RT100i での NAT, IP Masquerade の実装

RT100i では LAN-PP 間のルーティングに関して、NAT, IP Masquerade が 適用できるようになっています。


NAT

NAT を使用するには、以下のような設定を行います。

	pp select 1
	nat use on
	nat address global GLOBAL_RANGE [GLOBAL[=PRIVATE]...]
	nat address private PRIVATE_RANGE

nat use コマンドは、NAT を使うかどうかを制御します。

nat address globalコマンドは、

nat address privateコマンドは、プライベートアドレスとして 扱う範囲を指定します。

GLOBAL_RANGEPRIVATE_RANGE はそれぞれ IP アドレ スの範囲を表し、最小のアドレスと最大のアドレスをハイフン (-) でつないで 表記します。例えば、192.168.1.1 から 192.168.1.127 までをプライベート アドレスとして取り扱いたければ、以下のように設定します。

	nat address private 192.168.1.1-192.168.1.127

次のように最小と最大を逆に指定してはいけません。

	nat address private 192.168.1.127-192.168.1.1	間違い!!

もし、範囲としてただ一つの IP アドレスだけを指定するのならば、ハイフン を省略して、以下のように書くこともできます。

	nat address private 192.168.1.1

nat address globalコマンドの第二以降の引数における GLOBALPRIVATE はそれぞれ IP アドレスを意味し、 NAT 動作において固定して結びつけるグローバル/プライベートアドレスの組を 指定します。 GLOBALPRIVATEともに、nat address global コマンドの第一引数や、nat address privateコマンドで示される アドレスの範囲内に入っている必要はありません。

nat address globalコマンドを全く省略した時、あるいは グローバルアドレスの範囲としてipcpを指定した時には、 IPCP の IP アドレスオプションで相手から割り当てられた IP アドレスを グローバルアドレスとします。この設定は、IP Masquerade を使用して 端末型ダイヤルアップ接続に接続する時に使います。

nat address privateコマンドの指定を省略した時、あるいは 範囲としてautoを指定した時には、すべての IP アドレスが NAT の対象となるプライベートアドレスであるとして取り扱われます。


IP Masquerade

IP Masqueradeを使用するには、以下のように設定します。

	nat use on
	nat masquerade on
	nat address global GLOBAL_RANGE [GLOBAL[=PRIVATE]...]
	nat address private PRIVATE_RANGE

すなわち、NAT の設定に対して、nat masquerade onを付け加 えるだけです。

IP Masquerade の主目的と思われる、端末型ダイヤルアップ接続にLANを 接続する場合には、nat address {global, private}の設定は不要 でしょう。

もっと細かいことを知りたい方は、 「実装の詳細」へどうぞ。