$Date: 2023/07/06 20:30:27 $
DiffServベースQoS制御設定を行う場合の参考情報です。
QoSの総合的な情報及びBRI/PRI回線インタフェースで優先制御/帯域制御 を行う場合の情報は、 RTシリーズのFAQ / Queue をご参照ください。
LANインタフェースの優先制御については 優先制御のページ を、帯域制御については 帯域制御のページ をご参照ください。
TOSベースQoSについては TOSベースQoSのページ をご参照ください。
機種 | ファームウェア |
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vRX VMware ESXi版 | すべてのリビジョン |
vRX Amazon EC2版 | |
RTX3510 | |
RTX1300 | |
RTX1220 | |
RTX1210 | |
RTX5000 | |
RTX3500 | |
RTX1200 | Rev.10.01.29以降 |
RTX3000 | すべてのリビジョン |
RTX1500 | Rev.8.03.05以降 |
AF | = | Assured Forwarding |
DS | = | Differentiated Services |
DSCP | = | Differentiated Services codepoint |
EF | = | Expedited Forwarding |
PHB | = | Per-Hop Behavior |
TOS | = | Type of Service |
DiffServベースQoSは、入力されたパケットのIPヘッダのDSフィールド中 の6ビットのDSCP値を参照し、DSCP値により定義されるPHBに応じてパケッ トをクラス分けするQoSです。分けられた各クラスはスケジューラで優先 制御もしくはシェーピングやDTCによる帯域制御により利用できます。
DSフィールドは、TOSフィールドがRFC2474で再定義されたものです。
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対応するPHBは以下のRFCの標準PHBに限定し、そのDSCP値はRFCで推奨さ れている値のみを有効とします。つまり、PHB-DSCPのマッピングは固定 であり変更できません。
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上記の標準PHBのクラス分けは基本的にDSCP値の上位3ビットに応じて行 い、TOSベースQoSと下位互換性を持ちます。ただし、EF PHBについては 専用の最優先クラスを割り当てます。その他のDSCP値はdefault PHBと同 じクラス1に割り当てます。PHB-クラスのマッピングは固定であり変更で きません。
具体的には以下の通りです。
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AF PHBでは、各クラスごとにDSCP値の下位3ビットで表される廃棄優先度 に応じてパケットの廃棄処理を行います。具体的には、高:110、中:100、 低:010 のそれぞれの廃棄優先度ごとにパケットをキューに積むことがで きるキューサイズの閾値が決まっています。低の場合は、パケットを追 加しようとするキューのキューサイズがqueue lengthコマンドで設定し たキュー長の100%になっている場合にパケットを廃棄し、中、高の順に 廃棄するキューサイズが小さくなります。
キューサイズの閾値は、キュー長に対する割合(%)として表します。また、 高と中については閾値はqueue lengthコマンドで任意に設定できます。 デフォルトでは中が75%、高が50%となります。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃ クラス キュー ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ キューに積まれるパケット 高、中、低 中、低 低 └──────────┴─────┴─────┘ キューサイズの閾値 50% 75% 100% 廃棄優先度 高 中 低
AF PHBとClass Selector PHBが混在するクラスでは、Class Selector PHB のクラス内での廃棄優先度はAF PHBのlowの場合と同等です。
DiffServベースQoS設定は、クラス分けのためのフィルタを設定する queue class filterコマンドでCLASSパラメータにクラス番号(1-8)の代 わりに"dscp"を設定します。
DiffServベースQoSは、LANインタフェース及びLANインタフェース上に設 定されたPPPoEインタフェースとトンネルインタフェースでのみ機能しま す。
NUM ... | クラスフィルタの識別番号(1〜100) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
CLASS ... | クラス(RTX3510: 1〜250; vRX VMware ESXi版、vRX Amazon EC2版、RTX5000、RTX3500、RTX3000: 1〜100; 他の機種: 1〜16) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
PREC ... | precedence値(0〜7) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
COS ... |
COS値
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
SRC_ADDR ... |
IPパケットの始点アドレス
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DEST_ADDR ... |
IPパケットの終点アドレス
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PROTOCOL ... |
フィルタリングするパケットの種類
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SRC_PORT ... |
UDP、TCPのソースポート番号
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DEST_PORT ... | UDP、TCPのデスティネーションポート番号 |
precedence形式の場合、フィルタに合致したパケットは、そのパケッ トのIPヘッダのprecedence値に応じたクラスに分けられる。
precedence値からクラスへの変換は、mappingオプションにより指定 できる。例えば、以下の例ではprecedence値=1をクラス8に、 precedence値=4をクラス3に変換する。
queue class filter 1 precedence mapping=1:8,4:3 ip *
mappingオプション全体を省略した場合、あるいはmappingオプショ ンは指定しているものの、その中で記述しなかったprecedence値に ついては以下の表のような変換が行われる。
precedence値 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
クラス | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
precedence形式はvRX VMware ESXi版、vRX Amazon EC2版、RTX5000、RTX3510、RTX3500、RTX3000、RTX1500、RTX1300、RTX1220、RTX1210、RTX1200、RTX1100、RTX830、RTX810、FWX120とSRT100で指定可能である。mappingオプションはvRX VMware ESXi版、vRX Amazon EC2版、RTX5000、RTX3510、RTX3500、RTX3000、RTX1300、RTX1220、RTX1210、RTX1200、RTX1100、RTX830、RTX810、FWX120とSRT100で指定可能である。
