバグを修正した。 analog local address (ポート番号) clear analog supplementary-service call-deflection address (ポート番号) clear isdn-dcp local address (番号) clear [3] 接続時間制限/発信回数制限により発信できなくなった後の show status ppの表示に誤りがあるバグを修正した。 [4] DNSリカーシブサーバ機能で、dns staticコマンドによりCNAMEレコード が登録されている名前に対するAもしくはAAAAの問い合わせに対して返事 を返せるようにした。ただし、dns staticコマンドによるCNAMEレコード の登録が機能するのはCNAMEレコードの値(カノニカル名)がやはり dns staticコマンドでAもしくはAAAAレコードとして登録されている場合 に限られる。つまり、dns staticコマンドによるCNAMEでは、dns static コマンドで設定されているAもしくはAAAAレコードに対する別名としてだ け設定が可能である、ということになる。 なお、CNAMEの結果がまたCNAMEになる形は許されない。 例: dns static cname www.a.jp pc1.a.jp dns static a pc1.a.jp 192.168.0.1 この例では、2行目のAレコードの設定が無いと、たとえ、pc1.a.jpが他 のDNSサーバからリカーシブに結果を得られる場合でも、www.a.jpに対す るAレコードの問い合わせに返事を返すことができなくなる。 [5] かんたん設定ページに関係する以下のバグを修正した。 ・「"」「&」「<」「>」を含んだ文字列が正しく表示されないバグを修正 した。 ・プロバイダ接続管理画面から3セッション目を手動で接続しようとしたと きに、接続状態が「切断」になっているにも関わらず、画面の表示のリ ロードを繰り返すバグを修正した。また、切断コード853(PPPoE同時接続 数オーバー)を追加した。 ・PPPoE端末型の設定をして切断後、IPv6 DHCP6の設定を追加すると、シス テムを再起動しないとDHCP6が動作しないバグを修正した。 ・PPTP-RAS接続の[登録の修正]から「接続先のホスト名またはIPアドレス」 を16文字以上の文字列に変更できないバグを修正した。 ・静的フィルタのプロトコルに"icmp-nd"を入力すると設定ページに表示さ れないバグを修正した。 また、ヘルプの[静的フィルタの定義方法]と[ニーモニック表]に "icmp-nd"プロトコルの説明を追加した。 ・プロバイダに接続した状態でPPTP-RAS接続の設定を削除しようとしたと きに表示される警告ページの OK ボタンを押したときのリンク先の間違 いを修正した。 [6] インターネット電話機能に関する以下のバグを修正した。 ・SIP端末でない相手にTCPでSIPの発信を繰り返すとリブートするバグを修 正した。 ・インターネット電話で7通話目の着信を受けると正しくないsyslogが出力 されるバグを修正した。 ・'p'で終わるSIPアドレスの相手からの着信時、SIPナンバー・ディスプレ イが正常に動作せず、「受信エラー」などになってしまうバグを修正し た。 ・インターネット電話帳を使った発呼にプレフィックスなしの設定を行い、 インターネット電話帳に登録された相手から着信があった場合に、ナン バー・ディスプレイに表示される内容がインターネット電話帳の番号の 3桁目からになってしまうバグを修正した。 ・特定のSIPサーバからの着信において、対向が184を付けて発呼された電 話を着呼すると、リブートするバグを修正した。 ・Route setを使用しないSIPサーバを使った時に、ACKリクエストがサーバ を経由してしまうバグを修正した。 ・以下の各コマンドおよび関連するかんたん設定ページの設定画面におい て、ディスプレイ名として許されない文字を入力できないようにした。 analog extension sip address analog sip call display name sip server display name ・analog sip call display nameコマンドで、SHIFT JISの2バイト目に'\' が含まれる漢字を登録した場合、SIPの発呼においてFrom:行に'\'が余分 に含まれたディスプレイ名になるバグを修正した。 [7] analog extension dial prefixの設定において、既存の設定のなかにプ レフィックスが重複するものがある場合でも新しい設定を受け付け、重 複する古い設定は削除されるようにした。 これまでは、入力された新しい設定をエラーとしていたため、例えば analog extension dial prefix line 9# という設定がされている状態で再起動を行うと、この設定が読み込まれ なかった。 [8] ネットボランチDNS機能に関する以下のバグを修正した。 ・ネットボランチDNSサーバに未登録のホスト名をコマンドで設定して更 新を行った場合、「ホストネームエラー」で更新失敗後、すぐに終了 しないバグを修正した。 ・LAN1経由でネットボランチDNSの登録、更新ができないバグを修正した。 [9] 不正アクセス検知機能に関する以下のバグを修正した。 ・SYN FloodingとPort Scanが同時に発生したときに正しく検知できない バグを修正した。 ・不正アクセス検知機能でFTPとSMTPの攻撃を検知できないことがあるバ グを修正した。実環境で発生する可能性は低い。 [10] DHCPで以下を設定後、再起動しないと動作しないバグを修正した。 ・DHCPサーバ機能でのリース期間のタイマ ・DHCPクライアント機能でのアドレス取得 [11] 動的フィルタ機能に関する以下のバグを修正した。 ・動的フィルタでFTP、SMTP、netmeetingのいずれかを設定しているとき に、4096バイト以上のデータを持つTCPパケットを受信すると、ルータ の動作が不安定になるバグを修正した。 ・動的フィルタでTCPアプリケーションを処理するときに、TCPヘッダの offsetフィールドの値が正しくないIPパケットを受信するとルータの動 作が不安定になる可能性があるバグを修正した。 [12] PPTP用のPPにNATを適用すると、そのPP経由の通信ができないバグを修 正した。 [13] PPTPにて過負荷通信時に動作不安定となるバグを修正した。 [14] show status pptpコマンドの表示をさせようとすると、console lines の設定より長い部分の続きが正しい行数で表示されないバグを修正した。 [15] ipv6 addressとipv6 filterコマンドで、長いプレフィクスを入力すると リブートするバグを修正した。 [16] LAN間での片方向だけの通信がある特定の負荷であった場合に、LANの受 信ができなくなるバグを修正した。例えば64byteパケット1500pps - 1000ppsの負荷での発生が確認されている。 [17] DHCPv6で64ビットを超える長さのプレフィックスが割り当てられたとき にルータの動作が不安定になるバグを修正した。 [18] 接続中の内蔵時計の時刻合わせによって接続終了時刻が接続開始時刻よ り前(過去)になった場合、接続時間の計算が正しく行われないバグを修 正した。 このような場合は接続時間を0秒とするようにした。 [19] アナログ通話機能に関する以下のバグを修正した。 ・発呼できない設定になっているTELポートからダイヤルすると、無音に なってしまうバグを修正した。 ・通信前情報通知の各種タイミング・動作をナンバー・ディスプレイを除 いてNTTの技術参考資料に合わせた。 [20] pp auth requestコマンドにてMS-CHAPv1あるいはMS-CHAPv2を指定して 通信を行った後に、同じPPにて認証方式をCHAPあるいはPAPに変更しても、 再起動するまで設定が有効にならないバグを修正した。 [21] PPPoE接続完了直後にPPPパケットを受信すると処理できずに廃棄すること があるバグを修正した。 以上