dscp形式の場合、フィルタに合致したパケットは、そのパケットの IPヘッダのDSCP値に応じたクラスに分けられる。
dscp形式はvRX VMware ESXi版、vRX Amazon EC2版、RTX5000、RTX3510、RTX3500、RTX3000、RTX1500、RTX1300、RTX1220、RTX1210とRTX1200で指定可能である。
COS値の指定を行なうと、フィルタに合致したパケットに付加される IEEE802.1Qタグのuser_priorityフィールドには、指定したCoS 値が 格納される。COSにprecedenceを指定した場合、そのパケットのIPヘッ ダのprecedence値に対応する値がuser_priorityフィールドに格納さ れる。
COS値はvRX VMware ESXi版、vRX Amazon EC2版、RTX5000、RTX3510、RTX3500、RTX3000、RTX1500、RTX1300、RTX1220、RTX1210、RTX1200、RTX1100、RTX830、RTX810、FWX120とSRT100で指定可能である。
パケットフィルタに該当したパケットは、指定したクラスに分類さ れる。このコマンドで設定したフィルタを使用するかどうか、ある いはどのような順番で適用するかは、各インタフェースにおける queue INTERFACE class filter listコマンドで設定する。
INTERFACE ... | LANインタフェース名 | |
LEN1..LENn ... | RTX3510: クラス1からクラス250のキュー長(1..10000) vRX VMware ESXi版、vRX Amazon EC2版、RTX5000、RTX3500、RTX3000: クラス1からクラス100のキュー長(1..10000) 他の機種: クラス1からクラス16のキュー長(1..10000;RTX1500の場合は1..2000) |
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DTHRESHOLD-MID ... | AF PHBの廃棄優先度が中の場合のキューサイズの閾値 (1%..100%、vRX VMware ESXi版、vRX Amazon EC2版、RTX5000、RTX3510、RTX3500、RTX3000、RTX1500、RTX1300、RTX1220、RTX1210とRTX1200で指定可能) | |
DTHRESHOLD-HIGH ... | AF PHBの廃棄優先度が高の場合のキューサイズの閾値 (1%..100%、vRX VMware ESXi版、vRX Amazon EC2版、RTX5000、RTX3510、RTX3500、RTX3000、RTX1500、RTX1300、RTX1220、RTX1210とRTX1200で指定可能) |
DiffServベースQoSの場合、DTHRESHOLD-MID、DTHRESHOLD-HIGHパラ メータで指定した値がAF PHBの廃棄優先度が中と高に対応するキュー に積むことができる閾値となる。閾値は、クラスのキュー長に対す る割合(%)として表す。DTHRESHOLD-HIGHを省略した場合は、 DTHRESHOLD-MIDと同じ値となる。廃棄優先度が低に対応する閾値は 常に100%である。DTHRESHOLD-MID、DTHRESHOLD-HIGHパラメータは、 vRX VMware ESXi版、vRX Amazon EC2版、RTX5000、RTX3510、RTX3500、RTX3000、RTX1500、RTX1300、RTX1220、RTX1210とRTX1200で指定可能である。
queue lan2 type priority | 優先制御を使用します |
speed lan2 3m | 送出帯域を3Mbit/sに制限します |
queue class filter 1 dscp ip * * udp * * | DiffServベースQoSの対象となるパケットのフィルタを定義します |
queue lan2 class filter list 1 | クラス分けフィルタをLAN2に適用します |
PPPoEでカプセル化される前のPPインタフェースでDiffServベースQoSに よるPHB処理を行い、出力直前のLAN2インタフェースのキューで優先制御 を行います。
queue lan2 type priority | 優先キューを使用します |
speed lan2 3m | 送出帯域を3Mbit/sに制限します |
pp select 1 | QoS設定を行なうPPインタフェースを指定します |
pppoe use lan2 | LAN2でPPPoEを使用します |
queue class filter 1 dscp ip * * udp * * | DiffServベースQoSの対象となるパケットのフィルタを定義します |
queue pp class filter list 1 | フィルタをPPインタフェースに適用します |
pp enable 1 |
IPsecでカプセル化される前のトンネルインタフェースでDiffServベース QoSによるPHB処理を行い、出力直前のLAN2インタフェースのキューで優 先制御を行います。
queue lan2 type priority | 優先キューを使用します |
speed lan2 3m | 送出帯域を3Mbit/sに制限します |
tunnel select 1 | QoS設定を行なうトンネルインタフェースを指定します |
queue class filter 1 dscp ip * * udp * * | DiffServベースQoSの対象となるパケットのフィルタを定義します |
queue tunnel class filter list 1 | 暗号化前のトンネルインタフェースに適用します |
ipsec sa policy ..... anti-replay-check=off | 受信時にシーケンス番号のチェックを行ないません |
tunnel enable 1 |
queue lan2 type shaping | 帯域制御キューを使用します |
speed lan2 18m | 送出帯域を18Mbit/sに制限します |
queue lan2 class property 1 bandwidth=1m | クラス1に1Mbit/sを割り当てます |
queue lan2 class property 2 bandwidth=2m | クラス2に2Mbit/sを割り当てます |
queue lan2 class property 3 bandwidth=2m | クラス3に2Mbit/sを割り当てます |
queue lan2 class property 4 bandwidth=2m | クラス4に2Mbit/sを割り当てます |
queue lan2 class property 5 bandwidth=2m | クラス5に2Mbit/sを割り当てます |
queue lan2 class property 6 bandwidth=2m | クラス6に2Mbit/sを割り当てます |
queue lan2 class property 7 bandwidth=2m | クラス7に2Mbit/sを割り当てます |
queue lan2 class property 8 bandwidth=2m | クラス8に2Mbit/sを割り当てます |
queue lan2 class property 9 bandwidth=3m | クラス9に3Mbit/sを割り当てます |
queue class filter 1 dscp ip * * udp * * | DiffServベースQoSの対象となるパケットのフィルタを定義します |
queue lan2 class filter list 1 2 | クラス分けフィルタをLAN2に適用します |